公開 2025/09/12
Zキャリア編集部
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目次
ひきこもり女性の割合や平均年齢、ひきこもり期間などのデータを紹介してその実態を解説。引きこもりになった原因も掘り下げ、ひきこもりを抜け出して前に進むためのコツも紹介します。
引きこもりといえば男性のイメージが強く、「自分と同じような境遇の引きこもり女性がいるのか」と不安な気持ちになっていませんか。
この記事では、実際の引きこもり女性のデータを紹介し、引きこもりになった理由や原因を探ります。また、「一歩踏み出したいけどどうしたら良いか分からない」という方へ向けて、前に進むためのコツについても紹介します。
この記事を読んで、この状況にあるのは自分だけではないと少し安心できるようになったり、一歩踏み出せるようになったりしたら幸いです。
世間の人々は、ひきこもりの方に対して「怠けている」「甘え」といったイメージをもつ人が多くいます。中には「ひきこもりは若者の問題だ」と考えている人もいるかもしれません。
しかしこれらのイメージは事実と大きく異なります。ひきこもりの方の中でも、好んでその状態でいる方は少数です。多くのひきこもりの方が変わりたいという気持ちをもっています。また、ひきこもりの年齢層は様々で、若者に限った問題では全くありません。
ひきこもりに関する実際のデータを見ながら、ひきこもりの実態について理解を深めていきましょう。現在ひきこもりでこの記事を読んでいる方は、自分と同じ境遇の方について知り、自分の立ち位置の確認をする手段として利用してみてください。
『ひきこもり』の定義として厚生労働省が定めているのは以下の通りです。
「様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)」
定義は以上のようになっていますが、簡潔にまとめると、半年以上社会的な関わりがない人のことです。
実際に内閣府が行うアンケートでは、「自室からほとんど出ない」「自室からは出るが、家からは出ない」「近所のコンビニなどには出かける」「趣味の用事のときだけ外出する」のいずれかを回答し、その状態になって6ヶ月以上経つと回答した人たちを『広義のひきこもり群』と定義しています。
40歳未満(12〜39歳)のひきこもりの年齢は、男女問わず突出して特定の年齢層が多いということはなく、概ね20%前後となっています。(※1)一方で40歳以上(40〜69歳)のひきこもりの年齢は、60代以上が64.5%を占めています。(※1)
また、ひきこもりの方の中の女性の割合は、以下のような結果(※1,※1)となっており、半数に達しないほどの数になっています。
ひきこもりの最終学歴として一番多いのは「高校卒業」です。これは、40歳未満(※1)、40歳以上(※1)の調査ともに同じ結果となっています。
また、就業経験に関しては40歳未満のひきこもりで62.5%(※1)、40歳以上のひきこもりで90.3%(※1)が就業経験ありと回答しています。
このことから、一度職についてからひきこもりになった方が多いことが分かります。
40歳未満のひきこもりがひきこもり始めた年齢で多いのは
となっており、20代から引きこもり始めた方が41.7%ほどいることが分かります。(※1)
40歳以上のひきこもりがひきこもり始めた年齢で多いのは
となっており、60代から引きこもり始めた方が43.2%ほどいることが分かります。(※1)
このことから、40歳未満は就業後、40歳以上は定年後にひきこもりになることが多いことが分かります。
また、ひきこもり始めてからの期間は、40歳未満(※1)、40歳以上(※1)どちらの調査でも約半数が半年〜3年未満だと回答しています。そしてどちらの調査でも次いで多かったのが、3年〜5年未満の約16%という結果でした。
40歳未満のひきこもりの外出頻度は
という結果になっています。(※1)
40歳以上のひきこもりの外出頻度は
という結果になっています。(※1)
このことから、どの年齢層でも外出頻度はほぼ変わらないことが分かります。
ひきこもるようになった理由として一番多いのが「退職したこと」という結果が出ています。
年齢層で大きく異なる結果が出ています。就業経験や、引きこもり始めた年齢と合わせて考えてみても、退職がひきこもりの大きな原因になっていることが分かります。
