ニート生活は本当にやばい？将来のリスクと脱出するための5ステップ

ニート生活が「やばい」と言われるのはなぜ？

「ニートは楽でいいな」と言われることもあるかもしれませんが、実際には多くのリスクを抱えています。「やばい」と感じるその直感は、決して大げさなものではありません。ニート生活を続けることで、具体的にどのような問題が起こるのでしょうか。ニート生活が「やばい」と言われる理由は、以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

金銭的に自立できなくなる

ニートでいる間は、収入がない状態が続きます。収入がなければ、自分の力で生活していくことはできません。食費や光熱費、家賃といった生活に必要なお金はもちろん、友達と遊びに行ったり、趣味を楽しんだりするためのお金も自分で稼ぐことはできません。最初は家族からの援助や貯金を切り崩して生活できるかもしれません。

ですが、そのお金も無限にあるわけではありません。毎日少しずつ減っていく貯金残高を見るたびに、焦りや不安は大きくなっていくでしょう。お金がないと、新しい服を買ったり、好きなものを食べたりといった小さな楽しみさえ我慢しなければならなくなります。それだけでなく、病気や怪我をしたときの医療費や、将来のための貯金もできず、経済的に誰かに依存し続ける不安定な状態から抜け出せなくなってしまうのです。

社会的な信用を失ってしまう

安定した収入がない状態は、社会的信用が低くなることにつながります。社会的信用とは、簡単に言えば「この人は経済的に安定していて、約束を守れる人だ」という社会からの信頼のことです。この信用がないと、生活の様々な場面で不便が生じます。

例えば、クレジットカードを作ろうとしても、審査に通りにくくなります。ネットショッピングやキャッシュレス決済が主流の現代において、クレジットカードを持てないのは大きなデメリットです。また、一人暮らしをしようと思っても、アパートやマンションの入居審査で断られてしまうケースが多くあります。家賃を安定して支払える能力がないと判断されてしまうからです。さらに、将来的に車や家を購入したいと思っても、ローンを組むことは非常に困難です。このように、社会的信用がないと、生活の選択肢がどんどん狭まっていき、自立した生活を送ることが難しくなってしまいます。

働くためのスキルが身につかない

仕事を通じて得られるのは、給料だけではありません。同僚や上司、取引先とのやり取りで磨かれるコミュニケーション能力、パソコンの操作スキル、トラブルが起きた時の問題解決能力など、社会で生きていくために必要な様々なスキルを身につけることができます。ですが、ニート期間が長引くと、こうしたスキルや経験が身につかないまま時間だけが過ぎていきます。その間に、同年代の友人たちは社会でどんどん経験を積み、成長していきます。

久しぶりに会った友人の話についていけず、自分が取り残されているような焦りを感じることもあるかもしれません。この「空白期間」が長ければ長いほど、いざ就職しようと思ったときにアピールできるスキルや経験がなく、同年代のライバルとの差は開く一方です。企業側からも「この人は長く働いていないけれど、大丈夫だろうか」と懸念され、就職活動が不利に進んでしまう可能性があります。

心と体の健康を損なう可能性がある

ニート生活は、心身の不調につながるリスクも抱えています。社会との接点が極端に減ることで、人と話す機会がなくなり、孤独感や孤立感を深めてしまうことがあります。誰にも悩みを相談できず、一人で抱え込んでしまうと、精神的なストレスはどんどん大きくなっていきます。また、「将来どうしよう」「いつまでこの生活が続くんだろう」という未来への漠然とした不安は、知らず知らずのうちに心を蝕んでいきます。

その結果、自信を失い、何事にもやる気が起きない「うつ状態」に陥ってしまうケースも少なくありません。精神面だけでなく、身体面への影響も深刻です。昼夜逆転の不規則な生活や、運動不足、栄養の偏った食事などは、体力の低下や生活習慣病のリスクを高めます。心が元気でなければ体も不調になり、体が不調だと心も沈んでいくという悪循環に陥ってしまうのです。

このままニートを続けると起こる未来

今感じている「やばい」という気持ちから目をそらし、ニート生活を続けてしまうと、将来的にさらに厳しい状況に直面する可能性があります。時間が経てば経つほど、抜け出すためのハードルは高くなっていくのです。このままニートを続けた場合に起こりうる未来は、以下の通りです。

