ニートから公務員になるには？高卒向けに試験や面接対策を解説

ニートからでも公務員になれる！その理由を解説

「ニートの状態から、安定した公務員なんて目指せるわけがない」と諦めていませんか。実は、ニートから公務員になることは十分に可能です。その理由について、以下の項目で解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

年齢要件を満たせば受験できる

公務員試験は年齢要件さえクリアしていれば、これまでの経歴に関係なく誰でも挑戦できます。民間企業の採用では、職歴の空白期間が不利になることもありますが、公務員試験では、試験の点数が最も重視されるため、平等なスタートラインに立てるのが大きな特徴です。

例えば、多くの市役所では高卒程度の試験を10代後半から21歳前後、大卒程度の試験を22歳から30歳前後まで受験可能としています。警察官や消防官なども同様に年齢要件が定められており、この範囲内であれば、ニートであった期間は関係ありません。「ずっと働いていなかったから…」と自信をなくす必要は全くありません。大切なのは「これからどうしたいか」という気持ちです。まずは、自分が目指したい公務員の募集要項をチェックして、年齢要件を確認することから始めてみましょう。

学歴や職歴を問わない試験が多い

多くの公務員試験は学歴不問で、職歴がなくても受験できます。「高卒程度」「大卒程度」といった区分は、あくまで試験問題の難易度を示す目安であり、その学歴がないと受験できないという意味ではありません。つまり、最終学歴が高校卒業でも、「大卒程度」の試験に挑戦することは可能です。もちろん、難易度は上がりますが、試験対策をしっかり行えば合格も夢ではありません。

特に「高卒程度」の試験は、高校で学んだ基礎的な内容が中心となるため、ニート期間中に勉強に集中できる環境を活かせば、効率的に学習を進めることができます。採用の過程で過去の経歴が全く見られないわけではありませんが、最も重要なのは筆記試験と面接試験の結果です。職歴がないことをコンプレックスに感じるのではなく、「これから地域社会に貢献したい」という強い意欲をアピールすることが、合格への鍵となります。

ニートから公務員を目指すメリット

ニートの状態から公務員を目指すことには、将来の安定につながる大きなメリットがあります。具体的には以下の3つのメリットが挙げられます。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

安定した収入と福利厚生を得られる

公務員になる最大のメリットの一つは、景気に左右されない安定した収入です。民間企業のように業績によって給料やボーナスが大きく変動することがなく、毎年着実に昇給していくため、長期的な人生設計を立てやすいのが魅力です。

例えば、将来家庭を持ちたい、趣味にお金を使いたい、といった目標がある場合、安定した収入は大きな心の支えになります。また、家賃補助や通勤手当といった各種手当や、健康保険、年金などの福利厚生も非常に充実しています。さらに、育児休業や介護休業といった制度もしっかり整備されているため、ライフステージが変化しても安心して働き続けることが可能です。ニート生活で感じていた将来への金銭的な不安を解消し、安定した生活基盤を築くことができるでしょう。

社会に貢献している実感を持てる

公務員の仕事は、地域住民の生活を支える仕事であり、社会に直接貢献しているという大きなやりがいを感じることができます。営利を目的とする民間企業とは異なり、公共の利益のために働くことが使命です。

例えば、市役所の職員であれば、住民票の発行や福祉サービスの案内を通じて、人々の暮らしを直接サポートします。警察官であれば、地域のパトロールや事件の捜査を通じて、街の安全を守ります。消防官であれば、火災や救急の現場で人々の命を救います。自分の仕事が誰かの役に立っている、社会をより良くしているという実感は、何物にも代えがたい喜びです。ニート生活の中で「自分は社会の役に立っていないのでは」と感じていた人にとって、公務員の仕事は自己肯定感を高め、働くことへの誇りを取り戻すきっかけになるでしょう。

倒産やリストラの心配が少ない

公務員は、法律によってその身分が保障されています。そのため、民間企業で起こりうるような、会社の倒産や業績悪化によるリストラ（解雇）の心配がほとんどありません。この「雇用の安定性」は、精神的な安心感に大きくつながります。一度採用されれば、定年まで安定して働き続けることができるという見通しが立つため、目の前の仕事にじっくりと腰を据えて取り組むことができます。長期的な視点でキャリアを形成し、専門的なスキルや知識を深めていくことが可能です。

