「早めに対策すること」でひきこもりの社会復帰の実現に近づく
ひきこもりのうち74.8%が働きたいと考えている
内閣府の調査によると、ひきこもりの状態にある人のうち、実に74.8%が「働きたい」という意欲を持っていることがわかっています。これは、多くの人が社会とのつながりを断ちたいと心から願っているわけではなく、何らかのきっかけや不安、困難によって社会に出る一歩を踏み出せずにいる状態であることを示唆しています。
働きたいという気持ちは、社会復帰に向けた大きな原動力です。その気持ちを大切にしながら、自分自身のペースで、できることから少しずつ始めていくことが、社会復帰への道を切り拓く鍵となります。焦る必要はありません。あなたの中に眠る「働きたい」という思いを、具体的な行動に変えていくための方法を一緒に考えていきましょう。
参照:オンラインを活用したひきこもり支援の在り方に関する調査報告書|特定非営利活動法人 KHJ 全国ひきこもり家族会連合会
3年未満でひきこもりを脱する人は68.5%と高い割合になっている
ひきこもりの期間が長引くほど、社会復帰へのハードルが高くなる傾向にありますが、希望を失う必要はありません。調査によれば、ひきこもり期間が3年未満の割合は68.5%と、半数以上にのぼります。このデータは、数年のうちに復帰する方が少なくないことを示しています。ひきこもりの期間が短いほど、生活リズムの乱れや対人関係への恐怖心が深刻化しておらず、比較的スムーズに社会生活へ適応しやすいのです。
もし今、あなたがひきこもりの状態にあるのなら、「まだ大丈夫」と捉え、少しでも早く行動を起こすことが大切です。期間が長引いてしまったと感じる方も、諦めることはありません。時間はかかっても、適切なステップを踏めば社会復帰は十分に可能です。
参照:引きこもりの社会復帰は難しい?準備の方法やおすすめの職種を紹介|心療内科 精神科 赤羽すずらんクリニック
少しでも働きたい気持ちがあれば、ステップ別に行動することで社会復帰することができる
社会復帰と聞くと、すぐにフルタイムで働くことをイメージしてしまい、そのハードルの高さに圧倒されてしまうかもしれません。しかし、大切なのは、いきなり大きな目標を立てるのではなく、現在の自分にできることからスモールステップで始めていくことです。
この記事では、あなたの状況に合わせた3つの段階に分けて、具体的な行動ステップを紹介します。ほんの少しでも「社会とつながりたい」「働いてみたい」という気持ちがあれば、それがあなたの背中を押す力になります。焦らず、自分のペースで一歩ずつ進んでいくことで、着実に社会復帰へと近づくことができるでしょう。
社会復帰のためのステップ〜自室から出るのが難しい方へ〜

1.決まった時間に起き、必ずカーテンを開ける
社会復帰への第一歩は、生活リズムを整えることから始まります。ひきこもり生活が続くと、昼夜逆転してしまうことも少なくありません。まずは、毎日決まった時間に起きることを目標にしましょう。アラームをセットし、目が覚めたらすぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びることが重要です。
太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされ、心身のバランスを整える効果のあるセロトニンというホルモンが分泌されます。このセロトニンは、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化するため、自然な眠りにもつながります。最初はつらいかもしれませんが、この小さな習慣が、活動的な一日を送るための土台となり、次へのステップに進むための気力を生み出してくれます。
2.部屋の片付け・掃除を行う
心が乱れているとき、身の回りの環境も乱れがちです。部屋の状態は、自分の心の状態を映す鏡とも言えます。散らかった部屋を片付け、掃除をすることで、物理的な環境が整うだけでなく、心の中も整理され、思考がクリアになります。まずは、ゴミを捨てる、机の上を片付けるといった簡単なことからで構いません。一つ一つの作業に集中することで、達成感が得られ、自己肯定感を高めることにもつながります。
