介護資格ごとの取得難易度・費用・期間の目安
介護の資格にはさまざまな種類があり、それぞれで取得難易度や費用、必要な期間が異なります。未経験から挑戦できる入門的な資格から、実務経験を積んで目指す国家資格まで、キャリアプランに合わせて段階的にステップアップしていくことが可能です。まずは各資格の特徴を理解し、自分の目標に合ったものから挑戦しましょう。
【難易度:低】介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
- 受講の前提条件:なし(未経験から受講可能)
- 費用:約5〜10万円
- 取得にかかる期間:約1ヶ月〜3ヶ月程度
介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識やスキルを学ぶための入門資格です。この資格を取得することで、食事や入浴、排泄の介助といった「身体介護」を行えるようになります。特に訪問介護事業所で働くためには必須の資格です。
受講に特別な条件はなく、誰でも挑戦できるのが特徴で、最短1ヶ月ほどで取得可能なため、未経験から介護業界への第一歩を踏み出す方に最適です。カリキュラムは、自宅学習とスクーリング(通学)を組み合わせて構成されており、働きながらでも自分のペースで学習を進めることができます。介護の仕事の基礎を固め、キャリアをスタートさせるためにおすすめの資格です。
【難易度:低】実務者研修
- 受講の前提条件:なし(未経験から受講可能)
- 費用:約10〜20万円
- 取得にかかる期間:スクールで6ヶ月程度(初任者研修修了者は一部免除)
実務者研修は、初任者研修よりも専門的で質の高い介護スキルを学ぶための資格です。たん吸引や経管栄養といった「医療的ケア」の知識も習得できるため、対応できる業務の幅が大きく広がります。この研修の最大のポイントは、国家資格である「介護福祉士」の受験に必須であるという点です。介護のプロフェッショナルとしてキャリアアップを目指すなら、避けては通れない資格と言えるでしょう。
受講期間は約6ヶ月が一般的ですが、初任者研修を修了している場合は一部の科目が免除され、より短い期間で取得できます。介護現場での実践力を高め、将来的に国家資格取得を目指す人にとって重要なステップとなる資格です。
参照:「介護に関する資格等について(令和6年4月)/厚生労働省」
【難易度:中】介護福祉士
- 受験の前提条件:実務者研修を修了し、実務経験が3年以上ある
- 費用:国家試験の受験手数料は約2万円※
- 取得にかかる期間:介護の現場で3年以上の実務経験+実務者研修修了
※実務者研修の受講料等が別途かかります
介護福祉士は、介護分野における唯一の国家資格であり、介護の専門家としての知識と技術を公的に証明するものです。この資格を取得するには、3年以上の実務経験を積み、実務者研修を修了した上で国家試験に合格する必要があります。
資格を持つことで、利用者やその家族からの信頼性が高まるだけでなく、職場ではサービス提供責任者やチームリーダーといった重要な役割を任されるようになります。また、資格手当によって給与アップも期待できるため、キャリアと収入の両面で大きなメリットがあります。介護のプロフェッショナルとして長く活躍していく上で、目標とすべき重要な資格です。
参照:「介護福祉士国家試験-受験資格(資格取得ルート図)/公益財団法人社会福祉振興・試験センター」
参照:「介護福祉士国家試験-受験資格/公益財団法人社会福祉振興・試験センター」
参照:「介護福祉士国家試験-試験概要/公益財団法人社会福祉振興・試験センター」
【難易度:高】ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 受験の前提条件:国家資格を取得後、実務経験が5年以上ある※
- 費用:約4〜8万円
- 取得にかかる期間:約1年程度
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、利用者が適切な介護サービスを受けられるように、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、サービス事業者との調整を行う専門職です。介護の現場で直接ケアを行うというよりは、利用者と介護サービスの橋渡し役を担います。
受験するには、介護福祉士などの指定された国家資格を取得後、5年以上の実務経験が必要です。試験の合格率は例年10〜20%台と非常に低く、難関資格として知られています。介護の知識だけでなく、医療や福祉制度に関する幅広い知識が求められるため、介護職としてのキャリアの集大成ともいえる資格です。
※2027年の制度改正に向けて、ケアマネジャー試験の受験資格に必要な実務経験年数を、現在の5年からおおむね3年程度に短縮する方向で、厚生労働省の部会で検討が進んでいます。
