- ボーナスをもらうための基本的なルール
- ボーナス前に退職するメリットとデメリット
- 損をしないための退職のベストタイミング
- 円満に退職するための伝え方のコツ
ボーナス前に退職を伝える際の注意点
ボーナス前に退職を考えている場合、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。具体的には以下の4つの項目について解説します。
- まずは就業規則の支給条件を確認する
- 支給日在籍が条件なら受け取れないと知る
- 査定期間の働きが減額につながる可能性を理解する
- 会社との関係が悪化するリスクを覚悟する
まずは就業規則の支給条件を確認する
ボーナスがもらえるかどうかは、会社のルールブックである「就業規則」で決まります。会社の机の引き出しや、社内の共有フォルダなどに入っていることが多いので、まずは探して中身を確認してみてください。
特に「賞与(ボーナス)」に関するページをチェックします。「賞与は、毎年○月と○月に、会社の業績と個人の評価に応じて支給する」といった内容が書かれているはずです。このルールが、ボーナスをもらえるかどうかの全ての基本になります。もし見つからない場合は、総務や人事の担当者に「就業規則を確認したいのですが」と聞いてみても良いかもしれません。
支給日在籍が条件なら受け取れないと知る
就業規則の中でも特に大事なのが、「支給日に会社に在籍していること」という一文です。多くの会社では、この「支給日在籍要件」がルールとして定められています。
例えば、ボーナスの支給日が12月10日だとします。このルールがある場合、12月9日に退職してしまうと、残念ながらボーナスは受け取れません。たとえ査定期間に一生懸命働いていたとしても、支給日に会社に所属していないと、もらう権利がなくなってしまうのです。退職日を決める前に、このルールが自分の会社にあるかどうかを必ず確認しておきましょう。
査定期間の働きが減額につながる可能性を理解する
ボーナスの金額は、査定期間中の働きぶりで決まるのが一般的です。夏のボーナスなら前期の10月〜3月、冬のボーナスなら4月〜9月といった期間が査定の対象になります。
もし、ボーナスが支給される前に「辞めます」と伝えた場合、会社によっては「これから辞める人に多くは払えない」と判断し、ボーナスの金額を減らす可能性があります。これは不当な減額だとして問題になるケースもありますが、評価を決めるのは会社側なので、ある程度の減額は覚悟しておいたほうが気持ちは楽になるかもしれません。
会社との関係が悪化するリスクを覚悟する
ボーナスをもらう直前に退職を伝えると、上司や同僚との関係が気まずくなる可能性も考えておく必要があります。
会社側からすると、「ボーナスをもらうだけもらって辞めるのか」と思われてしまうかもしれません。もちろん、ボーナスはこれまでの働きに対する正当な対価ですし、退職も労働者の権利です。ですが、感情的に良く思わない人がいるのも事実です。特に、引き継ぎ期間が短くなってしまうと、残る人たちに迷惑がかかり、円満な退職が難しくなることもあります。
そもそもボーナスをもらう権利は法的にあるのか?
