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認定介護福祉士とは?介護福祉士との違いや取得する方法を解説

認定介護福祉士とは?介護福祉士との違いや取得する方法を解説
公開 2026/07/09

「認定介護福祉士」について、介護福祉士との違いや役割、資格取得の条件・ステップを詳しく解説します。研修期間や費用などの注意点から、資格取得支援制度を活用して働きながら目指す方法、その後のキャリアパスまで網羅。介護業界でさらなるキャリアアップを目指す方は必見です。

監修

キャリアコンサルタント

瀧本博史

キャリコンリンク合同会社代表。就職課の責任者を務めた後、自治体の職業相談員を経て、キャリアコンサルティングを専門とした活動を30年以上行っている。現在は年間約2000件の職業相談を行なっており、これまでの相談実績は60,000件超。キャリアコンサルタントの独立開業支援にも取り組んでいる。厚生労働大臣認定講習「キャリアコンサルタント養成講座」講師。元国立大学特任講師(キャリア教育分野)。お笑い芸人「ラランド」や実業家の「西村博之」氏ともメディア上で共演実績があり、大手企業へのメディア監修も多数務める。著作に「オンライン就活は面接が9割(青春出版社)」「本気で内定!面接対策シリーズ(新星出版社)」など著作も多数出版している。

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認定介護福祉士とは?

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置づけられる民間資格です。介護現場での実践力はもちろん、チームリーダーとして他の介護職員を指導したり、医療やリハビリなど他職種と連携してサービスの質を向上させたりする役割を担います。利用者一人ひとりに最適なケアを提供するための深い知識と高度なスキル、そして組織を動かすマネジメント能力を兼ね備えた、介護現場のスペシャリストといえるでしょう。

2015年に生まれた民間資格

認定介護福祉士は、2015年に誕生した民間資格です。以前は一般社団法人の機構が運営していましたが、2022年の組織再編にともない、現在は「公益社団法人日本介護福祉士会」内に設置された「認定介護福祉士 認証・認定機構」が、研修の認証や資格の認定を担っています。介護の質を高め、介護職のキャリアパスを明確にするための、いわば業界トップクラスのスキル証明として位置づけられています。

参照:「認証・認定機構について - 設立経緯/認定介護福祉士認証・認定機構

介護だけでなく、スタッフの指導や地域との連携など幅広い業務を担当する

認定介護福祉士は、自身も介護実践に携わりながら、より広い視野で業務にあたります。具体的には、介護チームのリーダーとしてメンバーへの指導や教育、サービス内容の改善提案などを行います。また、医師や看護師、リハビリ専門職といった他職種と連携し、利用者にとって最善のケアを追求する調整役も担います。さらに、地域の社会資源を活用したり、地域の介護力を高める活動に参加したりと、施設内にとどまらず活躍することが求められます。

参照:「認定介護福祉士の役割と実践力/認定介護福祉士認証・認定機構

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介護福祉士と何が違うの?

認定介護福祉士と似た名前の仕事に介護福祉士というものがあります。ここからは二つの資格の違いについて詳しくみていきましょう。

認定介護福祉士は民間資格で介護福祉士は国家資格

介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいて国が認定する国家資格です。介護分野における唯一の国家資格であり、専門的な知識と技術を持つことの公的な証明となります。

一方、認定介護福祉士は、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が認証する民間資格です。国家資格ではありませんが、介護福祉士の上位資格として、より高度な実践力と指導力を有することを示すものとして、業界内での価値が高まっています。

介護福祉士のステップアップ先の一つが認定介護福祉士

介護福祉士がキャリアを重ねる中で、目指せる道はいくつかあります。例えば、ケアプランを作成するケアマネジャー(介護支援専門員)や、施設の相談窓口となる生活相談員などです。認定介護福祉士は、そうしたキャリアパスの一つであり、特に「現場のリーダー」として活躍し続けたいと考える人に適した資格です。

