- 介護事務が「難しい」と言われる理由
- 介護事務の具体的な仕事内容
- 未経験から挑戦するステップ
- 介護事務のやりがいと向いている人
介護事務は未経験だと難しいのか?
介護事務が未経験でも大丈夫か、不安に思うかもしれません。ここでは、以下の2つの項目について解説します。
- 専門知識が必要なイメージがある
- 未経験でも始められる求人は多い
各項目について、詳しく見ていきましょう。
専門知識が必要なイメージがある
専門用語や制度の知識が求められるため、最初は難しく感じるかもしれません。介護事務は、介護保険という専門的なルールに基づいて仕事を進めます。例えば、「レセプト作成」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは介護サービスにかかった費用を計算し、保険者に請求する大切な業務です。
こうした専門的な仕事内容から、「未経験者にはハードルが高いのでは」と感じてしまうのも無理はありません。確かに、新しく覚えることはたくさんあります。ですが、最初からすべての知識を持っている必要はありません。多くの職場で研修制度が整っていますし、働きながら少しずつ覚えていけば大丈夫です。最初は誰でも未経験です。大切なのは、学ぶ意欲と正確に作業しようとする姿勢です。
未経験でも始められる求人は多い
未経験者歓迎の求人も、実はたくさんあります。介護業界は人手が必要とされている分野であり、事務スタッフも例外ではありません。特に若い世代の新しい力は、多くの施設で求められています。
もちろん、経験や資格があれば有利になることもありますが、「未経験OK」や「資格不問」としている求人では、入社後の研修やサポート体制が整っていることが多いです。基本的なパソコン操作(文字入力や簡単な表作成など)ができれば応募できる職場も多いので、専門知識がないからとあきらめる必要はありません。まずは求人情報をチェックして、どのような条件の募集があるのか見てみることをおすすめします。やる気や人柄を重視して採用してくれる職場も多くあります。
介護事務が「難しい」と言われる理由
「介護事務は難しい」と耳にすることがあるかもしれません。これにはいくつかの理由があります。以下の4つの項目について解説します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。
介護保険制度の知識が必要になる
介護保険という専門的なルールを理解する必要があります。介護事務の仕事は、この介護保険制度と深く関わっています。例えば、利用者がどのくらいのサービスを受けたら、費用はいくらになるのか、そのうち利用者の自己負担はいくらで、保険に請求するのはいくらか、といった計算はすべて制度のルールに基づいています。
この制度は、数年ごとに見直される(改正される)こともあります。そのため、一度覚えたら終わりではなく、新しい情報を常に学び続ける姿勢も必要になります。未経験から始めるときは、この「介護保険」という新しいルールを覚えることが、最初の「難しい」と感じる壁になるかもしれません。ですが、これは介護事務として働くうえでの土台となる大切な知識です。
覚える業務(レセプト作成)が多い
レセプト作成という専門業務を覚える必要があります。レセプト作成とは、介護サービスにかかった費用を計算し、国民健康保険団体連合会(国保連)に請求するための明細書を作成する仕事です。これが介護事務のメイン業務とも言えます。
この作業は、どのサービスを何回利用したか、利用者の負担割合はどれくらいかなど、細かい情報を正確に入力・計算しなければなりません。間違いがあると、施設のお金(収入)が正しく入ってこなくなるため、責任は重大です。最初は、専用ソフトの使い方や計算のルールを覚えることが多く、「難しい」と感じるポイントです。毎月、決まった時期にこの作業が集中するため、忙しくなる時期がはっきりしているのも特徴です。
PCスキルや数字の正確さが求められる
パソコン操作と数字の正確さが必須のスキルとなります。レセプト作成をはじめ、介護事務の仕事の多くはパソコンを使って行われます。専用のソフトに入力したり、請求データを作成したりするため、基本的なタイピングやマウス操作ができないと困るでしょう。
