- 会社の倒産が近い危険な予兆
- 会社が倒産した場合の具体的な流れ
- 倒産時に確認すべきお金と手続き
- 倒産後の転職を成功させるポイント
- 次に選ぶべき安定した会社の特徴
30代で会社が倒産?転職前に知るべき危険な予兆
会社の将来性に不安を感じたとき、それが考えすぎなのか、それとも本当に危険なサインなのかを見極めることが大切です。ここでは、会社の倒産が近いかもしれない危険な予兆について解説します。
- 中堅や若手の退職が相次いでいる
- 給料の支払いが遅れはじめる
- オフィスの雰囲気が悪化している
- 経費削減が極端に進んでいる
各項目について、詳しく見ていきましょう。
中堅や若手の退職が相次いでいる
会社の将来を担う中堅や若手の退職が目立つようになったら、注意が必要なサインかもしれません。特に、仕事ができて周りからの信頼も厚いエース級の社員や、将来を期待されていた若手が次々と辞めていく状況は、会社の将来性に見切りをつけた可能性があります。
会社の内部情報に詳しかったり、業界の動向に敏感だったりする社員ほど、会社の異変をいち早く察知します。彼らが会社を離れるということは、表には見えない深刻な問題が隠れていることの表れかもしれません。残された社員の負担が増え、さらに退職者が増えるという悪循環に陥ることもあります。
給料の支払いが遅れはじめる
給料の支払いが遅れるのは、会社の資金繰りが悪化している非常に分かりやすいサインです。最初は「経理上のトラブルで…」といった説明があるかもしれませんが、たとえ1日でも支払いが遅れるのは普通のことではありません。
これが一度だけでなく、何度も繰り返されるようになったり、ボーナスの支払いがなくなったりした場合は、かなり危険な状態と考えられます。給料は会社の最も重要な支払いの一つです。それが滞るということは、会社の経営が限界に近づいている証拠ともいえます。自分の生活を守るためにも、真剣に今後のことを考え始めるべきタイミングでしょう。
オフィスの雰囲気が悪化している
業績が悪化している会社では、オフィスの雰囲気が悪くなる傾向があります。以前は活気があった職場が、いつの間にか静まり返り、社員同士の会話がほとんどなくなったり、経営陣と社員との間に見えない壁ができてしまったりといった状況です。
業績不振によるプレッシャーや将来への不安から、社員はストレスを抱え、職場の空気は重くなります。会議で前向きな意見が出なくなったり、上司がイライラしていることが増えたりするのも危険なサインです。このような環境では、良い仕事はできませんし、精神的にも辛い状況が続くことになります。
経費削減が極端に進んでいる
会社の経営状況が悪化すると、経費削減に取り組むのは当然です。ですが、その削減が極端なレベルに達している場合は注意が必要です。例えば、これまで普通に買えていたボールペンやコピー用紙などの備品が買えなくなったり、トイレの電気をこまめに消すように厳しく言われたりといったケースです。
もちろん、無駄をなくすことは大切ですが、仕事に必要な最低限の経費まで削らなければならない状況は、会社の資金が底をつきかけている可能性があります。健全なコストカットと、経営の危機が迫っている末期的な経費削減は違うということを理解しておくことが重要です。
会社が倒産したらどうなる?まず知っておくべきこと
万が一、会社が倒産することになった場合、具体的にどのようなことが起こるのでしょうか。突然の出来事にパニックにならないよう、事前に大まかな流れを知っておくことが大切です。
- 従業員は解雇通知を受ける
- 会社は事業を停止し清算手続きに入る
- 弁護士から今後の流れについて説明がある
各項目について、詳しく見ていきましょう。
従業員は解雇通知を受ける
会社が倒産すると、基本的に従業員は全員解雇されることになります。ある日突然、上司や会社の代理人である弁護士から「会社が倒産したため、本日付で解雇します」と告げられるケースが一般的です。
法律では、会社は30日以上前に解雇を予告するか、予告しない場合は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないと定められています。ですが、倒産する会社にはその手当を支払うお金がない場合も少なくありません。突然の解雇は精神的に大きなショックを受けますが、まずは落ち着いて状況を受け止めることが重要です。