介護実践の最前線に立ちながら、チーム全体のサービス向上に貢献したい介護福祉士が目標とする働き方の一つです。

認定介護福祉士は自分も現場で介護をしながら、後輩の育成やチームリーダーの役割も担う

認定介護福祉士は、管理業務に専念するのではなく、自身も利用者への介護を実践するプレイングマネージャーとしての役割を担います。現場の状況を肌で感じながら、後輩職員のスキルアップのための指導(OJT)や、日々の業務における相談対応、チーム内の課題解決などを行います。

利用者にとっても、職員にとっても、より良い環境を作り出すために、介護の実践とチームマネジメントの両面からアプローチするのが認定介護福祉士の大きな特徴です。

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認定介護福祉士を目指す前に注意!研修を受けるための条件

認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格であるため、誰でもすぐに目指せるわけではありません。資格取得の第一歩である「認定介護福祉士養成研修」を受講するためには、いくつかの条件をクリアしている必要があります。ここでは、研修を受けるために必須となる条件について、具体的に解説していきます。これらを事前に確認し、ご自身の状況と照らし合わせてみましょう。

参照:「認定介護福祉士になるには/認定介護福祉士認証・認定機構

介護福祉士の資格を保有していること

まず大前提として、介護福祉士の国家資格を保有している必要があります。認定介護福祉士は、介護福祉士として培った知識や技術をさらに発展させ、応用的なスキルを身につけるための資格です。そのため、その土台となる介護福祉士資格がなければ、養成研修を受講することはできません。未経験から認定介護福祉士を目指す場合は、まず介護福祉士国家試験の合格を目指しましょう。

介護福祉士として働いた経験が5年以上あること

国家資格である「介護福祉士」として登録された日以降の実務経験が、通算5年以上必要です。試験に合格した日や、資格取得前の無資格・実務者研修時代の経験は、原則として実務年数にはカウントされません。この期間には、さまざまなケースの支援に対応してきた経験や、現場で起こる様々な課題を解決してきた実績が求められます。

座学だけでは得られない、実践に裏打ちされた判断力や応用力が、チームを導くリーダーとして活躍するための基礎となります。5年という期間は、介護のプロフェッショナルとして、またリーダー候補として成熟するための重要な時間といえるでしょう。

現任研修を100時間以上受講していること

現場で働く介護職員を対象とした「現任研修」を合計100時間以上受講していることも必須条件です。日々進化する介護の知識や技術を継続的に学ぼうとする姿勢と、その学習実績が評価されます。施設内での研修や外部研修など、ご自身がこれまでに受講した研修の履歴や修了証を整理しておきましょう。

研修を実施する団体のレポート課題や試験をクリアしていること

養成研修を実施する団体が独自に課す、レポート課題や受講試験において一定の水準の成績を修める必要があります。これは長期間にわたる専門的な研修についていける基礎知識や意欲を確認するためのものです。ただし、特定の研修(介護福祉士基本研修など)をすでに修了している場合は、この課題や試験が免除となるケースもあります。

その他:研修を実施する団体が定める追加の要件(リーダー経験)を満たしていること

養成研修の最初のステップである「Ⅰ類」を受ける際、リーダー経験は必須条件ではありません(あれば望ましいという、いわゆる推奨レベルです)。一方で、次の「Ⅱ類」へ進む段階では、小規模チームなどでのリーダー実務経験が受講要件として求められることが一般的です。

また、「介護福祉士基本研修」や「ファーストステップ研修」などの事前研修修了が必要かどうかは、申し込み先の各都道府県の介護福祉士会が定める募集要項によって異なりますので、必ず最新の要件を確認してください。

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認定介護福祉士を目指すステップ

認定介護福祉士になるための認定審査までの道のりは、大きく4つのステップに分かれています。まずは養成研修を受けるための前提条件をクリアし、その後、2段階に分かれた研修を受講します。研修の合間には、リーダーとしての実務経験を積むことも求められます。ここでは、資格取得までの具体的な流れをステップごとに解説し、計画的にキャリアアップを目指すための道筋を明らかにします。

参照:「認定介護福祉士になるには/認定介護福祉士認証・認定機構

認定介護福祉士養成研修を受けるための条件をクリアする

最初のステップは、前章で解説した受講条件を満たすことです。

具体的には、①介護福祉士の資格保有、②5年以上の実務経験、③研修を実施する団体の課すレポートや試験で一定の成績を修めること(※一部免除あり)、④研修を実施する団体が定める追加の要件をクリアしていること、の4点です。

