- 脱毛サロンで働くのに国家資格は不要なこと
- 持っていると有利になる民間資格の種類
- 資格を取得するメリットとデメリット
- 資格なしで脱毛サロンで働く方法
- 未経験から転職を成功させるコツ
脱毛サロンで働くのに資格は本当に必要なの?
脱毛サロンの仕事に興味を持ったとき、まず気になるのが資格の有無です。ここでは、脱毛サロンで働く上で資格が本当に必要なのか、その基本を解説します。具体的には、以下の3つの項目について説明します。
- 国家資格がなくても働くことができる
- 民間資格があると就職や昇進で有利になる
- 資格よりもスキルや人柄が重視される
各項目について、詳しく見ていきましょう。
国家資格がなくても働くことができる
結論から言うと、脱毛サロンで働くために法律で定められた国家資格は不要です。美容師や理容師のように、仕事をする上で必須となる資格はありません。そのため、学歴や経験に関わらず、誰でも脱毛サロンでエステティシャンとして働くことに挑戦できます。
ただし、これは光脱毛(美容脱毛)を行うエステサロンの場合です。レーザー脱毛などを行う「医療脱毛クリニック」は医療機関にあたるため、医師や看護師といった国家資格が必要になります。美容目的のサービスを提供する脱毛サロンでは、国家資格は必要ないという点を覚えておきましょう。
民間資格があると就職や昇進で有利になる
国家資格は必要ありませんが、有利に働く民間資格はいくつか存在します。民間資格は、脱毛に関する専門的な知識や安全な施術を行うための技術を持っていることの証明になります。必須ではありませんが、持っていることでお客様に安心感を与えられますし、就職や転職活動でも意欲のアピールにつながります。
サロンによっては、資格を持っていると手当が支給されたり、将来的に店長などの役職を目指す上で評価されたりすることもあります。キャリアアップを考えているなら、民間資格の取得を視野に入れるのも良い選択肢です。
資格よりもスキルや人柄が重視される
特に未経験者を採用する場合、多くのサロンでは資格よりもコミュニケーション能力などの人柄が重視される傾向にあります。脱毛サロンの仕事は、お客様のデリケートな悩みに寄り添い、信頼関係を築くことが非常に重要だからです。
例えば、お客様の緊張をほぐすような明るい会話ができることや、相手の話を丁寧に聞いて悩みを引き出す力、施術内容を分かりやすく説明する力などが求められます。接客や販売のアルバイト経験など、人と関わる仕事の経験があれば、大きなアピールポイントになるでしょう。
脱毛サロンで働く上で有利になる民間資格
脱毛サロンで働く上で必須ではありませんが、持っていると自分の強みになる民間資格があります。ここでは、代表的な資格について解説します。具体的には、以下の4つの資格を紹介します。
- 認定美容ライト脱毛技術者
- 認定電気脱毛士(CPE)
- JEM認定脱毛士
- 美容脱毛士検定
各資格について、詳しく解説していきます。
認定美容ライト脱毛技術者
この資格は、お客様に安全な光脱毛の施術を提供できる知識があることの証明になります。日本エステティック振興協議会という団体が認定しており、皮膚科学や衛生管理、関係する法律など、幅広い知識を学ぶことができます。
脱毛の施術は直接お客様の肌に触れるため、安全への配慮が最も重要です。この資格を持っていることで、お客様は「専門知識を持った人に施術してもらえる」と安心してサービスを受けることができます。サロン側にとっても、安全意識の高い人材として評価されやすいでしょう。
認定電気脱毛士(CPE)
CPE(Certified Professional Electrologist)は、世界的に認められている電気脱毛士の資格です。電気脱毛(ニードル脱毛)という、一本一本の毛を処理していく専門的な技術に関する資格で、取得の難易度は比較的高めです。
光脱毛が主流の現在では、この技術を導入しているサロンは限られますが、その分、資格を持っていると高い専門性を持つ人材として非常に重宝されます。より高度な技術を身につけて、他との差別化を図りたいと考える人にとっては、目指す価値のある資格と言えるでしょう。
JEM認定脱毛士
JEM認定脱毛士は、日本脱毛技術研究学会が認定する民間資格です。この資格は、脱毛の技術力はもちろんのこと、お客様へのカウンセリング能力や、サロンの衛生管理に関する知識まで、総合的な力が問われるのが特徴です。
お客様一人ひとりの肌質や毛質に合わせた適切なアドバイスができるようになるため、より質の高いサービス提供につながります。お客様からの信頼も厚くなり、「この人になら任せられる」と思ってもらえるようなエステティシャンを目指せます。
美容脱毛士検定
美容脱毛士検定は、日本脱毛安全普及協会が実施している検定です。脱毛に関する基礎的な知識から、カウンセリングの進め方、肌トラブルへの対応方法など、サロンワークで必要になる知識を幅広く学ぶことができます。
他の資格に比べて挑戦しやすく、未経験から脱毛業界を目指す人が、まず初めに知識を身につけるための第一歩としておすすめです。これから脱毛業界で頑張りたいという意欲を示す上でも、有効な検定と言えるでしょう。

