- 経営企画部に配属される人の特徴
- 経営企画部の具体的な仕事内容
- 経営企画部で働くメリットとデメリット
- 未経験から目指すためのステップ
経営企画部に配属される人にはどんな特徴があるのか
経営企画部に配属される人には、いくつかの共通した特徴があります。具体的には以下の5つの項目について解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。
論理的思考力と高い分析力を持つ
経営企画部では、物事を筋道立てて考える力が非常に重要になります。会社の課題を見つけ出し、解決策を考える際には、感覚や思いつきではなく、データに基づいた客観的な判断が求められるからです。例えば、ある商品の売上が落ちているとします。その時に「最近人気がないからかな?」と考えるのではなく、「どの地域の、どの年齢層の売上が、いつから落ちているのか?」といったデータを細かく分析します。そして、その原因を突き止め、具体的な対策を考えるのが経営企画の仕事です。
このように、数字や情報から問題の本質を見抜く分析力と、それを元に解決策を組み立てる論理的思考力は、経営企画部で活躍するための土台となるスキルです。
周りを巻き込むコミュニケーション能力がある
経営企画部の仕事は、一人で完結することはほとんどありません。他部署と協力する力がなければ、どんなに良い計画を立てても実行に移すことはできないのです。会社の新しい方針を決めたり、新規事業を始めたりする際には、営業、開発、製造、人事など、社内の様々な部署と連携する必要があります。
それぞれの部署の状況を理解し、協力を得るためには、自分の考えを分かりやすく伝え、相手の意見にもしっかりと耳を傾ける姿勢が欠かせません。時には、部署間で意見が対立することもあります。そうした場合に、間に入って話をまとめ、会社全体として一番良い方向に導く調整役としての役割も期待されます。
常に学び続ける知的好奇心を持っている
会社の未来を考えるためには、新しいことを学ぶ姿勢が不可欠です。世の中の動きは非常に速く、昨日までの常識が今日にはもう古くなっている、ということも珍しくありません。ライバル会社がどんな新しい商品を出すのか、世の中ではどんな技術が注目されているのか、法律はどう変わっていくのか。そういった会社の外の情報にも常にアンテナを張っておく必要があります。
新聞やニュースをチェックするのはもちろん、色々な業界のイベントに参加したり、本を読んで知識を深めたりと、自分から進んで情報を集め、学び続ける姿勢が求められます。自分の知らない世界への好奇心が、会社の新しい可能性を見つけるきっかけになるのです。
プレッシャーに強く責任感がある
経営企画部が扱うのは、会社の将来を左右するような重要なテーマばかりです。そのため、責任を持ってやり遂げる力と、それに伴うプレッシャーに負けない精神的な強さが求められます。会社の大きな方向性を決める会議では、社長や役員といった経営層に対して、自分たちが分析し、考え抜いた計画を説明しなければなりません。
厳しい質問や反対意見が出ることもありますが、それに動じることなく、堂々と自分の考えを主張する必要があります。また、一度決まった計画は、最後まで責任を持って進めていかなければなりません。途中で困難な壁にぶつかっても、諦めずに解決策を探し、プロジェクトを成功に導く強い意志が必要です。
若手でも将来のエース候補として期待されている
経営企画部には、経験豊富なベテラン社員だけでなく、若手でも抜擢される可能性があります。年齢や社歴に関わらず、優秀な人材であれば重要なポジションに抜擢されるチャンスがある部署です。もちろん、誰でも簡単に入れるわけではありません。日々の仕事で常に高い成果を出し続け、周りからの信頼を得ていることが大前提です。
その上で、会議の場で的確な意見を述べたり、会社をより良くするための提案を積極的に行ったりする姿勢が評価されます。「いつかは会社の中核を担う人材になってほしい」という期待を込めて、将来のエース候補として経営企画部に配属されるケースも少なくありません。若いうちから経営の近くで経験を積める、非常にやりがいのある環境です。
そもそも経営企画部ってどんな仕事をする部署?