また、きれいになった部屋で過ごす時間は、心地よく、前向きな気持ちを育んでくれるでしょう。部屋を整えるという行動は、自分の生活を自分でコントロールしているという感覚を取り戻すための、有効なトレーニングになるのです。
3.自室のドアを少し開けてみる
自室は安心できる場所ですが、完全に閉ざされた空間は、あなたを社会から隔絶してしまいます。次のステップとして、自室のドアを少しだけ開けてみることに挑戦してみましょう。これは、物理的な壁だけでなく、心理的な壁を取り払うための小さな一歩です。ドアを開けることで、家族の声や生活音が聞こえ、家の中の空気の流れも感じられるようになります。
それは、あなたが一人ではなく、社会とつながる世界の中にいることを再認識させてくれるきっかけになります。最初は数センチでも構いません。慣れてきたら、少しずつ開ける幅を広げていきましょう。このささいな行動が、外部の世界に対する警戒心を和らげ、次のステップである「家の中での行動」へと自然につなげてくれます。
4.家族がいない時間に家の中での行動範囲を広げる
自室のドアを開けることに慣れたら、次は部屋の外に出てみましょう。ただし、いきなり家族と顔を合わせることに抵抗があるかもしれません。そこで、まずは家族が外出しているなど、家の中に誰もいない時間帯を狙って、自室以外の場所へ移動してみるのがおすすめです。リビングで過ごしてみたり、キッチンで飲み物を用意してみたり、お風呂やトイレに行ってみたりするなど、家の中での行動範囲を少しずつ広げていきましょう。
安心できる自分の家という環境の中で、自室以外の空間に慣れることが目的です。この経験を繰り返すことで、「自室の外も安全な場所だ」という認識が深まり、家族がいる時間帯でも部屋から出ることへの心理的なハードルが下がっていきます。
5.外部と間接的に繋がる
対面でのコミュニケーションに不安を感じる場合、まずはインターネットなどを通じて間接的に外部と繋がることから始めてみましょう。例えば、趣味に関するSNSを眺めたり、オンラインゲームに参加したり、好きな動画にコメントをしてみるのも良い方法です。直接的な会話はなくても、他者の考えや活動に触れることで、社会とのつながりを感じることができます。匿名性の高いインターネットの世界は、リハビリの場として有効に活用できます。
ただし、SNSでの誹謗中傷などネガティブな情報に触れすぎないよう注意が必要です。あくまで目的は、社会との接点を持つ感覚を取り戻すこと。無理のない範囲で、自分が心地よいと感じる方法で、少しずつ外部とのつながりを築いていきましょう。
社会復帰のためのステップ〜家から出るのが難しい方へ〜
1.窓や玄関から外を眺めてみる
家から出ることへの恐怖心や不安感が強い場合、最初の一歩は、まず外の世界を「見る」ことから始めましょう。自室やリビングの窓から、外の景色を眺めてみてください。人や車が動いている様子、天気や季節の変化などを観察することで、自分が住んでいる社会が動いていることを実感できます。慣れてきたら、玄関のドアを少し開けて、外の空気に触れたり、周囲の音に耳をすませてみたりするのも良いでしょう。
このステップの目的は、外の世界は危険な場所ではないと、視覚や聴覚を通して脳に認識させることです。家の中という安全な場所から、少しずつ外部環境に慣れていくことで、実際に外へ出るための心理的な準備を整えることができます。
2.ベランダなど自宅の敷地内に出てみる
窓から外を眺めることに慣れたら、次は実際に外の空気に触れてみましょう。ベランダや庭など、自宅の敷地内であれば、まだ「家の中」という安心感を保ちながら外に出る練習ができます。まずは数分間、外に出て深呼吸をしてみるだけでも大きな進歩です。太陽の光を浴びたり、風を感じたりすることで、心身ともにリフレッシュする効果も期待できます。
人目が気になる場合は、早朝や夜間など、人通りの少ない時間帯を選ぶと良いでしょう。この小さな成功体験は、「外に出ても大丈夫だった」という自信につながり、家の敷地の外へ一歩踏み出すための勇気を与えてくれます。焦らず、自分のペースで、外の環境に身体を慣らしていきましょう。
