- やばい会社に共通する具体的な特徴
- 求人票や面接で見抜くためのチェックポイント
- 入社後に後悔しないための企業の選び方
- 万が一の時のための対処法
新卒が知っておくべき「やばい会社」の見分け方
初めての就職活動では、どの会社が良い会社なのか判断するのが難しいものです。ここでは、新卒の方が「やばい会社」を避けるための基本的な見分け方について解説します。以下の4つのポイントを押さえることが大切です。
- 求人票の曖昧な表現に注意する
- 会社のホームページやSNSを隅々まで確認する
- 面接官の態度や質問内容を冷静に観察する
- 口コミサイトは参考程度に留める
各項目について、詳しく解説していきます。
求人票の曖昧な表現に注意する
求人票に書かれている言葉を鵜呑みにしないことが、やばい会社を見分ける第一歩です。例えば、「頑張り次第で高収入」や「若手が活躍できる職場」といった言葉は聞こえが良いですが、具体性に欠けます。
本当に良い会社であれば、具体的な仕事内容や給与体系、キャリアアップのモデルケースなどを明確に示しているはずです。曖昧な表現が多い求人票は、労働条件が良くなかったり、都合の悪い情報を隠していたりする可能性があります。言葉の裏側を読み解き、少しでも疑問に感じたら、その会社についてさらに詳しく調べる姿勢が重要になります。
会社のホームページやSNSを隅々まで確認する
会社の公式情報から、社風や働き方の実態を読み取ることができます。ホームページのデザインが何年も更新されていなかったり、情報が古かったりする場合、会社の経営状況や社員への意識が低い可能性があります。
また、SNSで発信している情報もチェックしましょう。社員が楽しそうに働いている様子や、社内イベントの写真などが投稿されていれば、会社の雰囲気を知る手がかりになります。逆に、更新が止まっていたり、当たり障りのない内容ばかりだったりする場合は注意が必要です。公式情報から、その会社の「今」を感じ取ることが大切です。
面接官の態度や質問内容を冷静に観察する
面接は会社が応募者を選ぶ場ですが、応募者が会社を見極める場でもあります。面接官の態度は、その会社の社風を映す鏡です。高圧的な態度を取ったり、プライベートなことをしつこく聞いたりするような会社は、入社後も社員を大切にしない可能性があります。
また、こちらの質問に対して誠実に答えようとしない、話をはぐらかすといった態度も危険なサインです。質問への回答が曖昧だったり、具体的な説明がなかったりする場合は注意しましょう。面接官との対話を通じて、自分がここで気持ちよく働けるかどうかを冷静に判断することが重要です。
口コミサイトは参考程度に留める
口コミサイトの情報はあくまで個人の感想であり、すべてが事実とは限りません。特に、ネガティブな口コミは退職した人が書き込むケースが多く、情報が偏っている可能性があります。
もちろん、多くの人が同じような不満を書いている場合は、何らかの問題があるのかもしれません。ですが、一つの口コミを信じ込みすぎるのは危険です。良い口コミと悪い口コミの両方を見比べ、客観的な視点を持つことが大切です。複数のサイトをチェックしたり、あくまで参考情報の一つとして捉えたりするようにしましょう。

要注意!やばい会社に共通する7つの特徴
「やばい会社」には、いくつかの共通した特徴が見られます。ここでは、特に注意すべき7つのポイントについて解説します。これらの特徴に当てはまる会社は、慎重に検討する必要があるでしょう。

各項目について、詳しく解説していきます。
常に求人募集を掲載している
一年中、同じ職種の求人を出している会社は注意が必要です。これは、人の入れ替わりが激しく、社員が定着しない職場である可能性を示唆しています。
もちろん、事業拡大のために常に募集しているケースもあります。ですが、特に理由もなく長期間にわたって募集が続いている場合は、労働環境に何らかの問題を抱えているのかもしれません。例えば、厳しいノルマや長時間労働、人間関係のトラブルなどが原因で、多くの人がすぐに辞めてしまう状況が考えられます。求人サイトなどで、その会社の過去の掲載状況を調べてみるのも一つの手です。
離職率に関する情報が不透明
離職率を公開していない、または質問しても答えない会社は、社員の定着に課題を抱えている可能性があります。社員が長く働ける良い環境であれば、会社側もその情報をアピールしたいはずです。
離職率が高いということは、それだけ多くの人が「この会社で働き続けたくない」と感じた証拠です。入社しても、すぐに周りの同期や先輩が辞めていくような環境では、安心して働くことは難しいでしょう。面接などで離職率について質問し、誠実な回答が得られない場合は、慎重に判断する必要があります。
