- カスハラで離職を考えても良い理由
- 離職する前にできる具体的な対処法
- 転職活動で退職理由を伝える時のコツ
- カスハラが少ない職場の見つけ方
カスハラによる離職を考えるのは、もう限界のサイン?
お客様からの理不尽な要求や暴言、いわゆる「カスハラ」が原因で、仕事を辞めたいと感じるのは自然なことです。具体的なポイントは以下の通りです。
- 我慢し続けると心身に不調が出る
- 会社のサポート体制が不十分なこともある
- あなた自身の価値が低いわけではない
各項目について、詳しく見ていきましょう。
我慢し続けると心身に不調が出る
自分の心と体を守ることが何よりも大切です。毎日カスハラに耐えていると、ストレスで眠れなくなったり、食事が喉を通らなくなったり、休日も仕事のことばかり考えて気分が落ち込んだりすることがあります。心や体に不調のサインが出ているなら、それは「もう限界だ」という自分自身からのSOSです。無理して働き続けることで、回復が難しい状態になってしまう前に、今の環境から離れるという選択肢を真剣に考えましょう。
会社のサポート体制が不十分なこともある
カスハラは、本来であれば会社が組織として対応すべき問題です。ですが、会社によっては「お客様は神様だ」という考え方が根強く残っていたり、相談しても「そのくらい我慢して」と取り合ってくれなかったりすることもあります。また、人手不足で上司が忙しすぎて、部下のフォローまで手が回らないというケースも少なくありません。このように、会社のサポートが期待できない状況では、自分一人で問題を抱え込むことになり、状況の改善は難しいでしょう。
あなた自身の価値が低いわけではない
カスハラを受けると、「自分の接客が悪かったからだ」「自分が未熟だからだ」と自分を責めてしまいがちです。ですが、理不尽な要求や暴言は、どんなに丁寧な対応をしてもなくならないことがあります。カスハラは、あくまで相手側の問題であり、受けてしまった人の価値とは無関係です。自分を責める必要はまったくありません。今の職場で自信を失ってしまう前に、もっと自分らしく働ける場所を探すことも前向きな選択です。
離職する前に試しておきたいカスハラ対処法
すぐに離職を決めるのが難しい場合や、できることを試してから判断したい場合は、いくつか対処法があります。具体的な対処法は以下の通りです。
- いつ誰に何をされたか記録する
- 信頼できる上司や同僚に相談する
- 社内の相談窓口や組合を利用する
各項目について、詳しく見ていきましょう。
いつ誰に何をされたか記録する
会社に相談する際に、具体的な証拠があると話を進めやすくなります。「〇月〇日の〇時頃、レジでこのような暴言を言われた」というように、具体的な事実を記録しておくことが重要です。スマートフォンのメモ機能でも手書きのノートでも構いません。できるだけ詳しく記録を残しておくことで、客観的な事実として会社に伝えられます。もし可能であれば、暴言を録音しておくことも有効な手段の一つです。

信頼できる上司や同僚に相談する
一人で抱え込まず、まずは身近な人に相談してみましょう。特に、信頼できる上司に報告することが第一歩です。具体的な状況を伝えることで、シフトを調整してくれたり、対応を代わってくれたりと、何らかの対策を取ってくれる可能性があります。もし上司に相談しにくい場合は、同じような経験を持つ同僚や、話を聞いてくれる先輩に打ち明けるだけでも、気持ちが少し楽になるかもしれません。
社内の相談窓口や組合を利用する
直属の上司に相談しても解決しない場合や、そもそも相談しにくい雰囲気がある場合は、会社の相談窓口を利用しましょう。多くの会社には、コンプライアンス部門や人事部に、従業員のための相談窓口が設置されています。専門の部署に相談することで、上司とは違う視点から解決策を提案してくれたり、会社としての正式な対応を検討してくれたりします。匿名で相談できる場合もあるので、一度調べてみると良いでしょう。
カスハラが理由で離職する時の伝え方と準備
カスハラを理由に離職を決意した場合、円満に退職するための準備と伝え方が大切になります。具体的な進め方は以下の通りです。

