脱毛サロンの将来性はどう？業界の今後と長く働ける職場選びのコツ

脱毛サロンの将来性は「厳しい」って本当？

脱毛サロンの将来性については、様々な意見があります。ここでは、業界の現状について、以下の点を解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

競争の激化で閉店するサロンが増えている

脱毛サロンの店舗数が急増したことで、お客様の奪い合いが激しくなっています。特に都心部では、少し歩けば次のサロンが見つかるほどです。

多くのサロンが新規顧客を獲得するために、大幅な割引キャンペーンを打ち出しています。その結果、価格競争に巻き込まれ、経営が苦しくなってしまうサロンも少なくありません。残念ながら、体力のない個人サロンや中小企業の中には、閉店を選ばざるを得ないケースも出てきているのが現状です。

家庭用脱毛器の普及が影響している

最近では、自宅で手軽に使える家庭用脱毛器の性能が向上し、人気を集めています。わざわざサロンに通わなくても、自分の好きな時間にムダ毛のケアができるため、多くの人が利用するようになりました。

特に、全身脱毛ではなく部分的なケアで満足する人にとっては、サロンに通うよりもコストを抑えられるというメリットがあります。このようなセルフケアの広がりも、サロン業界全体の競争を厳しくしている一因と言えるでしょう。ですが、プロの施術による仕上がりの美しさや安全性は、家庭用脱毛器にはない大きな魅力です。

メンズやキッズなど新たな需要が拡大している

一方で、脱毛業界には新しい波も来ています。これまで女性が中心だった脱毛ですが、近年では男性向けのメンズ脱毛サロンが急速に増えています。美意識の高まりから、ヒゲやすね毛などをケアしたいと考える男性が増えているのです。

また、スポーツをするお子さんや、思春期の悩みを解消するために、親子で通えるキッズ脱毛の需要も高まっています。このように、ターゲット層が広がることで、業界全体として新しいお客様を獲得するチャンスが生まれているのです。

介護脱毛のニーズが高まっている

もう一つ注目されているのが「介護脱毛」です。これは、将来介護される時のことを考えて、デリケートゾーン（VIO）を脱毛しておくというものです。

将来、おむつ交換などで介護者の負担を減らしたい、衛生的に保ちたいという思いから、40代や50代のうちに始める人が増えています。高齢化が進む日本において、この介護脱毛のニーズは今後さらに高まっていくと予想されており、脱毛業界にとって大きなビジネスチャンスとなっています。

脱毛業界が「やばい」と言われる理由

「脱毛業界は厳しい」だけでなく「やばい」という声も聞かれます。その背景にある具体的な理由について、以下の点を解説します。

詳しく解説していきます。

過度な価格競争で利益が出にくくなっている

安さを売りにするサロンが増えた結果、業界全体で価格競争が激しくなっています。「全身脱毛〇〇円！」といった驚くような低価格の広告を見たことがあるかもしれません。

ですが、価格を下げすぎると、一件あたりの利益は当然少なくなります。利益が減れば、最新の脱毛機を導入したり、スタッフの給料を上げたり、研修に力を入れたりすることが難しくなります。その結果、サービスの質が低下し、お客様が離れてしまうという悪循環に陥るサロンも少なくありません。

集客のための広告費が高騰し続けている

新しいお客様に来てもらうためには、広告が欠かせません。ですが、多くのサロンが広告を出すため、WebサイトやSNSでの広告費は年々高騰しています。

特に、有名なモデルやタレントを起用すると、莫大な費用がかかります。広告にお金をかけすぎると、その分をどこかで回収しなければなりません。結果として、お客様へのサービスにしわ寄せがいったり、スタッフの労働環境が悪化したりする原因にもなりかねないのです。

スタッフの入れ替わりが激しく人手不足である

脱毛サロンの仕事は、華やかなイメージとは裏腹に、体力的にハードな一面もあります。また、お客様への対応や売上目標など、精神的なプレッシャーを感じる場面も少なくありません。

