なぜ、人手不足の業界が増加しているのか
近年、ニュースなどで「人手不足倒産」や「採用難」という言葉を耳にする機会が増えています。実際に、多くの業界で慢性的な人材不足が叫ばれており、企業活動に支障をきたすケースも珍しくありません。なぜこれほどまでに人手不足が深刻化しているのでしょうか。
その背景には、日本が抱える構造的な社会問題や、産業構造の変化が大きく関わっています。ここでは、主な要因として挙げられる「少子高齢化」と「専門職の需要拡大」について解説します。
少子高齢化の影響で働ける人が減った
最大の要因は、少子高齢化による生産年齢人口の減少です。若年層の人口が減り続ける一方で、高齢者の割合が増加しており、物理的に「働く人」の絶対数が不足しています。これは一時的な現象ではなく、今後も長期的に続くと予測されています。特に、若手人材の確保は多くの企業にとってすぐに取り組む必要のある課題となっており、業界を問わず「採用したくても人が来ない」という状況が常態化しているのです。
専門性の高い職種も人手不足が続いている
もう一つの要因は、デジタル化や技術革新に伴う、専門的なスキルを持った人材への需要急増です。特にIT業界や建設業界などでは、高度な技術や資格を必要とする業務が多く、育成に時間がかかるため、急激な需要の増加に供給が追いついていません。
例えば、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、ITエンジニアの需要は爆発的に増えていますが、即戦力となる経験者は限られています。このように「仕事はあるのに、それをこなせるスキルを持った人が足りない」というミスマッチが、特定業界での深刻な人手不足を招いています。その結果、企業間での人材争奪戦が激化し、未経験者への門戸が広がるきっかけにもなっています。
人手不足の業界

では、具体的にどの業界で人手不足が深刻なのでしょうか。帝国データバンクの調査をもとに、人手不足の割合が高い業界をランキング形式で紹介します。(2025年10月時点)
これらの業界は、裏を返せば「採用意欲が非常に高い」業界でもあります。未経験からの転職を考えている方にとっては、採用のハードルが比較的低く、挑戦しやすい分野と言えるでしょう。それぞれの業界の特徴と現状を見ていきましょう。
1位:建設業
第1位は建設業です。都市の再開発や災害復旧工事、老朽化したインフラの更新など、仕事量は豊富です。しかし、職人の高齢化が進む一方で、若手の入職者が少ないことが大きな課題となっています。
さらに、2024年からは時間外労働の上限規制が適用されたことで、一人当たりの労働時間が減り、これまで以上の人数が必要となっています。そのため、給与水準の引き上げや休日の確保など、待遇改善に力を入れる企業が増えています。
2位:情報サービス業
第2位は、ソフトウェア開発やシステム提供を行う情報サービス業です。社会全体のデジタル化が進む中、システム開発やサーバー構築、セキュリティ対策などのニーズが急増しています。
しかし、プログラミングやシステム設計ができるエンジニアの数は圧倒的に足りていません。プロジェクトは豊富にあるものの、技術者が確保できずに受注を制限せざるを得ない企業も多く、未経験者向けの研修を充実させて採用を強化する動きが活発です。
3位:運輸・倉庫業
第3位は、トラックドライバーや倉庫作業員などの運輸・倉庫業です。ECサイトの利用拡大により、宅配便の取り扱い個数は増加の一途をたどっています。
しかし、ドライバーの高齢化と長時間労働の是正(2024年問題)により、運べる荷物の量が制限される危機にあります。このため、大手を中心に女性ドライバーの採用や、自動化設備の導入、労働環境の見直しが進められており、未経験者でも参入しやすい環境が整いつつあります。
4位:メンテナンス・警備・検査業
第4位は、ビルの設備管理や警備を行うメンテナンス・警備業です。商業施設やオフィスビルの増加、さらにはインフラの老朽化に伴い、点検や保守の需要は高まり続けています。
また、再開発工事現場での交通誘導や施設警備も常に必要とされています。現場での安全と安心を守る不可欠な仕事ですが、深夜勤務や屋外業務のイメージから敬遠されることもあり、恒常的な人手不足が続いています。
5位:金融業
第5位は金融業です。一見、人手不足とは無縁に見えるかもしれませんが、ここでも専門職不足が顕著です。フィンテック(金融×IT)の進展により、従来の銀行業務だけでなく、データ分析やシステム開発ができる人材が求められています。
また、複雑化する金融商品への対応や、コンプライアンス強化のための専門知識を持つ人材も不足しています。従来の「事務職」中心の採用から、専門スキル重視の採用へとシフトしている過渡期にあります。
参照:「人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月)/帝国データバンク」
人手不足の業界で未経験者が働きやすい理由

