なぜ就職試験で作文が書かされるの?
「面接だけじゃなくて、なんで作文も書かないといけないの?」 就職活動をしていると、そう思うこともあるかもしれません。
企業が作文試験を行うのには、ちゃんとした理由があります。面接だけでは分からない、あなたの考え方や人柄、文章力などを知りたいと考えているからです。
作文は、自分自身をアピールできるチャンスでもあります。この記事では、高卒の就職活動で役立つ作文の書き方を、例文も交えながら分かりやすく解説していきます。これを読めば、自信を持って作文に取り組めるようになりますよ!
企業は作文のココを見ている!
企業はあなたの作文から、どんなことを知ろうとしているのでしょうか? 主にチェックされているのは、以下の3つのポイントです。
- あなたの人柄や考え方
- きちんと伝える力
- 仕事へのやる気や熱意
それぞれ詳しく見ていきましょう。
あなたの人柄や考え方
作文には、あなたの考え方や価値観、物事に対する姿勢が自然と表れます。
- どんなことに興味を持っているのか
- 困難なことにどう向き合うのか
- 周りの人とどう関わっていくのか
企業は、作文の内容から「自社の雰囲気や仕事に合っているか」「一緒に働きたいと思える人物か」を見ています。飾らず、あなた自身の言葉で正直に書くことが大切です。
きちんと伝える力があるか
仕事では、報告書を作成したり、メールで連絡を取ったりと、文章で何かを伝える場面がたくさんあります。
- 文章の構成は分かりやすいか
- 誤字脱字はないか
- 適切な言葉遣いができているか
作文を通して、基本的な文章作成能力や、自分の考えを論理的に説明する力があるかどうかもチェックされています。
仕事へのやる気や熱意
「この会社で働きたい!」という気持ちや、仕事に対する前向きな姿勢も、作文から伝わってきます。
- なぜこの会社(仕事)を選んだのか
- 将来どんなことに挑戦したいか
- どのように会社に貢献したいか
仕事への意欲や将来性を感じさせる内容は、企業にとって大きな魅力になります。あなたの熱意を作文に乗せて伝えましょう。
まずは基本!作文の書き方ルール
「作文って、何から手をつければいいの?」と不安に思う人もいるかもしれません。ですが、心配いりません! いくつかの基本的なルールと構成のコツを押さえれば、誰でも分かりやすい文章が書けるようになります。

これらのポイントを詳しく見ていきましょう。
構成は「結論→理由→具体例→結論」
作文で一番大切なのは、「何を伝えたいか」が明確であることです。そのためには、書く前に文章全体の構成を考えるのがおすすめです。
- Point(結論):まず、一番伝えたいこと(意見や考え)を書く。
- Reason(理由):なぜそう思うのか、理由を説明する。
- Example(具体例):理由を裏付ける具体的なエピソードや経験談を書く。
- Point(結論):最後にもう一度、伝えたいこと(意見や考え)をまとめて締めくくる。
この順番で書くと、話の流れが分かりやすくなり、読み手に内容がスムーズに伝わります。
原稿用紙の正しい使い方
作文試験では、原稿用紙に手書きで書くことが多いです。基本的な使い方を確認しておきましょう。
- タイトル: 最初の行に、上を2〜3マス空けて書く。
- 名前: タイトルの次の行に、下を1〜2マス空けて書く。名字と名前の間は1マス空ける。
- 本文: 書き始めは1マス空ける。段落を変えるときも、行頭を1マス空ける。
- 句読点(、 。): マス目の右上に書く。行頭に来てしまう場合は、前の行の最後の文字と一緒のマスに入れる。
- カギ括弧(「 」): それぞれ1マス使う。
細かいルールですが、正しく使えると丁寧な印象を与えられます。自信がない場合は、事前に使い方を確認しておくと安心です。
文字数はどれくらい書けばいい?