また、扱うのは「お金」に関わる数字です。1円の間違いも許されない、という意識が大切です。計算ミスや入力ミスがないか、何度もチェックする慎重さが求められます。数字を見たり、細かいデータを扱ったりすることに苦手意識があると、「難しい」と感じやすいかもしれません。ですが、これは「慣れ」の部分も大きいです。最初はゆっくりでも、確認を怠らないクセをつければ大丈夫です。
職場によっては業務範囲が広い
事務以外の仕事を任されることもあります。働く施設(デイサービス、訪問介護事業所、特別養護老人ホームなど)の規模や方針によって、介護事務の仕事内容は大きく変わります。
小規模な事業所の場合、事務スタッフが一人だけということも珍しくありません。その場合、レセプト業務や受付・電話応対だけでなく、備品の管理や発注、スタッフの勤怠管理、時には介護スタッフの簡単な補助(利用者のお茶出しや話し相手など)まで、幅広く担当することがあります。「事務の仕事だけ」と思って入社すると、ギャップを感じて「難しい」となってしまうかもしれません。働く場所によって仕事内容が変わることは、事前に理解しておくと良いでしょう。
介護事務の主な仕事内容を紹介
介護事務といっても、具体的にどんな仕事をするのでしょうか。ここでは、主な仕事内容として以下の3つを紹介します。
- 介護報酬請求(レセプト)業務
- 受付や電話の応対
- 介護スタッフのサポート業務
各項目について、詳しく見ていきましょう。
介護報酬請求(レセプト)業務
介護事務の最も専門的な仕事です。これは、施設が提供した介護サービスにかかった費用を計算し、利用者と保険者(市区町村や国保連)に請求する作業です。この請求明細書のことを「レセプト(介護給付費明細書)」と呼びます。
具体的には、利用者がどのサービスをどれだけ使ったかの記録をもとに、介護保険のルールに沿って費用を計算します。多くの場合、専用のコンピュータソフトを使って入力・作成します。この作業は月ごとに行い、請求には期限があるため、特に月末から月初の時期は忙しくなります。施設の収入に直結する、非常に重要で責任のある仕事です。この業務があるからこそ、介護事務は「専門職」と言われるのです。
受付や電話の応対
施設の「顔」としての役割も担います。多くの介護事務スタッフは、事業所の受付カウンターに座っています。そのため、施設を訪れる利用者さんやそのご家族、来客者の対応(受付業務)が日常的な仕事になります。
また、外部からかかってくる電話の応対も大切な仕事です。利用者さんからのサービス利用に関する問い合わせ、ご家族からの連絡、他の事業所(ケアマネジャーなど)との連携のための電話など、内容はさまざまです。明るく丁寧な対応はもちろん、相手の話を正確に聞き取り、必要な担当者へ的確につなぐことが求められます。事業所の第一印象を決める、重要な窓口業務と言えます。
介護スタッフのサポート業務
他のスタッフが働きやすい環境を整えるのも仕事の一つです。介護事務は、介護スタッフや看護師など、現場で働く人たちを裏方から支える役割も持っています。
例えば、文房具や介護用品などの備品が足りなくならないように管理し、発注する業務。スタッフのタイムカードを集計したり、シフト表作成の補助をしたりする勤怠管理。その他、郵便物の仕分けやファイリング(書類整理)など、事業所運営に関わるこまごまとした事務作業全般を担当することが多いです。これらのサポートがあるからこそ、介護スタッフは安心して利用者のケアに集中できるのです。縁の下の力持ちとして、職場全体をサポートする仕事です。
介護事務の仕事で感じられる魅力や楽しさ
難しい面もありますが、介護事務には大きなやりがいや魅力があります。ここでは、以下の3つの魅力や楽しさを紹介します。
- 介護現場を支えるやりがいがある
- 専門スキルが身につきやすい
- 高齢化社会で需要がなくならない
各項目について、詳しく見ていきましょう。
介護現場を支えるやりがいがある
