無職で引きこもりだと人生終わる?
「無職で引きこもりの状態が続いていて、このまま人生が終わってしまうのでは」と不安を抱えている方は少なくないのではないでしょうか。結論からいうと、今の状態から抜け出して働き始めることは十分に可能です。ただし、何も行動しないまま時間が経つほど、お金や仕事、家族のことなどの悩みは少しずつ重くなっていきます。まずは今の状況を落ち着いて整理し、自分にできることから一つずつ向き合っていきましょう。
今の状態から抜け出して働き始めることは十分にできる
無職や引きこもりの期間があると、「もう雇ってくれる会社はない」と思い込んでしまいがちです。しかし、企業は過去の経歴だけで人を判断しているわけではありません。厚生労働省の調査では、15〜34歳のフリーター経験について、68.1%の事業所が「正社員採用の評価にほとんど影響しない」と回答しています。大切なのは、これまでの経歴よりも、これからどう働きたいかという意欲や姿勢です。
参照:「平成30年若年者雇用実態調査の概況/厚生労働省」
無職や引きこもりになるきっかけは誰にでも起こり得る
無職や引きこもりの状態は、特別な人だけに起こるものではありません。職場の人間関係に疲れて退職した、就職活動がうまくいかなかった、体調を崩して働けなくなったなど、きっかけは人それぞれです。最初は「少し休むだけ」のつもりでも、気づけば外に出るのがおっくうになっていたというケースも珍しくありません。今の自分を必要以上に責めず、誰にでも起こり得ることだと受け止めるところから始めてみましょう。
何もしないまま時間が経つほど抜け出しにくくなる
一方で、何もしないまま時間が経つほど、抜け出すきっかけをつかみにくくなるのも事実です。フリーターから正社員への移行に関する調査では、フリーター期間が1年以内なら約7割が正社員になれている一方、5年を超えると32.3%まで下がるという結果が出ています。無職の期間にも同じような傾向があると考えられるため、「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、小さな一歩でも早めに踏み出すことが大切です。
参照:「労働政策研究報告書No.213 『大都市の若者の就業行動と意識の変容 ―「第5回 若者のワークスタイル調査」から―』/労働政策研究・研修機構(JILPT)」
引きこもり・ニート・無職の違い
「引きこもり」「ニート」「無職」は似た意味で使われがちですが、それぞれが指す状態は少しずつ異なります。厚生労働省のガイドラインでは、引きこもりを、「就学や就労、家庭外での交遊などの社会的参加を避け、原則として6か月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態」としています。人と交わらない形での外出をしている場合も含まれます。ニートは「15〜34歳で仕事も通学も家事もしておらず、求職活動もしていない人」を指します。無職は、求職中の人も含め、「仕事に就いていない状態」全般を指す言葉です。こども家庭庁の調査では、15〜39歳の約2%が広い意味でのひきこもり状態にあるとされており、決して珍しいことではありません。
引きこもり | ニート | 無職 | |
|---|---|---|---|
主な意味 | 社会的参加を避け、おおむね家庭にとどまっている状態 | 仕事・通学・家事・求職活動をしていない若年者 | 仕事に就いていない状態全般 |
年齢 | 定めなし | 15〜34歳 | 定めなし |
期間の目安 | 原則6か月以上 | 定めなし | 定めなし |
外出・人付き合い | 避けている(人と交わらない外出は含む) | 問わない | 問わない |
求職活動 | 問わない | していない | している人も含む |
参照:「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン/厚生労働省」
参照:「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度) 第3部 調査結果の概要Ⅱ/こども家庭庁」
無職で引きこもりの状態が長引くと起きやすい3つの変化
無職で引きこもりの状態は、長引くほど抜け出すきっかけをつかみにくくなる傾向があります。時間の経過とともに、経済面や心身の健康面、就職活動の面でさまざまな変化が起きやすくなるためです。ここでは、状態が長引いたときに起きやすい3つの変化を解説します。不安をあおるためではなく、今の自分の状況を客観的に確認するための材料として読んでみてください。

家族の収入に依存し続ける(8050問題)
