- フルリモートからフル出社がつらいと感じる理由
- フル出社勤務のメリットとデメリット
- 出社勤務に馴染めない時の具体的な解決策
- 自分に合った働き方を見つけるためのヒント
フルリモートからフル出社への変化がつらいと感じる理由
フルリモートの自由な働き方に慣れていたのに、急にフル出社を命じられると、戸惑いやストレスを感じるものです。なぜ多くの人が「つらい」と感じるのでしょうか。考えられる理由は以下の通りです。
- 毎日の通勤に時間が取られる
- 一人で集中できる環境がなくなった
- 人間関係のストレスが増加した
- 自分のペースで仕事を進めにくい
各項目について、詳しく見ていきましょう。
毎日の通勤に時間が取られる
これまでなかった通勤時間の発生は、フル出社がつらいと感じる最も大きな理由の一つです。リモートワークであれば、起きてからすぐに仕事を開始でき、その分の時間を睡眠や朝食、趣味などに充てることができます。
ですが、フル出社となると、往復で1時間や2時間、人によってはそれ以上の時間を移動に費やすことになります。特に都市部では、朝の満員電車は避けて通れません。ぎゅうぎゅう詰めの車内で立ちっぱなしになるのは、肉体的にも精神的にも大きな負担です。会社に着く頃にはすでに疲れ果ててしまい、仕事のパフォーマンスにも影響が出かねません。
また、通勤に時間を取られることで、プライベートの時間が確実に減ってしまいます。仕事が終わってから家に帰り、夕食や入浴を済ませると、あっという間に寝る時間になってしまうでしょう。自分のために使える時間が減ることは、生活の満足度を大きく下げる原因になります。
一人で集中できる環境がなくなった
自宅でのリモートワークは、集中力の低下を招くことなく、自分の世界に入り込んで作業を進められる点が魅力でした。静かな環境で、誰にも邪魔されずに一つのタスクに没頭できたはずです。
しかし、オフィスに出社すると状況は一変します。周りの同僚の話し声や電話の音、キーボードを叩く音など、様々な物音が耳に入ってきて、集中が途切れやすくなります。仕方のないことですが、こうした環境の変化にストレスを感じる人は少なくありません。
さらに、オフィスでは「ちょっといい?」と気軽に声をかけられる場面も増えます。もちろん、業務上必要なコミュニケーションは大切ですが、集中して作業している時に話しかけられると、思考が中断されてしまいます。
一度切れた集中力を取り戻すのは、意外と大変なものです。自分のペースで仕事を進められないもどかしさが、やがて大きなストレスに繋がっていきます。
人間関係のストレスが増加した
フル出社への切り替えは、人間関係のストレスが増えるきっかけにもなります。リモートワーク中は、チャットやメール、必要な時だけのビデオ会議など、コミュニケーションは業務上のものに限られています。
ですが、フル出社になると、一日中同じ空間で同僚や上司と顔を合わせることになります。もちろん、良好な関係を築けていれば問題ありません。しかし、中にはどうしても苦手だと感じる人や、価値観が合わない人もいるでしょう。そうした相手とも常に顔を合わせ、気を遣いながら過ごすのは、精神的に疲弊します。
また、ランチの誘いや業務後の飲み会など、業務外の付き合いが発生することもあります。断り切れずに参加して、気疲れしてしまうこともあるかもしれません。
リモートワークの時にはなかった、こうした対面での人間関係の複雑さが、出社への足取りを重くさせる一因となります。
自分のペースで仕事を進めにくい
リモートワークでは、ある程度自分の裁量で仕事の進め方をコントロールできます。例えば、集中力が高い午前中に重要なタスクを片付け、午後は少しペースを落として単純作業を行う、といった調整が可能です。疲れた時には、少し長めに休憩を取ることもできたでしょう。
しかし、フル出社になると、こうした仕事のペースの乱れが生じやすくなります。会社の定めた休憩時間に合わせる必要があり、周りの同僚の進捗状況も気になります。常に誰かの目がある環境では、自分のペースで仕事を進めるのが難しく感じられるものです。特に、上司が部下の行動を細かく管理する「マイクロマネジメント」を行うタイプだった場合、そのストレスはさらに大きくなります。常に監視されているような息苦しさを感じ、仕事へのモチベーションも下がってしまうでしょう。
自由な働き方を知っているからこそ、不自由さを強く感じてしまうのです。
フル出社勤務のメリットって何がある?
