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東京しごとセンター「点ではなく線で支える」伴走型の若者支援と、いつでも頼れる安心の仕組み

東京しごとセンター「点ではなく線で支える」伴走型の若者支援と、いつでも頼れる安心の仕組み
公開 2026/05/27

東京都の就労支援施設「東京しごとセンター」は、若年層をはじめ幅広い年齢層の求職者に対して、キャリアカウンセリングや企業実習などの多様な支援プログラムを提供しています。今回は、正規雇用対策担当課長に、若者支援において大切にしている考え方や具体的な取り組み、近年の若年求職者の変化について話を伺いました。就職活動に不安を感じている方や、公的な就労支援の活用を検討している方にとって、支援の実態が伝わるインタビューとなっています。

東京しごとセンターの外観
東京しごとセンターの外観
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東京しごとセンターが最も大切にする若者支援の考え方

Zキャリアガイド編集部────まず、東京しごとセンターが若年層の支援で最も大切にしている考え方について教えていただけますか?

一人の若者の人生を「点ではなく線」として支える

正規雇用対策担当課長────私どもが最も大切にしているのは、一人の若者の人生を点だけではなく、線として支えるという考え方です。単に就職先を見つけることだけが目的ではなく、その方が自立し、社会の中で自分らしく歩み続けられる力を身につけていただくこと。当財団の理念は「一人ひとりに寄り添う伴走型の支援」であり、徹底した寄り添いが私たちの支援の核にあります。

Zキャリアガイド編集部────「点ではなく線の支援」とのことですが、具体的には支援の期間としてはどのくらいの長さになるのでしょうか。一般的な就職支援サービスでは3か月程度が多い印象ですが、それよりも長い期間にわたることもあるのでしょうか。

利用者の22%が7か月〜1年、20%以上が1年超の長期利用

正規雇用対策担当課長────新卒の方の3年以内の離職率は大体30%を超えるとも言われていますので、再チャレンジされたい方にも丁寧に対応しています。就職された方の支援期間の長さについて令和6年度の数字をお伝えすると、1か月・2か月がそれぞれ全体の12%、3か月が10%です。7か月から1年の方が22%、1年以上ご利用になっている方も20%以上いらっしゃいます。就職という結果を急ぐのではなく、その方が納得して次の一歩を踏み出せるまで、必要な時間をかけて伴走することを大切にしています。

※東京しごと財団のデータに基づく

Zキャリアガイド編集部────民間の就職支援サービスでは3か月以内がほとんどという印象がありますので、7か月以上の方がそれだけ多いというのは、公的な機関ならではの強みですね。

民間エージェントやハローワークとは異なる、東京しごとセンターの強み

Zキャリアガイド編集部────民間のエージェントやハローワークと比べたとき、東京しごとセンターの若者への向き合い方にはどのような強みがありますか?

「内的なキャリア」を丁寧に探ることに時間をかける

正規雇用対策担当課長────民間のエージェントは効率性を重視されている印象があります。ハローワークは求人数が豊富で、マッチングを重視した的確な紹介ができることが強みだと感じています。一方、東京しごとセンターの強みは、効率や条件面だけでは測れない「その人らしさ」に向き合うことにあります。時間をかけてでも、ご本人の働く上での価値観や大切にされていること、本当に望んでいる働き方といった「内的なキャリア」を丁寧に探ることに重きを置いています。

専任アドバイザーによる担当制で、安心感のある伴走を実現

正規雇用対策担当課長────東京しごとセンターでは、カウンセラーが担当制で伴走しています。お一人のご利用者に対して専任のアドバイザーをお付けしているので、相談を重ねながら関係を構築し、ご利用者のキャリアを最も理解しようとしているアドバイザーがすぐそばで伴走する。そういう安心感を持ってご利用いただけるのは、他にない強みだと考えています。

不安を自信に変える「スモールステップ」の支援メニュー

Zキャリアガイド編集部────ホームページを拝見すると、キャリアカウンセリングやセミナー、企業実習など幅広いメニューがありますね。特に注力しているプログラムや、利用者からの要望が多い支援について教えてください。