<40歳未満>ひきこもるようになった理由(※1)
<40歳以上>ひきこもるようになった理由(※1)
以上の結果から、退職以外の理由として、40歳未満では人間関係、40歳以上では健康を害されたことによる理由が多いことが分かります。「退職したこと」の割合に2倍ほどの差があるのも大きな特徴として挙げられ、40代以上では定年退職が大きく影響していると予想できます。
ひきこもることをつらいと感じている人と気楽だと感じている人の差は約3倍も開いています。
「ひきこもることは、あなたにとってつらいことですか、それとも気が楽になることですか」という質問に対して「とてもつらい」「つらい」と回答した方々は62.8%となっています。一方で、「気が楽になる」「とても気が楽になる」と回答した方々は20.8%となっています。
このことから、好んでひきこもっているのではなく、ひきこもることによってつらい思いをしている方が多く存在していることがわかります。(※2)
「現在、就労していない方にお聞きします。あなたは働きたいと思いますか」という質問に対して、ひきこもり女性の63.6%が就労意欲があると回答しています。(※2)
「現在、就労していない⽅にお聞きします。あなたが就労していない理由はなんですか(複数回答)」という質問では以下のような結果が得られました。
こころ・からだの事情などやむを得ない理由も多数となっています。しかしそれらの理由を上回るほど就労する自信がない方が多いという結果になっています。このことから、ひきこもり女性にとって、「働く」ことのハードルが高いことが分かります。(※2)
「あなたにとって理想の働き方はどれですか」という質問に関して以下のような結果が得られました。
また、「働かない」という選択肢がある中で、何らかの方法で働くと回答した女性は90.4%でした。
このことからも、ひきこもり女性の中には動き出すことが難しいものの、就労意欲がある方が多いことが分かります。(※2)
ひきこもり以前から人間関係の構築に自信がなかった、学校や職場などの人間関係を煩わしく感じていたという方もいらっしゃるかもしれません。そのような方にとって、社会とのつながりが必ず発生するひきこもり以外の選択肢が、非常に高いハードルに感じられることがあります。
特に、一度人間関係にトラウマを負ってしまうと、他人の目が怖くなり、知り合いだけでなく街ゆく人からも身を隠したくなり、外出もできなくなってしまうというケースもあります。
人間関係が原因で塞ぎ込んでしまったという過去から、現在においても人間関係を構築することに大きな抵抗を感じ、居場所を作れない方もいらっしゃるかもしれません。
自分を受け入れてくれて、自分も他人を受け入れられる、そんな居場所を探すことをもう諦めたという方もいらっしゃると思います。他の人間との関わりを完全に絶ちたいわけではないのに、怖くて踏み出すことが難しいという状況は、とてももどかしいですよね。
ひきこもりになったことを伝えることが恥ずかしかったり、怖いと感じたりして昔の友人に話しかけにくく感じている方もいらっしゃると思います。特に、友人が社会人だと、自分はお金を稼いでいない・税金を納めていないという後ろめたさや劣等感につながることもあります。そうしているうちに疎遠になってしまうことも少なくありません。
人と話すことは楽しく、ストレス発散にもなる一方で、羞恥心から話しかけづらいという2つの気持ちがせめぎ合ってとても難しいですよね。
厚生労働省の調査によると、企業がフリーターを正社員として採用する際には「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が一番重視されるという結果が出ています。フリーターとひきこもりでは条件が異なると思われるかもしれませんが、企業は「これまでのスキルや経験」よりも「今後の可能性」を見ているということは事実としてあります。
そのため、もしあなたが今、何か少しでも『変わりたい』『何かやってみたい』と思うことが心の中にあるのなら、それは社会でちゃんと評価される価値のある気持ちです。空白期間があるからダメ、ということは決してありません。
「働きたい」という気持ちが重視される一方で、「業務に役立つ職業経験・訓練経験」を重視している企業は15〜34歳以下で19.9%と20%を下回っています。このことから、実務経験やスキルよりも働く意欲があることの方がとても重要だということがわかります。
