介護職の繁忙期はいつ？転職におすすめの時期と円満退職のコツ

介護職の繁忙期はいつ？施設によって忙しい時期は違う

介護職の忙しさは年間を通じて一定ではなく、特定の時期に業務が集中する繁忙期があります。具体的には以下の時期が挙げられます。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

年末年始や大型連休は人手が不足しやすい

年末年始やゴールデンウィークは、介護職にとって特に忙しい時期の一つです。この時期は、帰省などでご家族の面会が増え、その対応に追われることが多くなります。また、お正月などの特別な食事やレクリエーションの準備も加わります。

一方で、職員自身も休みを取りたい時期であるため、少ない人数で通常以上の業務をこなさなければならない状況が生まれやすいです。シフトが過密になり、一人ひとりの負担が大きくなる傾向があるため、体力的な厳しさを感じる場面も増えるでしょう。

気温が変化する季節の変わり目は多忙になる

利用者の体調が変化しやすい春や秋、また夏から冬にかけての季節の変わり目も繁忙期と言えます。特に高齢の方は、急な気温の変化で体調を崩しやすくなります。インフルエンザや感染症が流行する冬場は、普段以上に感染対策や健康管理に気を配る必要があります。

夏場は熱中症対策が欠かせません。こまめな水分補給の促しや室温管理など、通常業務に加えて注意すべき点が増えます。利用者の小さな変化にも気づけるよう、常に気を張っている必要がある時期です。

夏祭りやクリスマスなどイベントが多い月は忙しい

多くの介護施設では、季節ごとのイベントやレクリエーションを大切にしています。夏祭り、敬老会、クリスマス会といった大きなイベントがある月は、その準備期間から当日まで非常に忙しくなります。

企画の立案、飾り付けの作成、当日の運営など、職員が協力して行う業務が増えます。利用者に楽しんでもらうための大切な仕事ですが、通常業務と並行して進める必要があるため、残業が増えたり、休憩時間が短くなったりすることもあるかもしれません。達成感は大きいですが、体力的にハードな時期です。

入所や退所が増える年度の変わり目も多忙を極める

4月や10月といった年度の変わり目は、新しい利用者の入所や退所が重なる時期です。新しい方が入所される際には、生活に慣れるまでのサポートはもちろん、ケアプランの作成やご家族への説明など、多くの事務作業も発生します。

同時に、退所される方の手続きや荷物の整理なども行わなければなりません。また、この時期は職員の異動や退職、新入社員の受け入れなども重なることが多く、人の入れ替わりに伴う業務が増えるため、施設全体が慌ただしい雰囲気になりがちです。

介護職にも閑散期はある？比較的落ち着いている時期

一年中忙しいイメージのある介護職ですが、比較的業務が落ち着く「閑散期」も存在します。閑散期については以下の通りです。

詳しく解説していきます。

大きなイベントがない時期は落ち着いている

祝日や大きな行事がない月は、比較的落ち着いて仕事ができる傾向にあります。具体的には、梅雨の時期である6月や、年末の準備が本格化する前の11月などが挙げられることが多いです。

もちろん日々の介護業務がなくなるわけではありませんが、イベント準備のような追加の業務が少ないため、精神的にも体力的にも少し余裕が生まれます。この時期は、利用者一人ひとりとじっくり向き合ったり、普段はなかなかできない細かい業務に取り組んだりする良い機会になるでしょう。

閑散期は研修やスキルアップに集中できる

時間に余裕が生まれる閑散期は、自身のスキルアップに集中する絶好のチャンスです。多くの施設では、この時期を利用して内部研修や勉強会を実施します。新しい介護技術を学んだり、資格取得のための勉強を進めたりするのに最適なタイミングです。

また、日々の業務に追われていると後回しになりがちな、業務マニュアルの見直しや整理整頓など、職場環境を改善するための活動に取り組むこともできます。忙しい時期を乗り切るための準備期間として、閑散期を有効に活用することが大切です。

新しい職員が入る4月や10月は教育で忙しい

年度の変わり目である4月や10月は、新しい職員の入社時期と重なることが多いです。この時期は、イベント自体は少なくても、新人教育や指導に時間を割く必要があるため、教育担当の職員は特に忙しくなります。

新しいメンバーに仕事の流れや利用者の情報を教え、一人前に育てていくのは非常に重要な仕事です。施設全体の介護の質を保つためにも、丁寧な指導が求められます。自分の業務に加えて教育も担当するため、通常とは違った種類の忙しさを感じる時期かもしれません。

繁忙期に転職活動をするメリット

忙しい時期の転職は避けた方が良いと思われがちですが、実はメリットもあります。繁忙期の転職活動がもたらすメリットは以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

人手不足で採用のハードルが下がりやすい

採用ニーズが高まる繁忙期は、人手が足りていない施設が多く、積極的に採用活動を行っています。そのため、普段よりも採用のハードルが下がり、未経験者や経験が浅い方でも採用されるチャンスが広がる可能性があります。

