- 実務者研修が免除される資格の種類
- 資格によって免除される科目や時間
- 研修が免除されるメリット(費用・期間)
- 研修費用を抑えるための公的制度
- 免除申請時の注意点
介護福祉士の実務者研修が免除になるって本当?
介護福祉士を目指す上で「実務者研修」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。この研修について、免除されるケースがあるのか、詳しく見ていきましょう。具体的には以下の項目について解説します。
- 実務経験ルートでの受験には実務者研修が必須
- 実務者研修修了で国家試験の実技試験が免除される
- 持っている資格で研修科目が一部免除される
各項目について、詳しく解説していきます。
実務経験ルートでの受験には実務者研修が必須
介護福祉士の国家試験を受ける方法はいくつかありますが、働きながら資格取得を目指す「実務経験ルート」が一般的です。このルートで受験する場合、「3年以上の実務経験」に加えて、「実務者研修の修了」が必須条件となっています。
つまり、介護の現場でどんなに長く働いていても、実務者研修を修了しなければ介護福祉士の試験は受けられません。介護福祉士は介護系資格の中で唯一の国家資格であり、キャリアアップのためには避けて通れないステップと言えるでしょう。
実務者研修修了で国家試験の実技試験が免除される
介護福祉士の国家試験には、「筆記試験」と「実技試験」があります。しかし、実務者研修を修了していると、この「実技試験」が免除されます。実技試験は、実際の介護場面を想定した技術が問われるため、緊張しやすい方や一発勝負が苦手な方にとっては大きなプレッシャーとなります。
実務者研修をしっかり受けておけば、筆記試験に集中して対策できるため、合格への近道となります。実務経験ルートで目指す場合、実質的に全員が実務者研修を修了して筆記試験のみで合格を目指すことになります。
持っている資格で研修科目が一部免除される
この記事のポイントです。実務者研修は合計450時間のカリキュラムで構成されていますが、すでに介護系の資格を持っている場合、一部の科目が免除されます。例えば、「介護職員初任者研修」や「ホームヘルパー2級」などを持っていると、実務者研修の受講時間や費用を大幅に減らすことが可能です。
どの資格でどれくらい免除されるのかは、後ほど詳しく解説します。これから介護福祉士を目指す方は、ご自身が持っている資格が免除の対象になっていないか、ぜひ確認してみてください。
そもそも介護福祉士実務者研修とは?
実務者研修が免除される話の前に、まずは実務者研修そのものがどのようなものなのかを知っておきましょう。具体的には以下の項目について解説します。
- 介護の専門的な知識や技術を学ぶ研修
- サービス提供責任者としても働けるようになる
- 介護の経験や資格がなくても受講できる
各項目について、詳しく解説していきます。
介護の専門的な知識や技術を学ぶ研修
実務者研修は、より質の高い介護サービスを提供するための専門知識や技術を学ぶ研修です。介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)が介護の基本的な入口だとすると、実務者研修はさらに一歩進んだ内容を学びます。
例えば、「医療的ケア」として、たんの吸引や経管栄養(胃ろうなど)の基本を学ぶのも特徴です。介護福祉士を目指すためのステップであると同時に、介護のプロとしてスキルアップするための重要な研修と位置づけられています。
サービス提供責任者としても働けるようになる
実務者研修を修了すると、訪問介護事業所で必要とされる「サービス提供責任者(サ責)」として働くことができます。サービス提供責任者は、利用者さんのケアプランを作成したり、ヘルパーさんの指導・管理を行ったりする、事業所の中心的な役割です。
介護福祉士の資格がなくても、実務者研修を修了していればこのポジションに就けるため、仕事の幅が広がり、キャリアアップにも直結します。給与面でも手当がつくことが多いため、大きなメリットと言えるでしょう。
介護の経験や資格がなくても受講できる
実務者研修は、介護の経験や資格が全くない方でも受講することができます。「介護職員初任者研修」などを先に取っておく必要はありません。ただし、前述の通り、初任者研修などを持っていると一部の科目が免除されるメリットがあります。
もし介護の仕事が全くの未経験で、これから介護福祉士を長期的に目指したいという場合は、まず初任者研修からスタートするのも一つの方法です。しかし、早く実務者研修を修了したい場合は、無資格からでもスタート可能です。
