エイジン様プロフィール

- 活動名:エイジン(YouTube「リアルゲームチャンネル」運営)
- 経歴:ニート、工場作業員、派遣会社の営業・拠点責任者、大手コンサルティング会社を経て独立
- 現在の活動:経営コンサルタントとして複数社の支援を行うかたわら、キャリアに悩む非正規雇用者や社会人に向けた「リアルゲームチャンネル」を運営。
今回は、リアルゲームチャンネルを運営するエイジン様(以下、エイジン様)にインタビューを実施しました。異色のキャリアの歩みや、逆算思考を軸にしたキャリア戦略について、率直に語っていただきました。
「この職場に居場所がない」と感じた派遣社員時代
Zキャリアガイド編集部────まず、エイジン様のこれまでのキャリアについて教えてください。
派遣正社員で半年でクビ宣告、工場で孤立するなど、40社連続不採用の先にあった「本当のどん底」

エイジン様────経歴はかなりややこしいのですが、元ニートで元工場作業員で、新卒の経験もなくて、そこから上場企業で経営コンサルタントをやって、今は2社の代表をやっています。普通にやったらこうはならないんですよ。
一番苦しかったのは、派遣会社の正社員として入社したものの半年でクビ宣告され、工場の現場作業員になった時期です。現場では自分が正社員であることが発覚して周囲から孤立し、職場での居場所がなくなりました。その前にもニート時代に40社連続で不採用になった経験があり、本当にどん底でした。
結婚・子供・稼ぎ出す時期まで逆算した「人生設計図」の全体像
Zキャリアガイド編集部────非常につらい体験ですね。それでも辞めなかったのはなぜですか。
25歳から「学ぶ期間」、35歳から「稼ぐ期間」と全体像が見えていたので、目の前の辛さに振り回されなかった

エイジン様────「人生設計図」があったからです。
24歳の時、ニートだった私に当時の彼女が「結婚したい、子供が欲しい」と言い出したんです。無職の自分に。でも本気だったので、「分かった、考える」と。希望を聞いたら、20代で子供1人、できれば2人。そこから子供が幼稚園に入る年、小学校に入る年、大学に入る年──全部年表にして書き出していったんです。
するとはっきり見えたのは、45歳ぐらいからの出費が非常に多いということ。だから逆算して、25歳から35歳は「学ぶ期間」、35歳から「稼ぎ出す期間」、45歳から「もっと稼ぐ期間」と3つのフェーズに分けた計画を立てました。
この全体像があるから、目の前の辛さに振り回されなかった。年収が下がろうが、現場で孤立しようが、「今は学ぶ期間だ」と割り切ることができました。職場で孤立したからといってすぐに辞めていたら、今の自分はありません。
キャリア形成をRPGに例える——「スライムを何万匹倒してもレベルは上がらない」
Zキャリアガイド編集部────人生の全体設計から考えることでつらいことも受け入れられるというのは、重要な視点ですね。リアルゲームチャンネルでは、キャリアをゲームに例えて解説されていますが、その視点からのキャリア論を伺いたいです。
次のダンジョンに行けば経験値もお金も桁が変わるからこそ、店長を目指してほしい
エイジン様────アルバイトをしている方によく言うのは、RPGで最初のダンジョンにいるスライムの話です。最初はスライムにも手こずりますが、慣れてくれば余裕で倒せるようになる。でも、同じステージでスライムを倒し続けても、次のステージに行かないとレベルはほとんど上がらないんです。
次のダンジョンに行けばスケルトンが出てきて、一撃で半分ぐらい体力を持っていかれ、ゲームオーバーしそうになる。でも、回復しながら戦っていれば、そのうちスケルトンも余裕になって、またその先へ進める。キャリアもこれと同じです。
今の仕事で「新しいスキルを身につけず、現状維持のまま」何年続けても、もらえるお金はスライム1匹分の報酬です。店長になれば100ゴールド、その先に行けば1,000ゴールドといった具合にレベルを上げれば、報酬額を変えられます。難易度は上がるけど、経験値もお金も桁が変わる。だからこそ、次のダンジョン(今よりもハイレベルな仕事ができる場所)に行ってほしいんです。
予測できない未来にも計画を立てる意味——出来事の連鎖反応を見越して行動を起こしていく
Zキャリアガイド編集部────将来のことは完全には予測できないから、キャリア設計が難しいという声もあります。キャリア計画を立てる方法についてお考えをお聞かせください。
連鎖反応を組もうとしていなかったら、偶然が起きても何も繋がらない