収入のない状態が続くと、生活費の多くを貯金や家族の収入に頼ることになります。近年注目されている「8050問題」は、80代の親が50代の子どもの生活を支えている状態を指す言葉です。親の高齢化や病気、介護などをきっかけに、家庭全体が経済的に行き詰まるリスクがあります。今はまだ先の話に感じられるかもしれませんが、家族が元気なうちに少しずつ自立への準備を始めておくことが、自分と家族の両方を守ることにつながります。
人と話す機会が減り、心身の不調が出やすくなる
家にいる時間が長くなると、人と会話する機会が大きく減ります。会話の少ない生活が続くと人と話すことへの苦手意識が強くなり、さらに外に出にくくなるという悪循環に陥りがちです。日光を浴びる時間や体を動かす機会も減るため、昼夜逆転や睡眠の乱れ、気分の落ち込みにつながることもあります。つらい気持ちが続くときは無理をせず、医療機関や「こころの健康相談統一ダイヤル」などの相談窓口を頼ることも考えてみましょう。
就職活動をするときに、空白期間(ブランク)の説明が難しくなる
ブランクが長くなると、面接で空白期間をどう説明するかが課題になります。企業は「なぜこの期間働いていなかったのか」「入社後に継続して働けるのか」を気にするため、前向きな答えを用意しておくことが大切です。とはいえ、空白期間があること自体を隠す必要はありません。事実を正直に伝えたうえで、その期間に考えたことや、今働きたいと思っている理由を自分の言葉で話せれば、印象は大きく変わります。
無職・引きこもりのお金の不安を減らす制度
無職の期間が続くと、生活費や税金、保険料の支払いなど、お金の不安が大きくなりがちです。ですが、国や自治体には、収入がない人や少ない人を支えるための制度が用意されています。制度を知らないまま一人で抱え込まず、使える支援を活用しながら就職への準備を進めていきましょう。なお、退職して間もない場合は、雇用保険(失業手当)を受け取れる可能性もあるため、あわせて確認しておくと安心です。
求職者支援制度
求職者支援制度は、雇用保険を受け取れない人などを対象に、無料の職業訓練を受けながら就職を目指せる制度です。訓練では、パソコンスキルや介護、事務などの知識を身につけられるコースが用意されています。本人や世帯の収入などの要件を満たせば、訓練期間中に月10万円の職業訓練受講給付金を受け取れる場合もあります。お金の心配を減らしながらスキルを身につけて就職を目指せるのが特徴で、申し込みはハローワークで行います。
生活困窮者自立支援制度
生活困窮者自立支援制度は、経済的に困っている人が自立した生活を送れるよう支援する制度です。各自治体に設置されている「自立相談支援機関」では、生活費や仕事、家族の悩みなどをまとめて相談でき、一人ひとりに合った支援プランを一緒に考えてもらえます。離職などで住まいを失うおそれがある場合は、家賃相当額を一定期間支給する「住居確保給付金」を利用できることもあります。どこに相談すればいいかわからないときの窓口としても活用できるでしょう。
国民年金・国民健康保険などの免除や減額
無職で収入がない状態でも、20歳以上60歳未満であれば国民年金の保険料を納める義務があります。ただし、収入が少なく支払いが難しい場合は、申請によって保険料の「免除」や「納付猶予」を受けられる制度があります。未納のまま放置すると、将来受け取る年金が減るだけでなく、障害年金を受け取れなくなるおそれもあるため注意が必要です。国民健康保険も、所得や失業などの事情によって保険料が軽減される場合があるため、お住まいの市区町村の窓口に相談してみましょう。
無職・引きこもりの相談先(家族だけでも相談可)
「一人で相談に行くのは不安」「本人を連れて行くのが難しい」という場合でも、頼れる窓口はあります。公的な窓口の中には、本人だけでなく家族からの相談を受け付けているところもあり、まずは家族だけで相談して、接し方や支援の進め方についてアドバイスをもらうことも可能です。ここでは、無職・引きこもりの方やその家族が利用できる代表的な相談先を3つ紹介します。いずれも原則無料で利用できます。
ひきこもり地域支援センター
ひきこもり地域支援センターは、引きこもりに特化した専門の相談窓口で、都道府県や政令指定都市などに設置されています。社会福祉士や精神保健福祉士などの専門職が相談に応じ、本人が来所できない場合でも家族だけで相談することが可能です。状況に応じて訪問による支援を行っているところもあり、必要に応じて医療機関や就労支援機関など、適切な支援先につないでもらえます。何から始めればよいかわからないときの、最初の相談先として活用できるでしょう。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(通称:サポステ)は、働くことに悩みを抱える15〜49歳の方を対象に、就労に向けた支援を行う機関です。厚生労働省の委託を受けた団体が運営しており、全国各地に設置されています。キャリアコンサルタントによる個別相談をはじめ、コミュニケーション講座や職場体験など、段階的に働く準備を進められるプログラムが用意されています。いきなり求人に応募するのが不安な方でも、自分のペースで取り組めるのが特徴です。