これらは認定介護福祉士を目指す上でのスタートラインとなります。日々の業務に真摯に取り組むことが実務経験となり、キャリアを見据えて計画的に研修を受けることが重要です。認定介護福祉士のような上位資格を目指すには、長期的な視点でのキャリアプランニングが不可欠です。まずはご自身の状況を確認し、計画を立てることから始めましょう。

認定介護福祉士養成研修「Ⅰ類」を受講する

受講条件をクリアしたら、次に「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」を受講します。この研修では、認定介護福祉士に求められる専門分野の知識を体系的に学びます。講義や演習を通じて、根拠に基づいた質の高い介護を実践・指導するための理論的基盤を固める段階です。

チームリーダーとしてマネジメントの経験を積む

Ⅰ類研修の受講と並行、あるいは修了後に、実際の職場でリーダーとしての経験を積むことが推奨されています。これは次の認定介護福祉士養成研修「Ⅱ類」を受講するためにマネジメントの経験が必須だからです。具体的には、ユニットリーダーやフロアリーダーといった小規模なチームをまとめる役割を担い、研修で学んだ知識を実践に移します。この経験を通じて、チームメンバーの指導や業務改善、他職種との連携といったマネジメントスキルを磨いていきます。現場での試行錯誤が、次の「Ⅱ類」研修での学びをより深いものにし、実践的なリーダーシップを育む上で欠かせないステップとなります。

マネジメントの経験は、レポートとして提出を求められる場合もあります。

認定介護福祉士養成研修「Ⅱ類」を受講する

リーダーとしての実務経験を踏まえた上で、最後の研修課程である「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」に進みます。Ⅱ類研修では、「チームマネジメント」「人材育成」「地域連携」「サービス管理」など、より実践的な管理・運営能力を養うことに焦点が当てられます。事例研究やグループワークを通じて、自らのリーダー経験を振り返り、組織的な課題解決能力を高めていきます。

このⅡ類研修を修了し、最終的な認定審査に合格することで、晴れて認定介護福祉士として認定されます。

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認定介護福祉士を目指す時の注意点

認定介護福祉士は、キャリアアップに繋がる魅力的な資格ですが、取得を目指す上ではいくつかの注意点があります。特に、研修にかかる時間と費用は、事前にしっかりと把握し、計画を立てておく必要があります。働きながら資格取得を目指す方が大半であるため、仕事との両立をどう図るか、経済的な負担をどう乗り越えるかが重要なポイントになります。

キャリアアドバイザー
資格取得までの道のりは長く、費用もかかるため不安に感じるかもしれません。しかし、これは専門性を高めるための自己投資です。もし費用面がネックなら、研修費用をサポートしてくれる「資格取得支援制度」のある職場を選びましょう。神奈川県などのように、事業所が研修費を負担した際に自治体から補助が出る制度を設けている地域もあります。こうした制度を取り入れている職場を賢く選ぶのが、働きながら取得するための現実的な近道ですよ。一人で抱え込まず、まずは情報収集から始めてみましょう。

養成研修は約600時間あるので、働きながらだと1年〜2年かかる

認定介護福祉士養成研修は、Ⅰ類・Ⅱ類合わせて約600時間という長丁場になるといわれています。これは、働きながら受講する場合、修了までに1年から2年程度の期間を要することを意味します。研修はeラーニングと集合研修を組み合わせて行われることが多く、オンラインで学習できる部分もありますが、指定された会場でのスクーリングも必須です。そのため、仕事の休日や業務後の時間を学習に充てる必要があり、強い意志と自己管理能力が求められます。また、研修期間中は職場の上司や同僚の理解と協力も不可欠となるでしょう。長期的なスケジュールを立て、周囲と相談しながら計画的に進めることが成功の鍵です。