長い間、社会との関わりがなかったことで、不安を感じるのは当然のことですが、その空白期間は、決してあなたの価値を下げるものではありません。むしろ、その経験を通して、他の人にはない視点や感性を育んできたというメリットもあります。そのため、職歴やスキルがないことを極端に気にする必要はありません。
学歴や経歴を重視する企業は、15〜34歳では7.9%、35〜44歳では8.4%という結果となっています。学歴で判断する企業は9%以下であり、学歴が低いことに引け目を感じすぎる必要はありません。
近年、多くの企業が「学歴フィルター」よりも、個人の人柄やポテンシャルを重視する採用へとシフトしています。もちろん、一部の大企業や老舗企業では今も学歴を重視するところもありますが、それが全てではありません。
大切なのは、自分に合った企業を見つけることです。「学歴がないから」と諦めるのではなく、「自分にはどんな可能性があるだろう?」という視点で、様々な企業に目を向けてみることです。
参照:「平成30年若年者雇用実態調査の概況(14ページ)/厚生労働省」
「働くことが当たり前」「働かない人は怠惰だ」という雰囲気を感じることも多いと思います。保護者や親族などにプレッシャーを与えられた方には、実体験があるかもしれません。
特に日本では「仕事をしなくてはいけない」という意識が強く、座ってレジ打ちをしたり、警察官や消防士の方がコンビニに入るだけでクレームが入るという事例もあります。海外ではもっとゆるく働いているという話を聞いて、「日本はなぜこんなに窮屈なのか」「生きづらい国だな」と考えたことはありませんか。犯罪でもないのに、働かないことが悪いことのように扱われるのは居心地が悪いですよね。
「働くこと=正義」で「働かないこと=悪」ではないという認識に加え、考えるべきは「働くこと=大変なこと」ではないということです。仕事、働くことに対してネガティブなイメージをもち、働くハードルを上げすぎてはいませんか。もちろん働くことは楽なことばかりではありませんが、楽しく感じる瞬間もあります。
エン・ジャパンの調査によると、仕事の中で「やりがい」を感じている人は63%もいます。働くことは大変なことだけでなく、やりがいのある素敵なことだというデータも頭に入れておくと良いかもしれません。
参照:ビジネスパーソン3900人に聞いた「仕事のやりがい」に関する調査|エン・ジャパン
「働いていない」ということに後ろめたさを感じ、それでも動き出せない自分に嫌気がさすこともあると思います。そんな方にとっても働くことはおすすめです。
働き方が豊富になった現代では、単発バイトや内職、期間限定のバイトなど、お試しで働くことができる手段がたくさんあります。まずは単発バイトで週に数時間だけ動き出してみる。それが出来たら自分に対して嫌気がさしていた状態が少しずつ改善されるかもしれません。
一番大切なことは、完璧を目指さないことです。例えば、毎朝8時に起きるという目標を守れなかった日があったとします。そこで守れなかったことに対してひどく落ち込むのではなく、「そんな日もある」と切り替えることが大事です。無理をすることなく、その日の体調や気持ちの浮き沈みに合わせた行動をすることが大切です。
「守れない日もあったけど、先週よりも達成できた日数が増えた!」と前向きに受け取れることを積極的に受け取るようにしましょう。完璧にこなすことができなくても、取り組もうと思った気持ちがとても立派です。
SNSなどを見て友人や同世代の近況を知り、落ち込んでしまったことはないでしょうか。ひきこもっていると、社会や周りの人々がどんどん先に進んでいくように感じられて、自分だけが取り残されたような焦りを感じてしまうのは無理もないことです。特に、心や体が疲れているときほど、人の輝いている部分ばかりが目についてしまうものです。
気にしない、と言葉にするのは簡単ですが、それが非常に難しいですよね。しかし、他人と比較する時間は悲しみや劣等感につながるばかりで良いことは一つもありません。悔しさをバネにして頑張れる、という方以外は、「この時間は無駄だ」と頭の中で一呼吸おいて、自分の好きなことをしましょう。これは現実逃避ではなく、自分の心を守り、消耗したエネルギーを回復させるための大切な時間です。まずは自分を労わり、心の元気を少しでも取り戻すことから始めましょう。