詳しく解説していきます。

年齢を重ねるほど就職が難しくなる

若いうちは、社会人経験がなくても「これからの成長に期待する」という「ポテンシャル採用」の枠で就職できるチャンスが多くあります。企業側も、若さや柔軟性、素直さなどを評価して採用してくれるのです。ですが、年齢を重ねるにつれて、企業が求めるものはポテンシャルから「即戦力となるスキルや経験」へと変化していきます。

30代、40代になると、職務経歴のない未経験者の採用に積極的な企業は残念ながら少なくなります。同じ未経験者であれば、より若い人材が選ばれるのが現実です。また、ニート期間、つまり職務経歴の「空白期間」が長ければ長いほど、面接でその理由を説明するのが難しくなります。「この期間、何をしていたのですか？」という質問に、採用担当者を納得させられるだけのポジティブな回答を用意するのは簡単ではありません。年齢が上がるほど、就職のハードルが上がるという現実は、ニートを続ける上で最大のリスクの一つと言えるでしょう。

周囲から孤立し孤独を感じやすくなる

ニート生活を始めたばかりの頃は、同じように学生だった友人たちと時間を合わせることができたかもしれません。ですが、時が経つにつれて、友人たちはそれぞれ就職し、新しい環境で自分の生活を築いていきます。平日の昼間は仕事があり、夜や休日は職場の同僚や恋人と過ごす時間が増え、だんだんと予定が合わなくなっていきます。

たまに会えたとしても、話題は仕事の悩みや職場の人間関係、将来のキャリアプランなどが中心になり、働いていない自分は話についていけず、疎外感を覚えてしまうかもしれません。友人が結婚したり、家庭を持ったりすると、その溝はさらに深まります。経済的な理由から、結婚式に呼ばれても参加をためらってしまうこともあるでしょう。こうして、かつては仲の良かった友人たちとも次第に距離ができ、気づいたときには社会的な孤立を深めることになってしまうのです。

家族に頼れなくなり生活が困窮する

現在は家族の収入に頼って生活できているとしても、その状況が永遠に続くわけではありません。家族もいつまでも若く、健康で働き続けられるわけではありません。いつかは定年退職を迎え、収入は年金だけになります。あるいは、病気や怪我で働けなくなってしまう可能性もあります。その時、自分に収入がなければどうなるでしょうか。親を支えるどころか、自分の生活さえ成り立たなくなってしまいます。

家族の介護が必要になった場合、経済的な負担はさらに大きくなります。「まだ大丈夫」と思っているうちに時間は過ぎていきます。いざ親に頼れなくなったときに、スキルも経験も貯金もない状態では、生活は一気に困窮し、経済的に行き詰まることになります。そうなる前に、自分の力で生きていくための準備を始めることが何よりも大切です。

ニートから抜け出すための具体的なステップ

「ニートを抜け出したいけれど、何から始めたらいいのかわからない」と感じるかもしれません。大丈夫です。いきなり高い目標を立てる必要はありません。社会復帰は、小さな一歩の積み重ねです。誰でも今日から始められる、具体的なステップを紹介します。ニートから抜け出すための具体的な行動は、以下の通りです。

詳しく見ていきましょう。

昼夜逆転した生活リズムを整える

社会復帰への第一歩は、まずは生活リズムを整えることです。多くの仕事は朝から始まるため、昼夜逆転した生活のままでは、面接に行くことはもちろん、働き始めることもできません。心と体のコンディションを整えることが、すべての基本になります。難しく考える必要はありません。

「明日はいつもより30分早く起きてみる」「起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる」といった、簡単な目標からでも大丈夫です。朝起きる時間を決めれば、自然と夜眠る時間も整ってきます。朝・昼・晩と、決まった時間に食事をとることも大切です。規則正しい生活は、体力を回復させ、前向きな気持ちを生み出す土台となります。いきなり完璧を目指さず、まずは「朝起きる」ことから始めてみましょう。それができたら、自分を褒めてあげてください。その小さな成功体験が、次の一歩につながります。

自分の好きなことや得意なことを考える

「どんな仕事がしたいですか？」と聞かれても、すぐには答えられないかもしれません。そんな時は、いきなり仕事を探すのではなく、自己分析から始めることが大切です。自己分析とは、簡単に言えば「自分を知る」作業のことです。まずは、これまでの人生を振り返ってみましょう。小学生の頃、夢中になったことは何ですか？部活動で楽しかった瞬間はどんな時でしたか？アルバイトの経験があるなら、どんな作業が得意でしたか？些細なことでも構いません。