脱毛サロンで資格を取得するメリット
資格を取得するには時間も費用もかかりますが、それに見合うメリットもたくさんあります。ここでは、資格を取得することで得られる具体的なメリットを解説します。ポイントは以下の4つです。
- お客様からの信頼を得やすくなる
- 就職や転職の際に有利に働く
- 給料アップやキャリアアップにつながる
- 専門知識が身につき自信が持てる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
お客様からの信頼を得やすくなる
資格は、脱毛に関する専門知識と安全な技術を持っている客観的な証明になります。お客様は自分の大切な肌を預けるわけですから、やはり「資格を持っている専門家」にお願いしたいと思うのが自然です。
特に初めて来店されるお客様は、たくさんの不安を抱えています。資格を持っていることを伝えられれば、その不安を和らげ、安心して施術を受けてもらうための大きな材料になります。「このサロンはしっかりしているな」という信頼感にもつながり、指名をもらえるきっかけになるかもしれません。
就職や転職の際に有利に働く
求人に応募する際、資格は他の応募者との明確な差別化になります。特に未経験からのチャレンジの場合、実務経験がない分、「この業界で頑張りたい」という熱意や意欲を形として示すことが重要です。資格取得のために勉強したという事実は、その意欲を伝える上で非常に強力なアピールになります。
採用担当者から見ても、「入社後も主体的に学んで成長してくれそうだな」というポジティブな印象につながりやすいでしょう。たくさんの応募者の中から一歩リードするための、心強い武器になります。
給料アップやキャリアアップにつながる
サロンによっては、特定の資格を持っていると「資格手当」として毎月の給料にプラスされる場合があります。これは、会社がその資格の価値を認め、専門性を持つスタッフを評価している証拠です。収入が安定すれば、仕事へのモチベーションもさらに高まるでしょう。
また、将来的に新人スタッフを指導するトレーナーや、複数店舗をまとめるエリアマネージャー、一つの店舗を任される店長といったキャリアアップを目指す際にも、資格の有無が評価の対象になることがあります。責任ある立場を目指すなら、資格は大きな後押しになります。
専門知識が身につき自信が持てる
資格取得を目指して勉強する過程で、皮膚の構造や毛周期、衛生管理などの体系的な知識が自然と身につきます。断片的な知識ではなく、基礎からしっかりと学ぶことで、お客様への説明にも深みと説得力が増します。
お客様から少し難しい質問をされたときも、自信を持って的確に答えられるようになります。自信を持ってお客様と接することができるようになれば、仕事はもっと楽しくなり、大きなやりがいを感じられるようになるでしょう。
脱毛サロンで資格を取得するデメリット
資格取得には多くのメリットがある一方で、いくつか考慮しておくべき点もあります。ここでは、資格取得のデメリットについて正直に解説します。具体的には、以下の3つのポイントが挙げられます。
- 資格取得には時間とお金がかかる
- 更新が必要な資格もある
- 資格がなくても働ける求人が多い
これらのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
資格取得には時間とお金がかかる
資格を取得するためには、当然ですが勉強するための時間や受験費用といったコストがかかります。仕事をしながら勉強時間を確保するのは、想像以上に大変なことです。休日に勉強したり、仕事終わりの疲れた体でテキストを開いたりと、自己管理と強い意志が必要になります。
また、資格によっては受験料や教材費、スクールに通う費用などで数万円から十数万円かかることもあります。自分の時間やお金を投資する価値があるかどうか、メリットと比較して慎重に考えることが大切です。
更新が必要な資格もある
一度取得すれば永久に有効な資格もありますが、数年ごとに更新手続きが必要な資格も少なくありません。更新の際には、研修の受講が義務付けられていたり、更新料が発生したりする場合があります。
これは、常に最新の知識や技術を学び続けることを目的としていますが、資格を維持するためには継続的な努力と費用がかかるという点は、事前に理解しておく必要があります。取得を検討している資格の更新制度については、あらかじめ調べておくと安心です。
資格がなくても働ける求人が多い
脱毛業界の求人を見てみると、「未経験者歓迎」「資格不問」と記載されているものが非常に多いのが現実です。多くのサロンでは、入社後に充実した研修制度を設けており、そこで必要な知識や技術をゼロから教えてもらえます。
そのため、資格取得に時間をかけるよりも、一日でも早く現場に入って実践的なスキルを身につけたい、と考える人にとっては、資格取得が遠回りに感じられるかもしれません。資格がキャリアの全てではない、ということも覚えておきましょう。

資格がなくても脱毛サロンで働ける?