エイジン様────パズルゲームの「ぷよぷよ」をご存じでしょうか。あれは、落ちてくるぷよを消すゲームです。4個ずつ消してもいいけど、連鎖反応を考えて積んでいった方が圧倒的に強い。あと1個黄色が来たら連鎖反応が起こってぷよを一気に消せるぞ、と思っていたところにお邪魔ぷよが落ちてきて塞がることもある。でも、頑張ってその辺を消していると、突然また連鎖反応が始まる瞬間がある。
これは「計画的偶発性理論」という考え方と同じです。どんなにキャリアのことを考えても、思い通りにはいかない。でも、連鎖反応を期待して、仕事を選んでいった人は、予期せぬ出来事を「連鎖反応」として活かせる。
工場現場ではレースゲームの考え方を応用し生産性を上げていった
Zキャリアガイド編集部────予想できないけど、偶然のチャンスを想定してキャリアを組んでいくのは面白い考え方ですね。工場の現場では、どのようにゲーム的な発想を活かしたのですか。
職場掃除をしたことが業務効率の改善活動につながっていった
エイジン様────職場での居場所がない状態だったので、誰もやりたがらない清掃活動を率先してやることで、少しずつ周囲の信頼を取り戻していきました。掃除をする時に、下にかがむのですが、その時に、「あの箱がここにあったら効率化できるよな」とそんなことに気づいていくんです。実際に、箱を移動して作業をしてみたら、作業時間が大幅に短縮されました。その次にもう少し視野を広げて効率化できるところがないかを探してみます。そこで作業時間短縮ができるところを見つけられます。
工場の生産管理をレースゲームのラップタイムを短縮する作業に置き換えた
作業効率化をした実績を買われ工場全体の生産管理を任されました。生産管理のサイクルタイム短縮に取り組んだのですが、この作業をレースゲームのラップタイム短縮に置き換えて考えたんです。どこのコーナーで何秒縮められるか、どのラインを走れば最短になるのかなど、まったく同じ発想で生産性を改善していきました。結果として、赤字だった現場を黒字化できました。人の配置をゲームのパーティ構成のように最適化し、チーム全体の生産性を上げた。この実績が評価されて営業職への復帰、その後のキャリアアップにつながっています。
AIを使った仕事に変わっていく時代にキャリアアップをするために必要な考え方
Zキャリアガイド編集部────AIが台頭し、単純作業は人間が行う必要がなくなってきています。その状況でキャリアアップをしていくためにはどうすべきでしょうか。
次にどんな敵が出てくるか分からないのはゲームも人生も同じで、対処法はレベルを上げておくことだけ

エイジン様────10年後の社会は激変していると思います。事務系の仕事はAIに置き換わり、定型的な営業も不要になり、工場や倉庫もどんどん自動化される。今人間がやっている仕事そのものがなくなる可能性がある。仕事の見習いとして単純作業をやって経験を積むというキャリアスタートが難しい時代がもうすぐそこに来ています。
次にどんな敵が出てくるか分からないのは、ゲームも人生も同じです。ゲームの攻略法と同じように、レベルを上げて、装備を整えておくしかない。だから今やっている仕事で社内トップを目指してほしい。雇用形態に関係なく、今の業務でレベルを上げ続けることが、将来どんな環境になっても生き抜く力になります。
今年収が低い方には上がっていく余地しかなく、AI台頭による社会の変化を前向きに捉えられる
エイジン様────大富豪というトランプカードゲームで、4枚揃うと革命が起きて、一番弱かった3のカードが最強になるルールがありますよね。今の社会はまさにそれが起きていると感じます。
これまでは、いい大学を出ていい会社に入って長く勤める人が勝ちでした。ただ今は、従来型の高年収ポジションであっても、変化の波に晒される可能性があります。一度上げた生活水準を下げるのは、誰にとっても簡単なことではありません。AIによって置き換わる仕事もあれば、人が担い続ける仕事もあります。どちらに自分の時間を積み上げるかで、この先の見え方は変わってくると思います。
一方で、今の年収が高くない方には、これから積み上げていく余地があります。もちろん物価の上昇もあるので単純な話ではありませんが、変化を悲観するよりも、自分のレベルを上げる機会として捉えてほしいというのが私の考えです。
キャリアに悩んでいる方へ伝えたいメッセージ
Zキャリアガイド編集部────最後に、メッセージをお願いします。
勇気を振り絞って仕事のレベルを上げてほしい

エイジン様────これまでの経歴は一旦置いてください。大学に行かなかったとか、就活をしなかったとか、いろんな事情があると思います。でも、キャリアアップする道筋はどんな人にも残されている。今が低い状態と感じるならば、上がっていくしかない。希望を持ってほしい。
キャリアに悩む方の多くが、毎日スライムを叩いて終わって(同じレベルの仕事を繰り返している)います。でも、勇気を振り絞って次のダンジョン(より高いレベルの仕事にチャレンジする)に行ってみてほしい。レベルアップしようとすれば、それなりの苦労をすると思います。でも、体力と精神を回復して、またチャレンジする。それを繰り返しているうちに、確実にレベルが上がっていきます。諦めないでください。
まとめ
元ニート・工場作業員から経営コンサルタントへと歩みを進めたエイジン様。24歳で描いた「人生設計図」に基づく逆算思考と、キャリアをRPGに例える独自の視点が印象的な取材でした。現状に悩みながらも、次の一歩を踏み出したいと考えている方は、エイジン様が発信する「リアルゲームチャンネル」から、キャリアを前向きに捉えるヒントを探してみてください。
取材日:2026年08月04日
取材/執筆担当者:株式会社ROXX Zキャリアマーケティング事業部 平井祐樹