情報が氾濫する時代だからこそ、段階的な体験で前に進む

正規雇用対策担当課長────今の若い方は情報が氾濫する中で取捨選択が難しい状況にあります。新卒・若年層の労働市場は大変活況を呈していますが、だからこそ「失敗したらどうしよう」という恐怖心に近い気持ちを抱えている方もいらっしゃいます。そうした方にはスモールステップで進んでいただく形を取っています。いきなり正社員を目指すのに躊躇がある場合は、まず必要なセミナーを受けていただく。あるいは職場体験やインターンシップで数日間の企業実習を経験していただくことで、自分の固定的なイメージだけでなく、実際の現場を体感し、不安を自信に変えていただくのです。

セミナーなどのお知らせが載ったチラシがたくさん集まったコーナー
セミナーなどのお知らせが載ったチラシがたくさん集まったコーナー

年間600名以上が利用する「若者正社員チャレンジ事業」

正規雇用対策担当課長────特にご紹介したいのが「若者正社員チャレンジ事業」です。5日間から20日間の企業内実習を通じて体験を積んでいただくプログラムで、非正規で働いている方や無業の方など、職歴が少なかったりブランクがあったりする方を対象としています。実習を通じて企業に直接アピールしていただき、企業の人事担当者にも働きぶりを見ていただくことで、相互理解を深める仕組みです。出口としてはハローワークの求人を通じて正社員雇用につなげていきます。年間600名以上の方にご利用いただいており、一定の事業規模がある効果的なプログラムだと考えています。

Zキャリアガイド編集部────実際に働く現場を体験できるということは、入社後のミスマッチも低く抑えられそうですね。

正規雇用対策担当課長────そうですね。相互理解を進めていただくことで、職種選択や職場環境のミスマッチを極力低減できるプログラム設計になっています。

近年の若年求職者が抱える不安の変化

Zキャリアガイド編集部────相談に来られる若い方の不安の「質」が変化している部分もあるのではないかと感じています。最近の傾向として感じていらっしゃることはありますか?

スキルの不安から「社会に受け入れられるか」という根本的な不安へ

正規雇用対策担当課長────以前は「どんな仕事ができるだろう」「自分のスキルや能力は大丈夫だろうか」といった不安が主流だった印象があります。しかし、最近では、会社や社会に自分がうまく受け入れられるのかという根本的な不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。私たちは、そうした不安を「能力不足」と捉えるのではなく、一歩を踏み出すための大切な準備期間だと考えています。過度に他人と比較することで動けなくなってしまった気持ちに、まずは安心を与えることから始めます。

Zキャリアガイド編集部────仕事そのものの不安よりも、もう少し手前の心理的な部分に課題がある方が増えているということですね。東京しごとセンターが大切にしている「マインドセット」の支援と、まさに合致しているように感じます。

職業準備性を整え、意欲と距離感に寄り添う

正規雇用対策担当課長────おっしゃる通りです。簡単な言葉で言えば「職業準備性」というところかと思います。能力やスキルだけでなく、就職に向けての距離感や意欲が必ずしも高くない方も、若年層の労働市場が売り手市場で活況を呈している反面、一定数いらっしゃいます。そうした方にも寄り添いながら丁寧に相談を進めています。

心のガードを解くために大切にしている「沈黙」の時間

Zキャリアガイド編集部────不安を抱えた若い方が初めて相談に来られたとき、心のガードを解くためにアドバイザーの方々が意識している言葉がけや雰囲気づくりがあれば教えてください。