研修の受講料は約30万円以上かかる

認定介護福祉士養成研修の受講料は、実施する団体によって異なりますが、総額で30万円から60万円程度、より厳しい条件を設けている団体ではそれ以上の費用が必要となります。これは決して安い金額ではなく、自己負担で賄う場合は大きな経済的負担となります。受講料の他にも、集合研修に参加するための交通費や、参考書籍の購入費などが必要になる場合もあります。そのため、勤務先の資格取得支援制度が利用できないか、事前に確認することが非常に重要です。また、自治体によっては補助金制度を設けている場合もあるため、情報収集を積極的に行いましょう。

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働きながら認定介護福祉士を目指す4つのステップ

働きながら認定介護福祉士を目指すステップ

無資格から始める場合、まずは現場での実務経験3年と実務者研修をクリアして、「介護福祉士」の資格を取得します(おおむね1~3年目)。そこからさらに、介護福祉士として登録された日以降の実務経験を5年以上積む必要があるため、養成研修「Ⅰ類」へ進めるのは、最短でも「業界に入って8年目以降」が目安になります。4~5年目の段階では、無資格スタートの方はまだ受講要件を満たせない点に注意してください。ここでは、効率的に資格取得を目指すための具体的な4つのステップを紹介します。

STEP1:資格取得支援制度が整っている職場を探して就職

最初のステップは、認定介護福祉士の取得を応援してくれる職場を選ぶことです。具体的には、研修費用の補助や、研修日の出勤扱い、勤務シフトの調整など、資格取得支援制度が充実している法人や施設を探しましょう。求人情報や面接の際に、こうした制度の有無や利用実績について確認することが重要です。

将来的なキャリアアップへの投資を惜しまない職場を選ぶことで、将来の負担を大きく軽減することができます。

STEP2:職場の支援制度を使って受講に必要な研修を受ける

就職後、実務経験を積みながら、認定介護福祉士養成研修の受講要件に含まれる研修を計画的に受講します。この段階で職場の資格取得支援制度を活用できれば、費用の心配をせずに研修に集中できます。

また、早い段階から上司にキャリアプランを相談し、将来的に認定介護福祉士を目指したいという意欲を伝えておくことで、その後の協力を得やすくなるでしょう。

STEP3:リーダー経験を積みつつ、介護福祉士としての実務経験が5年になったらすぐ「Ⅰ類」研修に申し込む

実務経験が5年に達する直前のこの時期は、リーダー経験を積む絶好の機会です。ユニットリーダーや新人指導係など、小規模でもチームをまとめる役割に積極的に挑戦しましょう。こうした経験は、養成研修の受講要件ではありませんが、研修内容の理解を深め、資格取得後のキャリアにも直結します。

そして、実務経験5年という条件をクリアしたら、間を置かずに「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」に申し込み、スムーズに学習をスタートさせましょう。この計画性が、モチベーションを維持する上で非常に重要です。

STEP4:「Ⅱ類」研修を修了し、認定審査を受ける

Ⅰ類研修を修了し、リーダーとしての実践経験を重ねたら、最終段階である「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」を受講します。ここまで来れば、資格取得は目前です。最後まで職場の理解と協力を得ながら、研修に集中し、全ての課程を修了しましょう。

その後、認定審査に申請し、合格すれば晴れて認定介護福祉士となります。これまでの努力が実を結び、介護現場のリーダーとして新たなキャリアがスタートします。

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働きながら認定介護福祉士を目指すなら、サポート制度が整った大型施設に就職するのがおすすめ

働きながら認定介護福祉士という高い目標を目指すには、個人の努力だけでなく、職場環境のサポートが不可欠です。その点で、社会福祉法人などが運営する大規模な介護施設は、キャリアアップを目指す職員にとって多くのメリットがあります。ここでは、なぜ大型施設がおすすめなのか、その具体的な理由を3つのポイントから解説します。

資格取得支援制度が整っていることが多いから

大規模な法人は、経営基盤が安定しているため、人材への投資、特に職員の教育や育成に力を入れている傾向があります。具体的には、認定介護福祉士のような上位資格の取得に対して、研修費用の全額または一部補助、研修期間中の給与保障といった手厚い支援制度を設けている場合が多く、経済的な負担を大幅に軽減できます。