参照:「地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)/厚生労働省」
施設・職種別のおすすめの介護関連資格と取得方法

介護の仕事は、働く施設や担当する職種によって求められるスキルや知識が異なります。例えば、訪問介護とデイサービスでは仕事内容が大きく違います。自分の興味やキャリアプランに合った資格を取得することで、より専門性を高め、仕事の幅を広げることができます。ここでは、代表的な施設や職種ごとにおすすめの資格を紹介します。
訪問介護事業所:初任者研修など
訪問介護員(ホームヘルパー)として働くには、利用者の自宅に一人で訪問し、身体介護を行うため、介護職員初任者研修以上の資格が必須です。利用者の生活に最も近い場所で、個別のニーズに合わせたケアを提供する重要な仕事です。
より高度なスキルを証明する実務者研修や介護福祉士の資格があれば、サービスの質を高め、利用者からの信頼もさらに高まり、いい関係を築きながら働くことができるでしょう。
障がいのある人を支援する施設(グループホームなど):同行援護・行動援護
障がいのある人を支援する施設では、高齢者介護とは異なる専門性が求められます。特に、視覚障がいのある方の外出を支援する「同行援護従業者」や、知的・精神障がいのある方の行動をサポートする「行動援護従業者」の資格があると活躍の場が広がります。
これらの資格は、障がい特性への深い理解と適切なコミュニケーション能力を身につけるためのものです。
リハビリ・デイサービス:レクリエーション介護士
デイサービスなど、利用者の生活の質(QOL)向上を目指す施設では、「レクリエーション介護士」の資格が役立ちます。この資格は、高齢者が楽しみながら心身機能の維持・向上を図れるようなレクリエーションを企画・実行するスキルを証明するものです。
コミュニケーションを活性化させ、利用者に笑顔と生きがいを提供したいと考える人にぴったりの資格です。
福祉用具ショップ:福祉用具専門相談員
福祉用具のレンタル・販売店などで働く際に必要なのが「福祉用具専門相談員」です。利用者の身体状況や生活環境に合わせて、最適な車いすや介護ベッドなどの福祉用具を選定し、使用方法をアドバイスする専門職です。
介護保険制度に関する知識も必要とされ、利用者の在宅生活を安全で快適にするための重要な役割を担います。
認知症専門施設:認知症ケア専門士
認知症ケアに特化した施設や病棟で働くなら、「認知症ケア専門士」の資格が強みになります。これは、認知症に関する高い専門知識と技術を持ち、質の高いケアを提供できることを証明する民間資格です。
認知症の方の、その人らしい生活を支えるためのアセスメント能力やコミュニケーションスキルが身につき、チームケアの質の向上にも貢献できます。
資格を取得するメリット
介護の資格を取得することは、専門知識が身につくだけでなく、キャリアや給与、働き方の選択肢など、多くの実利的なメリットにつながります。ここでは、資格取得がもたらす主なメリットを3つのポイントに分けて解説します。

担当できる仕事の幅が広がる
介護の資格を取得する最大のメリットは、担当できる業務の範囲が広がることです。無資格の場合、身体に直接触れる「身体介護」は行えませんが、介護職員初任者研修を修了すれば可能になります。
さらに実務者研修を修了すると、たん吸引などの医療的ケアも担えるようになります。
国家資格である介護福祉士になれば、現場のリーダーやサービス提供責任者として、スタッフの指導やマネジメントにも携われるようになります。
給与アップが期待できる
資格の有無は給与にも直接影響します。多くの介護事業所では、保有資格に応じて「資格手当」が支給されます。一般的に、初任者研修、実務者研修、介護福祉士と、より上位の資格になるほど手当の額は高くなる傾向があります。
特に国家資格である介護福祉士を取得すると、基本給が上がったり、役職手当がついたりと、大幅な給与アップが見込めます。キャリアアップと収入アップを両立できるのが、資格取得の大きな魅力です。
参照:「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果/厚生労働省」
自分のライフスタイルに合わせて就職・復職がしやすくなる
介護福祉士のような国家資格は、全国どこでも通用する専門性の証明です。そのため、結婚や出産、配偶者の転勤などで一度現場を離れても、再就職しやすいという大きな強みがあります。高齢化が進む日本では介護職の需要は非常に高く、資格保有者は引く手あまたです。正社員だけでなく、パートや派遣など、ライフスタイルに合わせた多様な働き方を選びやすいのも、専門資格を持つことのメリットと言えるでしょう。
未経験から介護資格を取るときのおすすめの順番とステップ