経営企画部の特徴がわかったところで、次に具体的な仕事内容を見ていきましょう。経営企画部の仕事内容は、以下の4つの項目にまとめられます。
- 会社の未来を創る羅針盤のような役割を担う
- 経営層の意思決定をサポートする
- 新規事業の立案や市場調査を行う
- 各部署との連携や調整役もこなす
詳しく解説していきます。
会社の未来を創る羅針盤のような役割を担う
経営企画部は、一言でいうと会社が進むべき方向を示す部署です。まるで、大きな船が目的地に向かって進むための羅針盤のような役割を担っています。会社がこれから3年後、5年後、10年後にどうなっていたいか、という「会社の目標(ビジョン)」を立てるのが、経営企画部の大きな仕事の一つです。そして、
その目標を達成するために、具体的に「いつまでに」「何を」「どのように」進めていくのか、という詳細な計画(経営戦略)を立てます。社会の状況やライバル会社の動きなどを分析しながら、会社がこれからも成長し続けるための最適な航路図を描き、会社全体の舵取り役を担う、非常に重要な部署なのです。
経営層の意思決定をサポートする
経営企画部は、社長や役員の右腕として、重要な意思決定を助ける役割も担います。経営層が最善の判断を下せるように、必要な情報を提供し、判断材料を揃えるのが仕事です。例えば、会社が新しい工場を建てるかどうかを検討しているとします。
その際、経営企画部は「どこに建てるのが一番効率的か」「いくら費用がかかるのか」「どれくらいの利益が見込めるのか」といった情報を様々な角度から調査・分析します。そして、その結果を分かりやすい資料にまとめ、経営会議で報告します。最終的な決定を下すのは経営層ですが、その判断の土台となる情報を提供する、会社の頭脳とも言える存在です。
新規事業の立案や市場調査を行う
会社が成長し続けるためには、今の事業を守るだけでなく、新しいビジネスを考えることも重要です。経営企画部では、会社の新しい柱となるような事業のアイデアを考え、実現可能性を探る役割も担っています。「最近、世の中ではこんなサービスが流行っている」「この技術を使えば、自社で新しい商品が作れるかもしれない」といったように、常に社会のトレンドにアンテナを張り、ビジネスチャンスを探しています。
そして、有望なアイデアが見つかれば、市場の規模やライバルの状況などを詳しく調査し、具体的な事業計画を作成します。会社の未来の食い扶持を作る、夢のある仕事とも言えるでしょう。
各部署との連携や調整役もこなす
会社全体の計画を立てる経営企画部は、部署間の橋渡し役としての役割も非常に重要です。会社は、営業部、開発部、製造部など、様々な部署の協力があって初めて成り立っています。経営企画部が立てた計画をスムーズに進めるためには、各部署にその内容を正確に伝え、理解してもらう必要があります。
時には、部署ごとの目標と会社全体の目標がぶつかることもあります。そうした際に、間に入って意見を調整し、会社全体が同じ方向を向いて進めるようにサポートするのも大切な仕事です。会社全体の視点を持つ経営企画部だからこそできる、重要な役割と言えるでしょう。
経営企画部で働くことのメリット
会社の重要な役割を担う経営企画部ですが、そこで働くことには大きなメリットがあります。具体的には以下の4点が挙げられます。
- 経営層の視点で物事を考えられるようになる
- 会社全体の動きを深く理解できる
- 幅広い知識や高度なスキルが身につく
- 将来のキャリアの選択肢が大きく広がる
詳しく見ていきましょう。
経営層の視点で物事を考えられるようになる
経営企画部で働く最大のメリットの一つは、会社全体を見る視点が身につくことです。社長や役員といった経営層と近い距離で仕事をするため、自然と経営者の考え方や判断基準を学ぶことができます。普段の仕事では、自分の部署のことだけを考えがちですが、経営企画部では常に「会社全体にとって何がベストか」を考えなくてはなりません。
例えば、ある部署から「新しい機械を導入したい」という要望が上がってきたとします。その部署だけを見ればメリットがあるかもしれませんが、「会社全体の財政状況はどうか」「他の部署にもっと優先すべき投資はないか」といった広い視野で判断する力が養われます。この視点は、将来どんな仕事をする上でも必ず役に立ちます。
会社全体の動きを深く理解できる
経営企画部では、特定の分野だけでなく、会社の仕組みがわかるようになります。営業、開発、製造、人事、経理など、社内の全部署と関わる機会があるため、会社がどのように成り立ち、どのように利益を生み出しているのかを肌で感じることができます。
「営業部が契約を取ってきた仕事が、開発部や製造部を経て、お客様の元に届くまで」といった一連の流れや、その裏側にあるお金の動きまで、全体像を把握できるのは経営企画部ならではの魅力です。会社の全体像を理解していると、自分の仕事がどの部分に貢献しているのかが明確になり、より高いモチベーションで仕事に取り組めるようになるでしょう。
幅広い知識や高度なスキルが身につく