会社は事業を停止し清算手続きに入る
倒産が決定すると、会社はすべての事業活動を停止します。工場は生産を止め、お店はシャッターを閉めることになります。そして、会社に残された財産(土地、建物、機械など)を売却し、借金の返済などに充てる「清算手続き」に入ります。
この手続きは、裁判所が選んだ「破産管財人」という弁護士が中心となって進めます。従業員は基本的に出社する必要はなくなり、会社の整理が進められていくことになります。自分のデスクの私物などを引き上げる時間などは設けられることが多いので、指示に従って行動しましょう。
弁護士から今後の流れについて説明がある
倒産後、会社の代理人弁護士や破産管財人から、従業員向けの説明会が開かれることが一般的です。この説明会では、倒産に至った経緯や、今後の手続き、未払いの給料や退職金の支払いについて、離職票などの必要書類の交付についてといった重要な説明があります。
説明会は、今後の自分の生活に関わる大切な情報を得る貴重な機会です。分からないことがあれば、その場で質問するようにしましょう。特に、お金に関することや、失業保険の手続きに必要な書類については、しっかりと確認しておく必要があります。感情的にならず、冷静に必要な情報を集めることに集中しましょう。

倒産時に必ず確認すべきお金と手続き
会社の倒産という緊急事態において、自分の生活を守るために知っておくべきお金と手続きがあります。損をしないためにも、これらのポイントは必ず押さえておきましょう。
- 未払いの給料や退職金を請求する
- 有給休暇の扱いを確認する
- 失業保険の受給手続きを準備する
- 健康保険や年金の手続きを進める
各項目について、詳しく見ていきましょう。
未払いの給料や退職金を請求する
会社の倒産によって給料や退職金が支払われない場合でも、諦める必要はありません。「未払賃金立替払制度」という国の制度があります。これは、会社に代わって国が未払いの給料や退職金の一部を立て替えて支払ってくれる制度です。
全額が支払われるわけではありませんが、生活を立て直すための大きな助けになります。この制度を利用するためには、会社が倒産したことなどを証明する書類が必要になります。倒産後の説明会などで、制度の利用方法についてもしっかりと確認しておきましょう。
有給休暇の扱いを確認する
残っている有給休暇がどうなるのかも気になるところです。会社が事業を続けているうち(倒産手続きが完了する前)であれば、有給休暇を取得する権利はあります。ですが、会社が完全に破産してしまうと、労働契約そのものがなくなるため、有給休暇の権利も消滅してしまいます。
倒産が決まった後、解雇日までの間に残った有給休暇を消化できるケースもありますが、会社の状況によります。有給休暇を買い取ってもらうことも、倒産する会社では金銭的な余裕がないため難しいことが多いです。まずは、自分の有給休暇が何日残っているのか、そしてそれがどう扱われるのかを早めに確認することが大切です。
失業保険の受給手続きを準備する
会社の倒産によって職を失った場合、失業保険(雇用保険の基本手当)をすぐに受け取ることができます。会社の倒産による離職は「会社都合」扱いとなり、自己都合で退職した場合と比べて、給付金を受け取れるまでの期間が短く、給付される期間も長くなるなど、手厚いサポートが受けられます。
手続きには、会社から交付される「離職票」が不可欠です。倒産後の混乱で書類の発行が遅れることもあるので、いつ頃受け取れるのかを必ず確認しておきましょう。離職票が手元に届いたら、すぐに自分の住所を管轄するハローワークで手続きを進めることが重要です。
健康保険や年金の手続きを進める
会社を退職すると、これまで加入していた社会保険の資格を失います。そのため、健康保険や年金の手続きを自分で行う必要があります。健康保険については、国民健康保険に加入するか、家族の扶養に入るか、これまで加入していた会社の健康保険を任意で継続するか(任意継続)の選択肢があります。
年金についても、厚生年金から国民年金への切り替え手続きが必要です。これらの手続きは、退職日の翌日から14日以内に行うのが原則です。手続きを忘れると、医療費が全額自己負担になったり、将来受け取れる年金が減ってしまったりする可能性があるので、速やかに行動しましょう。
会社の倒産は30代の転職で不利になるってホント?
