- 工場にエアコンがない理由
- 法律的に問題はないのか
- 今すぐできる対策
- 快適な工場へ転職する方法
工場にエアコンがないのは当たり前?その理由を解説
「どうしてこの工場にはエアコンがないんだろう?」と、汗だくで働いている時に疑問に思うかもしれません。工場にエアコンがないのには、実はいくつかの理由があります。どんな理由が考えられるか、試しにみてみましょう。
- 広い空間を冷やすのはコストがかかる
- 熱を発する機械が多く効率が悪い
- 製品の品質管理上で設置できない
- そもそも建物の構造が古い
広い空間を冷やすのはコストがかかる
多くの工場は、天井が高く広大な空間になっているのが特徴です。普通の部屋と同じように考えてエアコンを設置しても、広い空間全体を涼しくするには、家庭用とは比べ物にならないほど強力な設備が必要になります。
そうなると、エアコン本体の購入費用だけでなく、設置するための工事費用も高額になってしまいます。さらに、稼働させるための電気代も毎月大きな負担になるため、会社としてはコスト面から設置に踏み切れないケースが多いのです。
熱を発する機械が多く効率が悪い
工場の中には、常に熱を発し続ける大きな機械がたくさんあります。たとえば、金属を加工する機械や、製品を乾燥させるための炉などは、周辺の温度をかなり上げてしまいます。
このような環境でエアコンを動かしても、機械から出る熱のせいですぐに空気が温められてしまい、なかなか涼しくなりません。せっかく高いコストをかけてエアコンを設置しても効果が薄いため、導入が見送られてしまうことがあるのです。
製品の品質管理上で設置できない
工場で作っている製品によっては、厳密な温度や湿度の管理が求められることがあります。たとえば、デリケートな電子部品や、品質が変化しやすい食品などがこれにあたります。
エアコンの風が直接製品に当たると、乾燥しすぎたり、逆に結露してしまったりして、品質に悪い影響を与えてしまうかもしれません。そのため、製品の品質を守ることを最優先に考え、あえてエアコンを設置していない工場もあるのです。
そもそも建物の構造が古い
比較的新しい工場であれば、設計の段階から空調設備を組み込んでいることもあります。ですが、昔からある古い工場の場合、エアコンの設置を前提とした作りになっていないことが多いです。
古い建物だと、外の気温の影響を受けやすかったり、大型の空調設備を取り付けるためのスペースや強度が足りなかったりします。後から大規模な工事をするのは難しいため、結果的にエアコンがないままになっているケースも少なくありません。
エアコンがない職場は法律的に問題ないの?
「こんなに暑い(寒い)のにエアコンがないなんて、法律違反じゃないの?」と感じることもあるでしょう。実は、職場のエアコン設置に関する法律やルールは、少し複雑です。以下のポイントで整理してみましょう。

法律で設置が義務付けられているわけではない
結論から言うと、「職場にエアコンを設置しなさい」と直接的に義務付ける法律は、今のところありません。そのため、エアコンがないからといって、すぐに会社が法律違反になるわけではないのです。
ですが、会社には「安全配慮義務」というものがあります。これは、働く人が安全で健康に仕事ができるように、会社が配慮しなければならないというルールです。暑すぎたり寒すぎたりする環境を放置していると、この義務を果たしていないと判断される可能性はあります。
国が推奨する快適な室温の目安は存在する
法律での義務はありませんが、国は働く場所の快適な温度の目安を示しています。たとえば、事務所などでの作業では、夏は28℃以下、冬は18℃以上が望ましいとされています。
工場のような場所では、作業内容や服装によっても変わりますが、熱中症を防ぐための指標(WBGT値)なども定められています。これらの目安を大幅に超える環境であれば、会社に改善を求める理由のひとつになります。
熱中症などの健康被害は労災になる可能性がある
もし、職場の暑さが原因で熱中症になってしまった場合、それは労働災害(労災)として認められる可能性があります。労災が認められれば、治療費や休んでいる間の給料の一部が補償されます。
「暑いのは仕方ない」と我慢しすぎて、体調を崩してしまっては元も子もありません。自分の健康が第一です。万が一の時は、労災の申請も考えられるということを覚えておきましょう。
労働基準監督署に相談できるケースもある
職場の環境があまりにもひどく、会社に伝えても改善してくれない場合は、労働基準監督署(労基署)に相談するという方法もあります。労基署は、会社が労働基準法などのルールを守っているかチェックする国の機関です。