3.家のすぐそばまで歩いてみる
自宅の敷地内で過ごすことに抵抗がなくなったら、いよいよ敷地の外へ出てみましょう。最初の目標は、家のすぐそばまで歩いてみることです。例えば、「隣の家の前まで行って帰ってくる」「電柱まで触って戻ってくる」など、短い距離で構いません。目的は、家の外の地面を自分の足で歩くという感覚を取り戻すことです。
この時、無理に遠くまで行こうとする必要はありません。「ちょっと出て、すぐに安全な家に戻れる」という安心感が重要です。この短い外出を繰り返すことで、家の外に対する過剰な不安や恐怖が少しずつ和らいでいきます。成功体験を積み重ねることで、「自分は家の外に出られるんだ」という自信が芽生え、次のステップへの意欲が湧いてくるはずです。
4.近所に目的をもった外出をしてみる
ただ外を歩くだけでなく、何か具体的な目的を持って外出することは、社会復帰への大きな一歩となります。「自動販売機でジュースを買う」「ポストに手紙を出しに行く」「近所のコンビニで雑誌を立ち読みする」など、簡単で短時間で済む目的を設定してみましょう。目的があることで、外出への動機付けが明確になり、漠然とした不安を感じにくくなります。
また、店員さんとの「商品を袋に入れますか?」といった短いやり取りも、対人コミュニケーションの貴重なリハビリになります。最初は緊張するかもしれませんが、目的を達成することで得られる達成感は、自己肯定感を高め、さらに長い時間や距離の外出に挑戦する自信へとつながっていきます。
5.外出の時間と距離を伸ばす
近所への短い外出に慣れてきたら、少しずつ外出の時間と距離を伸ばしていくことに挑戦しましょう。例えば、今まで行っていたコンビニより、もう一軒先のスーパーまで行ってみる、近所の公園のベンチで5分間だけ過ごしてみる、といった具体的な目標を立てます。
大切なのは、無理のない範囲で少しずつ負荷を上げていくことです。昨日の自分より、少しだけ遠くへ、少しだけ長く。この小さな挑戦を繰り返すことで、行動範囲が着実に広がり、外出に対する自信が深まっていきます。体力がついてくることで、心にも余裕が生まれるでしょう。この段階まで来れば、社会との接点を持つことへの抵抗感もかなり薄れているはずです。
社会復帰のためのステップ〜外出はするが、対人交流がない方向け〜
1.図書館や公園など、人がいる空間に慣れる
外出はできるようになったものの、人と関わることにまだ不安がある場合、まずは人がいる空間に身を置く練習から始めましょう。図書館や公園、カフェなどは、多くの人がいながらも、それぞれが自分の時間を過ごしているため、直接的なコミュニケーションを求められることが少なく、安心して過ごせる場所です。本を読んだり、音楽を聴いたりしながら、周りの人々の存在に少しずつ慣れていきましょう。
目的は、他者がいる環境での緊張感を和らげ、社会の中に自分がいるという感覚を取り戻すことです。この経験を重ねることで、人がいる場所への苦手意識が薄れ、次のステップである「人とのつながり」へと進むための心の準備が整います。
2.共通の関心事で人と繋がる
人がいる空間に慣れたら、次は共通の関心事を通じて、他者と緩やかにつながる機会を持ってみましょう。例えば、好きな作家のトークイベントに参加する、地域の趣味のサークルを見学する、好きなゲームのオフラインイベントに行ってみるなど、自分の興味や関心を軸に場所を選ぶのがポイントです。共通の話題があれば、自然な形で会話が生まれやすく、コミュニケーションへのハードルが大きく下がります。
最初は話せなくても、同じ空間や体験を共有するだけで、一体感や安心感を得ることができます。このようなポジティブな対人経験を積み重ねることで、人との交流に対する自信が少しずつ育まれていくでしょう。
3.支援機関など、安心できる場で悩みを共有する
一人で社会復帰を目指すことに限界や不安を感じたら、専門的な支援機関に相談することを検討してみましょう。地域若者サポートステーション(サポステ)やひきこもり地域支援センターなど、公的な機関では、専門の相談員が無料でカウンセリングを行ってくれます。
