猪田さんのプロフィール
- 職種:キャリアアドバイザー
- 担当業務:転職を希望する求職者とのキャリア面談、書類添削、面接対策
- 経歴:短大卒業後、接客業を中心に4業種を経験。販売の現場で培ったコミュニケーション力を活かし、キャリア支援の道へ
今回は、Zキャリアでキャリアアドバイザーを務める猪田さんにインタビューを実施しました。接客業から営業職への転身、そして求職者の「気づいていない強み」を引き出す仕事への思いについて、率直に語っていただきました。
生け花を学んだ短大時代と、最初の就職

――まず、猪田さんのこれまでのご経歴を教えてください。
短大で茶道と生け花を学んでいたので、その経験を活かそうと思い、卒業後に花屋へ就職しました。20歳の時ですね。短大ではメイクやネイルのコースもあって、卒業後は接客業に進む方が多い環境でした。正直なところ、当時は自分が何に向いているのか分からなかったんです。話すことが好きだったので接客業を選び、資格を持っていた花の仕事に就いたという流れですね。
――当時を振り返って、その選択はどう感じていますか。
率直に言えば、もっと将来のことを考えて職種や転職の軸を定めておけば良かったという反省はあります。30代になってから今の仕事にたどり着いたので、結構遠回りしたなと。もともと19歳や20歳の頃から「自立してしっかり稼ぎたい」という気持ちはあったんです。でも、当時は営業職にどんな種類があるのかも知らなかったですし、収入を上げるためにどんなキャリアの選択肢があるのかという情報にもアクセスできていなかった。身近な接客業の中から選ぶしかなかったのが正直なところです。だからこそ今、キャリアアドバイザーとして求職者の方と接する際には、同じ遠回りをしなくて済むようにと心がけています。
携帯ショップと美容サロン。接客の中で見つけたやりがい
――4つの接客業の中で、特に印象に残っている経験はありますか。
2つあります。1つ目は携帯ショップですね。定期的に通ってくださるお客様との関係性を大切にしていたのですが、転勤で県外に引っ越されたご家族が、わざわざ休日に以前の店舗まで足を運んでくださったことがありました。お子さんが大きくなって携帯を買いに来てくださったり、ご家族を紹介してくださったり。当時の店舗では「大切な人を紹介したいと思ってもらえる接客をしよう」という考え方を大切にしていたんです。その姿勢を日々意識していたからこそ、遠方からでもわざわざ足を運んでいただけたのだと思います。
――もう1つはどのような経験でしたか。
美容サロンでの経験です。夢を追いかけている若いお客様がいらっしゃって、費用面で悩まれていました。お話を聞く中で、自分への先行投資がどれだけ将来に影響するかを一緒に考えたんです。押し売りではなく、その方の未来を一緒にイメージした上でのご提案でした。結果的にお客様は自信をつけて目標を達成され、その後もずっと通い続けてくださった。感謝の言葉をいただいた時は、本当にこの仕事をやっていて良かったと感じましたね。この経験は、今のキャリアアドバイザーの仕事にも通じています。転職という選択に対して「今ここでこういう決断をしたら、将来こうなれる」という未来のイメージを一緒に描くところは、まさに同じ考え方ですから。
「ありがとうの数が売上になる」。ノルマとの向き合い方

――接客業の一番の魅力は何でしょうか。
お客様に直接「ありがとう」と言っていただけることです。ものづくりやマーケティングなど、さまざまな仕事がある中で、自分の手でサービスを届けて、喜んでいる顔を直接見られる。これは接客業ならではの魅力だと思います。
――販売の仕事だと、ノルマや目標に不安を感じる方も多いと思いますが。
当時の上司に言われた言葉がずっと残っています。「売上はお客様にありがとうと言われた数だから、売上のことは考えなくていい。どうしたらありがとうと言われるかだけ考えて」と。実際その通りで、お客様に喜んでいただくことに集中していたら、自然と数字はついてきました。ノルマや目標を「追うもの」と捉えるのではなく、「結果としてついてくるもの」と考えると、気持ちが楽になるのではないでしょうか。