精神論や抽象的な理念を強調する
「情熱」「やる気」「成長」といった言葉を多用する会社には注意が必要です。もちろん、仕事に対する意欲は大切ですが、具体的な制度や待遇の説明がなく、精神論ばかりを強調するのは危険なサインです。
このような会社は、根性論で長時間労働を正当化したり、十分な研修がないまま仕事を任せたりする傾向があります。具体的な働き方やキャリアプランについて質問した際に、抽象的な理念の話にすり替えられるような場合は、労働環境が整っていない可能性を疑いましょう。気持ちよく働くためには、情熱だけでなく、しっかりとした制度的サポートが必要です。
給与体系や評価制度が曖昧
給与や評価の仕組みがはっきりしない会社では、頑張りが正当に評価されない可能性があります。「昇給あり」と書かれていても、どのような基準で、どのくらい給与が上がるのかが不明確では、将来のキャリアプランを描くことができません。
例えば、「成果に応じてインセンティブ支給」とあっても、その成果の基準が曖昧であれば、会社側の都合で評価が決められてしまう恐れがあります。面接の際に、具体的な評価制度や昇給のモデルケースについて質問し、納得のいく説明が得られるかどうかを確認することが大切です。
休日や残業に関する記載が少ない
休日や残業時間について具体的な情報が少ない求人票は、労働時間が長くなる傾向があるため注意が必要です。「週休2日制」と「完全週休2日制」では意味が大きく異なりますし、「みなし残業代」が含まれている場合、基本給が低く設定されていることもあります。
また、年間の休日数が極端に少ない会社や、休日出勤が常態化しているような職場も避けるべきでしょう。プライベートの時間をしっかり確保し、心身ともに健康でいることは、長く仕事を続ける上で非常に重要です。ワークライフバランスを重視するなら、休日や残業に関する情報は入念にチェックしましょう。
社員の平均年齢が極端に若い
社員の平均年齢が20代前半など、極端に若い会社も注意が必要です。若手が活躍できる活気ある職場という見方もできますが、一方で、中堅やベテラン社員が育たず、長く働き続けられる環境ではない可能性も考えられます。
人の入れ替わりが激しいために、結果的に若い社員しか残っていないのかもしれません。また、経験豊富な先輩がいないため、十分な教育やサポートを受けられずに苦労することもあります。将来的にその会社でキャリアを積んでいきたいと考えるなら、多様な年代の社員がバランス良く在籍しているかどうかも、重要な判断材料になります。
ハラスメント対策が不十分
パワハラやセクハラに対する会社の姿勢は、安心して働けるかどうかを左右する重要なポイントです。相談窓口の設置や研修の実施など、具体的なハラスメント対策を行っているかどうかを確認しましょう。
面接で「職場の雰囲気は体育会系」といった説明があった場合、それが厳しい上下関係や精神論を意味していないか注意が必要です。もし社員の尊厳が守られないような社風であれば、心身に大きな負担がかかってしまいます。健全な職場環境で働くためにも、会社がハラスメント問題にどう向き合っているかを見極めることが大切です。
求人票でわかるやばい会社の危険サイン
求人票は、会社が最初に見せる「顔」です。その書き方や内容には、会社の体質が表れることがあります。ここでは、求人票に隠された危険なサインを見抜くためのポイントを解説します。
- 仕事内容が具体的に書かれていない
- 給与の記載が「月給25万円~」など幅がある
- 「アットホーム」「風通しが良い」を多用する
- モデル年収が現実離れしている
各項目について、詳しく解説していきます。
仕事内容が具体的に書かれていない
「企画営業」「総合職」など、仕事内容が漠然としている求人には注意が必要です。具体的にどのような業務を行うのかが分からないまま入社すると、希望とは全く違う仕事をさせられたり、雑用ばかりを任されたりする可能性があります。
優良な企業であれば、入社後に担当する業務内容や、一日の仕事の流れなどをできるだけ具体的に記載し、応募者が働く姿をイメージしやすいように配慮しています。仕事内容の記載が曖昧な場合は、面接で詳しく質問するか、応募を慎重に検討した方が良いでしょう。
給与の記載が「月給25万円~」など幅がある
給与額に「~」が付いていたり、幅が広かったりする場合、最高額は特別なスキルや経験を持つ人に限られ、ほとんどの場合は最低額からのスタートになる可能性があります。特に、未経験者を募集している求人で給与の上限が高く設定されている場合は注意が必要です。