ハローワーク
ハローワークは、国が運営する総合的な就職支援機関で、求人の紹介や職業相談、応募書類の添削、面接対策などを無料で受けられます。厚生労働省の調査によると、転職活動時に活用した手段として「ハローワーク等の公的機関」は34.3%にのぼり、「求人サイト・求人情報専門誌等」の39.4%に次いで多く利用されています。前述の求職者支援制度の窓口でもあり、職業訓練の案内も受けられます。若年層向けの専門窓口を設けている地域もあるため、確認してみるとよいでしょう。
参照:「令和2年転職者実態調査の概況/厚生労働省」
支援団体を選ぶときに確認したいこと
公的な窓口のほかにも、NPO法人や民間企業などが運営する支援団体が数多くあります。支援団体を選ぶときは、まず運営元や活動実績が明らかになっているかを確認しましょう。ホームページで団体の所在地や代表者、これまでの支援内容が公開されているかどうかは、信頼性を判断する目安になります。次に、費用体系がわかりやすいかどうかも重要です。相談は無料でも、入寮や研修で高額な費用がかかるケースもあるため、契約前に総額を確認しておくことが欠かせません。本人の意思を無視して強引に連れ出すような支援は、かえって状況を悪化させるおそれがあります。本人の気持ちやペースを尊重してくれるか、公的機関と連携しているかもあわせてチェックしておくと安心です。
無職の引きこもりから社会復帰するための3つのポイント
無職の引きこもりから社会復帰を目指すとき、一気に進めようとすると心身に負担がかかり、途中で疲れてしまうことがあるかもしれません。大切なのは、小さな目標を一つずつクリアしながら、少しずつ社会とのつながりを取り戻していくことです。焦って正社員の仕事を探すよりも、生活の土台を整え、働くことに体を慣らしていくほうが、結果的に長く働き続けやすくなります。ここでは、意識したい3つのポイントを紹介します。

就職活動より先に生活リズムを戻す
就職活動を始める前に、まずは生活リズムを整えることから始めましょう。昼夜逆転の生活が続いていると、面接の時間に起きられなかったり、働き始めてから体調を崩したりする原因になります。毎朝決まった時間に起きてカーテンを開ける、日中に短い散歩をするなど、無理のない範囲で習慣をつくることが大切です。朝起きて夜に眠るリズムが整ってくると、気持ちも前向きになりやすく、次の一歩を踏み出す準備が整っていきます。
最初は「週1日・数時間」から始める
生活リズムが整ってきたら、次は働くことに慣れる段階です。最初から週5日のフルタイム勤務を目指すと、体力的にも精神的にも負担が大きくなりがちです。まずは「週1日・数時間」のアルバイトなど、無理なく続けられる働き方から始めてみましょう。短い時間でも、決まった時間に出かけて誰かと一緒に作業する経験は自信につながります。慣れてきたら日数や時間を少しずつ増やしていけば、心身への負担を抑えながらステップアップできます。
合わなければ辞めてもOKと思って仕事を始めてみる
仕事を始める前から「失敗したらどうしよう」と考えすぎると、なかなか行動に移せません。最初の仕事は「合わなければ辞めてもいい」くらいの気持ちで始めてみるのも一つの方法です。実際に働いてみることで、自分に向いている仕事や苦手な環境が見えてきます。その経験は、次の仕事選びに生かせる大切な材料になるでしょう。ただし、辞めるときは職場に早めに伝えるなど、社会人としての最低限のマナーは守るようにしましょう。
【いきなり毎日フルタイムじゃなくてもOK】無職・引きこもりから始めやすい仕事
無職・引きこもりから社会復帰を目指す場合、いきなり毎日フルタイムで働く必要はありません。短時間勤務や在宅でできる仕事など、自分のペースに合わせて選べる仕事は数多くあります。日本商工会議所の調査(2024年)では、人手不足を感じている中小企業が65.6%にのぼっており、未経験者を歓迎する職場も少なくありません。ここでは、人との関わり方や働く時間の面から、始めやすい仕事を紹介します。
参照:「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査/日本商工会議所」

家から出ずにできる仕事|データ入力・Webライティング
