公開 2025/09/01
Zキャリア編集部
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短期離職の経歴を職務経歴書に書くべきか悩んでいませんか?書かない場合のリスクや、採用担当者に好印象を与える書き方のポイントを例文付きで解説します。この記事を読めば、不利になりがちな短期離職を強みに変える方法がわかります。
短期離職の経歴が職務経歴書にあると、選考で不利になるのではないかと不安に思う方は少なくありません。「すぐに辞めてしまうのでは」「忍耐力がないのでは」といったネガティブな印象を与えてしまい、書類選考の通過率が下がるという話を聞いたことがあるかもしれません。特に、転職回数が多い場合や、それぞれの在籍期間が数ヶ月と短い場合には、その不安はさらに大きくなるでしょう。次のキャリアに進みたいという気持ちとは裏腹に、過去の経歴が足かせになってしまうかもしれないというジレンマは、多くの転職者が抱える悩みの一つです。
在籍期間が数ヶ月といった短期離職の場合、その会社で大きな実績やスキルを身につけるのは難しいのが現実です。そのため、職務経歴書に書いてもアピールできるような内容がなく、むしろ「特筆すべき実績なし」と見なされ、かえってマイナス評価に繋がるのではないかと考える人もいるでしょう。アピールポイントにならないどころか、採用担当者に「この期間は何をしていたのだろう?」と疑問を抱かせるだけで、わざわざ書くメリットがないと感じてしまうのも無理はありません。書くべきか、書かざるべきか、判断に迷うポイントです。
一方で、短期離職の経歴を意図的に記載しないことは、経歴詐称にあたるのではないかという強い不安もつきまといます。もし選考が進み、内定が出た後でこの事実が発覚した場合、内定取り消しや、最悪の場合は懲戒解雇といった深刻な事態に発展するリスクもゼロではありません。たとえ書類選考を通過したいという一心であったとしても、嘘をついて内定を勝ち取ることには罪悪感が伴います。自身のキャリアに正直でありたいという気持ちと、選考を有利に進めたいという気持ちの間で、多くの人が葛藤を抱えています。
企業が正社員を一人採用するには、数十万から数百万円ものコストがかかると言われています。これには、求人広告の掲載費用、人材紹介会社への成功報酬、採用担当者の人件費、面接会場の費用などが含まれます。多額の投資をして採用した人材がすぐに辞めてしまうと、これらの採用コストがすべて無駄になってしまいます。さらに、再度採用活動を行うための追加コストも発生します。企業にとって、採用した人材に長く活躍してもらうことは、事業を安定的に成長させる上で極めて重要であり、短期離職は経営的な観点からも大きなリスクなのです。
採用担当者が短期離職の経歴を懸念する最大の理由は、「採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」という定着性への不安です。多くの企業が人手不足に悩んでおり、実際、人手が不足していると感じる企業は2020年代において一貫して60%を超えています。このような状況下で、企業は長く自社に貢献してくれる人材を求めています。短期離職の経験がある応募者に対しては、「何か不満があればすぐに諦めてしまうのではないか」「ストレス耐性が低いのではないか」といった先入観を持たれがちです。そのため、採用担当者は慎重にならざるを得ないのです。
短期離職を繰り返していると、採用担当者は「本人に何か問題があるのではないか」と疑念を抱くことがあります。例えば、「人間関係をうまく構築できない」「仕事に対する責任感や忍耐力に欠ける」「目標達成意欲が低い」といった、個人の資質や性格面での懸念です。もちろん、退職理由が会社側にあるケースも少なくありませんが、書類上だけではその判断がつきません。そのため、客観的な事実である「短期間で辞めた」という経歴から、ネガティブな人物像を想起されてしまう可能性が高くなるのです。
ここまで見てきたように、短期離職の経歴が採用選考において不利に働く可能性は否定できません。採用コストの無駄を避けたい企業側の事情や、応募者の定着性・人物像への懸念から、採用担当者が慎重になるのは自然なことです。そうであるならば、「不利になる情報をわざわざ自分から開示する必要はないのでは?」「書かなければ、少なくとも書類選考は通過しやすくなるかもしれない」と考えてしまうのも無理はないでしょう。しかし、その安易な判断が、後々さらに大きなリスクに繋がる可能性をはらんでいます。次の章では、短期離職歴を書かなかった場合に起こりうる具体的なリスクについて詳しく解説します。
