- 非正規で差別を感じやすい場面
- パート・有期雇用・派遣の違い
- 法律で禁止されている不合理な待遇差
- 待遇差を感じたときの相談先
- 非正規から正社員を目指す方法
非正規で待遇差を感じやすいのはどんなとき?
非正規で働いていると、正社員との扱いの違いにモヤモヤする場面が出てきます。どんなときに差別を感じやすいのかを知っておくと、自分だけの悩みではないと気づけるでしょう。よくある場面を3つ挙げてみました。
- 責任が重いのに給料が上がらない
- 契約更新のたびに切られる不安がある
- 甘えや自己責任と見られてしまう
それぞれの場面を順番に見ていきます。
責任が重いのに給料が上がらない
非正規で働いていても、責任が重い仕事を任されることは少なくありません。たとえば、飲食店のアルバイトで新人の教育やシフト管理まで任されるケースがあります。
仕事は正社員とほとんど変わらないのに、時給は入ったころのままだと、不公平に感じてしまいます。頑張りが給料に反映されない状態が続けば、やる気が下がるのも無理はありません。まずは自分の仕事内容と待遇を書き出して、整理してみてください。
契約更新のたびに切られる不安がある
有期雇用や派遣で働く場合、契約更新の時期が近づくたびに不安になりやすいです。「次も更新してもらえるかな」と考えると、言いたいことも言えなくなってしまいます。
たとえば、有給休暇を使いたくても、評価が下がるのが怖くて言い出せない人もいます。こうした立場の弱さから、使い捨てのように扱われていると感じることもあるでしょう。ですが、有給休暇は条件を満たせば非正規で働く人にも認められた権利です。
甘えや自己責任と見られてしまう
非正規で働いていると、周りから甘えや自己責任と言われて傷つくことがあります。ですが、非正規を選ぶ理由は、家庭の事情や体調、やりたいことのためなど人それぞれです。
正社員の求人とタイミングが合わなかっただけのケースもあります。雇用形態だけで、その人の努力や価値が決まるわけではありません。自分を責めすぎず、できることから考えていきましょう。
非正規雇用の種類と働き方の違い
差別を感じる場面を知ると、自分の働き方がどれにあたるのか気になるかもしれません。種類ごとの違いがわかると、困ったときにどこへ相談すればいいかも見えてきます。非正規雇用の主な3つの形を整理しました。
- パートタイム労働者
- 有期雇用労働者
- 派遣労働者
ここからは、それぞれの特徴を順に紹介します。
パートタイム労働者
パートタイム労働者は、正社員より短い時間で働く人のことです。アルバイトやパートと呼ばれる働き方の多くが、ここにあたります。
たとえば、週3日だけスーパーで働く場合や、1日4時間だけ工場で働く場合などです。時間の融通がききやすい反面、昇給や手当で正社員と差がつきやすくなります。自分がどの働き方か迷ったら、雇用契約書の労働時間を見てみてください。
有期雇用労働者
有期雇用労働者は、働く期間が決まっている契約で働く人です。契約社員や、半年ごとに更新するアルバイトなどがあてはまります。
パートタイムと重なることもあり、短時間かつ期間の決まった契約で働く人も多いです。期間が決まっているぶん、更新されるかどうかで将来が左右されやすくなります。契約期間や更新のルールは、働き始める前に確かめておくと安心です。
派遣労働者
派遣労働者は、派遣会社と契約して、別の会社で働く人のことです。給料を払うのは派遣会社で、実際に仕事の指示を出すのは派遣先の会社になります。
このしくみを知らないと、待遇の不満を誰に伝えればいいか迷ってしまいます。派遣の場合、待遇についての相談先は、まず派遣会社の担当者です。派遣先の正社員との待遇差についても、法律でルールが決められています。
正規と非正規の格差は当たり前ではない
働き方の違いがわかると、「非正規だから待遇が低いのは当然」とあきらめたくなるかもしれません。ですが、法律のルールを知っておけば、納得できない扱いに気づけるようになります。押さえておきたいポイントは2つです。
- 不合理な待遇差は法律で禁止されている
- 違いに理由があれば待遇差は認められる
不合理な待遇差は法律で禁止されている
正社員と非正規の間の不合理な待遇差は、法律で禁止されています。パートや有期雇用ならパートタイム・有期雇用労働法、派遣なら労働者派遣法がその根拠です。
「同一労働同一賃金」と呼ばれ、同じような仕事なら待遇もそろえようという考え方になります。給料だけでなく、手当や休暇、福利厚生もルールの対象に含まれます。非正規だからという理由だけで差をつけることは、認められていません。
違いに理由があれば待遇差は認められる
一方で、理由のある待遇差は法律違反にはなりません。たとえば、正社員には転勤や部署異動があり、非正規にはない場合です。
仕事の中身や責任の重さ、配置転換の有無などに違いがあれば、その違いに応じた差は問題ないとされています。大事なのは、その差に納得できる理由があるかどうかです。理由がはっきりしないまま差がついているなら、このあと紹介する方法で確かめてみてください。