認定介護福祉士養成研修を受けるために必要な研修を受講できる可能性があるから

認定介護福祉士を目指すには、まず特定の研修を修了する必要があります。大規模な法人では、こうした研修を法人内で独自に開催していることがあります。外部の研修機関を探して申し込む手間が省けるだけでなく、日頃から慣れている職場で受講できるため、精神的な負担も少なくて済みます。また、同じ目標を持つ職場の仲間と一緒に学べることも、モチベーション維持に繋がるでしょう。

リーダー経験を積むチャンスが多いから

大型施設は、職員数が多く、組織が細分化されているのが特徴です。例えば、ユニットリーダー、フロアリーダー、サービス提供責任者など、様々な階層の役職(ポジション)が存在します。そのため、若手のうちからリーダーシップを発揮する機会に恵まれやすく、認定介護福祉士養成研修で求められるマネジメント経験を積みやすい環境です。計画的にキャリアを形成し、ステップアップしていくための道筋が明確に描けるでしょう。

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認定介護福祉士の経験・スキルが生きる他の仕事の例

認定介護福祉士として培った高度な専門知識やマネジメントスキルは、介護現場のリーダーだけに留まらず、より幅広い分野で活かすことができます。介護業界内でのさらなるキャリアアップはもちろん、異業種へのキャリアチェンジも十分に可能です。

認定介護福祉士のキャリアアップ先

介護施設の施設長

施設全体の運営・管理を担う施設長や管理者は、認定介護福祉士のキャリアパスとして最も代表的なものの一つです。現場のサービス品質管理、職員の労務管理、収支管理、行政との連携など、その業務は多岐にわたります。認定介護福祉士として培った人材育成能力、多職種連携の調整能力、そして組織を動かすマネジメント能力は、施設長として手腕を発揮する上でこの上ない強みとなるでしょう。

介護職員向けの研修の講師

高い専門性と指導力を活かして、未来の介護人材を育てる道もあります。法人の研修部門で教育担当者として活躍するほか、介護福祉士会や専門学校、研修事業者などで講師を務めるキャリアも考えられます。

自身が認定介護福祉士になるまでの経験を伝えることで、後進の目標となり、介護業界全体の質の向上に貢献できる、非常にやりがいのある仕事です。

ケアマネジャー

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるためには別途ケアマネジャーの資格が必要になりますが、認定介護福祉士は介護福祉士として5年以上の実務経験があるため、ケアマネジャーの受験要件の多くを満たしやすい立場にあります。

ケアマネジャーの試験を受けるには、介護福祉士として「5年以上」在籍しているだけでなく、「実際に業務に従事した日数が通算900日以上」あることが必須条件です。週3回勤務のパートや休職期間がある場合、5年経っていても900日に満たず受験できないケースがあるため、在籍年数だけでなく出勤日数も必ず確認しておきましょう。

現場のリーダーとしての視点を持つケアマネジャーは、サービス事業者との連携においても円滑な調整役を果たすことができ、利用者から高い信頼を得られるでしょう。

生活相談員

生活相談員は、利用者やその家族からの相談に応じ、入退所の手続きや関係機関との連絡・調整を担う施設の「顔」ともいえる存在です。介護福祉士が「生活相談員」になれるかどうかは、働く地域の自治体(都道府県や政令指定都市など)の条例や運用ルールによって異なります。本来は社会福祉士や社会福祉主事任用などが代表的な資格ですが、多くの地域で「介護福祉士+実務経験1~5年」といった特例が設けられています。

一方で、自治体によっては介護福祉士の資格だけでは生活相談員として認めていない場合もあるため、必ず希望する地域の公的な資格要件を事前に確認してください。条件を満たせる地域であれば、認定介護福祉士として培った高い調整能力が大いに活かせます。

一般企業の人事

介護業界で培った人材育成やチームマネジメントのスキルは、業界を問わず高く評価されるポータブルスキルです。特に、職員一人ひとりの個性や状況に合わせて指導し、チーム全体のモチベーションを高める能力は、採用や教育研修を担当する一般企業の人事部門で大いに活かせます。職員の定着や育成に課題を抱える企業にとって、あなたの経験は魅力的にうつるはずです。