「プラモデル作りに没頭した」「友達の話を聞くのが好きだった」「黙々と作業するのが苦ではなかった」など、なんでもノートに書き出してみましょう。書き出したものを見返すと、自分の興味の方向性や、隠れた強みが見えてきます。それが、自分に合った仕事を見つけるための大きなヒントになるのです。自分を責めるのではなく、自分の良いところを探すつもりで、気楽に取り組んでみてください。

短時間や簡単な仕事から探してみる

ニート期間が長いと、「いきなり正社員としてフルタイムで働くのは不安だ」と感じるのは当然のことです。その場合は、無理せず小さな成功体験を積むことから始めましょう。社会復帰へのリハビリとして、短時間のアルバイトや、1日だけの単発の仕事から探してみるのがおすすめです。

例えば、週に2〜3日、1日数時間だけのコンビニのアルバイトや、倉庫でのピッキング作業など、比較的始めやすい仕事はたくさんあります。目的は、お金を稼ぐことだけではありません。「決まった時間に起きる」「職場の人と挨拶を交わす」「指示された仕事をこなす」といった、働くことの基本的な感覚を取り戻すことが何よりも重要です。「時間通りに職場に行けた」「仕事をやり遂げられた」という小さな成功体験は、失いかけていた自信を取り戻すきっかけになります。「働くって、意外と大丈夫かも」と感じることができれば、正社員へのステップアップにも前向きになれるはずです。

ハローワークや就職サイトに登録する

ある程度生活リズムが整い、働くことへの意欲が湧いてきたら、具体的な情報を集め始めましょう。第三者のサポートを活用することで、一人で悩むよりもスムーズに就職活動を進めることができます。まずは、無料で利用できる公的な支援機関である「ハローワーク」に行ってみるのがおすすめです。ハローワークには、若者の就職を専門にサポートする「わかものハローワーク」が併設されていることもあります。求人情報の探し方から相談に乗ってくれるので、心強い味方になるでしょう。

また、自宅のパソコンやスマートフォンから、Zキャリアのような就職・転職サイトに登録してみるのも良い方法です。どんな求人があるのかを眺めているだけでも、「こんな仕事があるんだ」「この仕事なら自分にもできるかも」といった発見があります。すぐに選考に応募しなくても大丈夫です。まずは登録して、社会との接点を持つことが、大きな前進です。

ニートからでも挑戦しやすい仕事はある？

「社会人経験もスキルもない自分に、できる仕事なんてあるのだろうか」と不安に思うかもしれません。ですが、心配はいりません。世の中には、学歴や職歴を問わず、未経験者を積極的に採用している仕事がたくさんあります。ニートからでも挑戦しやすい仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。具体的には、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

人手不足で未経験者を歓迎する業界

世の中には、常に人手を必要としている業界があります。そうした業界では、未経験歓迎の求人が多い傾向にあり、ニートから社会復帰を目指す人にとっては大きなチャンスです。代表的な業界としては、「介護業界」「建設業界」「運輸業界」「飲食業界」などが挙げられます。これらの業界は、社会を支える上でなくてはならない重要な仕事でありながら、人手不足が課題となっています。そのため、経験よりも「やる気」や「人柄」を重視して採用する企業が多いのが特徴です。

また、IT業界も急速な成長に伴い、エンジニアなどの専門職で人手不足が続いています。中には、未経験者を対象とした研修制度を充実させ、ゼロからプロに育て上げることを前提とした採用を行っている企業も少なくありません。やる気次第で専門スキルを身につけ、キャリアアップを目指せる魅力的な選択肢の一つです。

コミュニケーションが少ない黙々の作業

「人と話すのが苦手」「ブランクがあって、うまくコミュニケーションが取れるか不安」という人もいるでしょう。その場合は、一人で集中できる仕事から探してみるのがおすすめです。必要最低限のコミュニケーションで完結する仕事は、意外と多く存在します。