フル出社は、つらいことばかりではありません。対面だからこその良さや、仕事を進めやすくなる点もあります。考えられるメリットは以下の通りです。

考え方を変えることで、出社勤務のポジティブな側面に気づけるかもしれません。詳しく解説していきます。
同僚と気軽に相談や雑談ができる
フル出社の一番のメリットは、コミュニケーションの円滑化です。オフィスにいれば、仕事でわからないことや困ったことがあった時に、隣の席の先輩や上司にその場で質問できます。チャットのように文章を考えたり、ビデオ会議の予定を調整したりする手間がなく、すぐに疑問を解消できるのは大きな利点です。
例えば、新しい業務で手順がわからなくなった時、リモートだと質問の意図を文章で伝えるのに苦労することもありますが、対面なら実際の画面を見せながら「ここの操作がわからなくて…」と具体的に聞くことができます。これにより、問題解決がスピーディになり、仕事の効率も上がります。また、業務とは直接関係のない何気ない雑談の中から、仕事のヒントや新しいアイデアが生まれることも少なくありません。同僚との会話が気分転換になったり、チームの一体感が高まったりするのも、対面ならではの良さと言えるでしょう。
仕事のオンとオフのメリハリがつく
リモートワークをしていると、「家が職場」になるため、仕事とプライベートの境界線があいまいになりがちです。仕事が終わっても、ついメールをチェックしてしまったり、だらだらと仕事を続けてしまったりすることもあるでしょう。
その点、フル出社はオンオフの切り替えがしやすいというメリットがあります。家を出て職場に向かうことで自然と「仕事モード」のスイッチが入り、退勤して会社を出れば「プライベートモード」に切り替わります。この物理的な移動が、気持ちの切り替えをスムーズにしてくれるのです。オンとオフのメリハリがつくことで、生活リズムも整いやすくなります。仕事の日は集中して働き、休日は思い切りリフレッシュするというサイクルが作れれば、心身の健康にも良い影響を与えるでしょう。仕事のストレスを家庭に持ち込みにくくなるという点も、メリットの一つです。
会社の設備や備品を自由に使える
自宅の仕事環境を完璧に整えるのは、意外とお金と手間がかかります。ですが、会社に出社すれば、快適な仕事環境がすでに用意されています。
例えば、高性能なパソコンや大きなモニター、人間工学に基づいて設計されたオフィスチェアなど、会社が投資した充実した設備を利用できます。これらを自費で揃えるとなると、かなりの出費になります。また、高速なインターネット回線やプリンター、スキャナーなども自由に使えるため、作業効率が格段に上がります。
さらに、電気代や空調、インターネットの通信費などを気にする必要もありません。ノートやペンといった文房具などの消耗品も会社が用意してくれるため、自分で負担するコストを抑えられるのも嬉しいポイントです。快適な環境で、余計な心配をせずに仕事に集中できるのは、フル出社の大きな魅力です。
フル出社勤務のデメリット
メリットがある一方で、やはりフル出社には無視できないデメリットも存在します。特に、リモートワークの快適さを知っている人にとっては、これらのデメリットが大きく感じられるでしょう。具体的なデメリットは以下の通りです。
- 通勤ラッシュで心身ともに疲れる
- プライベートの時間が確保しにくい
- 感染症のリスクが高まる
代表的なデメリットを詳しく見ていきましょう。
通勤ラッシュで心身ともに疲れる
フル出社のデメリットとして多くの人が挙げるのが、通勤による疲労です。特に朝の通勤ラッシュは、多くの人にとって大きなストレス源となります。
満員電車に揺られ、人に押されながら長時間過ごすのは、肉体的な疲労はもちろん、精神的にも消耗します。駅のホームや乗り換え通路での混雑も、イライラを募らせる原因になります。会社に到着する頃には、すでに一仕事終えたかのような疲労感に襲われ、午前中の仕事のパフォーマンスに影響が出てしまうことも少なくありません。