「倒産した会社の出身だと、転職活動で不利になるんじゃないか…」と心配になるかもしれません。ですが、結論から言うと、その心配はほとんどありません。むしろ、状況によっては有利に働くことさえあります。
- 倒産は個人の責任ではないと理解される
- やむを得ない転職理由として説明できる
- 経験やスキルが適切に評価される
各項目について、詳しく見ていきましょう。
倒産は個人の責任ではないと理解される
採用担当者は、会社の倒産が個人の力ではどうにもならないことだと十分に理解しています。経営の悪化は、経営陣の判断や市場の変化など、様々な要因が複雑に絡み合って起こるものです。一人の従業員の責任ではないため、倒産した会社にいたというだけで、評価が下がることはありません。
むしろ、大変な状況を経験したことに対して、同情的に見てくれる面接官もいるでしょう。大切なのは、倒産という事実をネガティブに捉えすぎず、堂々としていることです。後ろめたい気持ちを持つ必要は全くありません。
やむを得ない転職理由として説明できる
転職活動の面接では、必ずと言っていいほど「なぜ前の会社を辞めたのですか?」と聞かれます。このとき、会社の倒産は非常に明確で誰もが納得する転職理由になります。「会社の業績が悪化し、倒産したため、新しい活躍の場を探しています」と正直に伝えれば、それ以上深く突っ込まれることは少ないでしょう。
人間関係のトラブルや仕事内容への不満といったネガティブな理由ではないため、採用担当者にもポジティブな印象を与えやすいです。転職理由をどう説明しようかと悩む必要がない点は、大きなメリットといえるかもしれません。
経験やスキルが適切に評価される
採用担当者が最も重視するのは、これまでどんな仕事をしてきて、どんな経験やスキルを持っているかという点です。会社が倒産したかどうかということよりも、その会社で何を学び、どんな貢献をしてきたのかが評価の対象になります。
例えば、「厳しい状況の中でも、コスト削減のアイデアを出して実行しました」とか「限られたリソースの中で、業務効率化に取り組みました」といった経験は、むしろアピールポイントになります。会社の状況に関わらず、そこで得た自分の強みをしっかりと伝えることができれば、正当に評価してもらえます。
倒産を乗り越え転職を成功させるためのポイント
会社の倒産という予期せぬ事態を乗り越え、次のステップに進むためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。しっかりと準備をして、転職活動を成功させましょう。
- 会社の状況と自身の業務を整理する
- ポジティブな姿勢で転職理由を伝える
- これまでの経験やスキルを棚卸しする
- 在職中から情報収集を開始する
各項目について、詳しく見ていきましょう。
会社の状況と自身の業務を整理する
面接では、前の会社の状況について聞かれることがあります。その際にスムーズに答えられるよう、会社の事業内容や倒産に至った経緯(分かる範囲で構いません)を客観的に説明できるように整理しておきましょう。
そして、その中で自分がどのような役割を担い、どんな業務に取り組んできたのかを具体的に話せるように準備しておくことが重要です。大変な状況の中でも、自分なりに工夫したことや努力したことを伝えることで、責任感や問題解決能力をアピールできます。
ポジティブな姿勢で転職理由を伝える
会社の倒産は仕方のないことですが、面接で前の会社の悪口や不満ばかりを言うのは避けましょう。「この経験を次に活かしたい」という前向きな姿勢を示すことが大切です。
例えば、「厳しい環境で働く中で、コスト意識や効率化の重要性を学びました。この経験を活かして、貴社の発展に貢献したいです」といったように、倒産というネガティブな出来事を、自身の成長の糧として捉えていることを伝えましょう。そうすることで、採用担当者にポジティブで向上心のある人物だと印象づけることができます。

これまでの経験やスキルを棚卸しする
転職活動を本格的に始める前に、これまでの自分のキャリアを振り返り、どんな経験を積み、どんなスキルが身についたのかを紙に書き出してみましょう。これを「スキルの棚卸し」や「自己分析」といいます。
「自分には特別なスキルなんてない」と思っている人でも、詳しく振り返ってみると、意外な強みが見つかるものです。例えば、「毎日正確に部品の在庫管理をしていた」なら「几帳面さ」や「管理能力」が、「後輩に仕事を教えていた」なら「指導力」がアピールできます。自分の強みを正しく理解することが、自信を持って面接に臨むための第一歩です。
在職中から情報収集を開始する
もし、会社の倒産の予兆を感じているのであれば、まだ会社に在籍しているうちから転職活動の準備を始めることをお勧めします。すぐに求人に応募しなくても、転職サイトに登録してどんな求人があるのかを眺めたり、自分の市場価値を調べたりするだけでも構いません。
いきなり職を失ってしまうと、焦りから冷静な判断ができなくなり、自分に合わない会社に転職してしまう可能性があります。心と時間に余裕があるうちから少しずつ準備を進めておくことで、いざという時にスムーズに行動を起こすことができます。
次に選ぶべき!長く安心して働ける会社の特徴
一度、会社の倒産という経験をすると、次の職場は「長く安心して働ける会社を選びたい」と強く思うはずです。では、どのような点に注目して会社を選べば良いのでしょうか。