実務者研修の科目が免除される主な資格
では、具体的にどのような資格を持っていると実務者研修の科目が免除されるのでしょうか。代表的な資格を紹介します。具体的には以下の項目について解説します。
- 介護職員初任者研修
- ホームヘルパー2級・1級
- 介護職員基礎研修
- 喀痰吸引等研修
- 看護師・准看護師などの医療系資格
各項目について、詳しく解説していきます。
介護職員初任者研修
「介護職員初任者研修」は、現在、介護の入門資格として最も一般的な資格です。これを持っていると、実務者研修の450時間のうち、130時間分の科目が免除されます。初任者研修で学んだ内容は、実務者研修の基礎的な部分と重なるためです。
すでに初任者研修を修了して現場で働いている方が、介護福祉士を目指して実務者研修を受けるケースは非常に多いです。費用も時間も大幅に短縮できるため、大きなメリットがあります。

ホームヘルパー2級・1級
「ホームヘルパー2級」は、介護職員初任者研修の前にあった資格です。現在この資格は廃止されていますが、すでに取得している方の資格は有効です。ホームヘルパー2級を持っている場合も、初任者研修と同様に130時間分の科目が免除されます。
「ホームヘルパー1級」という、さらに上位の資格を持っている場合は、免除される時間がさらに増え、350時間分の科目が免除されます。昔に資格を取ったという方も、証明書を確認してみましょう。
介護職員基礎研修
「介護職員基礎研修」は、ホームヘルパー1級と同様に、現在は廃止されている資格です。これは実務者研修が始まる前に、介護福祉士を目指すためのステップとして設けられていた研修です。この資格を持っている方は、実務者研修の450時間のうち、実に400時間分の科目が免除されます。
残りの50時間(主に医療的ケアの演習など)を受講するだけで実務者研修を修了できるため、対象となる方はぜひ活用すべきです。
喀痰吸引等研修
「喀痰吸引等研修」は、たんの吸引や経管栄養などの「医療的ケア」を専門に学ぶ研修です。この研修をすでに修了している方は、実務者研修の中で最も専門的とされる「医療的ケア」の科目(講義50時間+演習)が免除されます。
もし初任者研修と喀痰吸引等研修の両方を持っている場合は、それぞれの免除科目が合算されます。ただし、スクールによって対応が異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
看護師・准看護師などの医療系資格
意外かもしれませんが、看護師や准看護師の資格を持っている方も免除の対象になる場合があります。ただし、免除されるのは主に「医療的ケア」の科目です。介護の理念やコミュニケーション技術など、介護福祉士として必要な科目は免除されないことが多いです。
そのため、看護師の方が介護福祉士を目指す場合でも、多くの科目を受講する必要があります。免除の範囲はスクールによって判断が分かれるため、必ず事前に問い合わせましょう。
資格ごとに免除される研修科目と時間
持っている資格によって、どれくらいの時間や科目が免除されるのでしょうか。免除時間の違いを見ていきましょう。具体的には以下の項目について解説します。
- 初任者研修やヘルパー2級は130時間分が免除される
- 介護職員基礎研修は400時間分が免除される
- 喀痰吸引等研修は医療的ケアの科目が免除される
- 資格の組み合わせで免除内容は変わる
各項目について、詳しく解説していきます。
初任者研修やヘルパー2級は130時間分が免除される
実務者研修の総時間は450時間です。このうち、初任者研修やヘルパー2級を持っている方は130時間分が免除されます。免除されるのは「介護の基本」や「コミュニケーション技術」など、初任者研修ですでに学んだ基礎的な9科目です。
その結果、受講時間は320時間(450時間-130時間)となります。無資格から始める場合と比べて、受講期間も費用も大きく抑えることができます。介護現場で働いている方の多くが、このパターンに当てはまります。

介護職員基礎研修は400時間分が免除される
先ほども触れましたが、最も多く免除されるのが「介護職員基礎研修」の修了者です。この資格は実務者研修と内容が大きく重なるため、450時間のうち400時間分が免除されます。受講が必要なのは、実務者研修で新たに加わった「医療的ケア」の50時間(+演習)のみです。
非常に短期間で実務者研修を修了できるため、過去にこの研修を受けた方は、介護福祉士取得の大きなチャンスとなります。