企業から文字数を指定される場合(例: 800字程度)、最低でも指定文字数の8割以上は埋めるようにしましょう。
文字数が少なすぎると、「意欲が低いのでは?」「内容を深掘りできていないのでは?」と思われてしまう可能性があります。逆に、指定文字数を大幅に超えるのも良くありません。
時間内に適切なボリュームでまとめる練習も大切です。
文末表現は「です・ます」で統一
作文の文末表現は、「です・ます調」または「だ・である調」のどちらかに統一しましょう。高卒の就職試験では、丁寧な印象を与える「です・ます調」で書くのが一般的です。
途中で文末表現が変わってしまうと、読みにくく、まとまりのない文章に見えてしまいます。書き始める前にどちらで書くか決め、最後まで一貫させることが大切です。
よく出るテーマと例文を見てみよう
就職試験の作文では、いくつかの定番テーマがあります。ここでは、よく出題されるテーマと、それぞれの書き方のポイントを例文付きで紹介します。
- これまでの経験について(頑張ったこと、学んだことなど)
- 将来の夢や目標について(入社後の目標、なりたい姿など)
- 社会や仕事について(関心のあること、働くことへの考えなど)
「これまでの経験」について聞かれたら
【テーマ例】
- 高校生活で最も力を入れたこと
- これまでの人生で一番うれしかった(苦労した)経験
- あなたの長所と短所
【書き方のポイント】
経験そのものを説明するだけでなく、その経験を通して「何を学び、どんな力が身についたか」「その学びや力を今後どう活かしたいか」まで書くことが重要です。自己PRにつなげることを意識しましょう。
【例文:高校生活で最も力を入れたこと(部活動)】
私が高校生活で最も力を入れたのは、サッカー部での活動です。
(結論:Point)
入部当初、私のチームはなかなか試合に勝てませんでした。原因は、チーム内でのコミュニケーション不足と、個々の基礎技術の低さにあると考えました。
(理由:Reason)
そこで私は、まず練習前にチームメイトと今日の目標を確認し合うことを提案しました。また、自主練習の時間を増やし、特に苦手なパスの精度を高める努力を続けました。最初はうまくいかないこともありましたが、諦めずに声をかけ合い、練習を重ねるうちに、チーム全体の連携が深まり、個々の技術も向上していきました。その結果、最後の大会では目標としていた県大会出場を果たすことができました。
(具体例:Example)
この経験を通して、目標達成のためには、周りと協力すること、そして地道な努力を継続することが大切だと学びました。貴社に入社後も、この経験で培った協調性と粘り強さを活かし、チームの一員として貢献していきたいと考えています。
(結論:Point)
「将来の夢や目標」について聞かれたら
【テーマ例】
- 10年後の自分
- 働く上で大切にしたいこと
- 当社で挑戦したいこと
【書き方のポイント】
漠然とした夢物語ではなく、「なぜそうなりたいのか」「そのためにどう努力するのか」を具体的に書くことが大切です。企業の事業内容や理念と関連付けて書けると、より説得力が増します。
【例文:10年後の自分】
私の10年後の目標は、貴社の一員として、お客様から信頼される製造技術者になることです。
(結論:Point)
私は幼い頃からモノづくりが好きで、自分の手で何かを作り上げ、それが人の役に立つことに喜びを感じてきました。貴社の「〇〇(企業理念や製品など)」に深く共感し、高品質な製品づくりを通して社会に貢献したいという思いから、貴社を志望いたしました。
(理由:Reason)
入社後は、まず基本的な製造技術や知識を一日も早く習得することに全力を尽くします。先輩方の指導を真摯に受け止め、積極的に質問し、技術を吸収していきたいです。そして、将来的には、ただ作業をこなすだけでなく、常に改善点はないかを探求し、より良い製品を生み出すための提案ができるような技術者になりたいと考えています。10年後には、後輩の指導も任されるような、知識・技術・人間性を兼ね備えた人材へと成長していたいです。
