「高校を卒業したら就職したいけど、学校推薦ってよく聞くけど、なんだろう?」
「学校推薦を使うと有利って本当?どんなことに気を付ければいいの?」
高校を卒業して社会に出ることを考えている皆さんの中には、就職活動の方法として「学校推薦」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、高卒での就職活動における「学校推薦」について、その仕組みからメリット、そして利用する上での注意点まで、分かりやすく解説していきます。
学校推薦を上手に活用して、納得のいく就職を実現するための一歩を踏み出しましょう!
高卒の就職「学校推薦」ってどんな制度?
まずは、「学校推薦」がどのような制度なのか、基本的なところから見ていきましょう。難しく考えず、ポイントを押さえていきましょう。
まずはキホン!学校推薦とは
学校推薦とは、かんたんに言うと「高校が企業に対して、『この生徒は真面目で能力もあるので、ぜひ採用を検討してください!』と、自信を持って紹介してくれる制度」のことです。
皆さんが進学で推薦入試を利用するのと同じように、就職活動にも学校からの推薦がある、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
学校が皆さんの普段の頑張りや人柄を見て、「この会社で活躍できそうだ」と判断した場合に、企業へ推薦状などを提出してくれます。
なぜ学校推薦があるの?
では、なぜこのような学校推薦の制度があるのでしょうか?これには、企業側、学校側、そして皆さん(生徒側)それぞれに理由があります。
- 企業側: 高校が推薦する生徒なので、ある程度真面目さや能力に期待でき、採用活動の手間を少し省ける可能性があります。また、学校との良い関係を築きたいという思いもあります。
- 学校側: 生徒一人ひとりの就職をしっかりサポートしたいと考えています。学校推薦は、生徒が希望する企業へ就職するための有力な手段の一つです。
- 生徒側 (皆さん): 自分で一から企業を探すだけでなく、学校という身近な存在からサポートを受けながら就職活動を進めることができます。
このように、関係するみんなにとってメリットがあるため、学校推薦という制度が広く利用されているのです。
自由応募とのちがい
就職活動には、学校推薦のほかに「自由応募」という方法もあります。これは、自分で求人サイトや企業のホームページなどを見て、直接企業に応募する方法です。
学校推薦と自由応募の主な違いを比べてみましょう。

どちらの方法が良いかは、皆さんの状況や考え方によって異なります。学校推薦には学校推薦の、自由応募には自由応募のメリットがあることを理解しておきましょう。
学校推薦の主な種類を知っておこう
一口に学校推薦と言っても、実は求人の種類によって少し違いがあります。ここでは、特に知っておきたい「指定校求人」と「公開求人」について見ていきましょう。
指定校求人とは?
指定校求人とは、企業が「〇〇高校の生徒さん限定で、〇名募集します」というように、特定の学校を指定して出す求人のことです。
長年その高校から採用している実績があったり、特定の学科の生徒を求めていたりする場合に、企業はこの方法を使います。
- 応募者が限られる: その高校の生徒しか応募できないため、一般的な求人より競争相手が少ない傾向があります。
- 校内選考が重要: 企業が指定した人数しか推薦できないため、希望者が多い場合は学校内での選考(校内選考)が行われます。成績や出席状況、面接などで判断されることが多いです。
- 企業との繋がりが深い: 学校と企業の間に信頼関係があることが多く、採用に繋がりやすいと言われることもあります。
指定校求人は、その学校の生徒にとっては有利な条件であることが多いですが、まずは校内選考を通過する必要があります。
公開求人とは?
公開求人とは、指定校求人とは逆に、特定の学校を限定せず、広く多くの高校生に向けて出される求人のことです。ハローワークなどを通じて、どの高校の生徒でも応募することができます。
- 応募者が多い可能性: 多くの高校生が応募できるため、指定校求人に比べて競争率が高くなることがあります。
- 企業の選択肢が広がる: 指定校求人以外の企業も選択肢に入るため、幅広い中から自分に合った企業を探すことができます。
- 校内選考がない場合も: 学校によっては、応募人数の制限がない場合、校内選考なしで応募できることもあります。(ただし、応募前に先生への相談は必要です)
公開求人は選択肢が広がる一方で、多くのライバルがいる可能性も頭に入れておく必要があります。

学校推薦を使うメリットは?
