公開 2024/09/10
更新 2025/07/16
Zキャリア編集部
Zキャリア編集部は、初めて就職・転職する方々へ、就職活動に役立つ情報を発信しています。具体的な職種や業界に特化した情報提供を心がけ、将来のキャリアを考える上で参考になるような内容をお届けしています。
目次
正社員として働いたことがない方や現在転職を考えている社会人の方に向けて、「コールセンターの仕事」を紹介しています。インバウンド業務やアウトバウンド業務の違い、求められる資質など、コールセンターについて全く知らない人に向けて解説しています。
コールセンターの仕事に興味があるけれど、「どうすればなれるの?」「未経験でも大丈夫?」「正社員は難しい?」といった疑問を持っている方もいるかもしれません。また、仕事内容や必要なスキル、将来性なども気になるところです。
この記事では、コールセンタースタッフを目指す方に向けて、仕事内容の基本から、未経験から正社員になるためのステップ、求められるスキルや役立つ資格、そして将来性やキャリアパスまで、幅広く解説します。コールセンターの仕事への理解を深め、就職・転職活動の一歩を踏み出すための参考にしてください。
コールセンタースタッフの仕事は多岐にわたります。ここでは、まず基本的な仕事内容と、未経験からこの仕事に就くためのステップについて詳しく見ていきましょう。
コールセンターの仕事は、大きく分けて インバウンド(受信)とアウトバウンド(発信) の2種類があります。インバウンドは顧客からの電話を受ける業務、アウトバウンドは企業側から顧客へ電話をかける業務です。どちらの業務を担当するかによって、求められる対応やスキルが異なります。
インバウンドとアウトバウンドの主な違い
インバウンド業務(受信)
アウトバウンド業務(発信)
インバウンド業務は、主に顧客からの問い合わせや注文に対応します。一方、アウトバウンド業務は、商品やサービスの案内、市場調査などを目的として企業側から発信します。それぞれの特徴を理解することが、自分に合った仕事を見つける第一歩となります。
インバウンド業務の代表例が、カスタマーサポートやテクニカルサポートです。顧客の疑問や困りごとを解決する ことが主な役割となります。カスタマーサポートは、商品やサービスに関する一般的な質問、注文受付、時にはクレーム対応なども行います。顧客の声を聞き、社内にフィードバックする大切な役割も担っています。
テクニカルサポートは、より専門的な知識が求められる仕事です。例えば、パソコンの操作方法やソフトウェアのトラブルシューティングなど、技術的な問題解決をサポートします。いずれも、顧客の話を丁寧に聞き、分かりやすく説明する能力が重要です。
アウトバウンド業務には、テレフォンアポインター(テレアポ)やテレマーケティングといった仕事があります。これらの業務は、企業の売上に貢献することが主な目的です。テレフォンアポインターは、見込み顧客リストをもとに電話をかけ、商品やサービスを紹介し、商談のアポイントメントを獲得することを目指します。
テレマーケティングは、既存顧客や見込み顧客に対して、新商品やキャンペーンの案内、アンケート調査などを行い、販売促進や顧客満足度の向上につなげます。どちらの業務も、積極的に情報を伝え、相手の関心を引き出すコミュニケーション能力が求められます。
未経験からでもコールセンタースタッフに挑戦しやすいです。多くの企業では、入社後にしっかりとした研修制度を設けており、基本的なビジネスマナー、電話応対の仕方、商品知識、システム操作などを基礎から学べます。そのため、特別な経験やスキルがなくてもスタートできる求人が多いのが特徴です。
もちろん、コミュニケーション能力やPCの基本操作スキルがあると有利ですが、最も大切なのは「やってみたい」という意欲です。未経験者歓迎の求人も多数ありますので、積極的にチャレンジしてみましょう。
コールセンタースタッフとして働き始めるまでの応募から就業までのステップは、一般的な就職・転職活動と大きく変わりません。まずは求人情報を探し、興味のある企業に応募することから始まります。
求人サイトや企業の採用ホームページで情報を集め、応募書類を準備します。書類選考を通過すると、面接に進みます。面接では、志望動機やコミュニケーション能力、仕事への適性などが見られます。未経験の場合は、特に意欲や学ぶ姿勢をアピールすることが大切です。内定後は、入社手続きを経て、研修から業務がスタートします。