「やっぱり資格がないと不安…」と感じるかもしれませんが、心配ありません。資格がなくても脱毛サロンで活躍する方法はたくさんあります。ここでは、その具体的な方法について解説します。ポイントは以下の3つです。
- 未経験者歓迎の求人に応募する
- 研修制度が充実したサロンを選ぶ
- アルバイトから始めて経験を積む
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
未経験者歓迎の求人に応募する
脱毛サロン業界は成長しており、多くのサロンが人手を必要としています。そのため、未経験者を積極的に採用し、自社で一人前のエステティシャンに育てようという方針のサロンがたくさんあります。
転職サイトなどで求人を探す際には、「未経験OK」「学歴不問」「研修制度あり」といったキーワードで絞り込んでみましょう。未経験者を歓迎している求人は、入社後のサポート体制が整っていることが多いので、安心してキャリアをスタートできます。
研修制度が充実したサロンを選ぶ
未経験から働く上で最も重要なのが、入社後の研修制度が充実しているかどうかです。求人情報やサロンのホームページで、どのような研修が行われるのかを事前にしっかりと確認しましょう。
例えば、皮膚の知識や脱毛理論などを学ぶ「座学研修」と、実際に脱毛器を使って施術の練習をする「実技研修」の両方がバランス良く組まれているかがポイントです。研修期間や内容について面接で質問してみるのも良いでしょう。しっかりとした研修があれば、資格がなくてもプロの技術を身につけられます。
アルバイトから始めて経験を積む
いきなり正社員として働くことに不安を感じる場合は、アルバイトとして仕事を始めるという選択肢もあります。まずは受付や電話対応、カウンセリングの補助といった業務からスタートし、少しずつ仕事内容やサロンの雰囲気に慣れていくことができます。
現場の空気を肌で感じながら、先輩スタッフの働き方を間近で見ることで、多くのことを学べるでしょう。そこで「この仕事が好きだ」「ここで頑張りたい」と確信が持てたら、正社員登用制度を利用してキャリアアップを目指す、というステップを踏むことも可能です。
将来は開業も?脱毛サロン経営で必要なこと
脱毛サロンで経験を積んだ先には、自分のサロンを持つという夢も広がります。ここでは、将来的に独立・開業を考えている人に向けて、必要になることを解説します。ポイントは以下の3つです。
- 開業に必須となる資格は特にない
- 経営や集客に関する知識を身につける
- 失敗しないための資金計画を立てる
これらのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
開業に必須となる資格は特にない
脱毛サロンで働く場合と同様に、自分のサロンを開業するために必須となる国家資格は特にありません。美容師や理容師のように免許がなければ開業できない、ということはないので、誰にでも自分の店を持つチャンスがあります。
この手軽さが、個人でサロンを開業する人が増えている理由の一つです。技術と情熱があれば、自宅の一室や小さなテナントからでも、自分の夢を形にすることが可能です。
経営や集客に関する知識を身につける
施術の技術が高いだけでは、サロンの経営はうまくいきません。ビジネスとして成立させるための知識が不可欠です。自分のサロンを知ってもらい、お客様に来てもらうための「集客」の方法を学ぶ必要があります。
例えば、InstagramなどのSNSを活用した情報発信、チラシの作成、ホームページの開設など、様々な方法があります。また、毎月の売上や経費を管理する会計の知識や、税金に関する手続きなども自分で行う必要があります。施術スキルとは別に、経営者としてのスキルを磨くことが成功の鍵です。
失敗しないための資金計画を立てる
サロンを始めるためには、当然ながらお金が必要です。開業資金と、開業後の運転資金の両方をしっかりと計画しておくことが、失敗しないための最も重要なポイントです。
開業資金としては、脱毛器などの高価な機材の購入費、ベッドやタオルのような備品代、物件を借りる場合はその初期費用などがあります。運転資金は、開業してすぐにお客様が来なくても、家賃や広告費、自分の生活費などを支払い続けられるように、数ヶ月分を用意しておくと安心です。
医療脱毛とサロン脱毛の必要な資格の違い
「脱毛」と一括りに言っても、クリニックで行う「医療脱毛」とサロンで行う「サロン脱毛」では、必要な資格が全く異なります。ここでは、その決定的な違いについて解説します。