「完璧を目指さない」と同じくらい大切なのは、後退しても自分を責めないということです。順調に進むこともあれば、昨日までできていたことが突然できなくなることも、もちろんあります。それは一度止まってゆっくりすべきサインです。
ここで「やっぱり自分はダメだ」と責めてしまうと、せっかく湧いてきた意欲さえも失いかねません。後退は失敗ではなく、回復への道のりではごく自然なことです。これまでの積み重ねがゼロになったわけでは全くありません。「今日は休みの日」と割り切って、ゆっくり心と体を休ませてあげてください。
目標を立てる際の注意点として、「抽象的にしない」「いきなり大きな目標を立てない」という2点があります。例えば「毎日早起きして家事をする」などです。どんな家事をするのか。家事を全て担うとして、家事と認識していなかったものが突然発生したらどうするのか。今まで毎日やっていなかったことを突然始めて続けられるのか。様々な懸念点が浮かび上がります。
目標を立てるときは「具体的に」「小さく」立てましょう。例えば、「朝起きたらカーテンを必ず開ける」「1日1時間は電子機器から離れて過ごしてみる」などです。初めは小さなことから達成していきましょう。
「外出すること」を目標にしたいときも、「1日1回外に出る」という抽象的なものではなく「外でたんぽぽの写真を撮る」「散歩中の犬と3回すれ違う」「エレベーターに3回乗る」など具体的なものに変えてみると楽しみをもって取り組めるかもしれません。
Zキャリアは、ひきこもりや長い空白期間(ブランク)を経験した方々のための、就労支援サービスです。Zキャリアでは、無理にあなたを社会に押し出そうとはしません。あなたのペースで、あなたのできることから、一緒に未来を探すお手伝いをします。
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就活支援サービスといえば、「興味のない求人をゴリ押ししてくる」「無理やり選考を受けさせられる」というイメージがあるかもしれません。しかしZキャリアでは、将来についての不安や悩みを相談することから始められます。
また、何度かの面談を通して「今はまだそのときではない」と判断していただくことも構いません。共にあなたが納得できる道を探しましょう。
周囲からの「働け」という声に焦っている方もいるかもしれません。しかし、自分が納得したタイミングではなく、他人のタイミングに合わせることは大きな負担に繋がります。特に、精神的にとても落ち込んだタイミングで無理やり動き出すと、その反動でさらに塞ぎ込んでしまうかもしれません。
周囲に言われて、ふと「動いてみよう」と思えた場合は良いきっかけとなりますが、他人の言葉に無理やり動かされる必要はありません。あなたの人生はあなたの選択で動かしてください。
Q
ひきこもり女性の割合や年齢層はどのようになっていますか?
A
ひきこもり全体に占める女性の割合は40%を超えています。40歳未満では20代、40歳以上では60代からひきこもりになる方が多い傾向があります。男性だけの問題ではなく、幅広い年代の女性が当事者となっています。
Q
ひきこもりになる主な原因は何ですか?
A
年代を問わず最も多い原因は「退職したこと」です。特に40歳未満では「人間関係」、40歳以上では「病気」も大きな理由として挙げられます。就業や定年をきっかけに社会との接点を失うことが影響しています。
Q
ひきこもりの女性は、社会復帰や就職を望んでいますか?
A
調査によると、ひきこもり女性の6割以上が就労意欲を持っています。しかし、「就労する自信がない」「心身の不調」といった理由で一歩を踏み出せずにいる方が多いのが現状です。働きたいという気持ちは多くの方が持っています。
Q
ひきこもりから抜け出すために、大切な心構えは何ですか?
A
「完璧を目指さない」「他人と比べない」「後退しても自分を責めない」ことが大切です。まずは「カーテンを開ける」といった具体的で小さな目標から始め、自分のペースで進むことが、自分を好きになるための第一歩です。
Q
スキルや職歴がなくても、就職することは可能ですか?
A
可能です。多くの企業は、職歴やスキル、学歴よりも「働きたい」という意欲や人柄を重視しています。空白期間があることに引け目を感じる必要はなく、あなたの変わりたいという気持ちは社会で評価される価値があります。
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