沈黙もカウンセリングの大切な一場面

正規雇用対策担当課長────ご利用者の中には、なかなか上手く言葉が出なかったり、自分の希望を最初は話せなかったりする方もいらっしゃいます。沈黙される方や次の言葉がなかなか出ない方もいますが、そういう方は逆に「何か話さなきゃ」と焦ってしまいがちです。私たちはそうしたプレッシャーを与えないように、「ゆっくりご自身の言葉でご相談ください」という雰囲気づくりを大切にしています。沈黙の場面も、カウンセリングではご自身の心と対話されている貴重な時間だと捉えています。無理に言葉を引き出すのではなく、沈黙を恐れないような言葉がけで、ご本人の気持ちが自然と動くのをじっくりと待ちます。

「次はもっと色々なことを相談してみよう」と思える関係づくり

正規雇用対策担当課長────そうした対応を積み重ねることで、「このアドバイザーなら、次はもっと色々なことを相談してみよう」という気持ちにつながると考えています。情報だけをヒアリングするのではなく、考える間や迷いもしっかり受け止めながら相談を進めるという点を大切にしています。

企業実習を通じて「顔つきが変わった」若者の事例

Zキャリアガイド編集部────実際に、最初は不安を抱えてセンターを訪れた方が、支援を通じて前向きに変わっていった具体的なエピソードがあれば教えてください。

目を合わせられなかった方が、明確に「働いてみます」と意思表示するまで

正規雇用対策担当課長────先ほどご紹介した若者正社員チャレンジ事業の利用者の中に、最初は目を合わせるのも難しく、声も聞き取れないほど小さかった方がいらっしゃいました。カウンセリングで寄り添いながら伴走した結果、この事業のご利用を希望されて企業実習に向かわれました。実習では一定の成果を上げ、企業側からも感謝の言葉をいただきました。大変意欲や顔つきが変わり、「しっかりこれから仕事を探して働いてみます」とアドバイザーに明確に意思表示をされるまでに行動が変容した、という事例があります。

不透明な時代に、東京しごとセンターが目指す若者支援のかたち

Zキャリアガイド編集部────働き方の多様化やAIの台頭など、先行きが不透明な時代において、東京しごとセンターが長期的に目指している若者支援のあり方を教えてください。

「何度でも戻れる場所」としての温かいセーフティーネット

施設内にあるヤングコーナーフロア
施設内にあるヤングコーナーフロア

正規雇用対策担当課長────これからの時代は不透明さがより増していくと感じています。だからこそ、東京しごとセンターは安心して、必要に応じて「点ではなく線で支える」場所として、ご自身の職業生活の起点・核としてお使いいただければと考えています。一度就職したらそれで終わりではなく、転職をしなければならない場面や、ご自身が考えていた仕事と違って迷われている場面で、「また戻ってきていつでも相談していいんだ」と思えるような安心感を提供したいのです。

正規雇用対策担当課長────若い方が失敗しても、東京しごとセンターに行けば寄り添ってくれると思えるような存在でありたい。誰もが何度でも社会とつながり直せる、温かいセーフティーネットを目指していきたいと考えています。東京しごとセンターにはヤングコーナーをはじめ年齢・状況に応じた5つのコーナーを設けており、その方の不安や悩み、状況に応じて適切に対応できる体制を整えています。

施設内にある雑誌コーナー
施設内にある雑誌コーナー

まとめ

東京しごとセンターの若者支援は、「点ではなく線で支える」という理念のもと、一人ひとりの内面に寄り添う伴走型の支援を特徴としています。専任アドバイザーによる担当制、企業内実習を通じた相互理解の促進、そして沈黙さえも大切にするカウンセリングの姿勢は、仕事の悩みの「手前」にある不安を抱えた若者にとって心強い存在となるのではないでしょうか。

就職活動に不安を感じている方、一度離職して次の一歩を迷っている方は、東京しごとセンターの公式サイトで支援内容やアクセス情報をぜひ確認してみてください。「何度でも戻れる場所」として、いつでも相談を受け付けていらっしゃいます。

施設情報

  • 名称:東京しごとセンター(運営:公益財団法人 東京しごと財団)
  • 所在地:東京都千代田区飯田橋3丁目10-3
  • 連絡先:03-5211-6351(ヤングコーナー)
  • 公式HP:https://www.tokyoshigoto.jp/
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