若者サポートステーション豊岡について

- 施設名:若者サポートステーション豊岡
- 所在地:兵庫県豊岡市幸町9-27
- 対象:15歳〜49歳の就労に悩む方
- 主な利用者層:20代・30代が中心(近年は40代の利用も増加)
- 提供プログラム:個別面談(キャリアコンサルタント・心理カウンセラー・相談支援員対応)、各種セミナー(コミュニケーション・キャリアのいろは・ソーシャルスキルトレーニング・パソコン講座)、職場見学・職場体験
- 利用料:無料
今回は、若者サポートステーション豊岡(以下、サポステ豊岡)のご担当者にインタビューを実施しました。利用者の多様な状況に合わせた支援の進め方と、施設の雰囲気について語っていただきました。
「まず話を聞かせてもらうこと」が支援の出発点
Zキャリアガイド編集部────サポステ豊岡として、日々の支援で最も大切にしていることを教えてください。
来られる方の数だけ違うケースがあるからこそ、伴走しながら一緒に考えるスタンスを基本にしている
ご担当者様────就労支援という大きな枠の中で活動していますが、来られる方は本当にさまざまです。すぐに就職活動に入れる方もいれば、そこに至るまでの準備から必要な方もいらっしゃいます。一番大切にしているのは、まずその方の思いを聞かせてもらうことです。
ご本人の希望はもちろん大事にしますが、希望だけではうまく進まない場合もあります。そこを無理に押し進めるのではなく、伴走しながら一緒に考えていくというスタンスを基本にしています。
個別面談・セミナー・職場体験——3つの柱で支援を組み立てる
Zキャリアガイド編集部────具体的にどのようなプログラムを提供されていますか。
セミナーは4種類、中にはマンツーマンで実施しているセミナーあり
ご担当者様────サポステ豊岡の支援は大きく3つの柱があります。個別面談、各種セミナー、そして職場見学・職場体験です。セミナーとしては、主に4つのプログラムを実施しています。
1つ目は「コミュニケーションセミナー」で、人との関わりに苦手意識がある方に向けて、気持ちのよいコミュニケーションの取り方を学んでいただくものです。毎週定期的に開催しています。
2つ目は「キャリアのいろは」というプログラムです。ビジネスマナーやキャリアの考え方、職業選択の基本的な内容を学ぶ場として提供しています。
3つ目の「ソーシャルスキルトレーニング」は、コミュニケーションセミナーよりもう少し具体的に、人と関わる場面での実践を学ぶ内容です。
4つ目は「パソコン講座」で、これはマンツーマンで対応しています。Excelの計算方法が分からないといった基礎的な内容から、ご本人が学びたいテーマを持ち込んで進めていく形式です。
このほか、面接の練習や履歴書作成のサポートは、個別面談の中で対応しています。集団で一斉に行うのではなく、1人ひとりの進度に合わせて進められる体制です。
利用者の「やってみたい」を最優先に、その都度企業へアプローチして体験先を開拓する
Zキャリアガイド編集部────職場見学や職場体験はどのように行われていますか。
ご担当者様────職場見学や職場体験は、利用者の方の希望を聞いた上で、その希望に合った企業にこちらから連絡を取っていく形で進めています。あらかじめ決まった受け入れ先に当てはめるのではなく、利用者の方が気になっている求人票をもとに、その企業に直接アプローチすることもよくあります。
事前に受け入れ先を固定してしまうと、その方の本当の希望とズレが生じてしまうこともあります。だからこそ、1人ひとりの「やってみたい」という気持ちを最優先にし、その都度企業様へアプローチする進め方を取っています。体験がそのまま就職につながるケースもあり、そうした道筋を目指せることが、この仕組みのよいところです。
「何がしたいか分からない」状態でも、段階に合わせて一緒に考える
Zキャリアガイド編集部────利用者の方が無理なくステップアップしていくために、どんな工夫をされていますか。
職業適性検査や作業体験を活用しながら、その方のタイミングを尊重して進める