職務経歴書に短期離職の経歴を書かなかった場合、職歴に空白期間が生まれます。面接官はこの空白期間について、「何をしていたのですか?」と質問してくる場合もあるでしょう。その際に、事実と異なる説明をすると、さらに深掘りされた質問に答えられなくなり、話の辻褄が合わなくなってしまいます。例えば「資格の勉強をしていた」と答えたとしても、「具体的にどのような勉強を?」「なぜその資格を?」「結果はどうでしたか?」といった追求に耐えられず、しどろもどろになってしまう可能性があります。面接官に不信感を抱かせ、信頼できない人物だと判断されるリスクが非常に高いのです。
職務経歴書に記載しなかった短期離職の経歴は、リファレンスチェックや社会保険の加入履歴など、客観的な事実確認によって発覚する可能性が高いです。特に近年導入する企業が増えているリファレンスチェックが行われれば、経歴を偽っていることはほぼ間違いなく判明します。意図的に経歴を隠す行為は「経歴詐称」とみなされ、応募者の信頼性を著しく損ないます。その結果、選考プロセスが順調に進んでいたとしても、最終的には不採用となる可能性が極めて高くなります。一時的な有利さを求めて嘘をつくことは、結果的に自身のキャリアに大きな傷をつけることになりかねません。
リファレンスチェックとは、採用候補者の経歴や実績、勤務態度、人柄などについて、前職(または現職)の上司や同僚といった第三者に問い合わせ、確認を行う採用調査のことです。候補者本人の同意を得た上で実施され、主に書類や面接で申告された内容に相違がないか、また、候補者を客観的な視点から評価することを目的としています。質問内容は、在籍期間の確認といった基本的な事実確認から、具体的な仕事への取り組み方、チーム内での役割、コミュニケーション能力、強みや弱みなど、多岐にわたります。
リファレンスチェックは、すべての求人で実施されるわけではありません。一般的に、企業の経営に大きな影響を与える管理職(ミドルレイヤー)や、高度な専門性が求められる専門職、外資系企業などの採用で導入されるケースが多く見られます。これらのポジションでは、採用のミスマッチが企業に与える損失が特に大きいため、より慎重な選考プロセスが求められます。候補者の能力や人物像を多角的に評価し、採用の精度を高めるために、リファレンスチェックが重要な役割を果たしているのです。
リファレンスチェックのプロセスには、前職の企業人事部や上司に連絡を取り、候補者の在籍期間を直接確認する工程が含まれるのが一般的です。これは、職務経歴書に記載された内容の真偽を確かめるための基本的な事実確認です。そのため、たとえ数ヶ月の短い期間であっても、在籍していた事実をごまかすことは極めて困難です。この在籍確認の段階で職務経歴書の記載と相違が見つかれば、経歴詐称を疑われる直接的な原因となります。正直に申告することが、信頼を得るための第一歩と言えるでしょう。
結論から言うと、リファレンスチェックが行われた場合、経歴の嘘が発覚する可能性は非常に高いです。前述の通り、在籍期間の確認は基本的な調査項目であり、前職の企業に問い合わせればすぐに判明します。また、リファレンスチェックだけでなく、雇用保険や社会保険の加入履歴を提出する際に、職務経歴書に記載のない会社名があれば、そこで嘘が露見します。軽い気持ちで隠したつもりが、客観的な証拠によって暴かれてしまうケースは少なくありません。「バレないだろう」と安易に考えるのは非常に危険です。
リファレンスチェックや各種公的書類の確認プロセスにおいて、職務経歴書に記載のない在籍事実が判明した場合、それは単なる記載漏れではなく、意図的な「虚偽表示」、すなわち経歴詐称と判断されます。特に、在籍期間を隠す行為は、採用担当者に「何か都合の悪いことがあるから隠しているのだ」という強い不信感を抱かせます。たとえその会社での経験がアピールにならないと感じていたとしても、事実を偽る行為そのものが、あなたの社会人としての信頼性を根底から揺るがすことになってしまうのです。