人手不足の業界と聞くと、「忙しそう」「激務なのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、これからキャリアを築こうとする未経験者にとって、これらの業界は非常に魅力的な選択肢となります。なぜなら、企業側が「未経験でも採用したい」という強い意欲を持っているからです。ここでは、人手不足の業界が未経験者にとって働きやすい具体的な理由を解説します。
未経験から働けるチャンスが大きいから
最大の理由は、採用のハードルが下がり、ポテンシャル採用が活発になっていることです。経験者が集まらない現状では、企業は「育てること」を前提に採用活動を行います。
データを見ても、業界・職種未経験者を採用する際に重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が87.1%で最多となっており、スキルよりも意欲や人物面が重視されていることがわかります。つまり、特別な資格や経験がなくても、「やる気」や「コミュニケーション能力」をアピールすることで、正社員として採用されるチャンスが十分に広がっているのです。

参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が最多。評価する能力トップは「コミュニケーション能力」/株式会社学情のプレスリリース」
人手不足が深刻になっている分、未経験から人を育てようとする企業も多いから
人手が足りない業界では、未経験者を早期に戦力化するための教育体制強化に力を入れています。先輩社員によるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)はもちろん、座学での研修や資格取得支援制度を充実させている企業が増えています。
「見て覚えろ」という古い体質から脱却し、マニュアルを整備したり、メンター制度を導入したりと、初心者が安心して働ける環境作りに投資しています。企業としても、せっかく採用した人材にすぐに辞められては困るため、定着率を上げるための丁寧な指導やフォローを行う傾向が強まっています。
未経験から働きやすい人手不足の業界と職種5選