学校推薦を利用することには、いくつかのメリットがあります。上手に活用すれば、就職活動を有利に進められるかもしれません。
就職活動がスムーズに進みやすい
学校推薦を利用する場合、応募書類の提出方法や面接の日程調整などを、学校の先生がサポートしてくれることが多いです。
- 手続きのサポート
- スケジュール管理
- 企業との連携
- 先生からのアドバイス
初めての就職活動で分からないことが多い中でも、学校が間に入ってくれることで、手続き面での不安が減り、選考対策などに集中しやすくなるのは大きなメリットと言えるでしょう。
例えば、求人票の見方や履歴書の書き方、面接練習なども、先生に相談しやすい環境があります。
一般応募より有利になることも
企業は、学校が推薦する生徒に対して、ある程度の信頼を寄せています。「この学校が推薦する生徒なら、きっと真面目に働いてくれるだろう」と考えてくれる場合があるのです。
そのため、自由応募の生徒と全く同じ評価基準ではなく、少し有利に選考が進む可能性があります。
企業によっては、一次面接が免除されたり、特別な選考ルートが用意されていたりすることもあります。
ただし、推薦だからといって必ず合格するわけではありません!油断せずにしっかり準備することが大切ですよ。
もちろん、最終的には面接での受け答えや皆さんの人柄、熱意などが重要になりますが、スタートラインで少し有利になる可能性があるのは、学校推薦の魅力の一つです。
学校推薦を使うときの注意点(デメリット)
メリットがある一方で、学校推薦を利用する際にはいくつか注意しておきたい点もあります。良い面だけでなく、気をつけるべき点もしっかり理解しておきましょう。
必ず合格するわけではない
先ほども少し触れましたが、「学校推薦=100%合格」ではありません。これは非常に重要なポイントなので、絶対に忘れないでください。
企業は、学校からの推薦情報だけでなく、
- 提出された応募書類の内容
- 筆記試験や適性検査の結果
- 面接での皆さんの受け答えや人柄、熱意 などを総合的に見て、採用するかどうかを判断します。
推薦をもらえたからと安心せず、企業研究や面接対策など、自由応募の人と同じように、しっかりと準備を進めることが大切です。「推薦があるから大丈夫だろう」と油断していると、思わぬ結果になってしまうこともあります。
- 面接での受け答えが不十分
- 企業の求める人物像と合わない
- 筆記試験の点数が低い
- 他の応募者の方が優秀だった
- 遅刻やマナー違反があった
内定が出たら基本的に断れない
これも非常に重要な注意点です。学校推薦で応募し、企業から内定(「ぜひうちの会社に来てください」という合格通知)をもらった場合、原則としてその内定を断ることはできません。
これは、高卒の就職活動における「一人一社制」というルールと関係しています。多くの地域では、一定期間(例えば10月まで)は、一人の生徒が一つの企業にしか応募・推薦依頼できない、というルールが設けられています。
もし皆さんが内定を辞退してしまうと、
- 推薦してくれた学校の信用を損なう
- その企業が、来年以降その学校からの推薦を受け付けなくなる
- 後輩たちの就職活動に悪影響が出る といった問題につながる可能性があります。
推薦で応募するということは、それだけの責任が伴うということです。応募する前に、「本当にこの会社で働きたいか」をしっかり考えましょう。
安易な気持ちで複数の企業に推薦を依頼したり、内定後に「やっぱり他の会社がよかった」と考えたりすることがないように、応募する企業は慎重に選びましょう。
校内選考があることを忘れずに
特に「指定校求人」の場合に多いですが、推薦枠(企業が指定した採用人数)に対して希望者が多い場合、学校内で選考が行われます。これを「校内選考」と呼びます。
校内選考の基準は学校によって異なりますが、一般的には以下のような点が考慮されることが多いです。

「この企業の推薦が欲しい!」と思っても、希望すれば必ずもらえるわけではありません。まずは校内選考を通過するために、日頃の学校生活を大切にする必要があります。
推薦をもらうための準備も大切
校内選考を通過し、企業への推薦が決まったとしても、それで終わりではありません。むしろそこからが本番です。
企業での選考(書類選考、筆記試験、面接など)に向けて、しっかりと準備を進める必要があります。
- 企業研究: その会社がどんな事業を行っていて、どんな社風なのかを調べる。
- 自己分析: 自分の長所や短所、なぜその会社で働きたいのかを明確にする。
- 応募書類作成: 履歴書などを丁寧に作成する。
- 筆記試験対策: 一般常識やSPIなどの対策を行う(企業による)。
- 面接対策: 想定される質問への回答を考え、先生などに協力してもらって練習する。
学校推薦はあくまでスタートラインに立つための一つの方法です。最終的に内定を勝ち取るためには、皆さん自身の努力が不可欠なのです。
学校推薦に関するよくあるギモン
ここまで学校推薦の仕組みやメリット・注意点を見てきましたが、まだ疑問に思うこともあるかもしれません。ここでは、よくある質問とその回答をQ&A形式で見ていきましょう。
- Q1. 誰でも推薦ってもらえるの?