こうした場所は、同じような悩みを抱える人々が集まる「居場所」を提供していることもあります。専門家や同じ境遇の仲間と悩みを共有することで、「悩んでいるのは自分だけではない」という安心感を得られ、客観的なアドバイスをもらうこともできます。自分の状況を理解してくれる安全な場所で思いを話すことは、心を軽くし、次の一歩を踏み出すための大きな力になります。
4.ボランティアなど、社会的な役割を体験する
ある程度の対人交流に慣れてきたら、ボランティア活動などに参加し、社会的な役割を体験してみるのがおすすめです。地域の清掃活動やイベントの手伝いなど、短時間で参加できるものから始めてみましょう。ボランティア活動では、「誰かの役に立っている」「社会に貢献している」という実感を得やすく、自己肯定感を高める絶好の機会となります。
また、共通の目的を持った仲間と協力して作業を行う中で、自然なコミュニケーションが生まれ、社会性を養うトレーニングにもなります。報酬が目的ではないため、仕事として働くことへのプレッシャーを感じずに、社会参加の経験を積むことができるのが大きなメリットです。
5.就労に向けて専門的な相談をする
ここまでのステップを経て、働くことへの意欲や自信が湧いてきたら、いよいよ就労に向けた具体的な準備を始めましょう。ハローワークや民間の就職支援サービスなどを活用し、専門のキャリアアドバイザーに相談するのが最も効果的です。これまでのブランクやひきこもりだった経緯を正直に話した上で、自分の適性や希望に合った仕事は何か、どんな働き方が可能なのかを一緒に考えてもらいましょう。
また、応募書類の作成や面接の練習など、一人では難しい就職活動のプロセスを具体的にサポートしてもらうことで、安心して選考に臨むことができます。専門家の力を借りることが、社会復帰という最終目標を達成するための確実な近道となります。
ひきこもりの社会復帰が難しい理由

生活リズムが乱れているから
ひきこもり生活が長期化すると、昼夜逆転など生活リズムが大きく乱れがちです。これにより、日中に活動するための気力や体力が低下し、社会復帰への第一歩を踏み出す意欲そのものが削がれてしまいます。
心や体に不調を抱えているから
うつ病や不安障害といった精神的な不調や、それに伴う頭痛、腹痛などの身体的な症状が、外出や人との交流を困難にしている場合があります。まずは医療機関に相談し、心身の状態を整えることが先決です。
ひきこもりであることにコンプレックスを感じ、就労する自信がないから
「長い間働いていない」「他の人より遅れている」といったコンプレックスから自己肯定感が低下し、「自分なんて雇ってくれるはずがない」と就労への自信を失ってしまい、行動を起こせなくなっているケースは少なくありません。
人と関わることに苦手意識があるから
過去のいじめや職場の人間関係のトラブルなどが原因で、人と関わることに強い恐怖心や苦手意識を抱えている場合があります。コミュニケーションへの不安が、社会に出ることへの大きな障壁となっています。
ひきこもりの状況に合った社会復帰のきっかけを探すことが大事
ひきこもりからの社会復帰には、決まった単一の正解があるわけではありません。ここまで紹介してきたように、その道のりは一人ひとりの状況や心の状態によって大きく異なります。自室から出ることが目標の人もいれば、すでに外出はできるものの就労に不安を抱えている人もいます。
大切なのは、画一的な方法に自分を無理やり当てはめるのではなく、現在の自分の状態を正しく理解し、今の自分に合ったきっかけやステップを見つけることです。焦って大きな目標を立てる必要はありません。小さな成功体験を一つひとつ積み重ねていくことが、自信を取り戻し、次のステップへ進むための最も確実な道筋となります。まずは「これならできそう」と思えることから始めてみましょう。
社会復帰後の選択肢
フルタイムで働くのは難しい方は、「非正規(アルバイト・派遣社員・契約社員)」として働いてみる