それでは、人手不足の業界の中でも、特に未経験から挑戦しやすく、将来的にも需要が見込めるおすすめの職種を5つ紹介します。これらの職種は、求人数が多く、教育制度が整っている企業が多い傾向にあります。自分の興味や適性に合った仕事がないか、ぜひチェックしてみてください。
IT業界のエンジニア職
ITエンジニアは、専門知識が必要ですが、未経験採用が非常に活発です。プログラミングスクールに通わなくても、入社後の研修(数ヶ月間)で基礎から教えてくれる企業が多数存在します。
手に職をつけることができ、将来的にはフリーランスとしての独立や、さらなる高年収を目指すキャリアアップも可能です。論理的思考や地道な作業が得意な方に向いています。
建設業界の施工管理職
施工管理は、工事現場の「監督」として、スケジュール管理や安全管理を行う仕事です。実際に手を動かして工事をするわけではないため、体力的な負担は職人ほど大きくありません。
大規模なプロジェクトに関われるやりがいがあり、給与水準も比較的高めです。未経験でも、コミュニケーション能力や段取り力が評価されやすく、資格取得支援も手厚いのが特徴です。
物流業界のドライバー職
ネット通販の拡大で需要が尽きないドライバー職。普通免許があれば始められる軽貨物配送から、大型免許取得を支援してくれる長距離輸送まで、選択肢は多様です。
最近では、荷物の積み下ろしの負担を減らす工夫や、配送ルートの最適化など、働きやすさも向上しています。一人で黙々と作業することが好きな方や、運転が好きな方に最適です。
介護・福祉業界の介護職
高齢化社会において、最も安定した需要があるのが介護職です。無資格・未経験からスタートし、働きながら「介護職員初任者研修」や国家資格である「介護福祉士」の取得を目指せる環境が整っています。
人と接することが好きで、社会貢献性の高い仕事をしたい方におすすめです。景気に左右されにくく、長く安定して働ける点も魅力です。
製造業のメーカー・技術職
日本のものづくりを支える製造業も、若手人材を求めています。工場でのライン作業や機械オペレーター、品質管理など、業務は多岐にわたります。マニュアルが完備されていることが多く、未経験でも覚えやすい仕事が多いのが特徴です。
また、土日休みや長期休暇がしっかり取れる企業も多く、ワークライフバランスを重視したい方にも人気があります。
人手不足の業界だから仕事が不安…
「人手不足=ブラック企業なのでは?」と懸念される方もいるでしょう。確かに、人手が足りないことで現場に負荷がかかっているケースもゼロではありません。しかし、すべての企業がそうではなく、むしろ人手不足だからこそ待遇を良くしている企業も多いのが実情です。ここでは、よくある不安とその実態について解説します。
人手が足りないから、仕事量が多かったり、すぐに即戦力になることを期待されたら大変かも…
人手不足の現場では、一人当たりの業務量が増える傾向にあるのは事実です。しかし、多くの企業はその分「残業代を全額支給する」「賞与で還元する」といった対応をとっています。また、即戦力を期待されるかという点については、未経験採用枠であれば過度なプレッシャーを感じる必要はありません。
重要なのは、その忙しさが「一時的」なものか、「慢性的な搾取」なのかを見極めることです。最近では、業務効率化ツールを導入して残業時間を減らす取り組みも進んでいます。不安な場合は、面接時に残業時間の実績や教育体制について率直に質問してみるのも一つの手です。
人手不足の業界に未経験から挑戦するときのポイント
人手不足の業界はチャンスが多い反面、企業選びを間違えると、教育体制が整っていない職場に入ってしまうリスクもあります。未経験から安心して働き、キャリアを積んでいくためには、応募する企業をしっかりと見極めることが重要です。ここでは、求人を探す際にチェックすべき3つのポイントを紹介します。
企業規模だけではなく、教育制度も確認する
「大手なら安心」と思いがちですが、未経験者の場合は「教育制度の中身」がより重要です。中小企業であっても、マンツーマンの指導体制や外部研修への参加費補助など、成長支援に力を入れている会社はたくさんあります。
規模の大きさだけでなく、「入社後どのような研修があるか」「独り立ちまでどれくらいの期間を想定しているか」を確認しましょう。
離職率と平均勤続年数を確認する
企業の「働きやすさ」を客観的に判断する指標として、離職率と平均勤続年数は必ずチェックしましょう。人手不足の業界であっても、社員が長く定着している企業は、人間関係が良好だったり、評価制度が適正だったりと、働き続けるメリットがあるはずです。
逆に、常に大量の求人を出している企業や、離職率が極端に高い企業は注意が必要です。求人票に記載がない場合は、面接で質問するか、転職エージェントを通じて確認することをおすすめします。
固定残業代の金額と時間を確認する
給与条件を見る際、「固定残業代(みなし残業代)」が含まれているかどうかも重要なチェックポイントです。固定残業代とは、一定時間の残業を見込んであらかじめ給与に含める制度ですが、この時間が「40時間」「60時間」など極端に長い場合、長時間労働が常態化している可能性があります。
基本給と固定残業代の内訳をしっかり確認し、超過分の残業代が別途支払われる規定になっているかも確認しておきましょう。
就職・転職に失敗しないための対策として、転職エージェントを活用しよう
自分一人で業界を調べ、ホワイト企業を見極めるのは簡単なことではありません。特に未経験の業界への挑戦は、情報不足になりがちです。そこで活用したいのが転職エージェントです。
実は、転職活動において特に対策を行っていない人は、66.1%と過半数となっています。つまり、エージェントを使ってプロのサポートを受けるだけで、他のライバルに大きく差をつけ、成功率を高めることができるのです。

過去の支援実績から、企業の教育制度などを教えてくれる可能性が高い
転職エージェントは、多くの求職者を企業に紹介してきた実績があります。そのため、「実際にその会社に入社した人がどう成長しているか」「研修の実態はどうだったか」といった、求人票には載らないリアルな情報を持っています。
未経験者にとって最も不安な教育体制についても、過去の事例をもとに詳しく教えてくれるため、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
日程調整や面接対策など、面倒なことを全て代わりに行ってくれる
在職中やアルバイトをしながらの転職活動は、時間との戦いです。エージェントを利用すれば、面接の日程調整や企業との連絡、条件交渉などをすべて代行してくれます。
また、応募書類の添削や模擬面接など、選考通過率を上げるための具体的な対策も無料で行ってくれます。手間を大幅に削減し、自分は面接の準備やスキルアップに集中できる環境を作れるのは大きなメリットです。
あなたの話を聞いて、より活躍しやすい求人を紹介してくれることも
自分では「この仕事しかできない」と思い込んでいても、プロの視点から見れば「あなたの強みは、実はこの業界で高く評価される」というケースがよくあります。
エージェントはカウンセリングを通じてあなたの適性や志向性を深く理解し、自分では見つけられなかった「隠れた優良求人」を紹介してくれることがあります。視野を広げ、可能性を最大化するためにも、第三者のアドバイスは非常に有効です。
未経験からの挑戦なら、Zキャリアエージェント
数ある転職エージェントの中でも、未経験から人手不足の業界へ挑戦するなら「Zキャリアエージェント」がおすすめです。
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