- Q2. 成績が良くないとダメ?
- Q3. 推薦でも落ちることってある?
- Q4. 推薦の合格率はどれくらい?
Q1. 学校推薦って誰でももらえるの?
A. 希望すれば誰でももらえる、というわけではありません。
まず、就職を希望している生徒であることが前提です。その上で、先ほど説明した「校内選考」がある場合があります。
人気の企業や推薦枠が少ない求人の場合、希望者の中から学校が選考して推薦者を決定します。
ただし、全ての求人に校内選考があるわけではありません。まずは、進路指導の先生に相談して、自分が希望する企業の推薦状況を確認することが大切です。
Q2. 推薦をもらうには成績が良くないとダメ?
A. 成績が良い方が有利な場合が多いですが、成績だけが全てではありません。
企業によっては、推薦の基準として一定以上の成績(例えば評定平均〇.〇以上など)を求めている場合があります。そのような場合は、当然成績が重要になります。
ですが、成績基準がない企業や、成績以外の要素を重視する企業もたくさんあります。
- 皆勤・精勤などの出席状況
- 部活動での頑張りや実績
- ボランティア活動などの経験
- 真面目さや協調性などの人柄
大切なのは、学校生活全体を通して、真面目にコツコツと努力する姿勢です。成績に自信がなくても、他の面でアピールできることがあれば、推薦をもらえる可能性は十分にあります。諦めずに先生に相談してみましょう。
Q3. 学校推薦で落ちることはある?確率は?
A. 残念ながら、学校推薦でも落ちる(不合格になる)ことはあります。
「推薦=合格確実」ではない、ということは繰り返しお伝えしている通りです。
企業は、学校からの推薦という情報を参考にしつつも、自社の基準でしっかりと選考を行います。面接での印象が悪かったり、筆記試験の点数が基準に満たなかったりすれば、不合格になる可能性はあります。
「合格率はどれくらい?」という質問もよく受けますが、企業や年度によって全く異なるため、一概に「〇%」と言うことはできません。大切なのは、確率を気にすることよりも、自分がやるべき準備をしっかり行うことです。
推薦をもらえたことに感謝しつつも、気を引き締めて選考に臨むようにしましょう。
学校推薦を上手に活用して就職を成功させよう
ここまで、高卒の就職活動における学校推薦について、詳しく見てきました。
学校推薦は、皆さんの就職活動をサポートしてくれる心強い制度ですが、メリットだけでなく注意点もしっかり理解しておくことが大切です。
自分に合う求人かどうかもしっかり考えよう
学校推薦を利用する際に、特に気をつけてほしいのが「推薦枠があるから」「先生に勧められたから」という理由だけで安易に応募先を決めないことです。
その会社が、
- 本当に自分の興味や関心に合っているか?
- どんな仕事内容なのか?
- どんな雰囲気の会社なのか?
- 将来的に自分が成長できそうか?
などを、応募する前によく考えてみましょう。
内定をもらったら基本的に断れないことを考えると、「この会社で頑張りたい!」と心から思える企業を選ぶことが、入社後のミスマッチを防ぎ、長く働き続けるためにも重要になります。
- 仕事内容への興味・関心
- 会社の雰囲気や価値観
- 自分の長所やスキルを活かせるか
- 将来のキャリアプランとの合致
- 勤務地や労働条件
不安なこと、わからないことは相談しよう
初めての就職活動は、分からないことや不安なことがたくさんあって当然です。
学校推薦について、あるいは就職活動全般について疑問や悩みがあれば、一人で抱え込まずに、まずは学校の進路指導の先生や、信頼できる家族に相談してみましょう。
そして、「どの求人を選べばいいか迷う」「自分に合う仕事がわからない」「面接が不安だ」といった悩みがあるなら、就職活動のプロに相談してみるのも一つの方法です。
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