経歴詐称が発覚した場合、その応募者を採用するかどうかの最終的な判断は、応募先企業の採用担当者に委ねられます。しかし、ほとんどの場合、信頼関係を築けないと判断され、不採用となるでしょう。採用は、候補者と企業の信頼関係の上に成り立つものです。選考段階で嘘をつくような人物を、入社後に信頼して重要な仕事を任せることはできないと考えるのが自然です。稀に、嘘をついた理由や背景にやむを得ない事情があると判断されるケースもあるかもしれませんが、それに期待するのは現実的ではありません。
これまでの解説の通り、短期離職の経歴を隠すことには、面接での矛盾の露呈、リファレンスチェックによる発覚、そして経歴詐称という重大なリスクが伴います。一時的な選考の有利さを求めて嘘をつく行為は、最終的に自身の信頼を失い、キャリアに大きな傷をつけることになりかねません。したがって、結論としては、たとえ在籍期間が1日であったとしても、在籍した事実は正直に職務経歴書に記載するべきです。リスクを冒して隠すよりも、事実を正直に伝えた上で、いかにしてポジティブな印象に繋げるかを考える方が、はるかに建設的です。
短期離職の事実を正直に書くことは大前提ですが、ただ事実を並べるだけではネガティブな印象を与えかねません。重要なのは、その事実をどう伝えるか、特に「退職理由」の書き方です。退職理由を前向きで、かつ納得感のあるものとして説明できれば、採用担当者の懸念を払拭し、むしろあなたの強みとしてアピールすることも可能です。実際、企業の採用担当者は応募者のポテンシャルを高く評価する傾向にあり、業界・職種未経験者を採用する際に重視するポイントとして、「人柄・社風との相性」が87.1%、「成長意欲」が56.9%と上位を占めています。短期離職という経験から何を学び、次にどう活かしたいのかを明確に伝えることで、あなたの成長意欲や誠実な人柄を示すことができるのです。
参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が最多。評価する能力トップは「コミュニケーション能力」/株式会社学情のプレスリリース」
短期離職の理由を説明する際に最も避けるべきなのは、会社や他人のせいにする他責的な表現です。「給料が安かった」「上司と合わなかった」「聞いていた話と違った」といった不満をそのまま伝えてしまうと、採用担当者には「不満があればまたすぐに辞めるのでは」「環境適応能力が低いのでは」という印象を与えてしまいます。たとえ事実であったとしても、それを客観的な事実として述べ、その経験から何を学び、自身の課題としてどう捉えたか、という視点で語ることが重要です。主体性のある姿勢を示すことで、信頼性が高まります。
たとえ短い期間であっても、その会社で経験した業務から得られた学びや気づきは必ずあるはずです。例えば、「〇〇という業務に携わったことで、△△の重要性を認識した」「短い期間だったが、□□というスキルの一端に触れることができた」など、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。重要なのは、その経験が自分にとってどのような意味を持ち、自己の成長にどう繋がったかを言語化することです。経験の長さではなく、経験から学ぶ姿勢を示すことで、あなたのポテンシャルや学習意欲の高さをアピールすることができます。
過去の経験から得た学びを語るだけでは不十分です。その学びを、応募先企業でどのように活かし、今後どのように成長・貢献していきたいのかという未来志向のビジョンに繋げることが不可欠です。「前職での経験から、〇〇の分野で専門性を高めたいと考えるようになりました。貴社でなら、△△という環境でその目標が実現できると確信しています」といったように、過去・現在・未来を一貫したストーリーとして語りましょう。これにより、単なる反省だけでなく、明確なキャリアプランを持った意欲的な人材であるという印象を与えることができます。
「前職では、求人情報から〇〇という企画業務に強く惹かれ入社いたしましたが、実際の担当業務は△△というルーティンワークが中心でした。この経験を通じ、自身のキャリアプランをより明確にするとともに、入社前の業務内容のすり合わせがいかに重要であるかを痛感いたしました。今後は、これまで培ってきた□□のスキルを活かし、企画立案から実行まで一貫して携われる貴社の業務において、即戦力として貢献したいと考えております。」このように、ミスマッチの事実を述べつつ、そこからの学びと今後の貢献意欲を示すことが大切です。
