- 非正規雇用のまま迎える老後に起こりやすいこと
- 非正規雇用で働くメリットとデメリット
- 今から始められる老後へのお金の備え方
- 老後に備えて正社員を目指すための進め方
非正規雇用のまま迎える老後はどうなる?
老後のことを考えて不安になるのは、とても自然な気持ちです。何が起こりやすいのかを先に知っておくと、ぼんやりした不安が「備えられる課題」に変わります。ここでは、非正規雇用のまま老後を迎えたときに起こりやすいことを4つにまとめました。
- 受け取れる年金が少なくなりやすい
- 退職金がもらえない職場が多い
- 年齢が上がると仕事が見つけにくくなる
- 独身の場合は一人で備える必要がある
ひとつずつ、中身を確認していきましょう。
受け取れる年金が少なくなりやすい
非正規雇用のままだと、老後の年金額が少なくなりやすいです。年金には、20歳以上の人が入る国民年金と、会社員などが入る厚生年金の2種類があります。厚生年金に入らない働き方だと、老後に受け取るのは国民年金だけになります。
厚生年金は給料に応じて上乗せされるしくみなので、入っているかどうかで受け取れる額が変わってしまうのです。まずは給与明細で、厚生年金の保険料が引かれているかを確かめてみてください。
退職金がもらえない職場が多い
非正規雇用で働く場合、退職金の制度がない職場も少なくありません。正社員であれば、長く勤めたぶん退職するときにまとまったお金を受け取れる会社があります。そのお金を老後の生活費にあてる人もいるでしょう。
退職金がないと、老後に向けたお金は自分で一から準備していくことになります。今の職場に退職金があるかどうかは、就業規則や雇用契約書で確かめられます。分からなければ、職場の担当者に聞いてみるのもひとつの手です。
年齢が上がると仕事が見つけにくくなる
年齢が上がるにつれて、応募できる求人が少しずつ限られてきます。体力を使う仕事は、年齢とともに続けるのがつらくなることもあるでしょう。
非正規雇用は契約ごとに働く期間が決まっているため、契約が終わるたびに次の仕事を探すことになります。若いうちは見つけやすかった仕事を、同じ条件で探し続けられるとは限りません。今のうちに、年齢を重ねても続けやすい仕事や、身につけたいスキルを考えておくと安心です。
独身の場合は一人で備える必要がある
独身で老後を迎える場合は、生活費や住まいを自分一人で支えていくことになります。夫婦なら2人分の年金を合わせて暮らせますが、一人だと頼れるのは自分の年金だけです。賃貸に住み続けるなら、家賃も老後の出費に入れておくと安心かもしれません。
ですが、一人だからこそ、自分のペースで計画を立てやすい面もあります。早めに動き始めたぶんだけ、選べる道は広がっていきます。
非正規雇用で働くメリット
老後の話を聞くと、非正規で働くこと自体がよくないように感じるかもしれません。ですが、非正規雇用ならではの良さもあり、それを知ると今の働き方を前向きに見直すきっかけになります。ここでは代表的なメリットを2つ取り上げます。
- 働く時間や日数を選びやすい
- 仕事以外の時間を大切にできる
どちらも今の暮らしを大切にしたい人にとってうれしいポイントなので、順番に見ていきます。
働く時間や日数を選びやすい
非正規雇用は、シフトや勤務日数を自分の都合に合わせて選びやすい働き方です。たとえば、資格の勉強をしながら週3日だけ働く、家族の用事がある日は休みにするといった調整がしやすくなります。
正社員だと残業や休日出勤を頼まれる場面もありますが、非正規なら契約で決めた時間の中で働けることが多いです。体調や生活の変化に合わせて、無理のない働き方を続けやすい点は大きな良さになります。
仕事以外の時間を大切にできる
非正規雇用なら、趣味や家族との時間を大切にしながら働けます。任される仕事の範囲が決まっていることが多く、休みの日まで仕事のことを考えずにすむ人もいるでしょう。
たとえば、好きなアーティストのライブに通う、地元の友人と過ごす時間を優先するなど、自分なりの幸せを軸に暮らせます。非正規で働きながら満足した毎日を送ることは、十分に可能です。大事なのは、今の楽しさと老後の安心のバランスをとっていくことかもしれません。
非正規雇用で働くデメリット
良い面がある一方で、気になる点を知らないままだと、あとから「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうかもしれません。先にデメリットを押さえておけば、老後に向けて何を補えばいいかが見えてきます。ここでは、特に気をつけたい3つを挙げます。
- 収入が安定しにくい
- 契約が更新されない不安がある
- 正社員と待遇に差が出やすい
それぞれの中身と、知っておきたいポイントを見ていきます。
収入が安定しにくい
非正規雇用は、働いた時間がそのまま収入になるしくみが多く、月ごとの収入が変わりやすいです。たとえば、シフトが減った月や体調を崩して休んだ月は、そのぶん手取りが少なくなってしまいます。ボーナスがない職場もあり、年間で見ると思ったより収入が増えないこともあるでしょう。
収入が安定しないと、毎月決まった額を貯金に回すのも難しくなります。まずは直近数か月の給与明細を並べて、収入の波がどのくらいあるかを確かめてみてください。