例えば、工場の製造ラインでの部品の組み立てや検品、倉庫内での商品の仕分け（ピッキング）や梱包作業、オフィスビルの清掃、パソコンでのデータ入力などが挙げられます。これらの仕事は、決められた手順に従って正確に作業を進めることが求められるため、コツコツと真面目に取り組める人に向いています。もちろん、業務上の報告や連絡といった最低限のコミュニケーションは必要ですが、接客業のように常に不特定多数の人と関わるわけではありません。自分のペースで仕事に集中したい、対人関係のストレスをなるべく避けたいという人にとって、働きやすい環境と言えるでしょう。

体を動かすことが中心の仕事

じっと座っているデスクワークよりも、体を動かすのが好きな人向けの仕事もたくさんあります。学歴や職歴よりも、体力や真面目さが評価されることが多いのが特徴です。例えば、トラックや配送車を運転して荷物を届ける「配送ドライバー」は、運転中は基本的に一人の時間なので、自分のペースで仕事を進めやすいです。

お客様の荷物を運ぶ「引越しスタッフ」や、建設現場で働く「作業員」も、体を動かすことが仕事の中心です。これらの仕事は、目に見えて成果が分かりやすく、体を動かして汗を流すことで達成感を得やすいという魅力があります。「勉強は苦手だけど、体力には自信がある」「体を動かして社会の役に立ちたい」という人にとっては、大きなやりがいを感じられる仕事になるでしょう。

研修制度が充実している会社

スキルや経験に自信がない場合、入社後の研修が手厚い会社を選ぶのが、安心して社会復帰するための重要なポイントです。未経験者の採用に積極的な企業は、入社後にしっかりと仕事を教える体制を整えていることが多くあります。求人情報を見る際には、「未経験者歓迎」という言葉だけでなく、「研修制度あり」「OJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）充実」「資格取得支援制度あり」といったキーワードに注目してみましょう。これらの記述がある企業は、社員を育てることに力を入れている証拠です。

入社後、まずは座学で会社のルールや仕事の基礎を学び、その後、先輩社員がマンツーマンで指導してくれるような環境であれば、ブランクがあっても安心して仕事に慣れていくことができます。焦らず自分のペースでスキルを身につけられる会社を選ぶことが、長く働き続けるための秘訣です。

一人での就職活動が不安なら

ここまで、ニートから抜け出すためのステップや仕事の探し方について解説してきましたが、「それでもやっぱり、一人で就職活動を進めるのは不安だ」と感じる人も多いでしょう。その気持ちは、決して特別なことではありません。そんな時は、一人で抱え込まず、誰かの力を借りることが大切です。一人での就職活動に不安がある場合の対処法は、以下の通りです。

詳しく見ていきましょう。

家族や身近な信頼できる人に話す

就職活動への第一歩として、まずは身近な人に相談することから始めてみましょう。家族や親しい友人など、信頼できる人に「就職しようと思っているんだけど、不安なんだ」と打ち明けてみてください。自分の気持ちを言葉にして誰かに伝えるだけでも、頭の中が整理され、心が少し軽くなるものです。

心配してくれている家族は、就職に向けて動き出そうとしていることを知れば、きっと喜んで応援してくれるでしょう。また、友人からは、働いているからこそのリアルなアドバイスがもらえるかもしれません。一人で悶々と悩んでいると、どんどんネガティブな考えに陥りがちです。誰かに話すことで、客観的な意見をもらえたり、自分では気づかなかった視点を得られたりすることもあります。応援してくれる人がいるという事実は、就職活動を進める上での大きな心の支えになります。

公的な就労支援機関を利用する

身近な人には相談しづらい、もっと専門的なアドバイスが欲しいという場合は、無料で利用できる公的機関を頼るのがおすすめです。国や自治体は、若者の就職をサポートするための様々な窓口を設けています。代表的なのが「ハローワーク（公共職業安定所）」です。仕事の紹介だけでなく、職業相談や応募書類の添削、面接の練習など、幅広い支援を無料で受けることができます。

また、おおむね35歳未満の若者を対象とした「ジョブカフェ（わかものハローワーク）」では、よりきめ細やかなカウンセリングやセミナーが実施されています。さらに、働くことに悩みを抱える15歳から49歳までの人を対象とした「地域若者サポートステーション（サポステ）」もあります。ここでは、就職に向けた個別のプランを作成し、コミュニケーション訓練や職場体験などを通じて、社会に出るまでを継続的にサポートしてくれます。こうした機関を積極的に活用しましょう。

転職エージェントに相談してみる

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