サービス残業はみんなやっている？違法行為の現状と対処法を解説
公開 2025/08/08
Zキャリア編集部
Zキャリア編集部は、初めて就職・転職する方々へ、就職活動に役立つ情報を発信しています。具体的な職種や業界に特化した情報提供を心がけ、将来のキャリアを考える上で参考になるような内容をお届けしています。
目次
サービス残業は違法行為です。みんながやっているからと諦めず、その現状と適切な対処法を知って、あなたの権利を守りましょう。
- サービス残業が発生する原因
- サービス残業の違法性
- サービス残業への対処法
- 残業が少ない職場の探し方
毎日会社に残って仕事をしていると、「もしかして、自分はサービス残業をしているのか？」と疑問に感じることがあるかもしれません。周りの社員も残って仕事をしているのを見ると、「みんながやっているなら普通のことなのかな」と思う人もいるでしょう。ですが、サービス残業は法律で禁止されている行為です。知らず知らずのうちにサービス残業をしてしまわないよう、その実態と対処法を知っておくことが大切です。この記事では、サービス残業の現状や対処法、そして残業が少ない職場を見つける方法について解説します。
サービス残業はなぜ発生するのか？
サービス残業がなぜ発生するのか疑問に感じる人もいるかもしれません。サービス残業が発生する背景と、個人がサービス残業をしてしまう理由について、以下の通り解説します。
- サービス残業が生まれる背景を知る
- あなたがサービス残業をしてしまう理由
各項目について、詳しく見ていきましょう。
サービス残業が生まれる背景を知る
サービス残業が生まれる背景には、いくつか理由があります。ひとつは、人手不足です。会社の規模や業界に関わらず、人手が足りていない企業では、社員一人あたりの業務量が多くなり、どうしても残業時間が増えてしまいます。また、会社側が人件費を抑えたいと考えている場合、残業代を支払わない「サービス残業」という形で対応しようとすることもあります。さらに、業界特有の慣習や文化も影響します。例えば、特定の業界では「残業するのが当たり前」という風潮があり、社員もそれに従わざるを得ない状況が生まれることがあります。これらの要因が組み合わさることで、サービス残業が常態化してしまうケースがあるのです。
あなたがサービス残業をしてしまう理由
会社に指示されたからサービス残業をしている人もいるでしょう。ですが、もしかすると、会社からの指示がなくともサービス残業をしてしまうことがあります。具体的には、与えられた仕事が終わらず、「自分で何とかしなければ」と責任感から残業をしてしまうケースです。また、「他の人も残っているから自分だけ先に帰るのは気が引ける」という雰囲気から、周囲に合わせてしまうこともあります。上司や先輩の目が気になり、定時で帰ることに罪悪感を覚えてしまうこともあるでしょう。こうした心理的な要因が、サービス残業を常態化させる原因になってしまうことがあります。
サービス残業をみんながやっているのは本当か？
サービス残業について、「みんなやっていることだから、仕方ない」と諦めている人もいるかもしれません。本当にそうなのか、サービス残業の現状や、企業がサービス残業を減らすためにどのような取り組みをしているのか、以下の通り解説します。
- サービス残業の現状を理解する
- サービス残業を減らすための企業の取り組み
各項目について、詳しく見ていきましょう。
サービス残業の現状を理解する
サービス残業は、残念ながら多くの企業で発生しているのが現状です。特に人手不足の業界や、プロジェクトの締め切りが厳しい職場などでは、サービス残業が習慣化していることも少なくありません。しかし、「みんながやっている」という感覚は、必ずしも正しいとは限りません。個々の社員がそれぞれに抱える業務量や責任感の違いから、サービス残業をしている人もいれば、きちんと残業代を請求している人もいます。また、サービス残業だと認識していないまま働いている人もいるでしょう。そのため、「みんなやっているから大丈夫」と安易に考えるのは危険です。まずは、自身の労働時間と、それに対する対価が適切であるかを冷静に判断する必要があります。
サービス残業を減らすための企業の取り組み
サービス残業を減らすために、多くの企業が様々な取り組みを始めています。例えば、勤怠管理システムの導入を進め、社員の労働時間を正確に把握しようとする動きです。これにより、隠れ残業をなくし、適正な残業代を支払うことを目指しています。また、ノー残業デーの設定や、フレックスタイム制、リモートワークの導入など、働き方を柔軟にすることで、社員が時間内に効率よく仕事を進められるよう促しています。業務の見直しやITツールの導入によって、無駄な作業を減らし、業務効率を上げる取り組みも行われています。このような企業の努力によって、サービス残業が減り、社員が健康的に働ける環境が少しずつ整いつつあります。
サービス残業は違法行為
サービス残業は、「みんながやっているから」と正当化されるものではありません。サービス残業がなぜ違法なのか、労働基準法における残業のルールと合わせて、以下の通り解説します。
- 労働基準法における残業のルール
- サービス残業が違法となる理由
各項目について、詳しく見ていきましょう。
労働基準法における残業のルール
労働基準法では、労働時間や残業について明確なルールが定められています。原則として、労働時間は1日8時間、週40時間までとされており、これを超えて労働させる場合は、会社は労働者と36協定（さぶろくきょうてい）と呼ばれる特別な取り決めを結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。36協定が締結されている場合でも、会社は従業員に対し、決められた時間以上の残業をさせることはできません。また、会社は残業に対して、通常の賃金に加えて割増賃金（残業手当）を支払う義務があります。この割増賃金は、法律で最低限の割合が定められており、たとえ会社の就業規則に別の定めがあったとしても、この法律で定められた割合を下回ることは許されません。