未経験から介護業界でキャリアを築くには、計画的に資格を取得していくことが重要です。まずは介護の基礎を学び、現場で経験を積みながら、より専門的な資格へとステップアップしていくのが王道のルートです。
【就職前】まずは「初任者研修」の受講を開始し、就職活動をしながら受講修了を目指す
介護業界への第一歩は、介護職員初任者研修から始めるのがおすすめです。受講資格はなく、誰でもチャレンジできます。最短1ヶ月ほどで取得できるため、まずは受講を開始し、並行して就職活動を進めると効率的です。
資格取得支援制度のある職場を選べば、働きながら費用のサポートを受けて研修を修了することも可能です。無資格でも就職はできますが、先に資格を取ることで仕事の幅が広がり、スムーズに現場に馴染めます。
【就職後すぐ】介護の現場で働きながら介護福祉士の受験に必要な「実務経験」を積む
介護福祉士の国家試験を受験するには、3年以上の実務経験が必要です。就職後は、日々の業務を通じて実践的な介護技術やコミュニケーションスキルを磨きましょう。利用者一人ひとりと向き合う中で、教科書だけでは学べない多くの気づきや学びがあるはずです。
この実務経験こそが、将来のキャリアを支える最も重要な土台となります。経験を積むことで、次のステップである実務者研修の内容もより深く理解できるようになります。
【1〜2年目】働き始めてから約2年たったタイミングで「実務者研修」を修了する
実務経験を積みながら、介護福祉士のもう一つの受験要件である実務者研修の受講を進めましょう。働き始めて1〜2年が経ち、仕事に慣れてきたタイミングで始めるのがおすすめです。
実務者研修の受講期間は約6ヶ月ですが、初任者研修を修了していれば一部科目が免除され、期間も費用も抑えられます。仕事と学習の両立は大変ですが、計画的に進めることで、3年目の介護福祉士試験にスムーズに挑戦できます。
【3年目以降】実務経験を3年積んだら「介護福祉士」に挑戦する
「3年以上の実務経験」と「実務者研修の修了」という2つの受験資格を満たしたら、いよいよ介護福祉士国家試験に挑戦します。試験は年に1回、例年1月下旬に行われます。筆記試験の範囲は広く、専門的な知識が問われるため、計画的な受験対策が不可欠です。
働きながらの勉強は大変ですが、この資格を取得することで、介護の専門家としてキャリアが大きく開けます。合格すれば、給与アップや役職への昇進も期待できるでしょう。
【資格取得から5年後】介護福祉士の資格を取得してから5年実務経験を積み、「ケアマネジャー」を目指す
介護福祉士としてさらにキャリアアップを目指すなら、次の目標はケアマネジャー(介護支援専門員)です。介護福祉士として5年以上の実務経験を積む(※)と、ケアマネジャーの受験資格が得られます。ケアマネジャーは、現場での直接的な介護から、利用者のケアプランを作成するマネジメント業務へと役割が変わります。介護のプロフェッショナルとして、より広い視野で利用者を支えることができる、やりがいの大きな仕事です。
※2027年の法改正に伴い、実務経験年数を短縮する議論が進んでいます
参照:「地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)/厚生労働省」
介護資格に関するよくある疑問
介護の資格取得を目指すにあたり、「実務経験の数え方は?」「どの資格が難しいの?」など、さまざまな疑問が浮かぶでしょう。ここでは、多くの方が抱きがちな疑問について、具体的にお答えしていきます。
「実務経験3年」って、丸3年働けば条件をクリアできるの?
介護福祉士の受験資格である「実務経験3年」は、単純に3年間在籍すればよいというわけではありません。
具体的には「従業期間が3年(1,095日)以上」で、かつ実際に介護の仕事をした「従事日数が540日以上」の両方を満たす必要があります。正社員だけでなくパートやアルバイトの方でも、この日数をきちんと積み上げて、あわせて介護福祉士実務者研修を修了していれば、介護福祉士国家試験の受験資格を得られます。
介護福祉士とケアマネジャーはどちらが難しい?
合格率のデータを見ると、難易度の差は明らかです。介護福祉士の合格率は近年80%前後で推移しているのに対し、ケアマネジャーの合格率は10〜20%台と非常に低くなっています。
ケアマネジャーは受験資格のハードルが高いことに加え、介護保険制度や医療など広範な知識が問われるため、介護関連資格の中では最難関の一つと言えるでしょう。どちらも専門性の高い資格ですが、一般に、合格率の低さや出題範囲の広さなどから見ると、試験自体の難易度はケアマネジャーの方がやや高いと言われています。
参照:「第37回介護福祉士国家試験合格発表について/厚生労働省」
参照:「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について/厚生労働省」
通信講座や独学だけで介護の資格は取れる?