また、「月給30万円(みなし残業代〇時間分を含む)」のように、給与に残業代が含まれているケースも少なくありません。この場合、基本給は思ったより低く、一定時間の残業が前提となっている働き方かもしれません。給与の内訳をしっかりと確認し、実際の労働条件を把握することが大切です。
「アットホーム」「風通しが良い」を多用する
「アットホーム」や「風通しが良い」といった言葉は、具体性に欠け、会社にとって都合よく使われることがあります。実際に社員同士の仲が良い職場もありますが、一方で、プライベートへの過度な干渉や、仕事とプライベートの境界線が曖昧な社風を指している場合もあります。
これらの言葉が多用されている求人票を見たら、それだけで判断するのではなく、「なぜアットホームなのか」「具体的にどのように風通しが良いのか」を面接で質問してみましょう。その回答から、会社の本当の雰囲気や体質が見えてくるはずです。
モデル年収が現実離れしている
求人票に記載されているモデル年収が、業界の平均や仕事内容に対して高すぎる場合は、一度立ち止まって考える必要があります。その高い年収を得るためには、非常に厳しいノルマを達成する必要があったり、長時間労働が前提だったりする可能性があります。
例えば、「入社3年目で年収800万円」といった魅力的な例が示されていても、それがほんの一握りのトップセールスだけの話で、ほとんどの社員はそこまで到達できないというケースも少なくありません。モデル年収はあくまで参考の一つと捉え、その金額がどのような条件のもとで実現可能なのかを冷静に見極めることが重要です。
面接でやばい会社を見抜くための逆質問
面接の最後にある「何か質問はありますか?」という時間は、会社の実態を知る絶好のチャンスです。ここでは、やばい会社を見抜くために有効な逆質問について解説します。積極的に質問して、入社後のミスマッチを防ぎましょう。

各項目について、詳しく解説していきます。
1日の仕事の流れについて質問する
「入社した場合、どのような1日のスケジュールで働くことになりますか?」と質問することで、具体的な業務内容や働き方をイメージできます。この質問に対して、面接官が生き生きと具体的に説明してくれるなら、仕事内容が明確で、やりがいのある環境である可能性が高いです。
逆に、答えが曖昧だったり、精神論のような話になったりする場合は注意が必要です。仕事内容が体系化されておらず、場当たり的に業務を振られる環境かもしれません。働くイメージを具体的に持つためにも、ぜひ質問してみてください。
残業時間や休日出勤の実態を質問する
「月間の平均残業時間はどのくらいですか?」といった質問は、ワークライフバランスを確かめる上で欠かせません。この質問に面接官が正直に答えてくれるかどうかで、会社の誠実さも測ることができます。
「人による」「繁忙期以外は少ない」といった曖昧な回答しか返ってこない場合は、長時間労働が常態化している可能性があります。また、休日出勤の有無や、その際の代休取得の状況なども合わせて確認しておくと、よりリアルな働き方が見えてきます。聞きにくいと感じるかもしれませんが、自分の体を守るためにも勇気を出して質問しましょう。
社員の育成制度やキャリアパスを質問する
「未経験から入社した場合、どのような研修やサポート制度がありますか?」という質問は、会社が社員を育てる気があるかどうかを見極めるポイントです。しっかりとした研修制度や、先輩社員によるOJT(実務を通じた指導)の仕組みがあれば、未経験からでも安心して成長していくことができます。
また、「活躍されている方にはどのような特徴がありますか?」と質問することで、その会社で評価される人物像や、将来のキャリアパスを知る手がかりになります。自分の成長をサポートしてくれる環境かどうかを、この質問で見極めましょう。
離職率や社員の定着率について質問する
「社員の平均勤続年数や、直近の離職率について教えていただけますか?」という質問は、社員が長く働ける会社かどうかを判断するための直接的な指標になります。この質問をためらう会社や、明確な数字を答えられない会社は、社員の定着率が低い可能性があります。
もちろん、ベンチャー企業などで設立から日が浅い場合は平均勤続年数が短くなることもあります。ですが、誠実な会社であれば、その理由も含めてきちんと説明してくれるはずです。社員を大切にする会社かどうかを判断する上で、非常に重要な質問と言えるでしょう。
もしやばい会社に入社してしまったら?