また、雨や雪などの悪天候の日や、電車の遅延が発生した日には、その負担はさらに増大します。毎日続く通勤が、仕事に対するモチベーションをじわじわと削っていく可能性も否定できません。リモートワークでは味わうことのなかった、この通勤ストレスが、フル出社を「つらい」と感じさせる大きな要因です。

プライベートの時間が確保しにくい
フル出社になると、プライベート時間の減少は避けられません。単純な通勤時間だけでなく、そのための準備時間も必要になります。朝は身支度を整える時間、夜は帰宅後の時間、これらが積み重なり、自由に使える時間が大幅に削られてしまいます。
例えば、リモートワークなら仕事が終わってすぐに夕食の準備をしたり、趣味の時間に充てたりできますが、フル出社ではそうはいきません。帰宅が遅くなれば、平日は「仕事と睡眠だけ」の生活になってしまうこともあります。さらに、予期せぬ残業や、上司や同僚との付き合いで飲み会に参加することになれば、プライベートの時間はさらに圧迫されます。自己投資のための勉強時間を確保したり、家族や友人と過ごしたりするための時間が減ることは、ワークライフバランスを重視する人にとっては大きなデメリットとなるでしょう。
感染症のリスクが高まる
多くの人が集まる環境は、どうしても感染症のリスクが高まります。不特定多数の人が利用する公共交通機関での通勤や、多くの社員が同じ空間で働くオフィス環境は、風邪やインフルエンザなどの感染症が広まりやすい場所と言えます。
リモートワークであれば、人との接触を最小限に抑え、自分の健康を管理しやすかったはずです。ですが、フル出社になると、自分の意思だけではコントロールできない範囲で感染リスクにさらされることになります。特に、体調が少し優れないと感じた時に「これくらいで休むわけにはいかない」と無理して出社してしまう人もいるでしょう。そうした行動が、自分だけでなく周りの同僚にも影響を及ぼす可能性があります。健康面での不安を常に抱えながら働かなければならない点は、フル出社の見過ごせないデメリットです。
フル出社にどうしても馴染めない時の解決策
メリット・デメリットを理解しても、どうしてもフル出社がつらいと感じる場合、どうすれば良いのでしょうか。我慢し続けるだけでは、心身の健康を損なう可能性もあります。考えられる解決策は以下の通りです。
- 会社に勤務形態の相談をする
- 出社を少しでも快適にする工夫をする
- 自分に合う働き方ができる会社へ転職する
現状を改善するための具体的な解決策を詳しく解説していきます。
会社に勤務形態の相談をする
まず試すべきなのは、会社への相談です。一人で抱え込まず、現状のつらさや希望を上司や人事部に伝えてみましょう。
会社側も、社員がストレスを抱えたまま働くことは望んでいません。優秀な人材に長く活躍してもらうためにも、働きやすい環境を整えたいと考えているはずです。相談する際は、感情的に「つらいです」「辞めたいです」と伝えるのではなく、建設的な提案を心がけることが大切です。
例えば、「週に1〜2日でもリモートワークを導入できないでしょうか」「通勤ラッシュを避けられる時差出勤は可能でしょうか」といった具体的な代替案を提示すると、前向きに検討してもらいやすくなります。その際、「リモートワークの方が集中できて生産性が上がる」「通勤時間を自己啓発に充てて会社に貢献したい」など、会社側にとってのメリットも合わせて伝えられると、より説得力が増します。すぐには希望が通らないかもしれませんが、自分の意思を伝えることで、何らかの配慮をしてもらえる可能性があります。
出社を少しでも快適にする工夫をする
会社の制度を変えるのが難しい場合は、出社日の工夫で少しでも快適に過ごせるようにしてみましょう。考え方や行動を少し変えるだけで、気持ちが楽になることがあります。
例えば、通勤時間を「苦痛な時間」と捉えるのではなく、「インプットの時間」と捉え直してみるのはいかがでしょうか。好きな音楽を聴いたり、読書をしたり、資格の勉強をしたりと、自分のための時間に充てることで、通勤のストレスを軽減できます。また、出社日ならではの楽しみを見つけるのも効果的です。