将来に対する漠然とした不安を抱えながら働くのではなく、安定した環境で自分の成長に集中できることは、大きなメリットと言えるでしょう。特に、ニート生活から社会復帰を目指す上で、再び職を失うかもしれないという不安を感じずに済む点は、非常に心強いはずです。

ニートから公務員を目指すデメリット

魅力的なメリットがある一方で、ニートから公務員を目指す際には知っておくべきデメリットも存在します。対策を考えるためにも、以下の項目を事前に確認しておきましょう。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

筆記試験の勉強に時間が必要になる

公務員になるためには、筆記試験の突破が必須です。この試験は科目数が多く、出題範囲も広いため、合格には相応の学習時間が必要になります。特に、法律や経済、数学といった、これまであまり触れてこなかった分野の勉強が必要になる場合も多いでしょう。学校を卒業してから時間が経っていると、勉強の習慣を取り戻すこと自体が大変に感じるかもしれません。毎日コツコツと学習を続ける強い意志と、計画性が求められます。

ですが、見方を変えれば、ニート期間は誰にも邪魔されずに勉強に集中できる絶好の機会と捉えることもできます。社会人として働きながら試験勉強をする人に比べて、学習時間を確保しやすいというアドバンテージがあります。この時間を有効活用できるかどうかが、合格の分かれ道になると言えるでしょう。

面接で空白期間の説明が求められる

筆記試験を通過すると、次に待っているのが面接試験です。面接では、人柄やコミュニケーション能力、仕事への意欲などが評価されますが、ニートだった期間について質問される可能性は非常に高いと考えておくべきです。この質問に対して、しどろもどろになったり、ネガティブな印象を与えたりしてしまうと、合格が遠のいてしまいます。なぜ働いていなかったのか、その期間に何を考え、何をしていたのかを、正直かつ前向きに説明するための準備が不可欠です。

例えば、「自分自身の将来についてじっくり考える時間が必要でした。その中で、地域社会に貢献したいという強い思いが芽生え、公務員を目指すことを決意しました」といったように、空白期間を目標設定のための重要な期間だったと位置づけることが大切です。ただ遊んでいた、何もしていなかったという印象を与えないよう、説得力のあるストーリーを用意しておきましょう。

副業が原則として禁止される

公務員は、法律によって原則として副業が禁止されています。これは、職務に専念する義務があり、特定の企業や団体との利害関係を持つことで公務の公正さが損なわれることを防ぐためです。「本業の給料だけでは少し心もとない」「将来は自分のスキルを活かして副収入を得たい」と考えている場合、この点は大きなデメリットに感じるかもしれません。民間企業では副業を認める会社が増えているため、働き方の自由度という点では見劣りする可能性があります。

ただし、不動産投資や株式投資、家業の手伝いなど、一定の条件を満たせば認められるケースもあります。ですが、基本的には公務員としての給料のみで生計を立てていくことになります。将来のキャリアプランを考える上で、副業ができないという制約をあらかじめ理解しておくことが重要です。

ニートから目指せる公務員の仕事の種類

「公務員」と一口に言っても、その仕事内容はさまざまです。ここでは、特にニートの状態からでも、高卒程度の学力で目指しやすい代表的な公務員の仕事を紹介します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

市役所・区役所の職員

住民に最も身近な行政サービスを提供するのが、市役所や区役所の職員（地方公務員）です。戸籍や住民票の管理、税金の受付、福祉に関する相談対応など、人々の生活に欠かせない業務を担います。仕事内容は多岐にわたり、数年ごとに部署異動があるため、幅広い知識やスキルを身につけることができます。

デスクワークが中心の部署もあれば、地域のイベント企画や施設の管理などで外に出る機会が多い部署もあります。多くの自治体で、高校卒業程度の学力を対象とした「初級」や「Ⅲ類」といった採用試験が実施されており、未経験からでも挑戦しやすいのが特徴です。地域に密着し、人々の暮らしを直接支えたいという思いがある人に向いている仕事と言えるでしょう。