(具体例:Example)
その目標を実現するために、日々の業務に真剣に取り組み、常に学び続ける姿勢を忘れずに努力してまいります。そして、貴社の発展に貢献できる人材になることを目指します。
(結論:Point)
「社会や仕事」について聞かれたら
【テーマ例】
- 最近関心を持ったニュース
- 働くとはどういうことか
- チームワークについて思うこと
【書き方のポイント】
社会的な出来事や働くことに対するあなた自身の考えを述べることが求められます。単にニュースを紹介したり、一般的な意見を述べたりするだけでなく、「自分はどう考えるか」「仕事にどう結びつくか」という視点を入れることが重要です。
【例文:最近関心を持ったニュース(環境問題)】
私が最近関心を持ったニュースは、地球温暖化による異常気象の増加です。
(結論:Point)
テレビやインターネットで、世界各地での豪雨や干ばつの被害を目にするたびに、環境問題の深刻さを痛感します。この問題は、私たちの生活や経済活動と密接に関わっており、未来の世代のためにも、社会全体で取り組むべき重要な課題だと考えます。
(理由:Reason)
私自身も、日々の生活の中で、節電やごみの分別、マイボトルの利用など、できることから環境負荷を減らす努力をしています。また、貴社が積極的に環境保全活動に取り組んでおられることを知り、大変感銘を受けました。企業が率先して環境問題に取り組む姿勢は、社会全体の意識を変える大きな力になると感じています。
(具体例:Example)
働くことは、単に収入を得るだけでなく、社会の一員として責任を果たすことでもあると考えています。貴社に入社できた際には、環境に配慮した製品づくりに携わる一員として、日々の業務を通して環境問題の解決に貢献していきたいです。
(結論:Point)
もっと上手く書くための3つのコツ
基本的な書き方をマスターしたら、次は作文の質をさらに高めるためのコツを押さえましょう。ちょっとした工夫で、あなたの作文がぐっと魅力的になります。

具体的なエピソードを盛り込む
「頑張りました」「努力しました」といった言葉だけでは、あなたの魅力は十分に伝わりません。
- どんな状況で
- どんな目標に対して
- どんな工夫や努力をして
- その結果どうなったか
このように、具体的なエピソードを交えて書くことで、内容に説得力が生まれ、あなたの行動や考え方がより鮮明に伝わります。読み手が情景を思い浮かべられるように、具体的に描写することを意識しましょう。
まずは箇条書きで内容を整理する
いきなり文章を書き始めると、途中で話が脱線したり、言いたいことがうまくまとまらなくなったりすることがあります。
- テーマに対して伝えたいこと(結論)を決める。
- その結論に至った理由を考える。
- 理由を裏付ける具体的なエピソードを思い出す。
- 全体の流れ(構成)を決める。
このように、まずは箇条書きで書きたい要素を洗い出し、構成を組み立ててから文章を書き始めると、スムーズに、そして論理的にまとまった作文を書くことができます。
一文は短く、分かりやすく
一つの文にあれもこれもと情報を詰め込みすぎると、読みにくく、意味が伝わりにくくなってしまいます。
【良くない例】
私が高校生活で最も力を入れたのは、チームの勝利のために、苦手なパス練習を毎日続け、チームメイトとのコミュニケーションを大切にし、その結果県大会に出場できたサッカー部での活動です。
【改善例】
私が高校生活で最も力を入れたのは、サッカー部での活動です。チームの勝利のために、苦手なパス練習を毎日続けました。また、チームメイトとのコミュニケーションも大切にしました。その結果、県大会に出場することができました。
一文を短く区切ることを意識するだけで、文章がすっきりと読みやすくなります。「。」(句点)を適切に使うことを心がけましょう。
ここに注意!作文で失敗しないために
せっかく書いた作文も、ちょっとしたミスで評価を下げてしまうのはもったいないです。ここでは、作文を書く際に特に注意したいポイントを解説します。
- 誤字脱字は絶対チェック!
