うべ若者サポートステーションについて

- 施設名:うべ若者サポートステーション(通称:うべサポステ)
- 事業内容:15〜49歳までの現在無業の方への就労支援とキャリア形成支援、家族相談
- 支援体制:キャリアコンサルタントや臨床心理士による専門的な相談対応
- 特徴:応募書類の書き方、面接練習、ビジネスマナー等一般的な就職支援セミナーに加え、「人生劇場」「世界を知ろう」など独自プログラムの提供と、地域に根ざしたボランティア活動の機会創出
- 連携先:地域の福祉・医療機関、公共職業安定所などの多機関と協働
今回は、うべ若者サポートステーションの施設のご担当者様にインタビューを実施しました。若者支援の方針や、相談者の自立を支える具体的な取り組みについて率直に語っていただきました。
うべ若者サポートステーションの支援方針と雰囲気作り
Zキャリアガイド編集部────はじめに、うべ若者サポートステーションが大切にされている支援の考え方について教えてください。
他人と比較せず、自分自身の良さを認めることから!
ご担当者様────私たちが支援の核として掲げているのは、「自分を知り、自分の可能性を信じること」です。ご相談者の多くは、他者と比べて自分を低く見てしまい、「自分は資格もスキルもないし、何もできない」という気持ちを抱えていらっしゃいます。まずは、ご自身の中にある良さに気づき、それを一つずつ大切にしていきましょうとお伝えしています。支援の出発点として、この姿勢を共有することは重要だと考えています。

Zキャリアガイド編集部────具体的に、どのような方々からのご相談が多いのでしょうか。
安心して話せる場所を提供
ご担当者様────サポートの対象は15〜49歳ですが、ご相談者のボリュームゾーンは20代です。新卒で早期に離職を経験された方や、まだ就労経験のない方、学校を卒業または中退して進路が決まっていない方もいらっしゃいます。最近はSNSなどの利用でさまざまな情報が目に入りやすく、無意識のうちに自分と比較してしまうことも多いでしょう。そこに過去にうまくいかなかった経験が重なると、次の一歩を踏み出すこと自体に不安を感じやすくなるのだと思います。そうした方々が安心して話せる場として、うべサポステは扉を開いています。

自己理解と生活設計を学ぶプログラム「人生劇場」
Zキャリアガイド編集部────次に、うべサポステならではの取り組みについて伺えればと思います。特徴的なプログラムを教えてください。
多角的な視点を養う
ご担当者様────少し変わった取り組みのひとつが「人生劇場」というプログラムです。自分の人生の主役は自分であるとの考え方から、自己理解とライフキャリアプランの形成を行っています。プログラムの中では「ライフキャリアレインボー」という考え方も取り入れています。人生には学習者、職業人、家庭人、市民などの多様な役割があり、人生の各場面でその人の役割の組み合わせが変化していきます。この理論から、ひとつの価値観だけに縛られずに、より広義に自分を捉えていくことを伝えたいと思っています。多角的な視点を持つことで、就労に向けた選択肢も自然と広がっていくと考えています。
Zキャリアガイド編集部────プログラムの中でも、特に印象的なワークがあれば教えてください。
就職後の生活費や家計の現実をゲームで学べる
ご担当者様────受講前と受講後のお金への意識が変わったというコメントをいただくのが、マネーゲームを通じて家計や生活費の現実を学ぶワークです。ご実家で暮らしている若い方は、毎月の生活費がどのくらいかかるのかを実感しづらい面があります。役割とお金の観点を切り分けて整理することで、就職後の生活が現実的に見えてくる仕組みです。生活の中で働くことの意味を改めて考えていただく機会になればと思っています。
多様な価値観を学ぶプログラムと地域ボランティア活動
Zキャリアガイド編集部────「人生劇場」以外にも、特徴的なプログラムはありますか。
意見の多様性を受け入れるプログラム「世界を知ろう」
ご担当者様────就職活動や社会で生活するうえで知っておいてほしいもうひとつの柱が「世界を知ろう」というプログラムです。ご相談者の中には、自分の意見が他人と異なることを恐れてしまう方が多くいらっしゃいます。そんな時、私たちは、考え方の違いは否定的なものではなく、時には新たなアイデアを生むための貴重な意見になり得るものだとお伝えするようにしています。ワークを通じて、文化や背景によって価値観が異なる事実を体感していただきます。これは山口県出身の詩人・金子みすゞの「みんな違って、みんないい」という考え方に通じるものです。意見の多様性を受け入れる姿勢を育てていくことが、このプログラムの目的です。
Zキャリアガイド編集部────座学だけでなく、地域に出ていく機会も設けられていると伺いました。
ボランティア活動を通じた成功体験が、自信回復のきっかけに