- 医療脱毛は医師や看護師の国家資格が必須
- サロン脱毛は美容目的で資格は任意
この2つの違いについて、詳しく見ていきましょう。
医療脱毛は医師や看護師の国家資格が必須
医療脱毛は、その名の通り「医療行為」として位置づけられています。そのため、施術を行うことができるのは、医師、または医師の監督のもとで働く看護師に限られます。これらの職業に就くためには、大学の医学部や看護学部などで専門教育を受け、国家試験に合格する必要があります。
医療機関でしか扱えない高出力のレーザー機器を使用するため、万が一の肌トラブルにもすぐに対応できる医療体制が整っています。効果が高い分、専門的な知識と資格が厳しく求められるのが医療脱毛です。
サロン脱毛は美容目的で資格は任意
一方、エステサロンで行われる光脱毛(美容脱毛)は、あくまで「美容目的」のサービスです。医療行為ではないため、医師や看護師のような国家資格は必要ありません。この記事でこれまで説明してきたように、民間資格の取得も法律上の義務ではなく、任意となっています。
サロン脱毛で使われる機器は、医療用のレーザーに比べて出力が穏やかに設定されており、安全に配慮されています。資格がなくても挑戦できる手軽さが魅力ですが、その分、お客様に安心してサービスを受けてもらうための知識や技術を自主的に学ぶ姿勢が大切になります。

未経験から脱毛サロンへの転職を成功させるコツ
未経験から新しい業界に飛び込むのは、期待と同時に不安も大きいものです。ここでは、未経験から脱毛サロンへの転職を成功させるための具体的なコツを紹介します。ポイントは以下の4つです。
- なぜ脱毛業界で働きたいかを明確にする
- コミュニケーション能力をアピールする
- 清潔感のある身だしなみを心がける
- 転職のプロに相談して不安を解消する
それぞれのコツについて、詳しく解説していきます。
なぜ脱毛業界で働きたいかを明確にする
面接では、「なぜこの業界、このサロンで働きたいのか」という志望動機が必ず聞かれます。ただ「美容に興味があるから」という理由だけでは、採用担当者の心には響きにくいかもしれません。
例えば、「自分自身がムダ毛に悩んだ経験から、同じ悩みを持つ人の力になりたい」「お客様がきれいになって自信を持つ姿を見るのが嬉しい」など、自分の経験や価値観に基づいた、具体的なエピソードを交えて話せると良いでしょう。自分だけのストーリーを伝えることで、熱意が伝わりやすくなります。
コミュニケーション能力をアピールする
脱毛サロンの仕事は技術職であると同時に、サービス業・接客業でもあります。そのため、お客様と円滑な関係を築くコミュニケーション能力は非常に重要です。これまでのアルバイト経験などで、お客様と接した経験があれば、それを積極的にアピールしましょう。
例えば、「カフェのアルバイトで、お客様一人ひとりの好みに合わせたおすすめを提案し、喜んでもらえた」といった具体的なエピソードは、高い評価につながります。特別な経験でなくても、部活動やサークル活動でチームの潤滑油になっていた、といった経験も立派なアピール材料になります。
清潔感のある身だしなみを心がける
美容業界で働く上で、スタッフ自身の清潔感はサロンの信頼に直結します。お客様は「この人みたいにきれいになりたい」という憧れを持って来店されることも少なくありません。そのため、面接の時点から身だしなみは厳しくチェックされます。
派手すぎないナチュラルなメイク、きれいに整えられた髪型、短く切りそろえられた爪、シワのない服装など、細かい部分まで気を配ることが大切です。第一印象で好印象を与えられるよう、万全の準備で面接に臨みましょう。
転職のプロに相談して不安を解消する
もし、一人での転職活動に不安を感じたり、何から手をつけていいか分からなくなったりしたら、転職エージェントのようなプロに相談するのも非常に有効な方法です。転職エージェントは、たくさんの求人情報の中から、自分に合ったサロンを紹介してくれます。
それだけでなく、履歴書の書き方や面接で効果的なアピール方法など、具体的なアドバイスをもらうこともできます。自分では気づかなかった強みを見つけてくれることもあります。Zキャリアのエージェントは、ノンデスクワーカーの転職支援に特化しているので、初めての転職でも親身にサポートしてくれます。一人で悩まず、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。