経営企画の仕事を通じて、どこでも通用するスキルを身につけることができます。市場を分析する力、事業計画を立てる企画力、データを元に物事を考える論理的思考力、他部署と調整する交渉力など、その内容は多岐にわたります。
これらのスキルは「ポータブルスキル」とも呼ばれ、特定の会社や業界だけで通用するものではありません。どんな仕事に就いたとしても役立つ、一生ものの財産になります。困難な課題に取り組む中で、自然と高いレベルのビジネススキルが磨かれていくのは、大きなメリットと言えるでしょう。
将来のキャリアの選択肢が大きく広がる
経営企画部での経験は、キャリアの可能性が広がることにも直結します。会社の中枢で働き、経営に関する知識やスキルを身につけた人材は、社内外から高く評価されます。社内であれば、将来の社長や役員といった幹部候補としてキャリアを歩む道が開かれます。また、経営企画で培った経験を活かして、新規事業の責任者になったり、他の部署のリーダーになったりするケースも多いです。
さらに、転職市場においてもその価値は非常に高く、コンサルティング会社や、別の会社の経営幹部として迎えられることもあります。もちろん、自分で会社を立ち上げる「起業」という選択肢も現実的なものになるでしょう。

経営企画部で働くことのデメリット
多くのメリットがある一方で、経営企画部で働くことには大変な側面もあります。良い面だけでなく、デメリットもしっかりと理解しておきましょう。

詳しく見ていきましょう。
常に大きな責任とプレッシャーが伴う
経営企画部の判断一つで、会社の将来を左右する責任が伴います。自分たちが立てた計画が失敗すれば、会社に大きな損害を与えてしまう可能性もあるため、常に大きなプレッシャーの中で仕事をすることになります。経営会議で社長や役員から厳しい指摘を受けたり、難しい判断を迫られたりすることも日常茶飯事です。
そうした重圧に耐えながら、冷静に仕事を進めていく精神的なタフさが求められます。「会社の未来は自分たちが担っている」というやりがいは大きいですが、その分、責任の重さも覚悟しておく必要があるでしょう。
地道な情報収集や資料作成が多い
経営企画部と聞くと、華やかなイメージを持つかもしれませんが、実際には華やかなだけではない地道な作業が仕事の多くを占めています。会社の課題を分析したり、新しい事業の可能性を探ったりするためには、膨大な量のデータを集め、読み解く必要があります。一日中パソコンに向かって情報を収集したり、数字と向き合ったりすることも少なくありません。
また、分析した結果を経営層に分かりやすく伝えるために、何十ページにもわたる資料を作成することもあります。派手な仕事ばかりではない、泥臭い一面もあることを理解しておきましょう。
他部署から「嫌われる」ことがある
会社全体の視点で物事を考える経営企画部は、時には厳しい判断も必要になります。会社全体の利益を最大化するために、特定の部署にとっては不利益となるような決定を下さなければならない場面もあるからです。例えば、業績が厳しい部署の予算を削減したり、非効率な業務のやり方を変えるよう指摘したりすることもあります。当然、その部署からは反発されたり、煙たがられたりすることもあるでしょう。
会社を良くするための仕事だと頭では分かっていても、社内で孤立しているように感じてしまうこともあるかもしれません。全ての人から好かれるのは難しい、という覚悟も必要です。
成果がすぐには形にならない
経営企画部が取り組むのは、3年後、5年後といった会社の未来を創る仕事が中心です。そのため、長期的な視点が求められる一方で、自分の仕事の成果がすぐには見えにくい、というもどかしさがあります。営業の仕事のように「今月はこれだけ売れた」といった目に見える成果が出にくいため、やりがいを感じにくい時期もあるかもしれません。
自分たちが立てた計画がようやく実を結び、会社の業績が上がったり、新しい事業が軌道に乗ったりするのは、何年も先のことです。すぐに結果が出なくても、粘り強く仕事に取り組む姿勢が求められます。
未経験から経営企画部のようなキャリアを目指すには
経営企画部のような仕事に興味を持ったとしても、「自分には無理かも」と感じるかもしれません。ですが、今からできることはたくさんあります。未経験から目指すためのステップを紹介します。
- まずは今の仕事で一番の成果を出す
- 会社の業績や数字に関心を持つ
- 資格取得などでアピールできるスキルを磨く
- 社内のキーパーソンと関係を築く
詳しく見ていきましょう。
まずは今の仕事で一番の成果を出す
どんなキャリアを目指す上でも、一番大切なのは今の仕事で信頼を得ることです。目の前の仕事に一生懸命取り組み、周りから「この人に任せれば安心だ」と思われる存在になることが、全ての基本になります。
例えば、工場での作業であれば、誰よりも正確で速く製品を作れるようになる、営業であれば、目標を常に達成するなど、まずは自分の持ち場でNo.1を目指しましょう。そこで得た信頼が、「あいつは頑張っているから、新しい仕事も任せてみよう」という次のチャンスにつながります。今の仕事をおろそかにして、未来のキャリアは築けません。
会社の業績や数字に関心を持つ
