竹之内さんのプロフィール
- 職種:キャリアアドバイザー
- 担当業務:地方エリアの求職者に対するキャリア面談・転職支援
- 経歴:看護課程を修了後、病棟看護師として約10年勤務。看護師専門の人材紹介会社でキャリアアドバイザーを経験したのち、株式会社ROXXに入社。現在は同社3年目。
今回は、Zキャリアでキャリアアドバイザーを務める竹之内さんにインタビューを実施しました。看護師から民間企業への転職で感じたギャップや、医療業界の経験がいまの仕事にどう生きているかについて、率直に語っていただきました。
14歳で看護師を志す。職場体験がくれた原点

――看護師を目指したきっかけを教えてください。
14歳のとき、中学校の職場体験で介護の現場を訪れたのがきっかけです。当時の先生から「こういう仕事が向いていそうだね」と声をかけていただきました。家族に相談したところ、「それなら看護師を目指してみては」とアドバイスをもらったんです。看護師資格があれば介護の分野にも携われますし、将来のキャリアの幅が広がるという考えでしたね。
――どのようなルートで資格を取得されたのですか。
高校の看護科から専門課程へ進む5年一貫のコースを選びました。最短で20歳から現場に出られるルートです。入学時の同学年は200人以上いましたが、国家試験を受験したのは180人ほど。学業と実習の両立は体力的にも精神的にもハードで、途中で進路を変える同級生も少なくありませんでした。奨学金制度を活用していたこともあり、自分のなかでは「やり切る」以外の選択肢はなかったですね。
脳外科の病棟看護師として。現場で知った理想と現実
――卒業後の最初の職場はどのような環境でしたか。
200床規模の病院で、脳外科の病棟看護師としてスタートしました。急性期と慢性期の混合病棟で、手術後の患者さんからリハビリ中の方まで幅広く対応する環境です。脳外科は呼吸器や循環器など他領域の知識も求められるため、学ぶべき範囲は想像以上に広かったですね。
――学校で学んだこととのギャップは感じましたか。
学生時代は、患者さん一人ひとりの生活背景や価値観まで深く理解した上で、その方に合ったケアプランを組み立てるという教育を受けます。人格形成の過程や家族構成、食生活まで調べて看護計画を立てる。「対人」の仕事としての看護の本質を徹底的に叩き込まれました。ただ、実際の現場では日々の業務量が多く、一人の患者さんとじっくり向き合える時間には限りがあります。学校で学んだ理想と、現場で求められるスピード感。そのあいだで折り合いをつけていく必要がありましたね。
――看護師のキャリアにはどのような特徴があるのでしょうか。
経験年数に応じて給与が上がっていく仕組みなので、初任給の水準は決して低くありません。ただ、ある段階から昇給の幅がゆるやかになり、大幅な収入アップを目指すなら管理職を目指すルートが一般的です。また、看護師の就職先は大半が医療機関に集中しています。そうなると「次はどの診療科で働くか」という選択になりがちで、キャリアの選択肢がどうしても限定されやすい構造があると感じていました。
医療業界にこだわらない。選択肢を広げるという発想

――医療業界から民間企業へ転職することに、抵抗はなかったのですか。
一切なかったです。看護師として複数の現場を経験するなかで、どの職場でも人間関係や待遇面の悩みはある程度共通していると気づきました。給与を上げたいのか、働き方を見直したいのか、人間関係を改善したいのか。こうした課題は医療業界でも民間企業でも変わりません。業界を変えたから悩みがゼロになるわけではないですが、逆に言えば、医療業界にこだわり続けることで可能性を狭めている方は多いのではないでしょうか。
――看護師の方に伝えたい「キャリア設計」の考え方はありますか。
看護師資格は「いつでも医療現場に戻れる」という強力なセーフティネットです。3年から5年の臨床経験があれば、民間企業に挑戦した後でも復帰は十分に可能ですね。急性期の最前線にすぐ戻るのは難しいかもしれませんが、患者さんとじっくり向き合えるような落ち着いた現場であればハードルは高くありません。資格を「保険」として持ちながら、思い切ったキャリアチェンジに踏み出せる。これは看護師ならではのアドバンテージだと考えています。
民間企業で感じた「いい意味でのギャップ」
――実際に民間企業へ移って、どのような変化を感じましたか。
看護師以外の仕事が務まるのか、正直なところ不安はありました。ただ、飛び込んでみると想像以上にいい環境でした。特に印象的だったのは、人間関係の風通しの良さです。医療現場は病棟ごとなど関わるメンバーが定着している安心感がある一方、関係性が固定化しやすい側面がありました。一方で民間企業、特にベンチャー企業では多様なバックグラウンドを持つ社員が多く、よりフラットに意見を交わせる環境だと感じています。
――ベンチャー企業ならではの魅力はどこにありますか。
「まずやってみよう」という文化ですね。医療業界は患者さんの命を守るため、確立された手順を徹底して守る『堅実さ』が何より重視される環境です。命を預かる現場として非常に大切な文化ですが、自分自身は新しいやり方を試してみたいタイプだったので、そこに自分のキャリア観とのずれを感じていた部分はあります。民間企業では毎月のように新しい課題に向き合い、改善策を考えるプロセスそのものが仕事になります。成果が数字として可視化される点も含め、変化を楽しめる方には非常に合う環境ではないでしょうか。
看護師の経験は民間企業でも確かな武器になる

――看護師時代の経験は、今のお仕事にどう生きていますか。
二つあります。一つは、相手の立場に立って考える力です。看護師は患者さんの背景や価値観を深く理解した上でケアを提供する仕事。キャリアアドバイザーとして求職者と向き合う際にも、「この方にとって何が最善か」を起点に考える姿勢は看護師時代そのままですね。もう一つは、ハードな環境で鍛えられた粘り強さです。医療現場を経験した方であれば、民間企業で同じだけの業務をこなせば確実に成果を出せます。転職して2〜3年しっかり取り組めば、自身の成果次第で看護師時代と同等、あるいはそれ以上の収入水準を目指すことも十分に可能だと感じています。
看護師からキャリアチェンジを考えている方へ
――最後に、キャリアチェンジを検討している看護師の方へ、メッセージをお願いします。
あなたが今、看護師として頑張っているからこそ、どこに行ってもやれるという自信を持って挑戦してほしいです。環境を変えることだけに期待するのではなく、これまで医療現場で培ってきた真摯な姿勢で仕事に向き合えば、成果は必ずついてきます。民間企業でしっかり結果を出せるようになったら、もう戻りたいとは思わなくなるかもしれません。それでも「戻れる」という選択肢を持てるのが、看護師資格の強みです。
――竹之内さんの実体験に基づいた、説得力のあるお話でした。本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
まとめ
竹之内さんのように、看護師としての経験やスキルを活かしつつ、新たなキャリアに踏み出したいと考えている方もいるのではないでしょうか。Zキャリアでは、医療業界からの転職を含め、一人ひとりの状況や想いに寄り添いながら、専任のキャリアアドバイザーが転職活動をサポートしています。業界を越えたキャリアチェンジに不安を感じている方も、まずはお気軽にご相談ください。あなたの経験を活かせる新しいキャリアを、一緒に探してみませんか。
取材日:2026年02月26日
執筆者:株式会社ROXX Zキャリアマーケティング事業部 平井祐樹