- 安定した経営基盤を持っている
- 社員の定着率が高く雰囲気が良い
- 明確な事業計画と成長性がある
- 福利厚生が充実している
各項目について、詳しく見ていきましょう。
安定した経営基盤を持っている
長く働くためには、会社の経営が安定していることが大前提です。会社のホームページや求人情報を見て、設立から何年経っているか、事業内容が時代に合っているかなどを確認しましょう。
また、特定の取引先に依存しすぎていないか、複数の事業を展開しているかなども安定性を見極めるポイントです。自分が応募しようとしている業界全体の将来性についても調べておくと、より安心して会社を選ぶことができます。
社員の定着率が高く雰囲気が良い
社員が長く働き続けている会社は、働きやすい環境である可能性が高いです。平均勤続年数が長かったり、離職率が低かったりする会社は、社員を大切にしている証拠ともいえます。これらの情報は、求人サイトの企業ページや、就職四季報などで確認できる場合があります。
また、面接の際にオフィスの様子を見せてもらったり、「職場の雰囲気はどのような感じですか?」と質問してみたりするのも良い方法です。社員がいきいきと働いている会社であれば、入社後も安心してキャリアを築いていけるでしょう。
明確な事業計画と成長性がある
会社の経営が安定しているだけでなく、将来性や成長性があるかどうかも重要なポイントです。会社のホームページなどで、経営理念や今後の事業計画などを確認してみましょう。
社長のメッセージや会社のビジョンに共感できるか、これから伸びていきそうな分野で事業を展開しているかといった視点で見てみると良いでしょう。将来の目標が明確で、それに向かって会社全体で取り組んでいるような会社であれば、自分自身も成長しながら長く働くことができます。
福利厚生が充実している
住宅手当や家族手当、退職金制度など、福利厚生が充実しているかどうかも、社員を大切にしている会社かどうかを判断する一つの材料になります。福利厚生は、給料だけでは見えない会社の姿勢を表しています。
もちろん、福利厚生が全てではありませんが、社員が安心して長く働けるようにサポートする制度が整っている会社は、魅力的な職場である可能性が高いです。求人情報を見る際には、給与や仕事内容だけでなく、どのような福利厚生があるのかもしっかりとチェックするようにしましょう。

30代で会社の倒産や転職に悩んだら
会社の倒産という大きな出来事に直面し、転職活動を進める中で、様々な不安や悩みにぶつかることもあるでしょう。そんな時は、一人で抱え込まずに周りを頼ることが大切です。
- 不安や悩みを一人で抱え込まない
- 転職のプロに相談して客観的な意見をもらう
- 自分の市場価値を正しく把握する
- Zキャリアのエージェントに相談してみよう
各項目について、詳しく見ていきましょう。
不安や悩みを一人で抱え込まない
会社の倒産や転職活動は、精神的に大きな負担がかかります。不安な気持ちを一人で抱え込まず、信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
自分だけで考えていると、どんどん視野が狭くなり、ネガティブな方向にばかり考えてしまいがちです。誰かに話すことで、自分の考えが整理されたり、自分では気づかなかった視点からのアドバイスがもらえたりすることもあります。辛い時こそ、周りの人に頼る勇気を持ちましょう。
転職のプロに相談して客観的な意見をもらう
友人や家族への相談と合わせて、転職エージェントのようなプロに相談することも非常に有効です。キャリアの専門家であるキャリアアドバイザーは、数多くの転職者をサポートしてきた経験から、客観的で的確なアドバイスをしてくれます。
自分では気づかなかった強みを見つけてくれたり、今の転職市場の動向を教えてくれたり、自分に合った求人を紹介してくれたりします。何より、転職活動のパートナーとして、親身に寄り添ってくれる存在は、不安な時期の大きな心の支えになるはずです。
自分の市場価値を正しく把握する
転職活動を成功させるためには、自分の経験やスキルが転職市場でどのくらい評価されるのか、つまり「市場価値」を正しく知ることが重要です。自分の市場価値が分かれば、どのくらいの給与を目指せるのか、どんな企業に応募すれば良いのかといった戦略を立てやすくなります。
ですが、これを一人で判断するのは難しいものです。転職エージェントに相談すれば、プロの視点から客観的な市場価値を教えてもらうことができます。自分の価値を正しく知ることで、自信を持って転職活動に臨むことができるようになります。
Zキャリアのエージェントに相談してみよう
会社の倒産という厳しい経験を乗り越え、新しい一歩を踏み出すことは、決して簡単なことではありません。特に、30代からの再スタートとなると、様々な不安がつきまとうことでしょう。もし、少しでも転職活動に不安を感じたり、何から始めれば良いか分からなかったりするなら、ぜひ一度Zキャリアにご相談ください。
Zキャリアでは、一人ひとりの経験や想いに寄り添い、キャリアのプロが親身にサポートします。非公開求人の紹介から、書類の添削、面接対策まで、転職活動をトータルでバックアップします。一人で悩まず、私たちと一緒に、未来への扉を開きましょう。あなたの新しい挑戦を、全力で応援します。