相談したからといって、すぐにエアコンが設置されるとは限りません。ですが、多くの人が同じように感じていたり、実際に健康被害が出ていたりする状況であれば、労基署が会社に対して指導や勧告をしてくれる可能性があります。一人で悩まず、専門機関に頼ることも考えてみてください。
エアコンがない工場での暑さ対策
エアコンがなくても、工夫次第で暑さを和らげることはできます。自分の身は自分で守るという意識で、積極的に対策を取り入れていきましょう。ここでは、すぐに試せる暑さ対策をいくつか紹介します。

※本記事で紹介している熱中症の症状や対策、応急処置は一般的な情報に基づくものです。体調に異変を感じた場合は、ご自身の判断で無理をせず、速やかに医療機関を受診してください。
空調服やクールベストを活用する
最近、工場で働く人の多くが着ているのが扇風機付きの作業着、いわゆる「空調服」です。服に付いた小型のファンが外の空気を取り込み、服の中で空気を循環させることで、汗を気化させて体を冷やしてくれます。
また、水で濡らして使う「クールベスト」なども効果的です。初期費用は少しかかりますが、一度使うと手放せなくなるほど快適さが違います。会社によっては支給されたり、購入補助が出たりする場合もあるので、確認してみるのも良いでしょう。
こまめな水分と塩分を補給する
のどが渇いたと感じる前に水分をとることが、熱中症対策の基本です。作業中は汗で多くの水分と塩分が失われるので、ただの水だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液、塩分補給用のタブレットなどを活用しましょう。
一度にたくさん飲むのではなく、「15〜20分おきにコップ1杯」のように、こまめに補給するのがポイントです。休憩時間以外にも、作業の合間に短い水分補給タイムを自分で作るように意識してみてください。
ネッククーラーや冷感タオルを使用する
首元を冷やすと、体感温度を効率的に下げることができます。首には太い血管が通っているため、ここを冷やすことで冷えた血液が全身を巡り、体全体が涼しく感じやすくなるのです。
最近では、充電式のネッククーラーや、水で濡らすだけで冷たくなる冷感タオルなど、便利なグッズがたくさんあります。作業の邪魔になりにくく、手軽に使えるので、ぜひ試してみてください。
スポットクーラーの近くで作業する
工場全体を冷やすことは難しくても、作業者一人ひとりに冷風を送るスポットクーラーを設置している工場は多いです。もし自分の作業場所の近くにあれば、積極的に活用しましょう。
風向きを調整して、直接体に当たるように工夫するだけでも、かなり涼しく感じます。他の人と共有で使っている場合は、譲り合いながらうまく使って、少しでも快適に作業できる環境を作っていきましょう。
対策してもキツい…体を壊す前に知っておきたい自己防衛策
いろいろな対策を試してみても、暑さにどうしても耐えられない、ということもあるかもしれません。我慢し続けることは、決して良いことではありません。自分の心と体の声に、しっかりと耳を傾けることが大切です。
- 体調不良のサインを見逃さないようにする
- 改善が見込めないなら転職も選択肢に入れる
- 我慢し続けることのリスクを理解する
体調不良のサインを見逃さないようにする
「めまいがする」「頭が痛い」「吐き気がする」といった症状は、体が発している危険信号です。熱中症の初期症状かもしれません。
「これくらい大丈夫」「もう少し頑張れる」と無理をしてしまうと、取り返しのつかない事態になることもあります。いつもと違うな、と感じたら、すぐに作業を中断して涼しい(または暖かい)場所で休み、上司に報告するようにしてください。
改善が見込めないなら転職も選択肢に入れる
今の職場で環境の改善が期待できないのであれば、転職を考えるのも一つの大切な選択肢です。体を壊してしまっては、働くこと自体が難しくなってしまいます。
「すぐに辞めるのは根性がないと思われるかも」と心配になるかもしれません。ですが、自分の健康を守り、より良い環境で働くために職場を変えることは、前向きな決断です。逃げではなく、自分の将来のための戦略的な一歩だと考えてみてください。
我慢し続けることのリスクを理解する
過酷な環境で働き続けることは、目に見える体調不良だけでなく、集中力の低下にもつながります。暑さや寒さで頭がぼーっとしてしまうと、作業ミスが増えたり、思わぬ事故につながったりする危険性が高まります。
また、「今日も暑いな…」「寒くて動きたくない…」と思いながら仕事を続けるのは、精神的にも大きなストレスになります。仕事へのモチベーションが下がり、毎日職場に行くのが憂鬱になってしまうかもしれません。心身の健康を損なう前に、行動を起こすことが重要です。
転職で探したい!働きやすい工場の特徴
もし転職を決意したなら、次はどんな工場を選べば良いのでしょうか。二度と同じ失敗を繰り返さないためにも、働きやすい環境の工場の特徴を知っておくことが大切です。ここでは、求人を探す際にチェックしたいポイントを解説します。