こうした理由から、残念ながら早期に離職してしまう人も多く、業界全体が慢性的な人手不足に悩んでいます。スタッフが定着しないと、技術やサービスの質を維持するのが難しくなりますし、残されたスタッフの負担が増えてしまうという問題も生じます。

予約の取りにくさなどから顧客満足度が低下している

人気のサロンほど、「予約が全然取れない」という問題が起こりがちです。契約したのに、次の施術が数ヶ月先になってしまうと、お客様の満足度は大きく下がってしまいます。

また、カウンセリング時に強引な勧誘を受けたり、施術が丁寧でなかったりといったトラブルも、顧客満足度を下げる大きな原因です。お客様からの信頼を失うことは、サロンの評判を落とし、経営に直接的なダメージを与えることにつながります。

将来性を見据えて脱毛サロンで働くメリット

業界の厳しい側面を見てきましたが、もちろん働く上での魅力もたくさんあります。将来性を考えた上で脱毛サロンで働くメリットについて、以下の点を解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

美容に関する専門的なスキルが身につく

脱毛サロンで働くと、一生役立つ専門知識と技術が身につきます。脱毛機の仕組みや安全な使い方、肌の構造、毛周期に関する知識など、働きながら美容のプロを目指せます。

これらのスキルは、どのサロンで働く場合でも通用するものです。一度身につけてしまえば、結婚や出産などで一時的に仕事を離れたとしても、復職しやすいという大きな強みになります。美容業界で長く活躍したいと考えるなら、確かなスキルは大きな財産になるでしょう。

お客様から直接感謝されるやりがいがある

この仕事の大きな魅力は、お客様の「キレイになりたい」という思いを直接サポートできることです。施術を重ねるごとにお客様の肌がキレイになり、コンプレックスが解消されていく過程を間近で見ることができます。

施術後のお客様からの「ありがとう」「あなたのおかげで自信が持てた」といった感謝の言葉は、何物にも代えがたい喜びです。人の役に立っていることを実感できる瞬間が多く、大きなやりがいを感じながら働けるでしょう。

未経験からでもキャリアアップを目指せる

脱毛サロン業界は、学歴や経験を問わない求人が多いのが特徴です。多くのサロンでは、入社後にしっかりとした研修制度を設けているため、未経験からでも安心してスタートできます。

最初はエステティシャンとして経験を積み、実力が認められれば、お店の責任者である店長や、複数の店舗を管理するエリアマネージャーへとキャリアアップすることも可能です。自分の頑張り次第で上を目指せる環境は、大きなモチベーションになります。

働きながら自分自身もキレイになれる

多くのサロンでは、従業員割引で施術を受けられたり、最新のコスメを試せたりといった福利厚生があります。お客様をキレイにしながら、自分自身の美意識も高めることができるのは、この仕事ならではの特権です。

また、仕事を通して美容に関する最新の知識が自然と身につくため、プライベートでも役立てることができます。常に美に囲まれた環境で働くことで、内面からも外面からも輝けるでしょう。

将来性を考える上で知っておきたいデメリット

メリットだけでなく、働く上での大変な部分も知っておくことが大切です。将来性を考える上で知っておきたいデメリットについて、以下の点を解説します。

詳しく解説していきます。

売上目標などのノルマが厳しい場合がある

サロンによっては、個人や店舗ごとに売上目標（ノルマ）が設定されていることがあります。契約件数や化粧品などの物販成績が目標に達していないと、プレッシャーを感じてしまうかもしれません。

もちろん、目標達成に向けて努力することは自己成長につながります。ですが、ノルマが厳しすぎると、お客様のためではなく、自分の成績のために無理な勧誘をしてしまうことにもなりかねません。自分に合った働き方ができるサロンかどうか、入社前に確認することが重要です。

立ち仕事が多く体力的な負担が大きい

エステティシャンの仕事は、施術中はずっと立ちっぱなし、または中腰の姿勢を維持することが多く、体力的にハードな一面があります。特に、一日に何人ものお客様を連続で担当する日は、足腰に負担がかかります。