いきなり正社員としてフルタイムで働くことに不安を感じる方は、まずアルバイトや派遣社員といった非正規雇用の形態から社会復帰を始めるのがおすすめです。週2〜3日や1日4時間など、短い時間から働き始めることで、仕事の感覚や生活リズムを無理なく取り戻すことができます。
社会復帰のステップとして意図的に非正規を選ぶことには大きなメリットがあります。まずは体力面や精神面の負担が少ない働き方で社会に慣れ、自信がついた段階で正社員を目指すというキャリアプランも十分に考えられます。
参照:「令和6年版厚生労働白書概要―こころの健康と向き合う社会を目指して―/エデンレッド」
より早く自立して行きたい方は、「正社員」として働いてみる
ある程度の自信と意欲があり、経済的な自立を急ぎたい場合は、正社員としての就職を目指すのが良いでしょう。正社員は、非正規雇用に比べて収入が安定しており、福利厚生やキャリアアップの機会も充実しています。
もちろん、責任も大きくなりますが、安定した環境で腰を据えて働くことで、専門的なスキルを身につけ、長期的なキャリアを築いていくことが可能です。ひきこもり経験者を採用してくれる企業も増えているため、諦めずに挑戦する価値は十分にあります。
10代で勉強意欲がある方は、専門学校や大学に通ってみる
もしあなたが10代で、再び学ぶことへの意欲があるのなら、専門学校や大学への進学・復学も有力な選択肢の一つです。学びの場は、同世代との交流を通じてコミュニケーション能力を取り戻したり、新たな目標を見つけたりする良い機会となります。また、専門知識やスキルを身につけることは、将来の就職活動において大きな強みとなり、自信にもつながります。
学校卒業後の生涯賃金は、高卒と大卒で男女ともに約5,000万円もの差があるというデータもあり、学び直しは将来への大きな投資と言えるでしょう。まずはオープンキャンパスに参加したり、資料請求をしたりして、自分が興味を持てる分野を探すことから始めてみてはいかがでしょうか。
参照:「生涯賃金など生涯に関する指標/ユースフル労働統計2023」
ひきこもりが就職する方法
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、国が運営する無料で利用できる職業紹介機関です。全国各地に設置されており、地域に密着した求人情報が豊富なのが特徴です。
また、ひきこもり経験者や就労に困難を抱える人向けの専門相談窓口(わかものハローワークなど)も設置されており、専門の相談員によるカウンセリングや職業訓練の案内など、手厚いサポートを受けることができます。
公的機関であるため、安心して利用できるのが大きなメリットです。まずは情報収集の場として、あるいは専門家への相談の第一歩として、足を運んでみることをお勧めします。
リファラル(知人からの紹介)
リファラル採用とは、企業の社員や知人からの紹介を通じて応募する方法です。もともと信頼できる人からの紹介であるため、企業側も安心して採用しやすく、選考が有利に進む可能性があります。
また、事前に職場の雰囲気や仕事内容について詳しい情報を得られるため、入社後のミスマッチが起こりにくいという大きなメリットもあります。
もし、あなたのことを理解し、応援してくれる友人や親戚がいるのであれば、仕事を探していることを相談してみるのも一つの有効な手段です。ただし、人間関係が絡むため、合わなかった場合に断りづらいといった側面も考慮しておく必要があります。
民間の就職支援サービス
民間の就職支援サービス(転職エージェント)は、専門のキャリアアドバイザーが求職者一人ひとりの担当としてつき、カウンセリングから求人紹介、面接対策、入社後のフォローまでを一貫してサポートしてくれるサービスです。ひきこもりやニートの支援に特化したサービスも多く存在し、経歴に不安がある方でも応募可能な求人を多数保有しています。
調査によると、転職活動で利用した手段として「求人サイト等の民間サービス」は39.4%と、「ハローワーク等の公的機関」の34.3%を上回っており、多くの人が活用しています。プロの視点から客観的なアドバイスをもらえるため、効率的かつ安心して就職活動を進めることができます。