「前職は、トップダウンで慎重に意思決定を進める文化でした。その中で、私はよりスピード感を持ち、個人の裁量で挑戦できる環境で自身の能力を試したいという思いが強くなりました。この経験から、自身の価値観や志向性と、企業のカルチャーを事前に深く理解することの重要性を学びました。ボトムアップの意見を尊重し、主体性を重んじる貴社の社風の中でこそ、私の強みである〇〇を最大限に発揮し、事業の成長に貢献できると確信しております。」会社の批判ではなく、自身の志向性を軸に語ることがポイントです。
「前職在籍中に体調を崩し、誠に残念ながら治療に専念するため退職いたしました。現在は完治しており、医師からもフルタイムでの就業に全く支障がないとの診断を受けております。療養期間を通じて、日々の自己管理の重要性を改めて痛感いたしました。今後は、より一層心身の健康に留意し、安定して業務に貢献していく所存です。前職で培った〇〇のスキルを活かし、一日も早く貴社の戦力となれるよう尽力いたします。」やむを得ない事情であることを正直に伝え、現在は問題なく働けること、そして自己管理への意識をアピールしましょう。
「前職では〇〇の業務を通じて、社会人としての基礎と△△のスキルを学ばせていただきました。しかし、業務に取り組む中で、より専門性の高い□□の分野への関心が強くなり、本格的に挑戦したいと考えるようになりました。私は自身のキャリアを真剣に考え、□□の分野で貢献できる企業様を探してまいりました。貴社であれば、私の目指すキャリアを実現できると確信しております。」前職への感謝を示しつつ、ポジティブな挑戦意欲を明確に伝えることが重要です。
短期離職の経歴を、職務経歴書や面接でポジティブに伝えるためのポイントを解説してきましたが、自分一人で実践するのは簡単なことではありません。「自分の場合はどう書けばいいのだろう」「面接でうまく話せる自信がない」と不安に感じる方も多いでしょう。そんな時は、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談するのがおすすめです。客観的な視点からあなた自身の経験を棚卸しし、強みやアピールポイントを一緒に見つけ出してくれます。一人で悩み続けるよりも、専門家の力を借りることで、より効果的で戦略的な転職活動を進めることができます。
キャリアアドバイザーは、数多くの転職者を支援してきた実績とノウハウを持っています。そのため、短期離職という経歴を、採用担当者が納得できるような形で職務経歴書に落とし込む方法を熟知しています。あなたの退職理由や今後のキャリアプランを丁寧にヒアリングした上で、説得力のある表現を一緒に考えてくれます。また、面接で想定される厳しい質問に対しても、自信を持って答えられるように具体的なアドバイスや模擬面接などの対策を行ってくれるため、安心して選考に臨むことができます。
自分一人で求人を探す場合、どの企業が短期離職に対して理解があるかを見極めるのは困難です。キャリアアドバイザーは、企業の採用方針や社風、求める人物像といった内部情報にも精通しています。そのため、あなたの経歴やスキル、価値観を理解した上で、短期離職の経歴を不利に捉えず、むしろあなたのポテンシャルを評価してくれるような最適な求人を紹介してくれます。ミスマッチの少ない企業と出会える可能性が高まり、効率的に転職活動を進めることができるのは大きなメリットです。
転職エージェントの利用には費用がかかると思われがちですが、Zキャリアのような多くのエージェントでは、求職者はすべてのサービスを無料で利用できます。これは、転職エージェントが、人材を採用した企業側から成功報酬を受け取るビジネスモデルだからです。キャリアカウンセリングから求人紹介、書類添削、面接対策、さらには給与交渉の代行まで、転職活動に関わるあらゆるサポートを無料で受けられます。費用面の心配なく、プロのサポートを最大限に活用できるため、短期離職に悩む方こそ、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
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