介護スタッフや利用者を支える実感を得られるのが魅力です。介護事務は、直接的な介護(お風呂の介助や着替えの手伝いなど)は行いません。ですが、事務作業を通じて、介護スタッフがスムーズに働ける環境を整えたり、利用者さんやご家族が安心してサービスを利用できる手続きを行ったりします。
例えば、受付で利用者さんに「いつもありがとう」と声をかけてもらえたり、スタッフから「備品の発注助かったよ」と感謝されたりした時、「自分もこの施設の大切な一員として役立っている」と強く感じられるでしょう。縁の下の力持ちとして、介護の現場を支えているという実感は、大きなやりがいにつながります。
専門スキルが身につきやすい
「介護保険」という専門知識が身につきます。レセプト業務などを通じて学ぶ介護保険の知識は、一度身につければ全国どこでも通用する強力なスキルとなります。これは、介護保険が国で定められた制度だからです。
もし将来、結婚や引っ越しなどで一度職場を離れることがあっても、この専門スキルと実務経験があれば、再就職しやすいという大きなメリットがあります。また、基本的なビジネスマナーやパソコンスキル、電話応対スキルなども日常業務の中で自然と磨かれていきます。働きながら、自分自身の市場価値を高めていけるのは、この仕事の大きな魅力の一つです。
高齢化社会で需要がなくならない
将来性が高く、安定して働ける仕事です。ご存知の通り、日本は高齢化が進んでおり、介護サービスを必要とする人は年々増え続けています。それに伴い、介護サービスを提供する事業所も増え続けています。
介護事業所がある限り、介護事務の仕事も必ず必要とされます。景気の波に左右されにくく、全国どこにでも職場があるため、「仕事がなくて困る」というリスクが低いのが特徴です。特に若い世代で専門知識を持っている人材は貴重です。「この先もずっと必要とされるスキルを身につけたい」と考える人にとって、介護事務は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
介護事務の仕事に向いている人の特徴
では、どのような人が介護事務に向いているのでしょうか。ここでは、特に重要となる3つの特徴を紹介します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。
コツコツとした作業が得意な人
地道な作業を丁寧に続けられることが大切です。介護事務の仕事には、レセプト作成やデータ入力など、毎月決まった手順で正確に行う必要がある定型業務が多くあります。
派手な仕事ではありませんが、こうした地道な作業が施設の運営を支えています。大きな変化を求めるよりも、決められたルールの中でミスなく作業を進めることに集中できる人、細かい部分にも気づいて確認を怠らない慎重さを持っている人は、介護事務の仕事に非常に向いています。「細かい作業を黙々と続けるのが好き」という人には、まさにぴったりの仕事です。
人のサポートが好きな人
「誰かの役に立ちたい」という気持ちが活かせる仕事です。介護事務は、直接介護をすることはありませんが、利用者さんやご家族、そして一緒に働く介護スタッフなど、多くの人を「支える」立場です。
例えば、受付で不安そうなご家族の対応をしたり、スタッフが働きやすいように備品を整えたり。「ありがとう」と感謝されることに喜びを感じる人、縁の下の力持ちとして周りをサポートすることにやりがいを感じる人には、最適な仕事です。自分の仕事が、巡り巡って利用者さんの安心やスタッフの働きやすさにつながっていることを実感できるでしょう。
数字やPC操作に抵抗がない人
数字やパソコンにアレルギーがないことは重要です。仕事内容でも触れた通り、介護事務の仕事はレセプト作成をはじめ、パソコンと数字を扱う場面が非常に多いです。
「パソコンに触るのも嫌だ」「数字を見るだけで頭が痛くなる」という場合は、少し苦労するかもしれません。ですが、高度なプログラミングや難しい関数(かんすう)を使うわけではありません。基本的な文字入力ができ、数字の間違い探しのような細かいチェックに抵抗がなければ大丈夫です。むしろ「数字が合うとスッキリする」「パソコンで作業を効率化するのが好き」という人にとっては、楽しみながらスキルアップできる環境です。
未経験から介護事務に挑戦するステップ