警察官

地域の安全と秩序を守るという強い使命感を持って働くのが警察官です。交番での勤務をはじめ、交通違反の取り締まり、事件発生時の捜査、地域の防犯活動など、その仕事は多岐にわたります。正義感が強く、困っている人を助けたいという気持ちがある人にとって、非常にやりがいのある仕事です。デスクワークよりも体を動かす仕事が多く、厳しい規律や訓練を乗り越えるための体力と精神力が求められます。採用試験は都道府県ごとに行われ、筆記試験に加えて体力検査も実施されます。

ニート期間中に体力が落ちている場合は、勉強と並行してトレーニングに励むことも重要です。人々の平和な日常を守るという誇り高い仕事に魅力を感じるなら、挑戦する価値は十分にあります。

消防官

火災や自然災害、事故現場から人々の命を守る最前線で活躍するのが消防官です。消火活動はもちろん、ケガ人や病人を病院へ搬送する救急活動、火災を未然に防ぐための予防活動なども重要な任務です。いつ出動要請があるかわからない緊張感の中で、仲間とチームワークを発揮して活動します。極限状況下で冷静な判断を下す精神力と、過酷な現場で活動するための強靭な体力が不可欠です。

採用は各市町村の消防本部ごとに行われ、警察官と同様に体力検査が重視されます。「人の命を救いたい」という純粋で強い思いを持つ人にとって、これ以上ないほどやりがいを感じられる仕事です。厳しい訓練を乗り越え、誰かのヒーローになりたいという夢を実現できるかもしれません。

自衛官

日本の平和と独立を守るという、非常にスケールの大きな役割を担うのが自衛官です。陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊があり、それぞれが専門的な領域で国の防衛にあたっています。有事の際の防衛活動だけでなく、地震や豪雨などの自然災害が発生した際には、被災地での人命救助や復旧支援活動にもあたります。近年では海外での平和維持活動など、国際的な貢献の機会も増えています。

自衛官になるには、集団生活への適応や厳しい規律を守ることが求められます。団体行動が得意で、国という大きな単位で社会に貢献したいという志を持つ人に向いている仕事です。ニート生活で失いがちな規則正しい生活リズムを取り戻すきっかけにもなるでしょう。

ニートから公務員試験に合格するためのポイントは？

ニートの状態から公務員試験という高いハードルを越えるためには、戦略的に準備を進めることが重要です。合格の可能性を高めるための具体的なポイントについて解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

まずは目標とする試験を決める

やみくもに勉強を始めないことが、合格への第一歩です。公務員試験は種類が多く、目指す職種や自治体によって試験日、試験科目、難易度が大きく異なります。まずは「どんな仕事がしたいか」「どこで働きたいか」を考え、目標を一つに絞りましょう。目標が決まったら、その試験の公式ウェブサイトなどで募集要項を詳しく確認します。受験資格、試験日程、試験科目を正確に把握することで、初めて具体的な学習計画を立てることができます。

例えば、「地元に貢献したいから市役所職員を目指そう」と決めれば、その市役所の過去問を取り寄せ、出題傾向を分析することができます。ゴールが明確になることで、モチベーションも維持しやすくなるはずです。

毎日少しずつでも勉強を続ける

学習の習慣化が合格への近道です。公務員試験の範囲は広大で、一夜漬けで対応できるものではありません。大切なのは、毎日少しずつでも着実に知識を積み重ねていくことです。「今日は気分が乗らないから」と一日休んでしまうと、その遅れを取り戻すのは大変ですし、学習リズムが崩れてしまいます。最初は1日30分でも構いません。

まずは毎日必ず机に向かい、参考書を開くという習慣をつけましょう。ニート期間中は、比較的時間の融通が利きやすいはずです。午前中は教養科目、午後は専門科目、といったように自分なりのタイムスケジュールを立てて、生活の中に勉強を組み込んでしまうのがおすすめです。継続は力なり、という言葉を信じて取り組みましょう。

面接練習をしっかり行う

多くの受験生が、筆記試験の対策に追われて面接準備をおろそかにしがちです。ですが、人物重視の傾向が強まっている近年の公務員試験において、面接は合否を分ける極めて重要な関門です。筆記試験で高得点を取っても、面接での評価が低ければ不合格になってしまいます。