退職理由は前向きな内容を伝える
退職を伝える際、カスハラが直接の原因だったとしても、不平不満ばかりを並べるのは避けた方が良いでしょう。感情的に伝えると、話がこじれてしまい、円満な退職が難しくなる可能性があります。「新しい業界に挑戦したい」「別のスキルを身につけたい」など、将来に向けた前向きな理由を伝えるのがおすすめです。もし正直に伝えたい場合でも、「従業員を守る体制が整った環境で働きたいと考えた」のように、あくまで自分のキャリアを考えての決断であることを強調しましょう。
仕事の引継ぎを丁寧に行う
お世話になった職場への最後の責任として、仕事の引継ぎはしっかりと行いましょう。自分が辞めた後も、残る同僚が困らないように、業務内容を資料にまとめるなど、丁寧な対応を心がけることが大切です。最終出勤日まで誠実な態度で働くことで、気持ちよく職場を送り出してもらえますし、自分自身もスッキリとした気持ちで次のステップに進むことができます。
失業手当の手続きについて調べておく
退職後の生活を支えるために、失業手当(雇用保険の基本手当)について知っておくことは非常に重要です。失業手当は、次の仕事が見つかるまでの間の生活を保障してくれる制度です。特に、カスハラが原因で離職した場合、「正当な理由のある自己都合退職」として認定される可能性があります。認定されると、通常より早く失業手当を受け取れることがあるため、ハローワークで必要な手続きや書類について事前に確認しておきましょう。
転職の面接で退職理由を聞かれたらどうする?
転職活動の面接では、必ずと言っていいほど退職理由を聞かれます。カスハラが原因の場合、どう伝えれば良いか不安に感じるかもしれません。伝え方のポイントは以下の通りです。
- 事実は簡潔に伝え感情的にはならない
- 働く環境を改善したい意欲をアピールする
- 他責にせず今後の貢献意欲を示す
各項目について、詳しく見ていきましょう。
事実は簡潔に伝え感情的にはならない
面接官が知りたいのは、退職に至った事実と、そこから何を学んだかです。カスハラの詳細を感情的に長く話してしまうと、「不満が多い人なのかな」という印象を与えかねません。「お客様への対応について、会社の方針と自分の考えに違いがあった」というように、事実は簡潔に、客観的に伝えることを心がけましょう。前の会社の悪口にならないように、言葉を選ぶことが大切です。
働く環境を改善したい意欲をアピールする
退職理由を伝える際は、ネガティブな話で終わらせず、ポジティブな転職理由に繋げることが重要です。「チームで連携してお客様をサポートできる環境で働きたい」「従業員の声に耳を傾けてくれる社風に魅力を感じた」など、働く環境を改善したいという意欲を示しましょう。これにより、ただ不満で辞めたのではなく、明確な目的意識を持って転職活動をしているという前向きな姿勢をアピールできます。
他責にせず今後の貢献意欲を示す
カスハラは相手に非がある場合がほとんどですが、面接の場では「会社のせい」「客のせい」と他責にする姿勢は見せない方が賢明です。「前職の経験を通じて、より良い顧客対応のためには、まず従業員が安心して働ける環境が重要だと学びました。この経験を活かし、貴社ではチームの一員として貢献したいです」のように、経験を学びに変え、次でどう活かすかを伝えましょう。主体性があり、成長意欲の高い人材だと評価されやすくなります。
次は失敗しない!カスハラが少ない職場の見つけ方
次の職場では、同じようなつらい経験を繰り返したくないものです。カスハラが起こりにくい職場を見つけるためのポイントは以下の通りです。

企業口コミサイトで社風を確認する
実際にその会社で働いていた人たちのリアルな声は、非常に参考になります。企業の口コミサイトを見れば、求人情報だけでは分からない職場の雰囲気や人間関係について、ある程度把握することができます。「クレーム対応」や「顧客対応」といったキーワードで検索してみると、会社の対応方針や、従業員がどのような状況で働いているかが見えてくることがあります。ただし、あくまで個人の感想なので、参考程度に留めておきましょう。
面接で従業員を守る体制について質問する
面接は、企業が応募者を選ぶ場であると同時に、応募者が企業を見極める場でもあります。面接の終盤にある「何か質問はありますか?」という逆質問の時間を有効に活用しましょう。「お客様への対応で困った際に、どのようなサポート体制がありますか?」など、従業員を守る姿勢について質問することで、企業の体質を見極めるヒントになります。明確な答えが返ってくる企業は、従業員を大切にしている可能性が高いと言えます。
企業相手の仕事を選ぶ
不特定多数の個人を相手にするBtoC(Business to Consumer)の仕事は、どうしてもカスハラに遭遇する確率が高くなります。一方で、企業を相手にするBtoB(Business to Business)の仕事は、相手もビジネスとして接してくるため、理不尽な要求は比較的少ない傾向にあります。ルート営業や法人向けのカスタマーサポート、工場の製造ラインなど、直接的な顧客との接点が少ない仕事を選ぶのも一つの方法です。
転職に不安があるならプロに相談しよう
カスハラからの転職は、精神的にも負担が大きく、一人で進めるのは不安なことも多いでしょう。そんな時は、転職のプロを頼るのがおすすめです。具体的なメリットは以下の通りです。
- 自分の市場価値を客観的に知る
- 非公開求人を紹介してもらう
- Zキャリアのエージェントに相談してみよう
各項目について、詳しく見ていきましょう。
自分の市場価値を客観的に知る
カスハラを受けていると自信を失いがちですが、転職エージェントに相談すれば、キャリアアドバイザーが経歴やスキルを客観的に評価し、自分の強みや市場価値を教えてくれます。自分では気づかなかった可能性を発見できたり、どんな仕事が向いているかアドバイスをもらえたりすることで、自信を持って転職活動に臨むことができます。
非公開求人を紹介してもらう
転職サイトには掲載されていない「非公開求人」というものが存在します。転職エージェントは、こうした一般には公開されていない優良企業の求人を多数保有しています。エージェントしか知らない求人の中には、労働環境が整っていたり、未経験者を歓迎していたりする企業も多くあります。選択肢が広がることで、より自分に合った職場を見つけやすくなります。
Zキャリアのエージェントに相談してみよう
カスハラによる離職は、決して逃げではありません。自分を守り、より良い環境で働くための大切な一歩です。ですが、一人で悩みを抱えながらの転職活動は、心細く感じることもあるでしょう。そんな時は、Zキャリアのキャリアアドバイザーにぜひ相談してください。カスハラでつらかった気持ちに寄り添いながら、履歴書の書き方から面接対策、そして何よりカスハラの少ない働きやすい職場探しまで、丁寧にサポートします。新しい環境で、安心して笑顔で働ける未来を一緒に見つけましょう。