また、お客様の身体に触れる仕事なので、常に気を張っている必要があります。見た目の華やかさとは違い、体力勝負の仕事であることは覚悟しておいた方が良いでしょう。日頃から体調管理をしっかり行うことが大切です。

土日や祝日に休みを取りにくい

脱毛サロンは、お客様が休みの日に来店されることが多いため、土日や祝日は最も忙しい曜日になります。そのため、スタッフは平日に休みを取るのが一般的です。

友人と休みを合わせにくかったり、イベントに参加しにくかったりすることもあるかもしれません。プライベートの時間を大切にしたい場合は、シフトの希望が通りやすいか、連休は取得できるかなど、勤務体系についてもしっかりと確認しておきましょう。

給与水準が安定しない可能性がある

脱毛サロンの給与は、固定給に加えてインセンティブ（歩合給）がプラスされることが多いです。インセンティブは、契約件数や指名数などの成績に応じて支払われるため、頑張り次第で収入を増やすことができます。

ですが、裏を返せば、成績が振るわない月は給料が少なくなってしまう可能性もあるということです。毎月安定した収入を得たいと考える場合は、固定給の割合が高いサロンや、インセンティブ制度の仕組みが自分に合っているサロンを選ぶ必要があります。

これから伸びる！将来性のある脱毛サロンの見極め方

厳しい競争の中でも、成長を続けているサロンはたくさんあります。長く安心して働ける、将来性のあるサロンを見極めるためのポイントを解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

研修制度が整っているかで判断する

未経験者を大切に育てようという姿勢があるサロンは、将来性も高いと言えます。入社後の研修制度が充実しているかどうかは、必ずチェックしましょう。

具体的には、皮膚理論や脱毛の仕組みといった座学から、施術の練習まで、どれくらいの期間をかけて、どんな内容を教えてくれるのかを確認します。研修制度がしっかりしているサロンは、スタッフの技術レベルが高く、お客様からの信頼も厚い傾向があります。

明確な給与体系と福利厚生があるかを確認する

給与や福利厚生がしっかりしていることは、社員を大切にしている証拠です。求人票を見る際は、基本給や手当、インセンティブの計算方法などが具体的に書かれているかを確認しましょう。

また、社会保険が完備されているか、有給休暇はきちんと取れるか、産休・育休制度はあるかといった点も重要です。長く働き続けるためには、安心して働ける環境が整っていることが大前提になります。

口コミサイトやSNSでの評判を調べる

実際にそのサロンを利用したお客様の口コミや、働いている（または働いていた）スタッフの評判は、非常に参考になります。予約の取りやすさ、スタッフの対応、店内の清潔さなど、リアルな声を確認しましょう。

ただし、ネット上の情報はすべてが正しいとは限りません。あくまで参考程度にとどめ、良い口コミも悪い口コミも両方見て、総合的に判断することが大切です。

最新の脱毛理論や機械を導入しているかを見る

脱毛技術は日々進化しています。常に新しい技術や機械を積極的に導入し、より効果的で安全なサービスをお客様に提供しようと努力しているサロンは、成長意欲が高く、将来性も期待できます。

ホームページなどで、どのような脱毛機を使用しているか、どんな脱毛方法（SHR方式、IPL方式など）を採用しているかをチェックしてみましょう。業界のトレンドを学び続ける姿勢は、そこで働くスタッフの成長にもつながります。

脱毛サロンで描けるキャリアパスの具体例

脱毛サロンでの仕事は、エステティシャンとしてお客様に施術をするだけではありません。経験を積むことで、様々なキャリアパスを描くことができます。

詳しく解説していきます。

現場のプロとして店長やマネージャーを目指す

エステティシャンとして経験を積み、施術スキルや接客能力が認められると、店舗の責任者である店長に昇進する道があります。店長は、店舗の売上管理やスタッフの育成、シフト管理など、マネジメント業務全般を担当します。