- テーマからずれた内容は書かない
- 嘘や話を盛りすぎるのはNG
誤字脱字は絶対チェック!
誤字脱字が多いと、「注意力が足りない」「仕事も雑なのでは?」といったマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
書き終わったら、必ず最初から最後まで読み返し、誤字脱字がないかを確認しましょう。
自分で見直すだけでなく、少し時間を置いてから読み返したり、声に出して読んでみたりするのも効果的です。漢字に自信がない場合は、辞書で確認する習慣をつけましょう。
テーマからずれた内容は書かない
企業が設定したテーマには、必ず「知りたいこと」があります。テーマの意図をしっかり理解せず、自分が書きたいことだけを書いてしまうと、「質問の意図を理解していない」「コミュニケーション能力に課題があるかも」と思われかねません。
- 「このテーマで、企業は何を知りたいのだろう?」という視点を持ち、テーマに沿った内容を書くことを意識しましょう。
嘘や話を盛りすぎるのはNG
自分を良く見せたい気持ちは分かりますが、事実と異なることを書いたり、話を大げさに盛ったりするのは絶対にやめましょう。
面接で作文の内容について質問されたときに、矛盾が生じてしまい、かえって信頼を失うことになります。
等身大のあなた自身の経験や考えを、正直に、誠実に伝えることが何よりも大切です。
作文力をアップさせる練習方法
「いきなり本番は不安…」という人は、事前に練習して作文力を高めておきましょう。日頃からできる簡単なトレーニング方法を紹介します。

いろいろな文章を読んでみる
本や新聞記事、Webサイトの記事など、いろいろな文章に触れることは、作文力を向上させるための良いトレーニングになります。
- 「この表現、分かりやすいな」
- 「こんな言葉の使い方があったのか」
と感じた部分を参考にすることで、あなたの文章表現の幅が広がります。語彙力が増えれば、自分の考えをより的確に伝えられるようになりますよ。
実際に時間を計って書いてみる
就職試験の作文は、制限時間が設けられていることがほとんどです。ぶっつけ本番ではなく、事前に時間を計って書く練習をしておきましょう。
過去に出題されたテーマや、想定されるテーマで、実際に原稿用紙に書いてみるのがおすすめです。時間内に指定された文字数でまとめる感覚を掴むことができます。
誰かに読んでもらう
自分で書いた文章は、客観的に見ることが難しいものです。書き上げた作文は、先生や友人、家族など、信頼できる第三者に読んでもらい、感想やアドバイスをもらうと良いでしょう。
- 分かりにくい部分はないか
- 誤字脱字はないか
- 内容がちゃんと伝わっているか
自分では気づかなかった改善点が見つかり、より良い作文にするためのヒントが得られます。
自信を持って就職試験に臨もう!
今回は、高卒の就職活動における作文の書き方について、基本的なルールからテーマ例、上手く書くコツ、注意点、練習方法まで幅広く解説しました。
- 企業は作文から「人柄」「文章力」「意欲」を見ている
- 構成は「結論→理由→具体例→結論」が基本
- 原稿用紙のルールを守り、文字数は8割以上を目指す
- 具体的なエピソードで説得力アップ
- 誤字脱字やテーマずれ、嘘はNG
- 練習と見直しで自信をつける
作文は、あなたという人間を企業に知ってもらうための大切なツールです。難しく考えすぎず、この記事で紹介したポイントを参考に、あなた自身の言葉で、正直な気持ちを伝えることを心がけてください。
しっかりと準備すれば、きっと自信を持って本番に臨めるはずです。応援しています!
作文や就職のことで悩んだら
ここまで作文の書き方について解説してきましたが、いざ一人で就職活動を進めるとなると、不安なことや分からないこともたくさん出てくるかもしれません。
「この書き方で本当に大丈夫かな?」
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