空調設備が完備されている
まず一番に確認したいのは、求人情報に「空調完備」と明記されているかどうかです。この一言があるだけで、会社が従業員の働く環境に配慮しているかどうかの大きな判断材料になります。
クリーンルームでの作業がある工場も狙い目です。クリーンルームは、製品の品質を保つために常に一定の温度・湿度に管理されているため、一年を通して快適な環境で働くことができます。食品工場や電子部品、医薬品工場などで多く見られます。
休憩室が快適に整備されている
作業場所だけでなく、休憩室の環境も重要なチェックポイントです。作業中は暑かったり寒かったりしても、休憩時間くらいは快適な場所でしっかりと体を休めたいものです。
求人情報に休憩室の写真が載っていることもあります。エアコンはもちろん、冷蔵庫や電子レンジ、Wi-Fiなどが完備されていると、より快適に過ごせます。従業員を大切にしている会社は、こういった福利厚生施設にも力を入れていることが多いです。
扱う製品が熱を発しない
工場の暑さの原因の一つは、製造過程で熱を発する機械です。ということは、そもそも熱をあまり使わない製品を作っている工場を選ぶことができれば、暑さに悩まされる可能性は低くなります。
たとえば、プラスチックの成形や金属のプレス加工などは熱を使いますが、製品の組み立てや検査、梱包といった工程がメインの工場であれば、室温が極端に高くなることは少ないでしょう。どんな製品を、どんな工程で作っているのかを調べてみるのがおすすめです。
比較的新しい建物や設備である
工場の外観や内装が新しいかどうかも、働きやすさを判断する一つの材料になります。新しい工場は、設計の段階から空調や断熱がしっかりと考えられていることが多いです。
求人サイトに掲載されている写真で、建物の新しさや設備のきれいさを確認してみましょう。また、工場の設立年が書かれている場合もあります。新しいということは、それだけ最新の考え方で従業員の働きやすさが考慮されている可能性が高いと言えます。
エアコン完備の快適な工場へ転職する手順
「よし、快適な工場に転職しよう!」と決めたら、次は何から始めれば良いのでしょうか。やみくもに求人を探すのではなく、計画的に進めることが成功の鍵です。ここでは、転職活動の具体的な手順を紹介します。
- 自分の希望条件を整理する
- 求人情報で労働環境を入念にチェックする
- 面接で職場の環境について質問する
- 転職エージェントに相談して内部情報を得る
まずは譲れない条件を整理する
まずは、「どんな職場で働きたいか」を具体的に書き出してみましょう。「エアコン完備」は絶対条件として、それ以外に給料や勤務地、休日、仕事内容など、自分が何を大切にしたいのかを整理します。
すべての希望が100%叶う求人はなかなか見つからないかもしれません。そのため、「これだけは譲れない」という条件と、「できればこうだと嬉しい」という条件に優先順位をつけておくと、求人を探す時に迷いにくくなります。
求人情報で労働環境を細かくチェックする
求人情報をただ眺めるだけでなく、「職場環境」や「福利厚生」の欄を注意深く読んでみましょう。「空調完備」の記載はもちろん、「休憩室あり」「個人ロッカー完備」といった情報も働きやすさのヒントになります。
また、掲載されている写真も重要な情報源です。作業場の様子や、働いている人の服装などから、職場の雰囲気をある程度推測することができます。夏なのに長袖の作業着を着ている写真ばかりだと、少し涼しい環境なのかもしれない、といった想像ができます。
転職エージェントに相談して内部情報を得る
「面接でエアコンの有無をストレートに聞くのは気まずい」「求人票の写真だけでは実際の暑さが分からない」という場合は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
転職エージェントは、一般には公開されていない求人情報や、企業の詳しい内部情報(職場の雰囲気、残業時間など)を持っていることがあります。自分一人で情報収集するのには限界があると感じたら、相談してみるのも一つの手かもしれません。
今の職場から転職を考えるなら、まずはZキャリアに相談してみませんか?
「毎日暑くて体力が持たない」「エアコンが効いた工場って、具体的にどんな求人があるんだろう」と、ほんの少しでも気になったら、まずは一度プロに話をしてみるのがおすすめです。
Zキャリアでは、あなたが快適に、安心して働ける職場探しをサポートしています。今すぐ転職する予定がなくても、今の労働環境への不安や、これからの働き方の悩みを相談するだけでも大丈夫です。
ひとりで我慢し続けず、まずはあなたの理想の環境について、気軽に聞かせてくださいね。