監修
瀧本博史
介護現場で磨かれる対人スキルや、多様なスタッフをまとめるマネジメント能力は、どの業界でも通用する貴重なポータブルスキルです。特に異なる価値観を持つメンバーを率いた経験は、他業界の管理職候補としても注目されます。ただし、未経験から一般企業の人事職への転職は、専門知識や前職での実務経験が重視されるため、非常に狭き門であるのが現実です。もし他業界を目指すなら、ご自身の高い専門知識がそのまま強みになる「福祉用具や介護サービス業界の営業・管理職」など、これまでのキャリアが「即戦力」として評価される職種から挑戦するのが最も現実的で、成功率の高いルートになります。

営業職

一見、介護とは無関係に思える営業職ですが、認定介護福祉士の経験が活きる場面は数多くあります。利用者や家族、多職種と日々コミュニケーションをとり、ニーズを汲み取り、信頼関係を築いてきた経験は、顧客との関係構築において非常に重要です。特に、福祉用具メーカーや介護関連サービスの営業職であれば、専門知識を活かして的確な提案ができ、即戦力として活躍することが期待できます。

販売職

販売職もまた、高いコミュニケーション能力が求められる仕事です。相手の表情や言葉のニュアンスからニーズを察し、その人に合った商品を提案するプロセスは、介護におけるアセスメントや個別ケアの考え方と通じるものがあります。

特に、シニア層をターゲットにした商品を扱う店舗などでは、介護の知識や経験が顧客からの深い信頼に繋がり、他の販売員にはない付加価値を提供できるでしょう。

カスタマーサポート

企業の顔として、顧客からの問い合わせや相談に対応するカスタマーサポートも、認定介護福祉士のスキルが活かせる職種です。相手の困りごとに親身に耳を傾ける傾聴力、問題の核心を捉えて解決策を提示する課題解決能力は、介護の相談援助業務の経験が役に立つはずです。クレーム対応などの難しい場面でも、冷静かつ丁寧に対応できる精神的な強さも、大きなアドバンテージになります。

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※本記事は2026年4月時点の情報に基づいて執筆されています。最新の情報は必ずご自身で確認するようにしてください。

Q
認定介護福祉士とはどのような資格ですか?
A
認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格として位置づけられる民間資格です。利用者への質の高いケアの提供に加え、チームリーダーとして他の介護職員の指導や、他職種との連携を通じたサービスの向上など、現場のプレイングマネージャーとしての役割を担います。
Q
認定介護福祉士と介護福祉士の違いは何ですか?
A
介護福祉士が介護の専門知識・技術を持つ国家資格であるのに対し、認定介護福祉士はそれを土台にしてより高度なリーダーシップやマネジメント能力を証明する民間資格です。介護福祉士のキャリアアップ先の一つとして、2015年に創設されました。
Q
認定介護福祉士の研修を受ける条件はありますか?
A
必須条件として、介護福祉士取得後に「5年以上の実務経験」と「100時間以上の現任研修歴」が必要です。さらに、研修は2段階に分かれており、前半の「Ⅰ類」ではリーダー経験は推奨(あれば望ましい)ですが、後半の「Ⅱ類」を受講する際には「小チームのリーダー実務経験」が必須要件となります。また、申し込み団体によっては事前に特定の基本研修などの修了が義務付けられている場合もあるため、必ず事前に受講先団体のホームページを確認しましょう。
Q
働きながら認定介護福祉士を取得するのは難しいですか?
A
研修は約600時間あり、費用も30万円以上かかるため簡単ではありませんが、計画的に進めれば十分可能です。資格取得支援制度が整っている大型の介護施設などに就職し、職場のサポートを受けながら1年半〜2年半かけて研修を受講するのがおすすめです。
Q
認定介護福祉士の経験は介護以外の仕事にも活かせますか?
A
はい、しっかりと活かせます。ただし、介護と全く関係のない一般企業に挑戦する場合、資格名そのものが有利に働くわけではありません。高く評価されるのは、そこで培った「マネジメント力」や「他職種との調整力」です。特に、高齢者向けのビジネス、福祉用具メーカー、介護系ITサービスなどの分野では、業界を熟知したプロとして大きな強みになります。あなたの経験を求めている企業は、介護の枠の外にも必ず存在します。
Zキャリア編集部
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