会社の近くにある美味しいランチのお店を開拓したり、仕事帰りにジムや習い事に通ったり、同僚と話題のカフェに寄ったりするなど、「出社するからこそできること」を作るのです。小さな楽しみでも、それがモチベーションとなり、出社へのネガティブな気持ちを和らげてくれるでしょう。
自分に合う働き方ができる会社へ転職する
様々な工夫をしても、どうしてもフル出社の働き方が合わない、つらいと感じるならば、転職という選択肢も視野に入れましょう。
我慢を続けて心身のバランスを崩してしまう前に、環境そのものを変えることは、非常に前向きで有効な解決策です。コロナ禍を経て、働き方の価値観は大きく変化しました。現在では、フルリモートやハイブリッドワーク(出社とリモートの組み合わせ)を恒久的な制度として導入している企業も数多く存在します。今の会社がフル出社に固執しているからといって、それが世の中のスタンダードというわけではありません。
自分に合った働き方ができる会社は、必ず見つかります。自分の健康とキャリアを第一に考え、より良い環境を求めて行動を起こすことは、決して逃げではありません。新しい場所で、自分らしく輝ける可能性を探ってみましょう。

自分に合う働き方を見つけるために
フルリモートからフル出社への変化は、自分の働き方を見つめ直す良い機会です。今の環境に不満があるなら、諦めずに自分にとって最適な働き方を探しましょう。そのためにやるべきことは以下の通りです。
- どんな働き方をしたいか明確にする
- 譲れない条件に優先順位をつける
各項目について、詳しく見ていきましょう。
どんな働き方をしたいか明確にする
自分に合う働き方を見つけるための第一歩は、理想の働き方の明確化です。まずは、自分がどんな働き方をしたいのか、具体的なイメージを書き出してみましょう。
例えば、「完全在宅勤務(フルリモート)が良いのか」「週に2〜3日出社するハイブリッドワークが良いのか」「出社はしたいけど、フレックスタイム制で時間を自由に調整したいのか」など、勤務形態について考えてみます。ほかにも、「通勤時間は最大でも30分以内」「残業はほとんどない会社が良い」「チームで協力する仕事より、一人で黙々と進める仕事が良い」など、働き方に関する希望をできるだけ具体的に言語化することが重要です。この自己分析が、転職活動の軸となり、企業選びで迷った時の道しるべになります。
譲れない条件に優先順位をつける
理想の働き方を書き出したら、次に条件の優先順位付けを行います。残念ながら、すべての希望を100%満たす完璧な職場を見つけるのは、非常に難しいかもしれません。だからこそ、自分の中で「これだけは絶対に譲れない」という条件と、「できれば叶えたい」という条件を分けておくことが大切です。
例えば、「リモートワークができること」が最優先事項であれば、給与や業務内容が多少希望と異なっても、その条件を満たす企業を優先的に探すことになります。逆に、「仕事のやりがい」が一番大切なのであれば、フル出社であっても、興味のある仕事内容の企業を選ぶ、という判断になるでしょう。このように優先順位をはっきりさせておくことで、たくさんの求人情報の中から、本当に自分に合った企業を効率的に見つけ出すことができます。また、面接の際にも、自分の希望を明確に伝えられるようになります。
Zキャリアのエージェントに相談してみよう
どんな働き方が自分に合っているかわからない、転職活動の進め方が不安という方は、Zキャリアのエージェントに相談してみませんか?Zキャリアは、同じように働き方に悩む若い世代の転職を数多くサポートしてきました。
専門のキャリアアドバイザーが、希望や価値観を丁寧にヒアリングし、理想の働き方ができる企業を一緒に見つけます。自分では気づかなかった強みや、思いもよらないキャリアの可能性を発見できるかもしれません。情報収集から書類作成、面接対策まで、転職活動のあらゆる面でサポートを受けられます。一人で悩まず、まずはプロに話を聞いてもらうことから始めてみましょう。