なぜおじさんは出社したがる？その理由と上手な対処法、合わない会社からの転職まで解説

なぜおじさん世代は出社したがるのか？

「リモートでも仕事はできるのに、なぜか出社を求めてくる…」その背景にある、おじさん世代特有の理由について解説します。考えられる理由は以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

顔を合わせたコミュニケーションが一番だと考えている

おじさん世代にとって、直接顔を合わせて話すことが最も信頼できるコミュニケーション手段だと考えていることが多いです。彼らが若かった頃は、インターネットも今ほど普及しておらず、仕事の相談や重要な決定は、会議室で膝を突き合わせて行うのが当たり前でした。この経験から「オンラインの文字や画面越しの会話では、細かいニュアンスや本気度が伝わりにくい」と感じています。そのため、部下を指導したり、チームの士気を高めたりするためには、同じ空間にいて、相手の表情や空気感を直接感じることが不可欠だと信じているのです。決して悪気があるわけではなく、自身の成功体験に基づいた善意からの行動かもしれません。

部下の働きぶりが見えないとマネジメントできない

上の世代の管理職の中には、部下が目の前で働いている姿を確認することで、仕事の進捗を把握し、安心感を得るタイプの人が少なくありません。リモートワークでは、部下が「本当に仕事をしているのか」「サボっていないか」が見えづらく、どう管理すれば良いか分からず不安になってしまうのです。これは、成果だけでなく「いかに頑張っているか」というプロセスを評価する文化で育ってきたことにも関係しています。部下がどれだけ熱心に業務に取り組んでいるかを自分の目で確認したいという気持ちが、出社へのこだわりに繋がっています。リモートでの適切なマネジメント方法をまだ知らない、というケースも多いでしょう。

ITツールや新しい働き方に苦手意識がある

チャットツールやWeb会議システム、クラウドでのファイル共有など、新しいITツールを使いこなすのが苦手という人もいます。これまで電話や対面でのやり取りが中心だったため、オンラインでのコミュニケーションに慣れず、効率が悪いと感じてしまうのです。例えば、簡単な確認事項でも、チャットで文章を打つより「ちょっといい？」と直接声をかける方が早いと考えています。新しい働き方を学ぶことに抵抗があったり、面倒だと感じたりするため、結果として自分が慣れ親しんだ「全員が出社する」という環境を維持しようとします。これは、変化に対する戸惑いの表れとも言えます。

会社が自分の居場所でありコミュニティだから

特に長年同じ会社に勤めてきたおじさん世代にとって、会社は生活の中心であり大切な居場所になっています。仕事仲間との雑談やランチ、仕事終わりの一杯が、日々の楽しみであり、社会との繋がりを感じる重要な機会なのです。リモートワークが中心になると、こうしたコミュニケーションの機会が失われてしまいます。彼らにとって会社に行くことは、単に仕事をするためだけではなく、自分のアイデンティティを保ち、コミュニティに属するための大切な習慣です。そのため、職場から人がいなくなることに、強い孤独感や寂しさを感じてしまうことがあります。

自宅にリモートワークできる環境が整っていない

意外と多いのが、自宅に仕事をするための環境が整っていないという物理的な理由です。例えば、自分専用の書斎がなく、家族がいるリビングで仕事をするしかない、安定したインターネット回線がない、会社の機密情報を扱えるようなセキュリティ環境がない、といったケースです。家では仕事に集中できず、かえって生産性が落ちてしまうと感じているため、「仕事は会社でするもの」という考えに至ります。自分の環境がそうであるため、部下たちも同じだろうと思い込み、全員に出社を求めてしまうこともあります。個人の事情を想像するのが苦手な場合、このような考えになりがちです。

出社主義の職場で働き続けることのデメリット

出社にこだわる職場で働き続けることには、いくつかのデメリットが考えられます。具体的には以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

通勤に時間やお金といったコストがかかる

出社が必須だと、毎日の通勤に多くの時間とお金を費やすことになります。例えば、往復で2時間かかるとすれば、1週間で10時間、1ヶ月で約40時間を通勤だけで失っている計算です。この時間があれば、スキルアップのための勉強をしたり、趣味や休息に充てたりと、もっと有意義な使い方ができるかもしれません。また、交通費は会社から支給されることが多いですが、ランチ代や飲み物の購入など、出社することで発生する細かな出費も積み重なると大きな金額になります。リモートワークであれば、これらの時間的・金銭的コストを大幅に節約できるため、出社主義は非効率に感じられるでしょう。