一番おすすめなのはリファラル採用を利用すること
企業の雰囲気や社員の人柄について知ることができる
リファラル採用の最大のメリットは、紹介者を通じて、求人票だけではわからないリアルな内部情報を得られることです。
例えば、「チームの年齢層はどれくらいか」「上司はどんな人柄か」「社内のコミュニケーションは活発か」といった、職場の雰囲気や人間関係に関する具体的な情報を事前に知ることができます。
ひきこもりから社会復帰するにあたり、人間関係は大きな不安要素の一つです。自分に合いそうな環境かどうかを判断した上で応募できるため、入社後の心理的な負担を大幅に軽減することが可能です。
仕事内容や評価制度、残業の実態などを知って、ミスマッチが起きにくくなる
仕事内容についても、紹介者から具体的な業務の流れや、求められるスキル、仕事のやりがいや大変な点などを詳しく聞くことができます。さらに、評価制度がどのように運用されているか、実際の残業時間はどれくらいかといった、公式には聞きにくい情報も得やすいのが特徴です。
これらの詳細な情報を踏まえて応募できるため、「思っていた仕事と違った」「こんなに残業が多いとは思わなかった」といった入社後のミスマッチを防ぐことができます。安心して長く働き続けるためには、こうした事前の情報収集が非常に重要になります。
選考を有利に進めやすい
企業側にとって、リファラル採用は信頼できる社員からの紹介であるため、応募者の人柄や能力に対する一定の信頼があります。そのため、通常の公募に比べて書類選考や一次面接を通過しやすい傾向にあります。
また、紹介者があなたの強みや人柄を事前に企業側に伝えてくれることで、面接でも好意的に評価されやすくなります。職務経歴にブランクがあるなど、経歴に自信がない場合でも、信頼できる人物からの推薦があるという点は、選考において大きなアドバンテージとなるでしょう。
入社後に相談相手がいて、精神的な負担が軽い
新しい職場に馴染むまでは、誰でも不安や戸惑いを感じるものです。特に、ひきこもりからの社会復帰の場合、そのプレッシャーは計り知れません。リファラル採用で入社した場合、社内に紹介者という気心の知れた相談相手がいることは、非常に大きな心の支えになります。
仕事でわからないことがあった時や、人間関係で悩んだ時に、気軽に相談できる人がいるだけで、精神的な負担は大きく軽減されます。この安心感が、職場への定着をスムーズにし、社会復帰を成功に導くための重要な要素となります。
でも仕事を紹介してくれるような知人もいないし、そもそも知人のいる場所で働きたくない…
リファラル採用には多くのメリットがありますが、誰もが利用できるわけではありません。そもそも「仕事を紹介してくれるような知人がいない」という方も多いでしょう。また、ひきこもりだった過去を知っている人がいる環境で働くことに、かえって抵抗を感じるという場合もあります。
そんな方には、次に紹介する「ハローワーク」や「民間のキャリアアドバイザー」といった、第三者の専門機関に頼るのがおすすめです。これらのサービスは、あなたのプライバシーを守りながら、客観的な視点であなたに合った仕事探しをサポートしてくれます。
ハローワークは日本で最も求人数が多い仕事紹介所だが、その分注意点もある
求人数が多すぎて管理しきれず、好ましくない求人が含まれていることがある
ハローワークは無料で求人を掲載できるため、日本で最も多くの求人情報が集まります。その一方で、企業の審査基準が比較的緩やかであるため、中には労働環境に問題がある、いわゆる「ブラック企業」の求人が紛れ込んでいる可能性もゼロではありません。
求人票の情報だけを鵜呑みにせず、面接で労働条件をしっかり確認したり、企業の評判を自分で調べたりするなど、慎重な判断が求められます。特に、社会人経験が少ない場合は、求人の良し悪しを見極めるのが難しいという側面があります。
膨大な求人から自分にマッチした会社を探すのが難しい
求人数の多さはメリットであると同時に、デメリットにもなり得ます。膨大な選択肢の中から、自分の希望や適性に本当にマッチした一社を見つけ出すのは、非常に根気のいる作業です。