コールセンターの仕事について、「きつい」「やめとけ」といった声を聞くこともあるかもしれません。ここでは、仕事の大変さやその理由、働くメリット、そして正社員としての将来性について見ていきましょう。
コールセンターの仕事がネガティブな側面も正直に伝えるとすれば、いくつかの理由が考えられます。代表的なものとしては、クレーム対応の精神的な負担、目標達成(ノルマ)へのプレッシャー、一日中座りっぱなしで電話応対を続けることによる身体的な負担などが挙げられます。
特に顧客からの厳しい言葉を受け止めなければならない場面もあり、精神的に辛いと感じる人もいるでしょう。また、インバウンド業務でも応答時間や処理件数、アウトバウンド業務ではアポイント獲得数などの目標が設定されている場合があり、プレッシャーを感じることもあります。
仕事には大変な側面もありますが、前向きな対処法を知ることで乗り越えやすくなります。例えば、クレーム対応で落ち込んだ時は、上司や同僚に相談したり、気分転換の方法を見つけたりすることが大切です。一人で抱え込まず、周りのサポートを活用しましょう。
目標達成へのプレッシャーに対しては、達成のための具体的な行動計画を立てたり、先輩のやり方を参考にしたりするのも良い方法です。また、同じ業務の繰り返しに単調さを感じる場合は、新しい知識やスキルを学ぶことで、仕事へのモチベーションを高めることができます。大変な点を理解し、自分なりの対処法を見つけることが、長く働き続けるための鍵となります。
大変な側面がある一方で、コールセンターで働くことで得られるメリットも多くあります。まず、コミュニケーション能力が格段に向上します。丁寧な言葉遣いや、相手の話を正確に聞き取る力、分かりやすく説明する力は、どんな仕事にも役立つ汎用性の高いスキルです。
また、日常的にPCや専用システムを使うため、基本的なPCスキルやタイピングスキルが自然と身につきます。さらに、シフト制勤務が多い職場では、平日に休みが取れたり、プライベートの時間を確保しやすかったりするメリットもあります。研修制度が充実している企業が多く、未経験からでもスキルアップしやすい環境であることも魅力の一つです。
コールセンタースタッフの正社員には、キャリアアップの可能性があると言えます。経験を積むことで、オペレーターをまとめるリーダーやスーパーバイザー(SV)といった管理職を目指すことができます。マネジメントスキルや指導力を身につけ、チーム全体の成果に貢献する役割です。
また、特定の分野の専門知識を深め、テクニカルサポートのスペシャリストや、応対品質を管理・改善する品質管理担当、新人オペレーターを育成する教育担当など、専門職としてキャリアを築く道もあります。さらに、コールセンターで培ったコミュニケーション能力や顧客対応スキルは、営業職や事務職、マーケティング職など、他の職種への転職の際にも高く評価される傾向があります。
コールセンタースタッフとして活躍するためには、どのようなスキルが必要で、どんな資格が役立つのでしょうか。ここでは、求められる主要なスキルと、キャリアアップに繋がる可能性のある資格について解説します。
コールセンターの仕事において、最も重要なスキルの一つがコミュニケーション能力です。これは顧客との信頼関係を築く基本となります。具体的には、顧客の話を注意深く聞き、意図を正確に理解する「傾聴力」、商品やサービス、手続きなどについて分かりやすく説明する「説明力」、そして状況に応じた丁寧な言葉遣いが求められます。
特にインバウンド業務では、顧客が何に困っているのか、何を求めているのかを迅速に把握し、的確に対応する必要があります。アウトバウンド業務では、相手に失礼なく、かつ効果的に情報を伝え、関心を持ってもらうための話術が重要になります。
現代のコールセンター業務は、PCなしでは成り立ちません。顧客情報や対応履歴の入力・検索、マニュアルの参照、メールでの連絡など、業務の多くでPCを使用するため、基本的なPC操作スキルは必須 と言えます。
具体的には、キーボードを見ないで入力できるタッチタイピング、WordやExcelなどの基本的なオフィスソフトの操作、そして業務で使用する専用システムの操作に慣れることが求められます。タイピング速度が速ければ、それだけ効率的に業務を進めることができます。PC操作に自信がない場合は、事前に練習しておくと良いでしょう。