外出に抵抗がある方には、在宅でできるデータ入力やWebライティングの仕事がおすすめです。データ入力は、紙の書類や音声などの情報をパソコンに入力していく仕事で、基本的なパソコン操作ができれば始めやすいのが特徴です。Webライティングは、企業のWebサイトやメディアに掲載する記事を作成する仕事で、調べものや文章を書くことが好きな方に向いています。いずれもクラウドソーシングサービスなどを通じて、自分のペースで仕事を受けられます。ただし、始めたばかりのうちは単価が低いことが多いうえ、「簡単に高収入」とうたう在宅ワークの中には、登録料や教材費を請求する悪質なものもあります。応募する前に、仕事内容や報酬の条件をよく確認しましょう。
自分のペースで取り組みやすい仕事|倉庫内作業・清掃
倉庫内作業は、商品のピッキングや検品、梱包、仕分けなどを行う仕事です。作業の手順が決まっていることが多く、自分のペースで集中して取り組める時間が長いのが特徴です。清掃の仕事は、オフィスビルや商業施設、ホテルなどを清潔に保つ仕事で、早朝や夜間など自分の生活に合わせた時間帯を選べるケースもあります。どちらも未経験から始めやすく、マニュアルや研修が用意されている職場が多いため、仕事の進め方に不安がある方でも取り組みやすいでしょう。体を動かすことで生活リズムが整いやすい点もメリットです。慣れてきたら、物流や施設管理の分野で正社員を目指す道もあります。
短時間・単発から試せる仕事|軽作業・イベントスタッフ
「いきなり長く働き続けられるか不安」という方は、短時間や単発で働ける軽作業やイベントスタッフから試してみるのもよいでしょう。軽作業は、シール貼りや商品の袋詰め、簡単な組み立てなどを行う仕事で、未経験でも始めやすいのが特徴です。イベントスタッフは、コンサートや展示会などで会場設営や受付、案内などを担当します。どちらも1日だけ、数時間だけといった働き方を選べる求人が多く、自分の体調や予定に合わせて働けます。単発の仕事を何度か経験するうちに働くことへの自信がつき、少しずつ長期の仕事にも挑戦しやすくなるはずです。いろいろな職場を経験できるので、自分に合う仕事を見つけるきっかけにもなります。
それでも一人で応募するのが不安なら、Zキャリアに相談してみませんか?
「働いてみたい気持ちはあるけれど、一人で求人を探して応募するのは不安」という方は、就職・転職エージェントを頼ってみるのも一つの方法です。Zキャリアは、学歴や職歴に関係なく、未経験からの正社員就職をサポートしているサービスです。短時間の仕事で働くことに慣れてきた方はもちろん、最初から正社員を目指したい方も、キャリアアドバイザーが状況や希望をじっくり聞いたうえで、無理なく働ける仕事探しを一緒に進めます。
職歴なし・空白期間があっても不利にならないアピール方法をアドバイザーが一緒に整理
職歴がなかったり、空白期間が長かったりすると、「アピールできることなんて何もない」と感じてしまうかもしれません。しかし、企業が未経験者に求めているのは、完璧なスキルよりも「自社に馴染めるか(79.1%)」や「伸びしろ(52.6%)」であるという調査結果があります。つまり、これまでの経歴よりも、これからどう働きたいかという意欲や姿勢が重視されているのです。Zキャリアでは、キャリアアドバイザーが面談を通じてあなたの強みや価値観を一緒に整理します。空白期間についても、事実を誠実に伝えつつ前向きな印象につなげる説明の仕方をアドバイスするため、自信を持って選考に臨めます。
参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは「人柄・社風との相性」が8割近く。評価する能力では、9割の企業が「コミュニケーション能力」をあげる/株式会社学情のプレスリリース」
書類作成から面接対策まで無料でサポート
Zキャリアでは、履歴書の作成から面接対策まで、就職活動に必要なサポートを無料で受けられます。厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」によると、企業が若年層の中途採用(正社員)で重視する項目は、「コミュニケーション能力」が66.9%、「マナー・社会常識」が58.1%です。久しぶりに人と話すことに緊張する方でも、模擬面接で受け答えやマナーを事前に練習しておけば、落ち着いて本番に臨みやすくなるでしょう。書類作成では、職歴欄が少なくても人柄や意欲が伝わる自己PRの書き方を一緒に考えます。企業との面接日程の調整などもアドバイザーがサポートするため、応募にかかる負担を減らしながら就職活動を進められます。
参照:「令和5年若年者雇用実態調査の概況/厚生労働省」