未経験・無資格から医療事務は目指せる
医療事務の仕事は、医師や看護師とは異なり、就業にあたって法律で定められた必須資格が存在しません。そのため、未経験や無資格の状態からでも十分に目指すことができる職種です。
医療現場は常に人手を必要としており、意欲があれば採用されるチャンスは広がっています。実際に多くの人が異業種からの転職で医療事務としてのキャリアをスタートさせており、入社後の研修や実務を通じてスキルを身につけていくケースが一般的です。
専門的な資格は必要ない
医療事務には「医療事務技能審査試験」などの民間資格は存在しますが、これらはあくまでスキルの証明であり、働くための必須条件ではありません。多くの医療機関では、資格の有無よりも人物重視の採用を行っています。
実際に、業界・職種未経験者を採用する際に重視するポイントに関する調査では、「人柄・社風との相性」が79.1%と最も高く、スキルよりもポテンシャルが評価される傾向にあります。資格がないからといって諦める必要はなく、まずは応募してみることが大切です。
参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは「人柄・社風との相性」が8割近く。評価する能力では、9割の企業が「コミュニケーション能力」をあげる/株式会社学情のプレスリリース」
医療事務の給料はどれくらい?
医療事務の給料は、雇用形態や勤務する地域、病院の規模によって異なります。一般的には安定した収入が見込める職種ですが、専門職としての経験を積むことで昇給していく傾向があります。まずは相場を知り、キャリアプランを立てることが重要です。
医療事務の給料は300~350万円程度が相場
正社員として働く医療事務の平均年収は、およそ300万円から350万円程度が相場といわれています。初任給は他の事務職と比較して平均的な水準からスタートすることが多いですが、経験年数やスキルの向上に伴い昇給が期待できます。
また、勤務先の規模も給与に影響します。従業員規模別に給与額の推移を分析したデータによると、大企業の方が一貫して給与額が高く、中小企業と比較して約45,000円の差があることがわかっています。規模の大きな病院などは、基本給や手当が手厚い傾向にあります。
参照:「2023年版小規模企業白書/中小企業庁」
参照:「賃金構造基本統計調査 / 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種/政府統計の窓口」
勤務先や地域によって給与は変わる
医療事務の給与は、都市部と地方で地域差があるほか、勤務先が「総合病院」か「個人クリニック」かによっても変動します。都市部の病院や規模の大きな医療機関では、地域手当や職務手当が充実していることが多く、給与水準が高くなる傾向があります。
一方で、個人経営のクリニックなどはアットホームな環境が魅力ですが、賞与や手当の仕組みが病院ごとに大きく異なるため、事前に求人票の条件を細かく確認しておくことが大切です。
医療事務として働くことができる職場例
医療事務の活躍の場は多岐にわたります。主な勤務先として、個人経営のクリニック、規模の大きな総合病院や大学病院、調剤薬局、歯科医院などが挙げられ、それぞれ働き方や業務範囲が異なります。
個人経営のクリニック
街にある個人経営のクリニックは、少人数で運営されているため、スタッフ間の距離が近くアットホームな雰囲気が特徴です。
受付から会計、レセプト業務、電話対応、院内の清掃まで幅広い業務を任されることが一般的です。患者様とも顔なじみになりやすく、地域医療に貢献している実感を得やすい職場といえます。
総合病院・大学病院
多くの診療科を持つ総合病院や大学病院は、スタッフ数が多く、業務が分業化されているのが特徴です。
「受付担当」「会計担当」「病棟クラーク」など担当部署が分かれていることが多く、一つの業務に集中しやすい環境です。また、大手ならではの整った労働環境や制度が魅力となる場合が多いです。
調剤薬局
調剤薬局での医療事務は「調剤事務」とも呼ばれます。主な業務は、患者様から処方箋を受け取りデータ入力を行うことや、お薬手帳の確認、会計業務などです。
薬剤師と連携して仕事を進めるため、薬に関する基礎知識が身につくこともあります。病院に比べて診療科目が限定されないため、比較的落ち着いて業務に取り組める職場も多いです。
歯科医院
歯科医院での業務は「歯科医療事務」と呼ばれ、受付や会計といった一般的な事務作業に加え、歯科医師や歯科衛生士のサポートを行うこともあります。治療器具の準備や片付けなど、助手的な役割を兼務するケースも少なくありません。日常生活でも馴染みのある歯科医院は、自宅近くで求人を見つけやすいというメリットもあります。
医療事務の主な仕事内容

医療事務の仕事は、患者様への対応を行う「受付・会計」業務と、医療機関の収益に関わる「請求」業務の大きく2つに分けられます。正確性とスピード、そしてホスピタリティが求められる重要な役割です。
受付
病院の顔として、来院された患者様を最初にお迎えする業務です。診察券や保険証の確認、カルテの作成・準備、問診票の記入案内などを行います。体調が悪く不安な気持ちで来院される患者様に対し、笑顔で丁寧に対応し、安心感を持っていただくことが求められます。
また、待合室の状況を把握し、待ち時間が長くなる場合の案内など、気配りも重要になります。
電話対応
患者様からの診療予約や問い合わせ、他院からの連絡などに対応します。電話口では相手の表情が見えないため、通常よりも丁寧で明るいトーンでの対応が求められます。
特に予約の変更や症状に関する問い合わせには、聞き間違いがないよう正確に内容を把握し、必要に応じて医師や看護師にスムーズに取り次ぐ連携力が大切です。
会計
診療を終えた患者様から、診察代や薬代を受け取る業務です。カルテや診療内容に基づき計算された金額を提示し、金銭の授受を行います。
最近では自動精算機を導入する病院も増えていますが、操作方法の案内や、領収書・明細書の発行、処方箋の渡し間違いがないかの確認など、依然として人の手による最終チェックが欠かせない業務です。
レセプト(医療費の明細書)作成
レセプト作成は、医療事務の専門性が最も発揮される業務です。患者様が負担する以外の医療費(通常7〜9割)を、健康保険組合などの審査支払機関に請求するために「診療報酬明細書(レセプト)」を作成します。
カルテの内容と診療報酬点数表を照らし合わせ、間違いがないか厳密にチェックを行う必要があります。
カルテの管理
患者様の診療記録であるカルテ(診療録)を管理・整理する業務です。診察がスムーズに進むよう、予約の患者様のカルテを事前に準備したり、検査結果をファイリングしたりします。
近年は電子カルテの普及が進んでいますが、紙のカルテを使用している医院もまだあります。患者様の個人情報が詰まっているため、紛失や情報の漏洩がないよう、厳重な管理と高いコンプライアンス意識が求められます。
医療事務として働くときの注意点