自分のペースで仕事を進めにくくなる

オフィスでは、周りの環境によって集中を妨げられることが少なくありません。例えば、集中して作業を進めたいときに急に話しかけられたり、周りの雑談が気になったり、電話の音が鳴り響いたりと、自分のペースを維持するのが難しい場面があります。また、「周りがまだ仕事をしているから帰りづらい」といった無言のプレッシャーを感じ、本当は自分の仕事が終わっていても、だらだらと職場に残ってしまうこともあるでしょう。自分の裁量で仕事の進め方や休憩のタイミングをコントロールしにくい点は、出社主義の大きなデメリットと言えます。

仕事とプライベートの区別がつきにくい

出社が基本の職場では、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちです。業務時間外でも「飲み会」という名の半ば強制的な集まりに参加しなければならない雰囲気があったり、休日に会社のイベントに駆り出されたりすることもあるかもしれません。また、上司や先輩が残業していると先に帰りづらい雰囲気があり、結果的に長時間労働に繋がりやすくなります。自分の時間を大切にし、仕事とプライベートをはっきりと分けたいと考えている人にとって、こうした文化は大きなストレスの原因になります。心身の健康を保つ上でも、オンとオフの切り替えは非常に重要です。

新しい働き方への変化に対応できなくなる

世の中ではリモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方がどんどん広がっています。そのような中で出社ありきの古い働き方に固執する環境に身を置き続けると、時代の変化に取り残されてしまう可能性があります。将来、転職を考えたときに、リモートワークでの自己管理能力やオンラインでのコミュニケーションスキルが求められる場面で、経験不足から不利になってしまうかもしれません。また、多様な働き方を知らないままでいると、自分にとってより良いキャリアの選択肢があることに気づけないまま、時間を過ごしてしまうことにもなりかねません。

出社を求める上司への上手な対処法

価値観の違う上司とも、上手く付き合っていくための方法があります。感情的にならず、戦略的に対処するためのポイントは以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

リモートワークで成果が出ることを具体的に示す

上司を納得させる最も効果的な方法は、リモートワークで客観的な成果を示すことです。「リモートの方が集中できて、作業効率が1.2倍になりました」「移動時間がない分、1日1時間多くタスクに取り組めます」のように、数字や具体的な事実を交えてメリットを伝えましょう。ただ「リモートにしたい」と主張するだけでは、わがままだと思われてしまうかもしれません。ですが、「会社の利益に繋がる」という視点で提案すれば、上司も検討しやすくなります。まずは試験的にリモートワークをさせてもらい、そこでしっかりと結果を出すことで、信頼を勝ち取ることが重要です。

業務の進捗をこまめに報告して安心させる

上司が抱く「見えないことへの不安」を解消するために、自ら進んでコミュニケーションを取ることが大切です。例えば、始業時に「本日は〇〇と△△の業務を進めます」、終業時には「本日の業務はここまで完了しました。明日は××から着手します」といった報告をチャットなどで入れるだけでも、上司は安心できます。業務の途中で分からないことや相談したいことがあれば、抱え込まずにすぐにオンラインで声をかけるのも効果的です。こちらから積極的に状況を可視化することで、「リモートでもしっかり仕事を進めてくれているな」という信頼感が生まれ、出社へのこだわりが和らぐ可能性があります。

オンラインでの雑談や相談の機会を積極的に作る

出社を求める理由の一つに「コミュニケーション不足への懸念」があります。であれば、オンラインでも円滑な意思疎通が可能であることを示しましょう。業務連絡だけでなく、チームのチャットで少し雑談を振ってみたり、Web会議の冒頭でアイスブレイクを挟んだりするのも良い方法です。「〇〇の件、少しご相談したいのですが、5分だけお時間よろしいでしょうか？」と気軽に声をかけることで、対面と変わらず相談できる環境を作れます。「リモートだとコミュニケーションが減る」という上司の思い込みを、「やり方次第でむしろ円滑になる」というポジティブな認識に変えていくことがポイントです。