特に、自分がどんな仕事に向いているのかわからない、どんな条件を優先すべきか決められない、といった状態では、情報量の多さに圧倒されてしまい、途方に暮れてしまうことも少なくありません。
ハローワークの職員に相談することも可能ですが、常に多くの利用者を抱えているため、一人ひとりに時間をかけた丁寧なマッチングが難しい場合もあります。
利用時間が限られており、足を運ぶ必要がある
ハローワークは公的機関であるため、基本的に平日の日中しか開庁していません。そのため、相談や求人検索をしたい場合は、その時間内に直接施設へ足を運ぶ必要があります。これは、まだ外出することに高いハードルを感じている人にとっては、大きな負担となる可能性があります。
また、求人への応募手続きや相談にも時間がかかることがあり、何度も通う必要が出てくるかもしれません。オンラインでサービスの一部を利用することも可能ですが、全てのサポートを受けるためには、来所が前提となる点に注意が必要です。
民間のキャリアアドバイザーがおすすめ

厳選した求人からあなたにぴったりのお仕事を紹介
民間の就職支援サービス(転職エージェント)は、ハローワークとは異なり、独自の基準で企業と取引をしています。キャリアアドバイザーは、事前に企業の労働環境や社風、求める人物像などを詳しくヒアリングしており、その中から厳選した求人のみを紹介してくれます。
そのため、ブラック企業に当たるリスクが低く、安心して応募することができます。また、あなたの希望やスキル、価値観などを丁寧にカウンセリングした上で、プロの視点から客観的にマッチする企業を提案してくれるため、自分一人で探すよりも効率的に、かつミスマッチの少ない仕事選びが可能です。
一人で進めるのが不安な書類作成から面接対策まで徹底サポート
転職活動において特に対策を行っていない人は、66.1%と過半数となっています。しかし、職歴にブランクがある場合、自己PRや志望動機の伝え方が採用を大きく左右します。民間のキャリアアドバイザーは、この点を熟知しており、あなたの強みや経験を効果的にアピールできる応募書類の作成をサポートしてくれます。
さらに、企業ごとに想定される質問に基づいた模擬面接など、実践的な選考対策も行ってくれます。一人では不安な就職活動の全プロセスにわたって、専門家が伴走してくれることは、何よりも心強いサポートとなるでしょう。

リモートで面談できるため、家から出るのが難しくても利用可能
多くの民間の就職支援サービスでは、電話やオンラインツールを活用したリモートでの面談に対応しています。そのため、まだ外出することに抵抗がある方でも、自宅にいながら専門的なサポートを受けることが可能です。
家という安心できる環境で、キャリアに関する相談や求人紹介、面接対策を進められるのは、ひきこもりからの社会復帰を目指す上で非常に大きなメリットです。
まずは自宅でのオンライン相談から始め、自信がついてきたら対面でのサポートに切り替えるなど、自分のペースに合わせて柔軟にサービスを利用することができます。
民間のキャリアアドバイザーから紹介してもらえる職種
工場・倉庫内作業員
工場や倉庫内での作業は、決められた手順に従って黙々と進めるルーティンワークが中心です。そのため、対人コミュニケーションの機会が比較的少なく、自分のペースで仕事に集中したい方に向いています。扱う製品の検品や梱包、ピッキングなど、未経験からでも始めやすい単純作業が多いのも特徴です。
特別なスキルや資格がなくても挑戦しやすく、社会復帰の第一歩として、仕事の感覚を取り戻すのに適した職種と言えるでしょう。体力が必要な場合もありますが、体を動かすことで心身の健康にも繋がります。
清掃員
清掃員の仕事も、基本的には一人で担当エリアを黙々と清掃することが多く、コミュニケーションの機会は限定的です。オフィスビルや商業施設、ホテルなど、働く場所は多岐にわたります。自分の仕事の成果が「きれいになった」という形で目に見えてわかるため、達成感ややりがいを感じやすいのが魅力です。
また、人と顔を合わせる機会が少ない時間帯の勤務を選べる場合も多く、対人関係に不安がある方でも安心して始めやすい仕事の一つです。