経営企画部を目指すなら、会社全体の数字を意識する習慣をつけましょう。自分の仕事が、会社の売上や利益にどう貢献しているのかを考える視点を持つことが大切です。例えば、「今月、自分のチームが生産した製品は、いくらの売上につながったんだろう?」「会社全体の売上目標に対して、今の進み具合はどうなんだろう?」といったことに興味を持ってみましょう。
会社の業績が発表されたら内容に目を通したり、上司に質問したりするのも良い方法です。普段から会社全体の動きに関心を持つことで、自然と経営に近い視点が養われていきます。
資格取得などでアピールできるスキルを磨く
仕事で成果を出すことに加えて、自主的にスキルアップする姿勢も高く評価されます。仕事終わりの時間や休日などを利用して、自分の市場価値を高めるための勉強を始めましょう。例えば、会社の数字を理解するために「簿記」の資格を取ったり、資料作成能力を高めるために「MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」の資格に挑戦したりするのは、直接的にアピールしやすいスキルです。
すぐに結果が出なくても、学び続ける姿勢そのものが、成長意欲の高さの証明になります。小さなことからでも良いので、今日から始めてみましょう。
社内のキーパーソンと関係を築く
自分のキャリアプランを実現するためには、キャリアについて相談しておくことも重要です。自分の頑張りを上司にしっかりとアピールし、将来どんな仕事に挑戦したいかを伝えておきましょう。「将来的には、会社全体を見渡せるような仕事に挑戦してみたいです」といったように、自分の意思を伝えておくことで、上司も気にかけてくれるようになります。チャンスが来た時に、声をかけてもらえる可能性も高まるでしょう。
また、他部署の人とも積極的にコミュニケーションを取ることをお勧めします。社内に味方や協力者が多いほど、仕事はスムーズに進みますし、色々な情報も入ってきやすくなります。
あなたのキャリアプラン、一度プロに相談しませんか
経営企画部のようなキャリアを目指すことは、簡単ではありません。自分のキャリアについて一人で悩んでいるなら、一度プロのキャリアアドバイザーに相談してみるのも一つの方法です。
- 自分の強みや向いてる仕事がわかる
- キャリアアップのための具体的な道筋が見える
- 非公開の優良求人に出会える可能性がある
詳しく見ていきましょう。
自分の強みや向いてる仕事がわかる
転職エージェントに相談するメリットは、客観的に自分を知ることができる点です。自分では当たり前だと思っていることでも、プロの視点から見れば、それが大きな強みである場合があります。キャリアアドバイザーとの面談を通じて、これまでの経験を振り返ることで、自分でも気づかなかった得意なことや、やりがいを感じるポイントが明確になります。
それを元に、「実はこんな仕事も向いているかもしれない」といった、新しい可能性に気づかせてくれることもあります。自分のことを客観的に知ることは、キャリアプランを考える上で非常に重要です。
キャリアアップのための具体的な道筋が見える
「経営企画部のような仕事に就きたい」という漠然とした目標があっても、そこまでの道のりが分からなければ、何から手をつけていいか分かりません。転職エージェントは、目標までのステップが明確になるようサポートしてくれます。
目標を達成するために、次にどんなスキルや経験を積めば良いのか、そのためにはどんな会社や職種が良いのか、といった具体的なアドバイスをもらうことができます。一人で悩んでいるだけでは見えなかった、キャリアアップへの具体的なロードマップを描く手助けをしてくれるでしょう。
非公開の優良求人に出会える可能性がある
転職サイトなどには公開されていない、自分では見つけられない求人情報を持っているのも、転職エージェントの大きな強みです。企業が「本当に欲しい人材だけを効率的に採用したい」と考えた場合、求人を一般公開せずに、信頼できる転職エージェントにだけ依頼することがあります。
そうした非公開求人の中には、誰もが知っている大手企業や、これから大きく成長する可能性のある優良企業の求人も少なくありません。転職エージェントに相談することで、思わぬチャンスに出会える可能性があるのです。
Zキャリアのエージェントに相談してみよう
経営企画部に配属されるようなキャリアを築くためには、長期的な視点でキャリアプランを考えることが大切です。もし、今の仕事や将来のキャリアに少しでも悩みや不安があるなら、一人で抱え込まずに、ぜひZキャリアのエージェントに相談してみてください。Zキャリアは、特にZ世代のノンデスクワーカーの方々のキャリア支援を得意としています。「今の仕事でどんな経験を積めば、将来の選択肢が広がるのか」「自分にはどんな可能性があるのか」といった相談に、親身になって寄り添います。
相談したからといって、すぐに転職する必要はありません。まずは自分のキャリアについて話してみる、という軽い気持ちで大丈夫です。Zキャリアのエージェントが、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すお手伝いをします。