出社する日とリモートの日を交渉して決める

いきなりフルリモートを求めるのが難しい場合は、ハイブリッドワークという落としどころを提案してみるのも一つの手です。例えば「週に2日はリモートワークにさせていただけないでしょうか」「集中したい作業がある水曜日だけは在宅勤務にしたいです」といった形で、段階的な導入を交渉してみましょう。チーム全体の会議がある日や、対面での打ち合わせが必要な日は出社し、個人で進める作業が多い日はリモートにする、といったルールを決めることで、上司も許可しやすくなります。全てを思い通りにするのは難しくても、少しでも自分の望む働き方に近づけるための、現実的な一歩として有効な手段です。

今の職場が合わないと感じたら考えるべきこと

いろいろ試してみても状況が改善せず、「この職場は自分には合わないかも」と感じたら、一度立ち止まって自分のキャリアについて考えてみましょう。その際に整理すべき点は以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

自分が理想とする働き方を明確にする

まずは、自分がどんな働き方をしたいのかを具体的にイメージすることが大切です。例えば、フルリモートで働きたいのか、週に数回は出社するハイブリッドワークが良いのか、あるいは職種によっては出社がメインでも構わないのか。場所だけでなく、働く時間（フレックスタイムなど）や、仕事とプライベートのバランスについても考えてみましょう。「なんとなく今の会社が嫌だ」という漠然とした気持ちのままでは、次の職場でも同じような不満を抱えてしまう可能性があります。自分の理想をはっきりさせることで、次のステップに進むための軸が定まります。

会社のどんな点に不満を感じるか整理する

次に、今の会社の何が不満なのかを書き出してみましょう。「出社を強制されること」が一番の理由かもしれませんが、他にも「人間関係が窮屈」「給料が低い」「仕事内容にやりがいを感じない」「評価制度が不透明」など、様々な要因があるかもしれません。不満な点を具体的に言語化することで、問題の根本がどこにあるのかを客観的に把握できます。これにより、次に探すべき会社の条件がより明確になります。例えば、問題が働き方だけなのであれば、リモートワークが可能な同業他社を探せば良い、ということになります。

転職によって何を実現したいのかを考える

不満から逃げるだけの「逃げの転職」ではなく、**自分の未来をより良くするための「攻めの転職」**にすることが重要です。転職をすることで、何を手に入れたいのか、どんな自分になりたいのかを考えてみましょう。例えば「リモートワークで生まれた時間を、Webデザインの勉強に充ててスキルアップしたい」「もっと風通しの良い職場で、自分の意見を発信しながら働きたい」など、ポジティブな目標を設定します。この目標が、転職活動中のモチベーションになり、企業選びのブレない指針にもなります。

今の会社で改善できることがないか探す

転職は大きな決断ですので、その前に今の職場でできることが本当にないか、最後にもう一度考えてみることも大切です。例えば、働き方について上司に交渉するだけでなく、人事部に相談してみる、あるいはリモートワークが可能な別の部署への異動を希望するといった選択肢はないでしょうか。もし、少しでも改善の可能性があるなら、試してみる価値はあります。そこで全力を尽くした上で「やはりこの会社では無理だ」と結論が出たのであれば、後悔なく次のステップに進むことができるでしょう。このプロセスを経ることで、転職の覚悟もより固まります。

柔軟な働き方がしやすい仕事や業界とは？

もし転職を決意した場合、どのような仕事や業界を選べば、理想の働き方を実現しやすいのでしょうか。リモートワークと相性の良い職種の例は以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

ITエンジニアやWebデザイナー

ITエンジニアやWebデザイナーは、パソコンとインターネット環境さえあれば、場所を選ばずに仕事を進められる代表的な職種です。プログラミングでシステムを開発したり、Webサイトのデザインを作成したりする業務は、個人で集中して行う時間が多いため、リモートワークと非常に相性が良いと言えます。未経験からでも、スクールに通ったり独学でスキルを身につけたりして、転職を目指す人が多いのも特徴です。手に職をつけることで、将来的にフリーランスとして独立するなど、さらに自由な働き方を選択できる可能性も広がります。