「ボーナスってもらうのが当たり前じゃないの?」と思うかもしれませんが、法律との関係も知っておくと安心です。以下の3つの項目について解説します。
- 法律上の支払い義務はないと知っておく
- 会社の就業規則が基本的に重視される
法律上の支払い義務はない
実は、会社がボーナスを支払うことは法律で義務付けられていません。毎月の給料は「働いた分の対価」として必ず支払う義務が会社にありますが、ボーナスはあくまで「会社の業績が良かったり、個人の頑張りに報いたりするためのお金」という位置づけです。
そのため、会社の業績が悪ければボーナスがゼロになることもありますし、そもそもボーナス制度がない会社もたくさんあります。ボーナスは必ずもらえるものではない、ということを基本として知っておきましょう。
会社の就業規則が基本的に重視される
法律で決まっていない場合、何が基準になるかと言えばやはり「就業規則」です。就業規則に「ボーナスを支給する」と明記されていて、その条件を満たしていれば、会社はボーナスを支払う義務が発生します。
逆に、就業規則にボーナスに関する記載がなければ、会社に支払いを求めることは難しくなります。つまり、ボーナスに関するトラブルでは、法律そのものよりも、会社ごとに定められた就業規則の内容が最も重要になるのです。自分の会社のルールがどうなっているか、改めて確認することが大切です。

ボーナス前に退職するメリット
ボーナスをもらわずに退職することには、もちろん良い面もあります。お金よりも時間を優先したい場合には、メリットが大きくなるでしょう。具体的には以下の3つのメリットが考えられます。

新しいキャリアへ早く進める
一番のメリットは、次のステージへ早く進めることです。ボーナス支給日まで数ヶ月待つということは、それだけ新しい会社でのスタートが遅れることを意味します。
もしすでに行きたい会社が決まっている場合、その会社の入社日に間に合わせるために、ボーナスを諦めて退職を決断することもあるでしょう。特に、求人はタイミングが大事です。魅力的な求人が出ているなら、ボーナスを待つ数ヶ月の間にそのチャンスを逃してしまうかもしれません。自分のキャリアにとって何が一番大切かを考えて判断することがポイントです。
ストレスの原因からすぐに離れられる
もし今の職場環境や人間関係、仕事内容に大きなストレスを感じているなら、一日でも早くその環境から離れることが心と体の健康にとって何よりも大切です。
ボーナスのために数ヶ月間我慢し続けることで、心身のバランスを崩してしまっては元も子もありません。お金は大切ですが、健康は何にも代えがたいものです。「もう限界だ」と感じているなら、ボーナスをもらうことよりも、自分の心を守ることを優先する選択も間違いではありません。
転職活動に時間を十分に使える
在職しながらの転職活動は、時間的にも精神的にもかなり大変です。仕事が終わって疲れている中で履歴書を書いたり、会社の昼休みにこっそり面接の連絡をしたりと、休まる時がありません。
ボーナスを待たずに退職すれば、転職活動に集中するための時間をしっかり確保できます。焦らずに自己分析をしたり、企業研究をしたり、面接対策をしたりすることができます。結果として、自分に本当に合った会社と出会える可能性が高まるかもしれません。
ボーナス前に退職するデメリット
もちろん、ボーナス前に退職することにはデメリットもあります。特に金銭面での影響は大きいので、慎重に考える必要があります。具体的には以下の3つのデメリットが挙げられます。

もらえるはずだった収入を失う
最も分かりやすいデメリットは、まとまった収入を得る機会を失うことです。ボーナスは、人によっては給料の数ヶ月分になることもあり、大きな臨時収入になります。
これがあれば、引っ越しの費用に充てたり、新しい生活に必要なものを揃えたり、少し贅沢をしたりすることもできたかもしれません。この収入がなくなることは、生活設計に大きな影響を与える可能性があります。ボーナス額がいくらくらいになりそうか、それがないことでどれくらい困るかを具体的に計算してみることが大事です。
転職活動中の資金繰りが厳しくなる
退職してから転職活動をする場合、収入がない期間が発生します。その間の生活費は、貯金を取り崩していくことになります。
ボーナスがあれば、そのお金を転職活動中の生活費に充てることができ、心に余裕を持って活動を進められます。ですが、ボーナスがないと、貯金がどんどん減っていく焦りから「早く決めないと」と妥協してしまい、本当に自分に合わない会社を選んでしまうリスクも高まります。生活費や活動費として、最低でも3ヶ月分くらいの貯金があると安心です。
円満退職が難しくなる可能性がある
メリットの部分でも触れましたが、会社との関係がこじれてしまうリスクはデメリットとしても挙げられます。