喀痰吸引等研修は医療的ケアの科目が免除される
喀痰吸引等研修を修了している方は、実務者研修の「医療的ケア」の科目(50時間+演習)が免除されます。もし初任者研修(130時間免除)と喀痰吸引等研修(50時間免除)の両方を持っている場合、理論上は合計180時間が免除され、受講時間は270時間となります。
ただし、このように複数の資格を組み合わせて免除申請する場合、スクールによって対応が異なることがあります。申込みの際には、自分が持っている資格をすべて伝え、どこまで免除されるかを確認することが重要です。
資格の組み合わせで免除内容は変わる
このように、どの資格を持っているかによって免除される時間や科目は大きく変わります。
- 資格なし:450時間
- 初任者研修・ヘルパー2級:320時間(130時間免除)
- ヘルパー1級:100時間(350時間免除)
- 介護職員基礎研修:50時間(400時間免除)
ご自身の持っている資格がどれに該当するかを把握し、最も効率よく受講できる方法を選びましょう。
研修免除による費用や期間のメリット
研修時間が免除されると、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。費用や期間の面でのメリットを解説します。具体的には以下の項目について解説します。
- 受講期間が数ヶ月単位で短縮される
- 受講費用が数万円から十数万円安くなる
- 働きながらでも資格取得がしやすくなる
各項目について、詳しく解説していきます。
受講期間が数ヶ月単位で短縮される
実務者研修を無資格から受講する場合、修了までには約6ヶ月かかるのが一般的です。しかし、例えば初任者研修を持っていて130時間が免除されると、受講期間は約4ヶ月程度に短縮されます。介護職員基礎研修を持っている方なら、最短1~2ヶ月で修了することも可能です。介護福祉士の国家試験は年に1回(1月下旬)しかありません。受験申込みの締切(8月頃)までに実務者研修を修了する必要があるため、受講期間が短くなるのは大きなメリットです。
受講費用が数万円から十数万円安くなる
受講時間が短くなるということは、当然ながら受講費用も安くなります。スクールによって料金は異なりますが、無資格の場合の受講料が15万円~20万円程度だとすると、初任者研修を持っている場合は10万円~15万円程度になることが多いです。
免除される時間が多いほど、費用も安くなります。数万円単位の違いは大きいため、ご自身の資格を活かして、少しでも費用を抑えて受講しましょう。
働きながらでも資格取得がしやすくなる
受講時間が450時間から320時間に減るだけでも、働きながら通う負担は大きく軽減されます。実務者研修は、自宅学習(通信課題)とスクーリング(通学)を組み合わせて行われます。免除によって通学する日数が減れば、休みの調整もしやすくなります。
介護の仕事は体力的にも大変なため、勉強との両立は簡単ではありません。免除制度を活用することで、無理なく資格取得を目指せるようになります。
研修費用をさらに抑えるための公的制度
資格による免除だけでなく、国や自治体の制度を使って費用を抑える方法もあります。上手に活用しましょう。具体的には以下の項目について解説します。
- ハローワークの教育訓練給付制度を活用できる
- 自治体独自の資格取得支援金もある
- 勤務先の資格取得サポート制度も確認
各項目について、詳しく解説していきます。
ハローワークの教育訓練給付制度を活用できる
「教育訓練給付制度」は、ハローワーク(国)が実施している制度です。これは、働く人のスキルアップを支援するためのもので、指定された講座(実務者研修も多くが対象)を受講・修了すると、支払った受講費用の一部(例:20%など)が戻ってくるというものです。利用するには、雇用保険に入っている期間など一定の条件がありますが、対象になれば数万円が戻ってくるため、ぜひ活用したい制度です。お近くのハローワークでご自身が対象になるか相談してみましょう。

自治体独自の資格取得支援金もある
国だけでなく、お住まいの都道府県や市区町村が独自に支援金を出している場合があります。特に、介護の人材不足を解消するために、実務者研修の受講費用を助成(サポート)する制度を設けている自治体は多いです。
例えば、母子家庭や父子家庭の方を対象とした手厚い支援(例:自立支援教育訓練給付金)もあります。制度の内容や条件は自治体によって異なるため、「(お住まいの地域名) 介護 資格 助成金」といったキーワードで調べてみることをおすすめします。