「とにかく人手が欲しい」という状況の施設も少なくないため、熱意やポテンシャルをアピールできれば、選考を有利に進められるかもしれません。特に、すぐにでも働き始めたいと考えている場合は、スピーディーに内定を得られる可能性も高まります。

職場のリアルな雰囲気や忙しさを確認できる

ありのままの職場の様子を見られるのも、繁忙期に転職活動をする大きなメリットです。面接や職場見学の際に、職員がどのように動いているのか、どれくらい忙しいのかを直接目にすることができます。

穏やかな時期に見学しただけでは分からない、職場の本当の雰囲気や人間関係、チームワークの良し悪しなどを肌で感じることができるでしょう。「入社してみたら、想像以上に忙しくて大変だった」という入社後のギャップを防ぐためにも、一番大変な時期の様子を見ておくことは非常に重要です。

即戦力として高く評価される可能性がある

すぐに現場で活躍できる人材は、繁忙期の職場にとって非常に貴重な存在です。もし少しでも介護の経験があれば、人手不足に悩む施設から「即戦力」として高く評価される可能性があります。

経験者であれば、給与や待遇面で良い条件を提示してもらえることも期待できます。自分のスキルや経験を最大限にアピールすることで、より有利な条件での転職を実現できるかもしれません。忙しい現場を助ける救世主として、歓迎される可能性が高いでしょう。

繁忙期に転職活動をするデメリット

メリットがある一方で、繁忙期の転職活動には注意すべきデメリットも存在します。具体的には以下の点が挙げられます。

詳しく解説していきます。

採用担当者が多忙で選考に時間がかかる

採用担当者も現場の業務に追われているため、繁忙期は選考プロセスが通常よりも遅れがちになります。応募書類の確認や面接日程の調整に時間がかかり、なかなか連絡が来ないというケースも少なくありません。

また、面接自体も短時間で終わってしまったり、慌ただしい雰囲気の中で行われたりすることもあります。転職活動をスムーズに進めたいと考えている場合は、選考に時間がかかることをあらかじめ理解しておく必要があります。焦らず、じっくりと構える姿勢が大切です。

強い引き止めにあい退職交渉が難航する

現在介護職として働いている場合、繁忙期に退職を申し出ると、強い引き止めにあう可能性が高まります。ただでさえ人手が足りない状況で、「今辞められたら困る」と言われてしまうのは想像に難くありません。

上司や同僚に迷惑をかけてしまうという罪悪感から、退職の意思を貫くのが難しくなることもあります。円満に退職するためには、できるだけ早い段階で意思を伝え、丁寧に交渉を進める必要があります。精神的な負担が大きくなることも覚悟しておきましょう。

入社後の研修やサポートが手薄になる

無事に入社できても安心はできません。繁忙期に入社すると、現場が忙しすぎて十分な研修やサポートを受けられない可能性があります。先輩職員も自分の業務で手一杯で、新人に丁寧に仕事を教える余裕がないかもしれません。

「見て覚えて」という状況に置かれ、分からないことがあっても質問しづらい雰囲気であることも考えられます。介護未経験の場合や、新しい環境に慣れるまでしっかりサポートしてほしいと考えている場合は、入社後のフォロー体制が手薄になるリスクがあることを理解しておきましょう。

介護職の転職活動におすすめの時期はいつ？

メリットとデメリットを踏まえると、介護職の転職には特におすすめの時期があります。転職活動を始めるのに最適なタイミングは以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

繁忙期を避けた4月から5月は狙い目

新年度が始まり少し落ち着いた4月〜5月は、転職活動におすすめの時期です。3月末で退職した人の欠員補充のための求人が出やすく、施設側も新しい人材を受け入れる体制が整っていることが多いです。

また、年末年始や年度末の繁忙期を乗り越え、現場の雰囲気も少し落ち着いているため、入社後の研修も比較的丁寧に行ってもらえる可能性が高いでしょう。気候も良く、新しい環境で心機一転スタートを切るには最適なタイミングと言えます。

夏と冬のボーナス支給後も転職者が増える

ボーナスを受け取ってから退職する人が多いため、ボーナス支給後の7月〜8月や1月〜2月も求人が増える傾向にあります。夏のボーナス後（7月〜8月）と冬のボーナス後（1月〜2月）は、転職市場が活発になる時期です。

多くの人が同じタイミングで動き出すため、ライバルは多くなるかもしれませんが、その分たくさんの求人の中から自分に合った職場を選べるというメリットがあります。情報収集をしっかり行い、早めに行動を開始することが成功のカギとなります。