国家資格や公的な介護資格については、テキストを使った独学や通信講座「だけ」で取れるものは、残念ながらほとんどありません。というのも、初任者研修や実務者研修では、実際に体を動かして介護技術を身につける「スクーリング(通学での実技演習)」がどうしても必要になるからです。
そのため、学科部分は通信講座で学習し、演習部分はスクールに通学するという形式が一般的です。完全に独学で完結することはできないため、通学可能なスクールを選ぶ必要があります。
参照:「介護福祉士国家試験-受験資格/公益財団法人社会福祉振興・試験センター」
働きながら資格取得を目指す時のコツ
仕事と勉強の両立は決して簡単ではありませんが、ポイントを押さえれば十分に可能です。ここでは、働きながら効率的に資格取得を目指すための3つのコツをご紹介します。時間や費用をうまく管理し、無理なく目標を達成しましょう。

土日や夜間対応のあるスクールに通う
働きながら資格の取得を目指す人にとって、スクール選びは非常に重要です。多くの資格スクールでは、社会人向けに土日や夜間に開講するコースを用意しています。また、週1回の通学で無理なく続けられるカリキュラムや、急な残業などで欠席した場合に別のクラスで振替受講できる制度を設けているところもあります。
自分の勤務スタイルに合った、通いやすいスクールを選ぶことが継続の鍵です。
国や自治体の支援制度を利用する
資格取得には費用がかかりますが、国や自治体の支援制度を活用することで負担を軽減できます。代表的なものに、厚生労働省の「教育訓練給付制度」があり、条件を満たせば受講料の一部がハローワークから支給されます。
また、自治体によっては独自の補助金や貸付金制度を設けている場合もあります。自分が利用できる制度がないか、事前にハローワークやお住まいの市区町村の窓口で確認してみましょう。
資格取得支援制度の整った職場を探す
介護業界では、職員のスキルアップを後押しするため「資格取得支援制度」を導入している事業所が多くあります。具体的には、研修費用の全額または一部補助、研修日の出勤扱い、合格祝い金の支給など、内容はさまざまです。
就職・転職の際は、こうした制度の有無も企業選びの重要なポイントになります。
未経験から介護職や介護職以外のお仕事に挑戦するなら、Zキャリアに相談してみませんか?
未経験から新しい業界に挑戦するのは、期待と同時に不安も大きいものです。特に介護職は専門性が求められるため、何から始めれば良いか分からない方も多いでしょう。また、介護業界以外へのキャリアチェンジを考えている場合も、自分の強みをどう活かせば良いか悩むかもしれません。そんな時は、一人で抱え込まずに転職のプロであるZキャリアに相談してみませんか。
未経験OKの求人を豊富に揃えているので、職場環境や研修制度が整った求人に巡り会える
Zキャリアでは、未経験者を積極的に採用している企業の求人を豊富に取り扱っています。特に「未経験OK」を掲げる企業は、入社後の研修制度や先輩社員によるサポート体制が充実しているケースが多く、安心してキャリアをスタートできます。あなたの希望や適性を丁寧にヒアリングし、働きやすい環境が整った職場や、あなたの成長を後押ししてくれる企業との出会いをサポートします。
キャリアアドバイザーが未経験から介護業界で活躍するために必要なスキルを教えてくれる可能性がある
あなた専任のキャリアアドバイザーが、強みやこれまでの経験を分析し、介護業界でどのように活かせるかを一緒に考え、自信を持って一歩を踏み出せるよう、二人三脚でキャリアプランを設計します。
特に未経験から介護業界を目指す方には、まず取得すべき資格や、現場で求められるコミュニケーション能力、心構えなど、具体的なアドバイスを提供いたします。
介護業界以外でまず就職するのであれば、ステップアップのために今つけておくべきスキルを教えてくれる
「将来的には介護業界に興味があるけれど、まずは別の業界で社会人経験を積みたい」という考え方も一つの有効なキャリア戦略です。
Zキャリアは介護業界だけでなく、幅広い業界の求人を扱っています。将来の目標を見据え、そのために今どんなスキルを身につけておくべきか、どんな経験が役立つかといった視点から、最適なキャリアパスを提案します。長期的な視野であなたのキャリア形成をサポートします。
※本記事は2026年4月時点の情報に基づいて執筆しています。