どれだけ慎重に会社選びをしても、実際に入社してみたら「思っていたのと違った」と感じることはあるかもしれません。万が一、やばい会社に入社してしまった場合の対処法について解説します。一人で抱え込まず、冷静に行動することが大切です。
- まずは自分の状況を客観的に把握する
- 信頼できる第三者に相談する
- 第二新卒としての転職を視野に入れる
各項目について、詳しく解説していきます。
まずは自分の状況を客観的に把握する
感情的にならず、何が「やばい」と感じるのかを整理することが第一歩です。例えば、長時間労働が問題なのか、人間関係なのか、仕事内容なのか、具体的に書き出してみましょう。
そして、その状況が法律に違反していないか、労働契約書と相違がないかを確認します。例えば、契約にない業務を強制されたり、残業代が支払われなかったりする場合は、明らかな問題です。自分の置かれている状況を客観的に把握することで、次に取るべき行動が見えてきます。すぐに「辞める」と決断する前に、一度冷静に状況を分析してみましょう。
信頼できる第三者に相談する
一人で悩みを抱え込まず、家族や友人など信頼できる人に相談しましょう。社内の人に相談すると、話がこじれたり、不利益な扱いを受けたりする可能性もあるため、まずは社外の人に話を聞いてもらうのが安心です。
客観的な意見をもらうことで、自分の考えが整理されたり、新たな視点に気づかされたりすることもあります。もし、労働問題に詳しい公的な相談窓口(労働基準監督署など)に相談するのも一つの手です。専門家の助言を得ることで、法的な観点から自分の状況を理解し、適切な対応を取ることができます。
第二新卒としての転職を視野に入れる
心身の健康を損なう前に、その環境から離れる決断も重要です。短期間での離職は経歴に傷がつくのではないかと不安に思うかもしれませんが、第二新卒として転職活動を始めるという選択肢があります。
第二新卒とは、一般的に学校を卒業してから3年以内に離職し、転職活動を行う人のことを指します。企業側も、短期離職の理由によってはポテンシャルを評価して採用するケースは少なくありません。今回の経験を「社会勉強になった」と前向きに捉え、次の会社選びに活かすことができれば、それは決して無駄な経験にはなりません。自分の未来のために、勇気ある決断が必要な時もあります。
やばい会社を避けて自分に合う企業を見つけるには
やばい会社を見分けるだけでなく、自分にとって本当に「良い会社」を見つけることも同じくらい重要です。ここでは、後悔しない会社選びのために、就職活動で意識すべきポイントを解説します。
- 自己分析で譲れない条件を明確にする
- 企業研究で働くイメージを具体化する
- 会社の雰囲気を自分の目で確かめる
- ひとりで悩まずプロに相談する
各項目について、詳しく解説していきます。
自己分析で譲れない条件を明確にする
自分が仕事に何を求めるのか、譲れない条件は何かをはっきりさせることが、会社選びの第一歩です。例えば、「給与や休日などの待遇」「仕事のやりがい」「職場の人間関係」「将来のキャリアアップ」など、人によって優先順位は異なります。
まずは「これだけは譲れない」という軸をいくつか決めてみましょう。その軸がはっきりしていれば、たくさんの求人情報に惑わされることなく、自分に合った会社を効率的に探すことができます。自分自身の価値観と向き合うことが、満足のいく就職への近道です。
企業研究で働くイメージを具体化する
興味を持った会社について、徹底的に調べることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。会社のホームページや求人票だけでなく、その会社が扱っている商品やサービスについて調べたり、業界全体の動向をニュースでチェックしたりしてみましょう。
企業研究を深めることで、その会社で働く自分の姿をより具体的にイメージできるようになります。また、面接の際にも、深く調べたからこそできる鋭い質問ができ、入社意欲をアピールすることにも繋がります。面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が後悔しない会社選びには不可欠です。
会社の雰囲気を自分の目で確かめる
最終的な判断は、できるだけ自分の目で見て、肌で感じて決めることが理想です。面接で会社を訪れた際には、オフィスの様子や、働いている社員の表情などを注意深く観察してみましょう。
例えば、社員同士が挨拶を交わしているか、楽しそうに会話しているか、オフィスは整理整頓されているか、といった点から、その会社の日常的な雰囲気が伝わってくるはずです。もし可能であれば、職場見学をお願いしてみるのも良い方法です。データだけでは分からない「会社の空気」を感じ取ることが、自分に合うかどうかを見極める上で非常に重要になります。
ひとりで悩まずプロに相談する
就職活動は、情報戦であり、孤独な戦いになりがちです。一人でたくさんの情報を集め、自分に合う会社を判断するのは簡単なことではありません。そんな時は、就職・転職のプロであるエージェントに相談するのも有効な手段です。
エージェントは、一般には公開されていない求人情報を持っていたり、各企業の詳しい内部事情を把握していたりします。客観的な視点から、自分に合った会社を紹介してくれるだけでなく、面接対策や書類作成のサポートもしてくれます。一人で抱え込まず、プロの力を借りることで、就職活動をよりスムーズに進めることができます。
Zキャリアのエージェントに相談してみよう
ここまで、やばい会社の見分け方や、自分に合う会社の選び方について解説してきました。ですが、実際に一人でこれらすべてを実践するのは、とても大変で不安に感じるかもしれません。
そんな時は、ぜひ私たちZキャリアのエージェントに相談してください。Zキャリアは、若年層の就職・転職支援に特化しており、皆さんのような若い世代の気持ちを理解したキャリアアドバイザーが多数在籍しています。ネットの情報だけでは分からないリアルな企業情報をお伝えしたり、皆さんの希望や適性に合った求人をご紹介したりすることで、後悔のない会社選びを全力でサポートします。就職活動の悩みや不安を、私たちと一緒に解決していきましょう。