ボーナス支給の直前や、繁忙期に突然退職を切り出すと、会社側も引き継ぎなどの準備ができません。そうなると、上司や同僚に大きな負担をかけることになり、「無責任だ」と思われてしまうかもしれません。円満に退職できないと、退職手続きがスムーズに進まなかったり、業界が狭い場合は転職先で悪い評判が立ったりする可能性もゼロではありません。
損しない!ボーナスをもらってから辞めるタイミング
金銭的な損をせず、かつ円満に退職するためには、タイミングが非常に重要です。ベストなタイミングはいつなのか、具体的な流れを見ていきましょう。
- ボーナス支給日の直後に退職意思を伝える
- 支給日から1ヶ月後以降を退職日に設定する
- 就業規則で定められた申し出期間を守る
ボーナス支給日の直後に退職意思を伝える
最も安全なのは、ボーナスが自分の銀行口座に振り込まれたことを確認してから退職の意思を伝えることです。
支給日当日や翌日などがベストなタイミングになります。支給日前に伝えてしまうと、前述の通り減額されるリスクがあるからです。逆に、あまりに時間が経ってからだと、次のボーナスの査定期間に入ってしまい、また辞めるタイミングを逃してしまうかもしれません。「ボーナスをもらったら伝える」と心に決めて、支給されたことを確認したら、すぐに上司にアポイントを取りましょう。
支給日から1ヶ月後以降を退職日に設定する
退職の意思を伝えてから、実際に会社を辞める日(退職日)までは、1ヶ月から2ヶ月程度の期間を空けるのが一般的です。
法律では退職の意思表示は2週間前までとされていますが、多くの会社では就業規則で「1ヶ月前まで」と定められています。また、仕事の引き継ぎや後任者への説明などを考えると、1ヶ月程度の期間は見ておくのが社会人としてのマナーです。ボーナスをもらってすぐに辞める場合でも、この引き継ぎ期間をしっかり設けることで、円満な退職につながりやすくなります。
就業規則で定められた申し出期間を守る
繰り返しになりますが、退職に関するルールも就業規則に書かれています。「退職を希望する場合、退職希望日の1ヶ月前までに、所属長に申し出ること」といった内容です。
このルールを守ることが、円満退職の大前提になります。上司に退職を伝える際は、「就業規則に従い、○月○日をもって退職させていただきたく存じます」と伝えると、スムーズに話が進みやすいでしょう。法律に反しない範囲で就業規則の定めが適用されることが多いので、必ず事前に確認しておくことが大切です。
ボーナス後の円満退職を実現する伝え方のコツ
タイミングが良くても、伝え方一つで印象は大きく変わります。会社や上司への配慮を忘れず、最後まで良い関係を保つための伝え方のコツを紹介します。
- 退職理由はポジティブなものにする
- これまでの感謝の気持ちを伝える
- 最終日まで責任をもって引き継ぎを行う
- 必ず直属の上司に直接報告する
退職理由はポジティブなものにする
退職理由を聞かれた際は、なるべく前向きな理由を伝えるように心がけましょう。たとえ会社への不満が原因だったとしても、それをストレートにぶつけてしまうと、話がこじれてしまうだけです。
「給料が安い」「人間関係が悪い」といったネガティブな理由ではなく、「新しい業界で挑戦してみたい」「専門的なスキルを身につけたい」など、自分の将来のためのポジティブな理由を伝えましょう。嘘をつく必要はありませんが、伝え方を工夫することで、上司も応援する気持ちで送り出しやすくなります。
これまでの感謝の気持ちを伝える
退職を切り出す際は、まず最初にこれまでの感謝の気持ちを伝えることが大切です。「お忙しいところ恐れ入ります。ご相談したいことがあり、お時間をいただきました」と前置きし、「これまでお世話になり、本当にありがとうございました」という感謝の言葉から始めましょう。
感謝を伝えられた相手は、悪い気はしません。たとえ不満があったとしても、育ててもらったことや、経験を積ませてもらったことは事実のはずです。感謝の気持ちを誠実に伝えることで、その後の話し合いも穏やかに進めやすくなります。
最終日まで責任をもって引き継ぎを行う
退職の意思を伝えたら、「最終出社日まで、責任をもって業務の引き継ぎを行います」という姿勢を明確に示しましょう。
後任者が決まったら、業務内容や仕事の進め方、取引先との関係などをまとめた資料を作成し、丁寧に説明します。残された同僚が困らないように、できる限りのことをするという姿勢が、信頼につながります。「立つ鳥跡を濁さず」という言葉通り、最後まで自分の仕事に責任を持つことが、円満退職の最大のコツです。
必ず直属の上司に直接報告する
退職という大事な話は、必ず最初に直属の上司に直接会って伝えましょう。メールや電話で済ませたり、同僚に先に話したりするのはマナー違反です。
上司のスケジュールを確認し、「少しご相談したいことがあるので、5分ほどお時間をいただけないでしょうか」とアポイントを取ります。そして、会議室など他の人に聞かれない場所で、一対一で話すのが基本です。上司を飛ばしてさらに上の役職の人に話すのも、上司の顔に泥を塗ることになるので避けてください。
ボーナスや退職のことで悩んだらどうする?