コールセンタースタッフになるために必須の資格はありませんが、取得しておくとスキルアップに繋がる資格がいくつかあります。これらの資格は、自身のスキルを客観的に証明したり、就職・転職活動でアピールしたりする際に役立ちます。
コールセンター業務で役立つ資格の例
例えば、「コンタクトセンター検定試験」や「電話応対技能検定(もしもし検定)」は、顧客対応スキルやコミュニケーション能力を証明するのに役立ちます。「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」は、PCスキルをアピールするのに有効です。これらの資格取得を目指して学習することで、業務に必要な知識やスキルを体系的に学ぶこともできます。
コールセンタースタッフに必須の資格はありません。多くの企業では、資格の有無よりも、人柄やコミュニケーション能力、仕事への意欲などを重視して採用を行っています。しかし、資格が有利に働くケースもあることは事実です。
特に、実務経験がない未経験者の場合、関連資格を持っていることで、仕事に対する意欲や基本的な知識・スキルがあることを示すことができます。また、リーダーやSVなどの管理職を目指す際には、専門的な資格が評価されることもあります。資格取得は必須ではありませんが、自身のスキルアップやキャリアプランに合わせて検討してみる価値はあるでしょう。
コールセンターでは、正社員だけでなく、アルバイトやパート、契約社員、派遣社員など、様々な雇用形態で働く人がいます。ここでは、代表的な正社員とアルバイト・パート(バイト)の働き方の違いについて見ていきましょう。
正社員として働く最大のメリットは、雇用の安定性です。給与も月給制で安定しており、賞与(ボーナス)や昇給の機会もあります。福利厚生も充実している場合が多く、社会保険への加入はもちろん、企業によっては住宅手当や退職金制度などが用意されています。安定性と責任が特徴と言えるでしょう。
一方で、デメリットとしては、バイトに比べて勤務時間や曜日の自由度が低いこと、責任の重い業務を任されることが多いことなどが挙げられます。また、転勤や異動の可能性もゼロではありません。安定した環境でキャリアを築きたい方に向いている働き方です。
バイト(アルバイト・パート)として働くメリットは、柔軟な働き方が可能な点です。勤務時間や曜日の希望が通りやすく、学業や家庭、趣味など、プライベートとの両立がしやすいのが特徴です。未経験者向けの求人も多く、気軽に始めやすい点も魅力でしょう。
正社員とバイト(アルバイト・パート)の比較
正社員
バイト(アルバイト・パート)
デメリットとしては、正社員に比べて時給制が多く収入が不安定になりやすいこと、福利厚生が限定的であること、昇進や昇給の機会が少ないことなどが挙げられます。自分のライフスタイルに合わせて働きたい方や、まずはお試しでコールセンターの仕事を経験してみたい方に向いています。
正社員とバイト、どちらの働き方が良いかは、個人の状況や価値観によって異なります。自身の希望に合わせて選ぶことが大切です。まずは、自分が仕事に何を求めているのかを明確にしましょう。
安定した収入やキャリアアップを重視するなら正社員、プライベートとの両立や柔軟な働き方を重視するならバイト、というように、優先順位をつけることがポイントです。また、将来的に正社員を目指したい場合は、正社員登用制度のある企業でバイトから始めるという選択肢もあります。自身のライフプランやキャリアプランを考慮し、最適な働き方を見つけましょう。
コールセンターの仕事は、誰にでもできる仕事というわけではありません。ある程度の適性が求められます。ここでは、コールセンタースタッフに向いている人の特徴をいくつかご紹介します。
コールセンターの仕事は、コミュニケーションが仕事の中心です。電話を通じて顧客とやり取りするため、人と話すことや、人の話を丁寧に聞くことが苦にならない人が向いています。相手の状況や気持ちを理解しようと努め、円滑なコミュニケーションを図ることが重要です。
ただ話すのが好きなだけでなく、相手の話をしっかりと聞き、意図を正確に汲み取る「聞く力」も同じくらい大切です。顧客が抱える問題や要望を正しく理解することが、適切な対応への第一歩となります。
コールセンターには、日々様々な顧客から、多種多様な問い合わせが寄せられます。マニュアル通りに進むケースばかりではなく、予期せぬ質問や複雑な状況に直面することも少なくありません。そのため、柔軟な対応力が求められる 場面が多くあります。