求人数が増加傾向にある9月から10月もチャンス

下半期が始まる9月〜10月も、転職活動に適した時期の一つです。多くの施設では、冬の繁忙期や年度末の退職者を見越して、この時期から採用活動を本格化させます。

4月入社を目指す求人も出始めるため、比較的長いスパンで転職活動を進めることができます。じっくりと自分に合う職場を見つけたい、複数の選択肢を比較検討したいという方には特におすすめのタイミングです。余裕を持って準備を進められるでしょう。

繁忙期でも円満退職するための進め方

転職に最適な時期がある一方で、どうしても繁忙期に退職せざるを得ない状況もあるでしょう。そんな時でも円満に退職するための進め方は以下の通りです。

詳しく解説していきます。

退職の意思は2ヶ月から3ヶ月前までに伝える

退職の意思はできるだけ早く伝えるのが、円満退職の基本です。法律上は2週間前までの申し出で退職できますが、職場の慣例や就業規則を確認し、一般的には退職希望日の2〜3ヶ月前までには直属の上司に伝えるのが理想的です。

早めに伝えることで、施設側も後任者の採用や引き継ぎの準備を余裕を持って進めることができます。「忙しい時期に申し訳ない」という気持ちも、早めの行動で誠意として示すことができるでしょう。

繁忙期と重なることへの配慮と感謝を述べる

退職を伝える際は、伝え方が非常に重要になります。まずは、これまでお世話になったことへの感謝の気持ちを伝えましょう。その上で、「大変申し上げにくいのですが」と前置きし、繁忙期という忙しい時期に退職することへのお詫びと配慮の言葉を添えることが大切です。

「ご迷惑をおかけしますが、最終出勤日まで責任を持って業務と引き継ぎを全うします」という姿勢を示すことで、相手の心証も大きく変わります。感情的にならず、冷静かつ誠実な態度で話すことを心がけてください。

退職理由は正直かつ前向きな内容を心がける

退職理由はポジティブなものを伝えるようにしましょう。職場の人間関係や待遇への不満が本当の理由だったとしても、それをそのまま伝えるのは避けるのが賢明です。不平不満を言うと、職場の雰囲気を悪くするだけでなく、引き止めにあう口実を与えてしまう可能性もあります。

「新しい分野に挑戦したい」「キャリアアップのために専門性を高めたい」といった、前向きで個人的な理由を伝えるのがおすすめです。嘘をつく必要はありませんが、相手が応援したくなるような、未来志向の理由を準備しておきましょう。

担当業務の引き継ぎは責任を持って丁寧に行う

最後の務めとして引き継ぎは完璧に行いましょう。自分が辞めた後も現場が混乱しないように、後任者や他の職員へ担当業務を丁寧に引き継ぐことは、社会人としての最低限のマナーです。

口頭での説明だけでなく、誰が見ても分かるように業務内容をまとめたマニュアルや資料を作成しておくと、さらに親切です。余裕を持って引き継ぎのスケジュールを立て、後任者が困らないように万全の準備を整えましょう。最後まで責任ある態度を貫くことが、良い関係を保ったまま退職する秘訣です。

転職のタイミングに迷ったらプロに相談する選択肢も

ここまで繁忙期や転職におすすめの時期について解説してきましたが、自分一人で最適なタイミングを見極めるのは難しいと感じるかもしれません。そんな時は、転職のプロに相談するのも一つの有効な手段です。

詳しく解説していきます。

自分の市場価値を客観的に知ることができる

自分では気づかない強みやスキルを、転職エージェントは客観的な視点から見つけ出してくれます。これまでの経験や持っている資格が、転職市場でどれくらいの価値があるのかを教えてもらうことで、自信を持って転職活動に臨むことができます。

また、自分の希望だけでなく、適性や将来のキャリアプランを一緒に考えてくれるため、思いもよらない新しい仕事の可能性に気づくこともあります。キャリアの選択肢を広げるためにも、一度プロの意見を聞いてみるのは有益です。

一般には公開されていない好条件の求人に出会える

転職エージェントは、インターネットなどでは公開されていない「非公開求人」を多数保有しています。これらは、企業が特定のスキルを持つ人材をピンポイントで探している場合や、急な欠員補充のために募集している場合が多く、好条件の求人である可能性が高いです。

自分一人で求人を探しているだけでは出会えない、魅力的な職場を紹介してもらえるチャンスがあります。より良い環境への転職を目指すなら、非公開求人を紹介してもらえるエージェントの活用は欠かせません。

履歴書の添削や面接対策のサポートを受けられる

書類選考や面接は転職活動の大きな壁ですが、転職エージェントはこれらの対策も手厚くサポートしてくれます。履歴書や職務経歴書の書き方について、採用担当者に響くアピールの仕方を具体的にアドバイスしてくれます。

また、面接でよく聞かれる質問や、効果的な答え方についての練習も行ってくれます。企業の内部情報にも詳しいため、それぞれの企業に合わせた面接対策ができるのも大きな強みです。一人で悩まずに準備を進められるので、安心して本番に臨めます。

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