接客と営業の違い。未経験の方が知っておきたいこと
――接客と営業の違いを、分かりやすく教えてください。
接客業は、お客様がすでに知っている商品やサービスに興味を持って来店されるので、説明や提案がしやすい面があります。一方で営業は、お客様自身がまだ気づいていない課題やニーズを引き出して、こちらから提案する必要があるんです。たとえばキャリアアドバイザーの仕事だと、「事務職がいい」とおっしゃる方でも、その背景を掘り下げていくと、実は別の職種の方がご本人の望みに合っている場合もある。知らない選択肢に気づいてもらうところが、接客との一番の違いですね。キャリアアドバイザーの仕事では、仕事の話だけでなく、プライベートの話も含めてお客様を理解するようにしています。雑談の中から本音や本質が見えてくることが多いですし、自分の提案が本当に合っているかの答え合わせにもなるんです。接客業で培った「お客様との距離の縮め方」は、営業の仕事にもそのまま活きています。
――未経験の方が接客と営業で迷った場合、どう選べばいいでしょうか。
自分の頑張りがダイレクトにお給料に反映されたい方は、営業職が向いています。一方で、お客様との関わりを大切にしたい、まずは安定した環境で経験を積みたいという方は、接客業から始めるのも一つの選択です。接客で販売トップを取ってから営業に移る方もいますし、店長としてマネジメントの道に進む方もいます。最初から営業に飛び込むのが不安であれば、私のように接客で基礎を作ってからチャレンジするルートもありますよ。接客業は、たとえ店舗の目標が未達であっても、自分のお給料が下がることは基本的にありません。一方、営業職は成果がダイレクトに報酬や評価に反映されるぶん、厳しさもあります。その厳しさを乗り越えてでも自分の価値を高めたいという方には、営業職へのチャレンジをおすすめしたいですね。
アルバイト経験でもアピールできる、面接のコツ
――「接客のアルバイトしかしたことがない」と不安に感じる方に、アドバイスをお願いします。
アルバイト経験でも十分にアピールできます。大切なのは、日々の仕事にどう向き合ってきたかを伝えること。たとえば、お客様の好みや前回の会話をメモして、次の来店時に活かしていたとか。以前サポートした方で、アパレルのアルバイトで顧客ノートを作っていた方がいらっしゃいました。お客様がどんな服を好むか、前回どんな話をしたかを記録して、次の来店時にその内容を自然に盛り込んでいたそうです。アルバイトでそこまでやっている方はなかなかいません。面接でその話をしていただいたところ、非常に好印象でした。小さなことでも構いません。「笑顔での接客を心がけていました」だけでも、1日1日、お客様やお店のために何かしていたという事実があれば、きちんと評価されます。
――面接が苦手という方には、どのようなサポートをされていますか。
面接の苦手意識はよく分かります。普段は話せるのに、自分のことを改まって伝えるとなると急に難しく感じますよね。私はキャリアアドバイザーとして、お一人につき1回から3回の面接練習を行っています。履歴書や職務経歴書の添削もこれまで数百件以上行ってきましたので、ご自身が気づいていない強みを見つけ出すところから、一緒に取り組めます。面接が怖いという方、自己PRの作り方が分からないという方も、安心してご相談ください。
――猪田さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
まとめ
猪田さんのように、接客業の経験を活かしてキャリアアップしたいと考えている方や、「アルバイト経験しかないけど正社員になれるのかな」と不安を抱えている方は少なくないでしょう。Zキャリアでは、一人ひとりの経験や強みを丁寧にヒアリングし、専任のキャリアアドバイザーがあなたに合った求人をご提案しています。接客業から営業職へのステップアップはもちろん、未経験から挑戦できる求人も多数ご用意しています。まずはお気軽に、あなたのこれまでの経験やこれからの希望をお聞かせください。
取材日:2026年03月13日
執筆者 株式会社ROXX Zキャリアマーケティング事業部 平井祐樹