ご担当者様────一般的な職場見学、職場体験、社会人講話ももちろん実施していますが、清掃活動や地域のお祭り、リユースフェアの運営など、地域活動に参加する機会を積極的に提供しています。就職活動の前段階として、社会とのつながりや初対面の方と接することに少しずつ慣れていただくためのステップです。これらのボランティア活動は人気のプログラムです。最初は緊張して動けなかった方も、周囲から「ありがとう」と言われる経験を積み重ねていくことで、自信を回復していると思います。この活動を通じて、就職活動にも前向きな意欲を引き出していければと考えています。
相談しやすい環境と専門スタッフによるサポート体制を整備
Zキャリアガイド編集部────はじめてご相談に来られる方の不安を和らげるために、工夫されている点はありますか。
見学からスタートでき、プライバシーに配慮した個室相談も利用できる

ご担当者様────初めての場所に足を運ぶのは、どなたにとっても勇気がいる行動です。だからこそ、まずは対面相談ではなく「見学」という気軽な形でお越しいただくことも可能です。施設の中は家庭的な雰囲気を意識して整えています。家族の方のみで、事前に見学や説明を聞きに来られることもあります。相談スペースは個室を用意し、相談者の方とスタッフが真正面に向き合わない位置で話すなど、プライバシーと精神的な安心感に配慮しています。家族や学校、職場などでは話せない内容も第三者だからこそ話せることもあると思います。また、話したくない話題は話さなくてもよい場として、ご相談者ご自身のペースを尊重しています。
Zキャリアガイド編集部────専門的なサポートは、どのような体制で行われているのでしょうか。
キャリアコンサルタントや臨床心理士による多面的なサポート
ご担当者様────うべサポステでは、キャリアコンサルタントや臨床心理士による専門的な相談を実施しています。サポートをする中で、メンタル面で気になるご様子が見られる場合には、必要に応じて医療機関への受診を提案することもあります。その他状況に応じて、行政機関、福祉機関との連携やより専門的な機関への橋渡し、公共職業安定所への同行支援も行っています。ご相談者にとって、その時々で最適な手段を一緒に選んでいく姿勢を大切にしています。
ボランティア活動から就職に至った支援事例
Zキャリアガイド編集部────これまでの支援の中で、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
1年をかけて居場所を見つけ、就職に至った相談者の歩み
ご担当者様────以前、ご家族の許可がないとご自身で何かを決めることが難しい状態だった方が、ボランティア活動を通じて少しずつご自身の居場所を見つけていかれました。最初は本当に小さな一歩でしたが、活動を重ねるごとに表情が明るくなり、声も大きくはっきり出せるようになりました。1年ほどの時間をかけて自発的に就職活動に取り組まれ、現在は楽しんで働いておられます。時間はかかっても、ご本人のペースで歩みを進めていただく意義を改めて感じた事例でした。
悩みを抱える若者やそのご家族へ伝えたいメッセージ
Zキャリアガイド編集部────最後に、若者支援の今後の展望と、悩んでいる方やそのご家族へのメッセージをお願いします。
まずは気軽に連絡してほしい
ご担当者様────これからの社会に対応し得る多様なニーズにお応えするためには、サポステ単独での対応には限界があります。公共職業安定所、行政機関、その他民間企業、地域の福祉、医療など、他機関との連携が不可欠だと考え、日々研鑽しています。そのうえで、いま悩んでいる若い方やそのご家族には、まずは電話やメールで「扉」を叩いてみてください。誰かに話してみることから、次の景色が見えてくる場合もあります。どんな選択肢があるのか、よりよい方向を一緒に考えましょう。
施設情報
- 名称:うべ若者サポートステーション(通称:うべサポステ)
- 所在地:山口県宇部市常盤町1-2-5 工藤ビル3F
- 連絡先:0836-36-6666
- 公式HP:https://ube-saposute.com
- 主な対象者:
- 15~49歳の現在無業の方、その家族
- 学校を卒業(中退)後、進路未決定または早期に離職した方
- 就労経験がなく、次の一歩を踏み出すことに不安を感じている方
- 自身の進路や働き方についての悩みや困難さ、課題を持つ方
- 主な活動内容:
- 若者の就労支援およびキャリア形成支援
- 「人生劇場」プログラム(自己理解とライフキャリアプランの形成)
- 「世界を知ろう」プログラム(多様な価値観を学ぶワーク)
- 地域に根ざしたボランティア活動の機会提供
- キャリアコンサルタントや臨床心理士による専門相談
- 就職支援セミナー、ビジネスマナー、コミュニケーショントレーニング
- 医療機関や公共職業安定所などとの多機関連携
取材日:2026年05月26日
取材/執筆担当者 株式会社ROXX Zキャリアマーケティング事業部 平井祐樹