- 留年経験の履歴書への記載方法
- 面接で不利にならない伝え方のコツ
- 留年理由ごとの具体的な説明例文
- 留年の不安を解消するための相談先
留年した場合の履歴書への書き方
留年経験を履歴書にどう書くべきか、具体的な書き方から見ていきましょう。ポイントは以下の通りです。

卒業年月を正直に記載する
履歴書の学歴欄には、入学年月と卒業年月を正直に書くことが基本です。ここで事実と異なる年月を書いてしまうと、学歴詐称と判断されてしまう可能性があります。採用担当者は、入学から卒業までの期間を見れば留年の経験があることを把握できるため、隠さずに正しい情報を記載しましょう。大切なのは、嘘をつかない誠実な姿勢です。
留年の理由はあえて書かない
卒業年月を正直に書く必要はありますが、履歴書に留年の理由は書かなくてOKです。備考欄などに自分から「〇〇が理由で1年間留年しました」のように書く必要はありません。履歴書は、これまでの経歴を簡潔に伝えるための書類です。詳しい事情は、面接で直接聞かれた際に口頭で説明すれば問題ありません。余計な情報を書くよりも、職務経歴や自己PRを充実させることに力を入れましょう。
面接で質問された際にしっかり答える
履歴書に理由は書かない分、面接で聞かれた際にしっかり答えられる準備をしておくことが非常に重要です。採用担当者が知りたいのは「留年の事実」そのものよりも、「その経験から何を学び、どう成長したか」という点です。「なぜ留年したのですか?」という質問は、ピンチではなく、人柄や前向きな姿勢をアピールするチャンスだと捉えましょう。あらかじめ自分の言葉で説明できるように準備しておくことで、自信を持って面接に臨めます。
なぜ留年経験は就職で不利になるの?
そもそも、なぜ留年経験が不利になると思われるのでしょうか。採用担当者が抱く可能性のある懸念について、具体的には以下の点が挙げられます。

計画性に行動できるか
卒業までに必要な単位を計画的に取得できなかった、という見方から、計画性への懸念を持たれる可能性があります。仕事を進める上では、納期から逆算してタスクのスケジュールを立てる能力が求められます。「行き当たりばったりな人なのかな?」「仕事の管理を任せても大丈夫かな?」という不安を与えてしまうことがあるのです。
仕事への意欲はあるか
学業への取り組みが不十分だった、という印象から、学習意欲を疑われることもあります。新しい仕事に就けば、覚えることはたくさんあります。その際に「この人は新しい知識やスキルを積極的に学んでくれるだろうか?」と、仕事へのモチベーションを疑問視されてしまうかもしれません。
自分を律することができるか
留年の理由によっては、自己管理能力への不安を感じさせてしまうケースもあります。例えば、生活リズムの乱れが学業不振に繋がった場合などです。仕事は、日々の体調管理や時間管理といった基本的な自己管理能力の上に成り立っています。そのため、社会人としての基礎的な部分に不安がないか、という視点で見られることがあります。
留年の印象をポジティブに変える伝え方
留年に対するネガティブな印象は、伝え方次第でポジティブなものに変えられます。そのためのポイントは以下の通りです。
- 留年の理由を正直かつ簡潔に説明する
- 留年期間の学びや経験をアピールする
- 反省と仕事への意欲をセットで示す
各項目について、詳しく解説していきます。
留年の理由を正直かつ簡潔に説明する
面接で理由を聞かれたら、理由は正直かつ簡潔に伝えることが鉄則です。嘘をついたり、長々とごまかすような言い訳をしたりするのは絶対にやめましょう。誠実さがないと判断され、かえって印象が悪くなります。病気や家庭の事情など、話しにくい理由の場合は、プライベートな部分に深く踏み込む必要はありません。「病気の療養のため」「家庭の事情で」と、差し支えない範囲で簡潔に伝えれば十分です。
留年期間の学びや経験をアピールする
ただ理由を話すだけでなく、留年中の学びをアピールすることが、印象をプラスに変える鍵です。「留年していた1年間、ただ無駄に過ごしていたわけではない」ということを示しましょう。例えば、アルバイトに打ち込んで接客スキルを磨いた、資格取得の勉強をしていた、など、何かしらの行動があったはずです。その経験を通じて何を得たのか、どんなスキルが身についたのかを具体的に話すことで、留年の期間が成長のための時間であったと伝えることができます。
反省と仕事への意欲をセットで示す
最後に、留年の経験から得た反省と今後の意欲を示すことで、話を前向きに締めくくります。例えば、「計画性の甘さがあったと反省しています。この経験から、目標達成のためには事前の計画が何よりも重要だと学びました。仕事では、常に先を見越して行動することを心がけたいです。」のように伝えます。失敗から学び、次に活かそうとする姿勢は、社会人として非常に重要な素質です。反省点を素直に認め、仕事でどう貢献したいかを伝えることで、成長性をアピールできます。
留年理由別の面接での伝え方例文
ここでは、留年の理由別に、面接での具体的な伝え方の例文を紹介します。自分自身の状況に合わせてアレンジしてみてください。ポイントは以下の通りです。
- 学業不振や単位不足が理由の場合
- 病気や怪我での療養が理由の場合
- 家庭の事情や経済的な理由の場合
各項目について、詳しく見ていきましょう。
学業不振や単位不足が理由の場合
学業不振が理由の場合、反省点を具体的に語ることが大切です。「はい、1年間留年しております。大学時代、特定の専門分野の勉強に夢中になるあまり、他の必修科目の単位取得が疎かになってしまったことが原因です。この経験から、目標達成のためには物事の優先順位をつけ、計画的に取り組むことの重要性を痛感しました。この反省を活かし、仕事では常に全体のスケジュールを意識し、一つひとつの業務を確実に遂行していきたいと考えております。」
病気や怪我での療養が理由の場合
療養が理由の場合は、業務に支障がないことを明確に伝えましょう。「はい、1年間留年しております。在学中に怪我をしてしまい、治療とリハビリに専念するため、1年間休学しておりました。現在は完治しており、仕事をする上で全く支障はございません。療養期間中は、一日も早い回復を目指して体力づくりに励んでおりましたので、体力には自信があります。」
家庭の事情や経済的な理由の場合
家庭の事情が理由の場合、その経験を仕事への意欲に繋げると良いアピールになります。「はい、1年間留年しております。家庭の経済的な事情により、学費を稼ぐためのアルバイトに多くの時間を費やしていたためです。コンビニエンスストアで2年間アルバイトをし、接客の基本や在庫管理の方法などを学びました。この経験で培った責任感と粘り強さを、仕事でも活かしていきたいと考えております。」

参考リンク(外部データ):医学部留年の実態と対策 – 原因から予防法、留年後の進路までを東大卒講師が解説- 医師国家試験予備校MEDICINE
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