特に、ニート期間があった場合、面接官が納得できるような説明をするためには、入念な準備と練習が不可欠です。まずは、自己分析をして自分の長所や短所を把握し、「なぜ公務員になりたいのか」「なぜこの自治体なのか」といった基本的な質問への答えを固めましょう。その上で、家族や友人に面接官役を頼んだり、地域の就職支援センターなどで模擬面接を受けたりして、人前で話すことに慣れておくことが大切です。

空白期間を前向きに説明する

面接で必ず聞かれるであろう空白期間についての質問を強みに変える発想が重要です。ニートだったことを隠したり、嘘をついたりするのは絶対にやめましょう。正直に事実を話した上で、それをどう乗り越え、今にどう繋げているかをアピールすることが大切です。大切なのは、「何をしていなかったか」ではなく「何を考え、何を学んだか」を語ることです。「社会経験の不足を痛感し、自分に何ができるかを真剣に考えた結果、多くの人の役に立てる公務員の仕事に魅力を感じた」というように、反省と目標への意欲を結びつけて話すと良いでしょう。

さらに、「この空白期間があったからこそ、勉強に集中して取り組むことができ、合格を目指せる状況にある」と伝えれば、逆境をバネにできるポジティブな人材であることを印象付けられます。ピンチをチャンスに変える前向きな姿勢で、面接官の心を掴みましょう。

公務員以外の道も考えてみませんか？

公務員は非常に魅力的な選択肢ですが、安定した仕事は公務員だけではありません。試験勉強に苦戦したり、思うように進まなかったりしたときのために、少し視野を広げてみることも大切です。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

民間企業にも安定した仕事はある

公務員だけが安定の選択肢ではないということを知っておきましょう。民間企業の中にも、景気の波に左右されにくい安定した業界や会社はたくさんあります。例えば、電気・ガス・水道・鉄道といった、人々の生活に欠かせないサービスを提供する「インフラ業界」は、非常に安定性が高いことで知られています。また、食品や医薬品など、生活必需品を扱うメーカーも同様です。

これらの業界は、未経験者を歓迎している求人も多く、充実した研修制度で一から育ててくれる企業も少なくありません。公務員試験の勉強で培った社会常識や知識が、民間企業の選考で役立つこともあります。最初から選択肢を狭めず、世の中には多様な安定した仕事があることを理解しておきましょう。

まずは視野を広げて求人を見てみる

選択肢を一つに絞らず可能性を探ることが、後悔しない仕事選びのコツです。公務員試験の準備は続けつつ、息抜きも兼ねて転職サイトなどでどのような求人があるのかを眺めてみることをおすすめします。「自分にはこんな仕事も向いているかもしれない」「この業界は面白そうだ」といった、新たな発見があるかもしれません。

特に、ニートからの就職をサポートしている転職サイトでは、「未経験歓迎」「学歴不問」「人柄重視」といった求人が多く見つかります。求人情報を見ているうちに、自分が仕事に何を求めているのかが明確になることもあります。「安定」が第一だと思っていたけれど、実は「成長できる環境」や「好きなことに関われる仕事」にも魅力を感じる、といった自己分析にもつながります。

Zキャリアのエージェントに相談してみよう

「公務員と民間のどちらを目指すべきか分からない」「自分にどんな仕事が向いているのか客観的な意見がほしい」もしそう思うなら、一人で悩まずにキャリアのプロに相談するのが一番の近道です。Zキャリアのような転職エージェントは、数多くの求職者の相談に乗ってきたプロフェッショナルです。これまでの経験や価値観を丁寧にヒアリングした上で、一人ひとりに合ったキャリアプランを一緒に考えてくれます。公務員試験の面接対策で重要な「空白期間の説明の仕方」なども、民間企業の面接の視点から具体的なアドバイスをもらえるでしょう。相談したからといって、必ずしも転職する必要はありません。まずは情報収集の一つとして、気軽に話を聞いてみるだけでも価値があります。

Zキャリアは、ニートからの社会復帰を目指す若者を全力でサポートしています。あなたの不安や悩みに寄り添い、自信を持って次の一歩を踏み出せるよう、私たちが伴走します。