サービス残業が違法となる理由
サービス残業が違法となる理由は、会社が労働者に対して、本来支払うべき残業代を支払っていないからです。労働基準法では、会社が労働者に法定労働時間を超えて労働させた場合、割増賃金を支払うことが義務付けられています。サービス残業は、この義務を会社が果たしていない状態を指します。残業代を支払わないことは、労働者の労働に対する正当な対価を奪う行為であり、法律違反です。たとえ、労働者が自発的に残って仕事をしているように見えても、会社がその労働を黙認していたり、業務量が多くて残業せざるを得ない状況であれば、それはサービス残業とみなされる可能性があります。
サービス残業をやめるための具体的な対処法
サービス残業は違法な行為です。サービス残業をやめるために、具体的な対処法を知っておくことが大切です。ここでは、記録の残し方から、会社や外部機関への相談方法について、以下の通り解説します。
各項目について、詳しく見ていきましょう。
自分でできる記録の残し方
サービス残業をやめるための第一歩は、正確な労働時間の記録です。会社が勤怠管理をしていない場合でも、自分で毎日欠かさず記録を取るようにしましょう。記録する内容は、出勤時間、退勤時間、休憩時間、そしてその日の業務内容を具体的にメモすることです。具体的には、スマートフォンのタイムスタンプ機能を使ったり、メモ帳に手書きで記入したり、スプレッドシートに入力したりする方法があります。可能であれば、タイムカードの記録や会社のPCのログ、業務メールの送信履歴など、客観的に労働時間が証明できるものを残しておくことも重要です。これらの記録は、後に会社と交渉したり、外部機関に相談したりする際に、有力な証拠となります。
会社に相談する際のポイント
自分で労働時間の記録ができたら、次に会社に相談することを検討します。まずは、直属の上司や人事部の担当者に、サービス残業について現状と記録した労働時間を示しながら相談してみましょう。この際、感情的にならず、事実に基づいて冷静に話すことが大切です。「残業代が支払われていない状況を改善してほしい」という明確な意思を伝え、具体的な改善策を求めるようにします。もし、会社が相談に応じない場合や、状況が改善されない場合は、次のステップを検討する必要があります。一人で悩まず、会社の相談窓口や信頼できる同僚に相談してみるのも良い方法です。
外部機関へ相談するメリット
会社に相談しても状況が改善されない場合や、相談すること自体が難しいと感じる場合は、外部機関への相談を検討しましょう。外部機関を利用する最大のメリットは、第三者の公平な立場からアドバイスやサポートを受けられることです。具体的には、労働基準監督署や弁護士、労働組合などが挙げられます。労働基準監督署は、労働基準法違反を取り締まる公的機関で、無料で相談できます。弁護士に相談すれば、法的な観点から具体的なアドバイスをもらえ、場合によっては会社との交渉を代理してもらうことも可能です。労働組合は、労働者の権利を守るために団体交渉を行うことができます。これらの機関は、サービス残業の問題解決に向けて力強い味方になってくれます。
サービス残業に悩まず自分らしく働く方法
サービス残業に悩まず、自分らしく働くためには、どのような方法があるでしょうか。ここでは、残業が少ない職場の見つけ方と、転職という選択肢について、以下の通り解説します。
- 残業が少ない職場の見つけ方
- 転職で新しい働き方を選ぶ
各項目について、詳しく見ていきましょう。
残業が少ない職場の見つけ方
残業が少ない職場を見つけるためには、いくつかのポイントがあります。まず、求人情報を確認する際には、「平均残業時間」や「月平均残業時間」などの記載を注意深く見ることが大切です。これらの情報が具体的に記載されている企業は、残業時間の管理に積極的である可能性が高いです。また、企業のウェブサイトや採用ページで、社員の働き方に関する情報を確認するのも良いでしょう。フレックスタイム制度やリモートワークの導入、有給休暇の取得率などが記載されていれば、ワークライフバランスを重視している企業だと判断できます。可能であれば、企業の口コミサイトやSNSで、実際に働いている人の声を探してみるのも有効な情報収集の方法です。
転職で新しい働き方を選ぶ
もし今の職場でサービス残業が常態化しており、改善が見込めない場合は、転職を考えるのも一つの方法です。転職は、今の状況を大きく変え、新しい働き方を見つけるチャンスになります。残業が少ない業界や職種に目を向けることで、ワークライフバランスの取れた働き方を実現できる可能性が高まります。転職活動を始める際には、自分の希望する働き方や条件を明確にすることが大切です。残業時間の希望はもちろんのこと、給与、福利厚生、仕事内容など、優先順位を付けておきましょう。一人で転職活動を進めるのが不安な場合は、転職エージェントを活用するのも良い方法です。エージェントは、非公開求人の紹介や、企業の内情に詳しい情報を提供してくれるなど、転職活動をサポートしてくれます。
関連記事
レジ打ちが苦手な人へ！原因と克服法、向いている仕事を紹介
2025/08/12
スーパーのレジ打ちはきつい？辞めたいと感じる5つの理由と対処法
2025/08/12
同期でグループができてて辛い…輪に入れない時の対処法と転職の考え方
2025/08/12
カテゴリから記事を探す
学歴・経歴別キャリア (291)
職種紹介 (29)
Zキャリアとは (1)
転職ガイド (517)