ご担当者様────何がしたいか、何ができるかが分からないという状態で来られる方もいらっしゃいます。そうした場合は、面談の中で「こういう作業ならできそうかな」という部分を一緒に探していきます。職業適性検査を使って、興味や適性を可視化することもあります。
こちらからプログラムを案内しても、すぐには受け入れられない場合もあります。その場合は無理に進めず、時間をおいてからまた案内するなど、その方のタイミングを尊重しながら進めています。
利用者からは「考え方が変わった」「そういう風に考えたらいいんだ、と気が楽になった」という声をいただくことがあります。コミュニケーションセミナーで視点の変え方を学んだり、ジョブトレーニング的な体験で「こういう仕事もあるんだ」と感じていただいたり、自己理解を深めるプログラムで「普段考えないことを考えるきっかけになった」と言っていただけることもあります。
キャリアコンサルタントと心理カウンセラーが連携する相談体制
Zキャリアガイド編集部────面談を担当する相談員の方はどのような体制ですか。
すぐにサポート依頼を決めなくてもよい——利用者のペースを最優先にした関わり方を大切にしている
ご担当者様────面談を担当する相談員は、相談支援員の他にキャリアコンサルタントと心理カウンセラーがいます。心理的な面談が必要な場合はカウンセラーが対応し、専門的なことやキャリアの話を進めていく段階ではキャリアコンサルタントが担当します。応募に向けての準備はキャリアコンサルタントと相談支援員で対応します。利用者の状況に合わせて対応を振り分けています。
初めて来られる方には、すぐに登録を促すのではなく、まずサポステの内容を説明した上で「考えてもらえたらいいですよ」とお伝えしています。その日に決めていただく必要はありません。圧迫にならないよう、あくまで利用者のペースを大切にする姿勢を心がけています。保護者の方と一緒に来られるケースもありますし、保護者の意思の方が強い場合もあります。どのような状態でも、まずは安心して話せる場をつくることを第一にしています。
短時間のパートから少しずつステップアップし、フルタイムへ至った支援エピソード
Zキャリアガイド編集部────サポステ豊岡を利用して変化した方のエピソードがあれば教えてください。
職場体験がきっかけとなり、表情が明るくなりながらフルタイムで働けるようになった
ご担当者様────20代前半の方で、大学を中退した後アルバイトしか経験がなく、何がしたいかも分からないという状態で関係機関を通じてつながった方がいました。面談を重ねる中で職場体験を案内したところ、その体験がご本人にとってよいきっかけになりました。
ちょうど体験先でタイミングよく募集があり、まずは短時間のパートとして働き始めました。そこから少しずつ勤務時間が伸び、やがてフルタイムで働けるようになりました。最初はあまり口数が多くなかった方ですが、支援を通じて表情が明るくなり、少しずつ変わっていかれたのが印象的でした。
こうした段階的なステップアップが実現できるのは、利用者の方のペースを尊重しながら、その方に合った場を一緒に見つけていく支援があるからだと考えています。
働くことに悩んでいる方へ伝えたいメッセージ

Zキャリアガイド編集部────最後に、就労に悩んでいる方へメッセージをお願いします。
何も準備しなくてもいい、利用するかどうかはその場で決めなくてもいい
ご担当者様────サポステ豊岡では、「相談するかしないかを、相談しに来てほしい」という呼びかけをしています。何も準備してこなくても大丈夫ですし、利用するかどうかはその場で決めなくても構いません。
まずは気軽に来ていただいて、話をしてみて、そこから使うかどうかを考えてもらえたらいいと思っています。
まとめ
兵庫県但馬地域で、就労に悩む15歳〜49歳の方を対象に伴走型の支援を提供している若者サポートステーション豊岡。利用は無料です。ご本人はもちろん、保護者の方のご相談も受け付けています。一度、お話ししにいらしてみてください。まずは情報を確認したいという方は公式サイトをご確認ください。
取材日:2026年06月15日
取材/執筆担当者 株式会社ROXX Zキャリアマーケティング事業部 平井祐樹