さらにその先には、複数の店舗を統括するエリアマネージャーという役職もあります。現場での経験を活かしながら、より広い視野でビジネスに携わることができる、やりがいのあるポジションです。

後輩を指導するトレーナーや教育担当になる

人に教えることが得意だったり、後輩の成長をサポートすることに喜びを感じたりする場合は、トレーナーや教育担当を目指すキャリアもあります。

新入社員に対して、脱毛の知識や技術、接客マナーなどを教える仕事です。自分が培ってきた経験を次の世代に伝えていくことで、サロン全体のサービスの質を向上させる重要な役割を担います。

本社勤務で採用や商品企画に携わる

現場での経験を活かして、サロンを裏から支える本社スタッフにキャリアチェンジする道もあります。例えば、人事部で新しいスタッフの採用活動を行ったり、商品企画部で新しいメニューやキャンペーンを考えたりと、仕事内容は多岐にわたります。

現場を知っているからこそできる、お客様やスタッフの目線に立った企画やサポートは、会社にとって非常に貴重な存在となるでしょう。

独立開業して自分のサロンを持つ

最終的な目標として、自分のお店を持つという夢を叶える人もいます。長年かけて培った技術と知識、そして顧客からの信頼があれば、独立開業も夢ではありません。

自分の理想とするサービスや空間を形にし、お客様に提供できるのは、独立ならではの醍醐味です。もちろん経営の知識も必要になりますが、自分の力でビジネスを動かしていく大きなやりがいを感じられるでしょう。

脱毛サロンへの転職で将来に不安を感じたら

ここまで読んできて、脱毛業界の現状や将来性について、理解が深まったのではないでしょうか。最後に、それでも将来に不安を感じた時にどうすればよいかを解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

まずは業界全体の動向を詳しく調べる

不安を感じる原因の一つは、情報が不足していることかもしれません。漠然としたイメージだけでなく、具体的な情報を集めることで、冷静に判断できるようになります。

美容業界のニュースサイトをチェックしたり、いくつかの企業のホームページを比較してみたりするだけでも、業界全体の流れが見えてきます。どんなサービスが注目されているのか、どんな会社が成長しているのかを知ることで、自分の進むべき方向性が見つかるかもしれません。

自己分析で自分の強みや適性を理解する

一度立ち止まって、「自分は何がしたいのか」「どんな働き方が合っているのか」をじっくり考えてみることも大切です。これを自己分析と言います。

例えば、「人と話すのが好き」「コツコツ作業するのが得意」「人をキレイにすることに喜びを感じる」など、自分の得意なことや好きなことを書き出してみましょう。自分の強みや価値観が分かれば、脱毛業界が本当に自分に合っているのか、もし働くならどんなサロンが良いのかが、より明確になります。

転職のプロに相談して客観的なアドバイスをもらう

自分一人で考えていると、どうしても視野が狭くなりがちです。そんな時は、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談してみるのがおすすめです。

キャリアアドバイザーは、多くの人の就職や転職をサポートしてきた経験から、自分では気づかなかった強みや可能性を見つけてくれます。また、業界の最新情報や、求人票だけでは分からない企業の内部情報なども教えてもらえるため、より納得のいく選択ができるようになります。

Zキャリアのエージェントに相談してみよう

脱毛サロン業界の将来性について、厳しい側面と新たな可能性の両方があることを解説しました。大切なのは、情報を正しく理解し、数あるサロンの中から自分に合った、将来性のある職場を見つけることです。

もし、「一人で求人を探すのは不安」「自分に合うサロンがどんなところか分からない」と感じたら、ぜひZキャリアのエージェントに相談してみてください。Zキャリアでは、若年層の転職サポートに特化しており、未経験からでも安心して働ける優良企業の求人を多数扱っています。キャリア相談から面接対策、入社後のフォローまで、すべて無料でサポートします。一緒に、未来につながる一歩を踏み出しましょう。