不合理な待遇差にあたる例
ルールがわかっても、実際の職場で当てはまるのかは判断しにくいものです。よくある例を知っておくと、自分の職場の待遇を見直すときの目安になります。ここでは代表的な3つのケースを取り上げます。
- 正社員にだけ通勤手当が出る
- 同じ仕事なのに賞与がまったくない
- 休憩室や更衣室を使わせてもらえない
思い当たるものがないか、1つずつ確認していきましょう。
正社員にだけ通勤手当が出る
通勤手当は、雇用形態に関係なく同じように支給するのが基本の考え方です。通勤にかかる電車代やガソリン代は、正社員か非正規かで変わりません。
たとえば、同じ駅から同じ店舗に通っているのに、アルバイトだけ交通費が出ないのは不合理な差にあたる可能性があります。仕事の内容と関係なく出る手当は、差をつけにくい手当になります。給与明細を見て、手当の欄を確認してみてください。
同じ仕事なのに賞与がまったくない
賞与、いわゆるボーナスも、会社への貢献が同じなら同じように支給するのが基本です。たとえば、正社員と同じ売上目標を持って成果を出しているのに、非正規だけ賞与がゼロの場合は不合理な待遇差と判断される可能性があります。
ただし、仕事の責任や役割に違いがあれば、その違いに応じた差は認められます。自分の役割がどこまで正社員と同じか、一度整理してみるといいかもしれません。
休憩室や更衣室を使わせてもらえない
休憩室や更衣室、社員食堂などの福利厚生の施設も、差をつけてはいけないものに含まれます。たとえば、工場で正社員だけが休憩室を使えて、派遣社員は使えないのは労働者派遣法により派遣先に義務付けられたルール(利用機会の付与)に違反している可能性が高いです。
お金の話ではないぶん、「こういうものかな」と見過ごしやすくなります。ですが、毎日の働きやすさに関わる大事なポイントです。気になることがあれば、遠慮せずに相談先を頼ってみてください。
非正規で差別を感じたときの対処法
自分の職場にも当てはまりそうだと感じて、不安になった人もいるかもしれません。正しい順番で動けば、職場との関係を悪くせずに状況を確かめやすくなります。まずは手軽にできることから3つ紹介します。
- 雇用契約書で働く条件を確かめる
- 会社に待遇差の理由を説明してもらう
- 労働局の無料相談窓口を利用する
できそうなものから取り入れられるよう、順に説明していきます。
雇用契約書で働く条件を確かめる
最初にしておきたいのは、雇用契約書の確認です。契約書や労働条件通知書には、時給や手当、契約期間などの大事な条件が書かれています。
もらった覚えがない場合は、会社に「条件を確認したいので見せてください」とお願いしてみてください。書かれている条件と実際の待遇が違っていれば、相談するときの材料になります。

会社に待遇差の理由を説明してもらう
非正規で働く人は、正社員との待遇差の理由を会社に聞くことができます。これは法律で認められた権利で、説明を求めたことを理由に不利な扱いをすることも禁止されています。
いきなり強く問い詰めるのではなく、「今後のために知りたい」と落ち着いて伝えると話しやすくなります。上司に聞きにくい場合は、人事や店長など話しやすい人を選ぶのもひとつの方法です。派遣の場合は、派遣会社の担当者に聞いてみてください。
労働局の無料相談窓口を利用する
会社に聞いても納得できないときは、各都道府県の労働局の相談窓口を頼ってみてください。労働局などに設けられている「総合労働相談コーナー」では、職場の悩みを無料で相談できます。
電話で相談できる窓口もあるので、仕事の合間にも利用しやすいです。相談するときは、契約書や給与明細、気になった出来事のメモを用意しておくと話がスムーズになります。ひとりで悩まず、専門の窓口の力を借りていきましょう。
非正規から正社員を目指す方法
待遇差への対処法を知っても、「この先ずっと非正規のままでいいのかな」と考える人もいるでしょう。正社員になれば雇用が安定しやすく、待遇差に悩む場面も減らしやすくなります。正社員を目指すために、今日からできることを2つ紹介します。
- 非正規で積んだ経験を強みとして伝える
- Zキャリアなどのエージェントに相談する
どちらも特別な資格がなくても始められる方法なので、順番に紹介します。
非正規で積んだ経験を強みとして伝える
非正規で働いた経験は、正社員を目指すときに立派なアピール材料になります。「アルバイト経験は履歴書に書かないほうがいいのかな」と迷う人もいますが、職歴欄や自己PR欄に書いておくのがおすすめです。
たとえば、新人教育を任されたことや、長く同じ職場で続けたことは、仕事への責任感を伝えるエピソードになります。何を任され、どんな工夫をしたのかを話せるよう整理しておきましょう。

Zキャリアのエージェントに相談する
ひとりで正社員の求人を探すのが不安なら、転職エージェントを頼ってみてください。Zキャリアのエージェントは、非正規の経験を生かせる求人探しから、履歴書の書き方、面接の練習までサポートしています。
「非正規だから正社員は無理かも」と感じていても、経験や人柄を重視する求人に出会えることがあります。待遇に悩みながら働き続けるより、納得できる環境を一緒に探していきましょう。まずはZキャリアのエージェントに気軽に相談してみてください。