警備員
警備員の仕事は、施設やイベント会場での巡回、監視、出入管理などが主な業務です。決められたマニュアルに沿って行動することが多く、業務中は一人で持ち場を守ることが多いため、自分の役割に集中できます。人々の安全を守るという責任感のある仕事であり、社会に貢献している実感が得やすいのも特徴です。
研修制度が充実している企業が多く、未経験からでも必要な知識やスキルを身につけて働くことができます。規律を守り、真面目にコツコツと取り組むことが得意な方に向いています。
配送・配達員
配送・配達員の仕事は、トラックやバイクを運転し、指定された場所へ荷物を届けるのが主な業務です。運転中は一人の時間がほとんどで、対人コミュニケーションは荷物の受け渡しの際の短いやり取りに限られます。
そのため、人付き合いのストレスを感じにくい職種と言えます。自分のペースで仕事を進められ、日々の業務を完了することで達成感も得られます。普通自動車免許があれば始められる仕事も多く、体を動かすことが好きな方や、一人で行動するのが好きな方に適しています。
ITエンジニア
ITエンジニアは、プログラミング言語を用いてシステムやアプリケーションを開発する専門職です。スキルさえあれば、学歴や職歴のブランクがハンデになりにくいのが大きな特徴です。また、パソコンに向かって作業する時間が長く、比較的コミュニケーションの機会は少ない傾向にあります。
近年はIT人材の不足が深刻で、未経験者向けの研修制度を設けている企業も増えています。論理的思考が得意な方や、新しいことを学ぶ意欲がある方にとっては、将来性が高く、在宅勤務などの柔軟な働き方も目指せる魅力的な職種です。
データ入力・事務職
データ入力や一般事務の仕事は、パソコンを使って決められたフォーマットにデータを入力したり、書類の作成や整理を行ったりするのが主な業務です。社内での電話応対や来客対応が発生することもありますが、基本的にはデスクで集中して行う作業が中心となります。
正確性や集中力が求められる仕事であり、コツコツと地道な作業が得意な方に向いています。オフィスワークの経験を積むことで、他の職種へのキャリアチェンジの可能性も広がる、社会復帰に適した仕事の一つです。
ビルメンテナンス
ビルメンテナンスは、オフィスビルや商業施設などの設備(電気、空調、水道など)が正常に機能するように点検や保守を行う仕事です。専門的な知識や技術が必要ですが、未経験者でも研修を受けながら資格取得を目指せる企業が多くあります。
一度スキルを身につければ、安定して長く働くことができるのが魅力です。業務は少人数のチームや単独で行うことが多く、機械や設備と向き合う時間が長いため、対人コミュニケーションのストレスは比較的少ないと言えるでしょう。
ひきこもりから社会復帰したいと考えたらZキャリアに相談
ひきこもりやニートなど職歴に自信がない方に特化したサービスです
Zキャリアは、ひきこもりやニート、フリーターといった経歴に自信が持てない方々の就職支援に特化したサービスです。私たちは、職歴にブランクがあることへの不安や、社会復帰への戸惑いを深く理解しています。
そのため、一方的に求人を紹介するのではなく、まずは専任のキャリアアドバイザーがあなたのこれまでの経緯や現在の心境を丁寧にヒアリングすることから始めます。あなたのペースを尊重し、一人ひとりの状況に寄り添ったサポートを提供することで、安心して次の一歩を踏み出せるよう全力で支援します。
経歴不問、未経験OKの求人を豊富に取り揃えています
Zキャリアでは、学歴や職歴を問わない「経歴不問」や、社会人経験がなくても応募可能な「未経験OK」の求人を豊富に取り揃えています。これらは、人柄やポテンシャルを重視して採用を行っている企業がほとんどです。
ひきこもりだったという過去をコンプレックスに感じる必要はありません。私たちは、あなたの「働きたい」という気持ちを最大限に評価してくれる企業との出会いを創出します。書類選考で不利になりがちなあなたの魅力を、私たちが企業にしっかりと伝えることで、あなたの社会復帰を後押しします。まずはお気軽にご相談ください。