ここまで色々な選択肢や方法を見てきましたが、それでも一人で決めるのは不安なことも多いでしょう。そんな時は、一人で抱え込まずに誰かに相談してみてください。
- 身近な信頼できる人に話を聞いてもらう
- 労働基準監督署などの公的機関に相談する
- 転職のプロであるエージェントを活用する
身近な信頼できる人に話を聞いてもらう
まずは、家族や親しい友人など、信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
自分の考えを言葉にして話すことで、頭の中が整理されて、どうしたいのかが見えてくることもあります。ただし、相談相手によっては、その人の価値観でアドバイスをされることもあります。最終的に決めるのは自分自身だということを忘れずに、あくまで参考意見として聞くようにしましょう。
労働基準監督署などの公的機関に相談する
もし、会社から不当なボーナスカットをされたり、退職を妨害されたりするなど、ルール違反の対応をされた場合は、公的な相談窓口を活用する方法もあります。
全国にある「労働基準監督署」では、労働問題に関する相談を無料で受け付けています。法的な観点から、会社との間に立って助言をしてくれることもあります。会社とのトラブルで困った時の、心強い味方になってくれるでしょう。
転職のプロであるエージェントを活用する
退職後のキャリアについて具体的に考えたいなら、転職エージェントに相談するのが近道になります。
転職エージェントは、たくさんの人の転職をサポートしてきたプロです。退職のタイミングや円満な退職の進め方についても、具体的なアドバイスをもらえます。また、自分の希望に合った求人を紹介してくれたり、履歴書の書き方や面接の練習を手伝ってくれたりもします。客観的な視点でキャリアの相談に乗ってくれるので、心強い存在になるでしょう。
次のステップへ!後悔しない退職と転職のために
ボーナスと退職のタイミングは、これからのキャリアを考える上で大事な分岐点です。最後に、後悔のない選択をするために、改めて考えておきたいことをまとめました。
- 自分のキャリアプランをもう一度考える
- 転職先の労働条件をしっかり確認する
自分のキャリアプランをもう一度考える
退職を決める前に、「なぜ辞めたいのか」「次に何をしたいのか」をもう一度じっくり考えてみましょう。
目先のボーナスも大切ですが、もっと長い目で見て、5年後、10年後に自分がどうなっていたいかを想像してみてください。その将来像に近づくためには、今のタイミングで退職することが本当にベストな選択なのか。自分の心の声に耳を澄ませて、納得のいく答えを見つけることが、後悔しないための第一歩になります。
転職先の労働条件をしっかり確認する
今の会社の不満から逃れるために焦って転職すると、次の会社でも同じような問題に直面してしまうかもしれません。
給与や休日、残業時間はもちろんですが、ボーナスの支給実績や評価制度、会社の雰囲気など、求人票だけでは分からない情報もしっかり確認することが大事です。面接の際に質問したり、転職エージェントから内部の情報を教えてもらったりして、入社後のミスマッチを防ぎましょう。
Zキャリアのエージェントに相談してみませんか?
退職のタイミングに悩んだり、次のキャリアに不安を感じたりしたら、一人で抱え込まずに、ぜひZキャリアのキャリアアドバイザーに相談してみませんか。
Zキャリアは、特に若手の未経験転職に特化したエージェントです。今の状況や将来の希望を丁寧にヒアリングし、たくさんの選択肢の中から、ご自身に合ったキャリアプランを一緒に考えます。ボーナスに関する悩みから、円満な退職の仕方、未経験でも挑戦できる求人の紹介まで、幅広くサポートいたします。まずは今抱える悩みから、相談してみませんか。