状況に合わせてマニュアルから一歩踏み込んだ対応を考えたり、複数の情報を組み合わせて最適な解決策を提案したりするなど、臨機応変に対応できる能力が求められます。冷静に状況を判断し、適切な行動をとれる人が活躍できるでしょう。
コールセンター業務、特にクレーム対応などでは、時には厳しい言葉を受けたり、精神的に負担を感じたりすることもあります。一件一件の対応を引きずってしまうと、次の業務に支障が出たり、精神的に疲弊してしまったりする可能性があります。そのため、精神的なタフさも大切です。
一つの対応が終わったら気持ちをリセットし、次の顧客には常に新鮮な気持ちで向き合えるような、気持ちの切り替えの上手さが求められます。ストレスを溜め込まず、自分なりの方法で気分転換を図れることも重要な資質と言えるでしょう。
コールセンターの仕事は、顧客の疑問や問題を解決したり、企業のサービス利用をサポートしたりすることで、誰かの役に立ちたい気持ちを活かせる仕事です。「顧客の困りごとを解決できて嬉しい」「自分の対応で顧客に喜んでもらえた」といった経験は、大きなやりがいにつながります。
また、自分の仕事が会社の売上や顧客満足度の向上に貢献していると感じられることも、モチベーション維持に繋がります。誰かの役に立ちたい、会社に貢献したいという気持ちが強い人は、コールセンターの仕事でやりがいを見つけやすいでしょう。
コールセンタースタッフとして経験を積んだ後には、どのようなキャリアパスが考えられるのでしょうか。ここでは、オペレーターからのステップアップや、経験を活かせる他の道についてご紹介します。
コールセンタースタッフとして最も一般的なキャリアパスの一つが、チームをまとめる役割であるリーダーやスーパーバイザー(SV)への昇進です。オペレーターとしての経験と実績を積み、高い応対品質や業務知識、そして後輩を指導する能力などが認められると、昇進のチャンスがあります。
リーダーは数名のオペレーターをまとめ、日々の業務をサポートする役割を担います。SVはさらに広範囲な業務を担当し、チーム全体の数値管理、オペレーターの育成・評価、業務改善の提案など、センター運営に関わるマネジメント業務を行います。責任は増えますが、より大きなやりがいとキャリアアップを実感できる道です。
コールセンター内でのキャリアチェンジとして、専門知識を深める道もあります。例えば、特定の製品や技術に関する高度な問い合わせに対応するテクニカルサポートのスペシャリスト、応対品質の維持・向上を目的としたモニタリングやフィードバックを行う品質管理(QA)担当、新人オペレーター向けの研修プログラムを企画・実施する教育・研修担当などです。
これらの専門職は、オペレーターとしての経験に加え、それぞれの分野に関する深い知識やスキルが求められます。自身の興味や適性に合わせて専門性を高めていくことで、代えのきかない人材として活躍することが可能です。
コールセンターで培ったスキルや経験は、社内外の他の職種へ転職する際にも大いに役立ちます。経験は他業種でも活かせる可能性が高いです。例えば、高いコミュニケーション能力やヒアリング能力は、営業職や接客・販売職で直接活かすことができます。
また、丁寧な言葉遣いやPCスキル、問題解決能力などは、事務職や秘書、カスタマーサクセスといった職種でも重宝されます。さらに、顧客の声に触れる機会が多いため、その経験を活かしてマーケティング職や商品企画職などにチャレンジする道も考えられます。コールセンターでの経験は、多様なキャリアの可能性を広げてくれるでしょう。
コールセンタースタッフの仕事は、未経験からでも挑戦しやすく、多様なキャリアパスが用意されています。この記事を読んで、コールセンターの仕事にさらに興味を持った方、自分にもできそうだと感じた方は、ぜひ具体的な求人情報を探してみてはいかがでしょうか。
もし、自分に合った求人の探し方や、応募書類の書き方、面接対策などに不安がある場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。Zキャリアでは、未経験からの就職・転職をサポートしています。専門のエージェントが、一人ひとりの希望や適性に合った求人紹介から、選考対策、入社後のフォローまで、丁寧にサポートします。まずは気軽に相談してみてください。
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