インサイドセールス

インサイドセールスは、オフィスや自宅から電話やメール、Web会議システムを使って顧客にアプローチする営業職です。従来の外回り営業とは異なり、移動時間が一切ないため、効率的に多くの顧客とコミュニケーションを取ることができます。訪問がないため、働く場所の制約を受けにくく、多くの企業でリモートワークが導入されています。顧客とのやり取りは全てオンラインで完結するため、地方に住みながら東京の企業の仕事をする、といった働き方も可能です。コミュニケーション能力を活かしたい人に向いています。

Webマーケター

Webマーケターは、Webサイトへのアクセスを分析したり、SNSやWeb広告を使って商品を宣伝したりする仕事です。業務のほとんどがパソコン上で完結するため、リモートワークを導入している企業が非常に多い職種の一つです。データ分析や戦略立案など、論理的な思考力が求められますが、未経験からでもアシスタントとしてキャリアをスタートできる場合があります。市場の動向を読み解き、仕掛けた施策が成果に繋がったときには、大きなやりがいを感じられる仕事です。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、電話やメール、チャットで顧客からの問い合わせに対応する仕事です。近年、サポートツールや電話システムがクラウド化されたことで、在宅勤務の体制を整える企業が急増しています。基本的なPCスキルとコミュニケーション能力があれば、未経験からでも挑戦しやすいのが魅力です。マニュアルが整備されていることが多く、研修制度も充実している傾向にあります。困っている人を助けることにやりがいを感じる人や、丁寧な対応が得意な人に向いている仕事と言えるでしょう。

働き方の価値観が合う会社へ転職を考えるなら

自分に合った働き方ができる会社を見つけるためには、情報収集が鍵となります。転職を成功させるための具体的なアクションは以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

転職サイトでリモートワーク求人を探す

転職活動を始めるなら、まずは転職サイトに登録して求人を探すのが一般的です。多くのサイトには「こだわり条件」で検索する機能があり、「リモートワークOK」「在宅勤務可」「フレックスタイム制」といった項目にチェックを入れることで、希望の働き方ができる企業を効率的に見つけられます。様々な業界・職種の求人が掲載されているため、自分の興味やスキルに合う仕事は何か、視野を広げながら探すことができます。気になる求人があれば「気になるリスト」などに入れておき、後から比較検討するのがおすすめです。

企業の口コミサイトで社風をチェックする

求人票に「リモートワーク可」と書かれていても、実際には出社が多いケースも残念ながら存在します。「制度としてはあるけれど、実際には使っている人がいない」「上司がリモートワークに否定的で使いづらい雰囲気」といった実態は、外からでは分かりにくいものです。そこで役立つのが、その企業で働く社員や元社員が書き込む口コミサイトです。働き方の実態だけでなく、社内の雰囲気、人間関係、残業時間など、リアルな情報を知ることができます。良い面も悪い面もチェックした上で、自分に合う環境かどうかを判断する材料にしましょう。

転職エージェントに相談して内部情報を得る

転職エージェントは、企業の内部情報に詳しい専門家です。公開されている求人情報だけでは分からない、より詳細な情報を教えてもらうことができます。例えば「この会社のリモートワークの導入率は約80%です」「〇〇部ではフルリモートで働いている人が多いですよ」といった、具体的な実情を把握している場合があります。また、自分の希望やスキルを伝えることで、自分では見つけられなかったような非公開求人を紹介してくれることもあります。応募書類の添削や面接対策など、転職活動全体をサポートしてくれる心強い存在です。

Zキャリアのエージェントに相談してみよう

ここまで、出社を求める上司の心理から、対処法、そして転職という選択肢までを解説してきました。今の職場の働き方に疑問を感じ、どうすれば良いか分からず一人で悩んでいるなら、一度プロに相談してみませんか。私たちZキャリアは、若年層の転職サポートに特化したエージェントです。皆さんの「こんな働き方がしたい」という気持ちに寄り添い、価値観の合う会社を一緒に探します。リモートワークが可能な求人はもちろん、風通しの良い社風の企業など、多くの情報を持っています。相談は無料ですので、まずは気軽に話を聞かせてもらうような気持ちで、一歩を踏み出してみましょう。