勤務先の資格取得サポート制度も確認
現在、介護施設などで働いている場合は、勤務先に「資格取得支援制度」がないか確認してみましょう。介護福祉士の資格は、施設にとってもサービスの質を高める上で重要です。そのため、職員が実務者研修を受ける費用を会社が負担してくれたり、お祝い金を支給してくれたりする場合があります。
また、研修に通うためのシフト調整に協力してくれることもあります。上司や人事担当の方に、キャリアアップのために実務者研修を受けたいと相談してみるのも良い方法です。
実務者研修の免除申請での注意点
免除制度を活用する際には、いくつか気をつけておきたい点があります。スムーズに手続きを進めるために確認しておきましょう。具体的には以下の項目について解説します。
- 免除には資格の修了証明書が必須
- 申し込むスクールによって免除の対応が異なる
- 免除対象の資格に有効期限はない
各項目について、詳しく解説していきます。
免除には資格の修了証明書が必須
研修の免除を受けるためには、持っている資格の「修了証明書」の原本またはコピーを提出する必要があります。「資格を持っている」と口で伝えるだけでは免除は認められません。例えば、初任者研修を修了した際に受け取った証明書です。
もし紛失してしまった場合は、その研修を受けたスクールに連絡して再発行の手続きをしましょう。かなり昔に取得した資格(ヘルパー2級など)でも、証明書さえあれば免除の対象となります。
申し込むスクールによって免除の対応が異なる
どの資格でどれだけ免除するかという基本的なルールは決まっていますが、細かい対応は申し込むスクールによって異なる場合があります。例えば、喀痰吸引等研修との組み合わせ免除に対応していなかったり、医療系資格の免除範囲が違ったりすることがあります。
複数のスクールを比較検討する際には、料金や通いやすさだけでなく、ご自身の持つ資格で確実に免除が受けられるかを、申込み前に電話や説明会でしっかり確認することが大切です。
免除対象の資格に有効期限はない
「だいぶ前にヘルパー2級を取ったきりだけど、まだ使えるかな?」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、初任者研修やヘルパー2級などの資格自体に有効期限はありません。一度取得すれば、何年経っていても有効です。
そのため、10年前に取得したヘルパー2級の資格でも、修了証明書があれば実務者研修の免除を受けることができます。介護の仕事から一度離れていた(ブランクがある)方でも、安心して免除申請をしてください。
介護福祉士へのキャリアアップ、Zキャリアで考えよう
実務者研修の免除制度を活用すれば、介護福祉士への道がより具体的になります。資格取得後のキャリアについても考えてみましょう。具体的には以下の項目について解説します。
- 資格取得後の働き方をイメージする
- 資格を活かせる職場を探すことが大切
- 不安はZキャリアのエージェントに相談
各項目について、詳しく解説していきます。
資格取得後の働き方をイメージする
介護福祉士の資格を取ることがゴールではありません。資格を活かしてどのように働きたいかをイメージすることが大切です。例えば、現場のリーダーとして活躍したい、サービス提供責任者としてマネジメントを学びたい、あるいは給与アップを実現したいなど、目的は人それぞれです。
国家資格を持つことで、仕事の幅や責任範囲が広がり、より専門職としてのやりがいを感じられるようになります。将来の目標を持つことが、大変な勉強を乗り越えるモチベーションにもなります。
資格を活かせる職場を探すことが大切
せっかく介護福祉士の資格を取っても、その資格を評価してくれない職場では意味がありません。資格手当がしっかり支給されるか、リーダーなどの役職に登用されるチャンスがあるか、キャリアアップの道筋が整っているかなど、職場環境は非常に重要です。
もし現在の職場で将来性に不安を感じるなら、資格取得を機に、より良い条件や環境の職場へ転職するのも一つの選択肢です。ご自身の頑張りを正当に評価してくれる場所で、専門性を発揮しましょう。
不安はZキャリアのエージェントに相談
介護福祉士の実務者研修や、その先のキャリアプランについて、「自分にできるかな」「どの職場が合っているんだろう」と不安になることもあるかもしれません。そんな時は、一人で悩まずにZキャリアのエージェントに相談してみましょう。
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