契約が更新されない不安がある
派遣社員や契約社員の場合、契約期間が終わるたびに更新されるかどうかを気にしながら働くことになります。職場の都合で急に更新されないこともあり、「使い捨てにされているのでは」とつらく感じる人もいるかもしれません。
次の仕事が決まるまで収入が途切れると、貯金を取り崩すしかなくなってしまいます。契約の区切りが近づいたら、早めに更新の見込みを確認しておくと安心です。
正社員と待遇に差が出やすい
同じ職場で働いていても、正社員との待遇に差が出る場面があります。たとえば、正社員と同じような仕事を任されているのに、手当や昇給の対象から外れているケースです。こうした状況が続くと、「頑張っても報われない」と感じてしまうこともあるでしょう。同一労働同一賃金のルールにより不合理な待遇差は禁止されていますが、異動の有無や責任範囲の違いなどを理由に、結果的に正社員と非正規で手当や賞与に差が出るケースは存在します。
待遇の差は今の収入だけでなく、将来の年金額にもつながっていきます。不公平だと感じたら、まずは雇用契約書で自分の待遇を確かめ、職場の相談窓口に聞いてみてください。
非正規で働く人が今からできる老後への備え
デメリットを知って、「じゃあどうすればいいの?」と感じた人もいるでしょう。老後への備えは、大きなお金がなくても今日から少しずつ始められます。ここでは、非正規雇用で働きながら取り組める4つの備えをまとめました。
- 毎月の支出を見直す
- 少しずつでも先に貯金する
- 厚生年金に入れる働き方を選ぶ
- 国の制度を使って老後のお金を増やす
取り組みやすいものから順に、やり方を見ていきましょう。
毎月の支出を見直す
老後に備える第一歩は、毎月の支出を知ることです。1か月分のレシートや、スマホの決済履歴を見返すところから始めてみてください。
たとえば、使っていないサブスクや、何となく買っているコンビニの飲み物が見つかることがあります。スマホの料金プランを安いものに変えるだけで、毎月の固定費が下がる場合もあるでしょう。浮いたお金は、そのまま次の貯金にまわしていきましょう。
少しずつでも先に貯金する
貯金は、給料日に先取りするのがおすすめです。余ったら貯めようと考えていると、つい使い切ってしまいがちになります。給料が入った日に決まった額を別の口座へ移せば、残りのお金でやりくりする習慣がついていきます。最初は月に数千円からで大丈夫です。

金額の大きさよりも、続けることを大事にしてみてください。
厚生年金に入れる働き方を選ぶ
非正規雇用で働きながらも、厚生年金に加入できる場合があります。パートやアルバイトの場合、勤務先の規模や週の労働時間などの条件を満たすと社会保険に入れます。
厚生年金に入ると、国民年金に上乗せして年金を受け取れるようになるのが大きな良さです。保険料は給料から引かれますが、半分は会社が負担してくれます。勤務時間を少し増やすだけで条件を満たすこともあるので、一度職場に確認してみてください。
国の制度を使って老後のお金を増やす
国には、老後のお金を自分で増やすための制度があります。代表的なのが、NISAとiDeCoです。どちらも毎月決まった額を積み立てて運用し、増えたお金にかかる税金が優遇されるしくみになります。
iDeCoは原則60歳まで引き出せないかわりに、掛け金が税金の計算で差し引かれます。いきなり大きな額で始めず、月数千円などの少額から試してみるのが安心かもしれません。
老後に備えて非正規から正社員を目指す方法
今の働き方の中でできる備えが見えてきたら、もう一歩先の選択肢も考えてみてください。正社員になれば、厚生年金や安定した収入といった、老後の安心につながる土台を手に入れやすくなります。ここからは、非正規から正社員を目指すための進め方を4つ紹介します。
- 早めに転職活動を始める
- 未経験から応募できる求人を選ぶ
- 非正規での経験を強みとして伝える
- 転職エージェントのサポートを受ける
「抜け出せない」と感じている人こそ、できそうなものから順にチェックしてみてください。
早めに転職活動を始める
正社員を目指すなら、早めに動き出すほど選べる求人が多くなります。20代のうちは、経験よりも人柄や意欲を見てくれる求人に応募しやすい時期です。
30代以降も正社員になる道はありますが、先延ばしにするほど老後に向けた準備期間は短くなってしまいます。「いつか正社員に」と思っているなら、まずは求人を眺めるところから始めてみてください。小さな一歩が、将来の安心につながっていきます。
未経験から応募できる求人を選ぶ
正社員経験がなくても、未経験歓迎の求人から応募できます。たとえば、製造や物流、介護、建設などの現場の仕事では、入社後に研修を受けながら仕事を覚えられる会社があります。
資格取得を会社が支援してくれる求人なら、働きながらスキルを身につけていけるでしょう。求人票を見るときは、「未経験歓迎」「研修あり」「資格取得支援」といった言葉を目印にしてみてください。
非正規での経験を強みとして伝える
非正規で働いてきた経験は、正社員を目指すときの立派なアピール材料です。たとえば、同じ職場で長く働いてきたことは「続ける力」として伝えられます。新人スタッフに仕事を教えた経験や、お客さまの相談に対応した経験も、仕事の力として評価されやすいポイントになります。

面接では、そうした経験の中で工夫したことを一つ、自分の言葉で話せるように準備しておくと安心です。
転職エージェントのサポートを受ける
一人で転職活動を進めるのが不安なときは、転職エージェントを頼ってみてください。エージェントに相談すると、希望や経験に合った求人の紹介から、応募書類の作成、面接の練習までサポートを受けられます。非正規の経歴を面接でどう伝えればいいか迷っている人も、一緒に言葉を整理していけるので安心です。
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