医療事務はやりがいの大きい仕事ですが、専門的な知識が求められる場面や、医療現場特有の忙しさがあります。未経験から挑戦する際には、あらかじめ理解しておくべきいくつかの注意点があります。
専門用語が多いため、働きながら知識を増やし続ける必要がある
医療現場では、傷病名や薬の名前、手術の術式など、多くの専門用語が飛び交います。医師や看護師の指示を正しく理解し、レセプト業務を正確に行うためには、これらの知識が不可欠です。
最初は聞き慣れない言葉に戸惑うことも多いですが、日々の業務の中でメモを取ったり、参考書で調べたりと、地道なインプットを継続する姿勢が求められます。
2年に1度診療報酬の改定もあるので、毎年のように新しい知識を学ぶ必要がある
医療事務が扱う「診療報酬点数」は、国の制度により2年に1度、大きな改定が行われます。また、薬価基準の改定などは毎年行われることもあります。
これにより、今まで行っていた計算方法や請求のルールが変わることがあるため、常に最新の情報をキャッチアップしなければなりません。医療事務は一度覚えたら終わりではなく、時代の変化に合わせて知識をアップデートし続ける必要がある専門職です。
勤務先によっては休日が不規則になりやすい
クリニックなどの場合、土曜日の午前中も診療を行っていることが多く、完全な土日休みではないケースがあります。
また、入院施設のある総合病院では、救急対応や入院会計のためにシフト制が導入されており、土日祝日が出勤になることもあります。プライベートの時間を確保するためにも、応募する施設の休日体系をしっかり確認しましょう。
医療事務に向いている人の特徴

医療事務は事務処理能力だけでなく、対人スキルも重視される仕事です。どのような人が医療事務として活躍しやすく、また現場で重宝されるのか、代表的な特徴を紹介します。
話すより聞く方が得意で、相手の不安に寄り添える人
病院に来る患者様は、体調不良や怪我で不安な気持ちを抱えています。そのため、事務的に処理を進めるだけでなく、相手の話に耳を傾け、不安を和らげるような対応ができる人が求められます。
相手の表情や声のトーンから「何を求めているか」を察し、優しく声をかけることができるホスピタリティを持った人は、患者様から感謝される医療事務になれるでしょう。
細かい確認作業が得意な人
医療事務の仕事は、患者様の氏名や保険証の番号、診療報酬の点数入力など、細かな数字や情報のチェックの連続です。もし入力ミスがあると、レセプトが返戻され病院の収入が遅れたり、患者様に誤った金額を請求してしまったりと大きなトラブルに繋がります。
そのため、一つひとつの作業を丁寧に行い、ダブルチェックを怠らないような、正確な作業が得意な人に向いています。
気持ちの切り替えが早い人
医療現場は忙しく、時には待ち時間の長さなどで患者様からお叱りを受けることもあります。また、緊急の対応に追われることも少なくありません。
そんな時に、いつまでも落ち込んでしまうのではなく、「次はどうすれば良くできるか」と前向きに捉え、サッと気持ちを切り替えて次の患者様に笑顔で対応できるタフさも、長く働き続けるためには大切な要素です。
変化に柔軟に対応し、学び続けられる人
前述の通り、医療事務は2年に1度の診療報酬改定や、電子カルテなどの新しいシステムの導入など、環境の変化が多い職種です。「昔はこのやり方だったから」と固執せず、新しいルールや仕組みを柔軟に受け入れられる人が活躍できます。
変化を負担に思うのではなく、新しい知識を得ることを楽しめる知的好奇心旺盛な人にとって、非常にやりがいのある仕事です。
未経験・無資格から医療事務を目指す方法
未経験・無資格から医療事務になるには、いくつかのルートがあります。やみくもに応募するのではなく、採用担当者の視点を理解し、戦略的に活動することが内定への近道です。
「未経験OK」の求人に応募する
まずは求人サイトやハローワークで「未経験歓迎」「無資格OK」と記載されている求人を探しましょう。即戦力だけでなく、入社後に育てることを前提とした採用を行っている機関は数多く存在します。教育体制が整っている職場を選ぶのがポイントです。
自分の強みなどを整理し、面接で話せるよう準備をする
医療事務の経験がなくても、これまでのアルバイトや仕事で培った「接客経験」「パソコンスキル」「正確な事務処理能力」などは立派なアピール材料になります。
採用担当者は、スキルそのものよりも「長く働いてくれそうか」「職場の雰囲気に合うか」を見ています。なぜ医療事務になりたいのか、自分の強みをどう活かせるのかを言語化し、熱意を伝えられるよう準備しましょう。
未経験から目指すなら、未経験特化のエージェントサービスを使うのがおすすめ!
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