もし「介護事務をやってみたい」と思ったら、どうすれば良いのでしょうか。未経験から挑戦するための具体的なステップを3つ紹介します。

各項目について、詳しく見ていきましょう。
まずは求人情報をチェックする
どんな職場があるか知ることから始めましょう。まずは、転職サイトなどで「介護事務 未経験」といったキーワードで求人情報を検索してみるのが一番です。
求人情報をたくさん見ることで、「未経験OKの職場はどんな雰囲気か」「給料はどれくらいか」「必要なスキルは何か」といった、リアルな情報が分かります。また、デイサービス、訪問介護、老人ホームなど、働く施設の種類によっても仕事内容や働き方が違うことにも気づくでしょう。自分がどんな環境で働きたいか、どんな条件を優先したいかを考えるきっかけにもなります。まずは情報収集からスタートです。
資格取得も視野に入れる
やる気のアピールにつながります。介護事務の仕事は、必ずしも資格が必要なわけではありません。「未経験OK」の求人であれば、資格がなくても応募できます。
ですが、もし時間に余裕があるなら、関連する資格の勉強を始めるのも良い方法です。例えば「介護事務管理士®」や「介護報酬請求事務技能認定」といった民間資格があります。資格を持っていることで、介護保険の基本的な知識があることの証明になりますし、何よりも「この仕事がしたくて勉強しました」という熱意を面接でアピールする強力な材料になります。未経験というハンデを補うための一つの手段として考えてみましょう。
志望動機をしっかり準備する
「なぜ介護事務か」を自分の言葉で伝えることが大切です。未経験者の採用面接では、スキルや経験よりも「やる気」や「人柄」が重視されます。その中でも「志望動機(なぜこの仕事をしたいのか)」は最も重要なポイントです。
「事務職なら何でもよかった」ではなく、「なぜ他の事務職ではなく、介護事務を選んだのか」を具体的に説明できるように準備しましょう。例えば、「人の役に立つ仕事がしたい」「祖父母がお世話になった経験から介護業界に興味を持った」「専門スキルを身につけて長く働きたい」など、自分の経験や考えに基づいた理由があると説得力が増します。自分の言葉でしっかり伝えることが、採用への近道です。
医療事務と介護事務はどう違う?
似たような仕事として「医療事務」があります。この二つはどう違うのでしょうか。主な違いを2つのポイントで解説します。
- 対象とする保険制度が異なる
- 働く場所(病院か介護施設か)が違う
各項目について、詳しく見ていきましょう。
対象とする保険制度が異なる
扱うルールの「法律」が違います。これが最大の違いです。医療事務が扱うのは「医療保険制度(健康保険)」です。病院やクリニックでケガや病気の治療を受けたときに使う保険ですね。
一方、介護事務が扱うのは「介護保険制度」です。これは、高齢者などが介護サービス(デイサービスやホームヘルパーなど)を利用するときに使う保険です。どちらも「保険」ですが、ルールや請求(レセプト)の仕組み、専門用語がまったく異なります。そのため、医療事務の経験があっても、介護事務の仕事をするには新しく介護保険の知識を学ぶ必要がありますし、その逆も同じです。
働く場所(病院か介護施設か)が違う
主な職場が異なります。医療事務の主な職場は、病院やクリニック(診療所)といった「医療機関」です。風邪を引いたときに行く近所のお医者さんや、大きな総合病院で働いているのが医療事務スタッフです。
それに対して、介護事務の主な職場は、「介護サービス事業所」です。具体的には、デイサービスセンター、訪問介護事業所、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設といった「介護施設」になります。働く場所が違うため、関わる人も、医療事務は幅広い年齢の患者さん、介護事務は主に高齢の利用者さんやそのご家族、ケアマネジャーなど、違いがあります。
未経験から介護事務への転職で不安があるなら
未経験から新しい仕事に挑戦するときは、「本当に自分に向いているかな」「ブラックな職場だったらどうしよう」など、たくさんの不安が出てくるのは当たり前のことです。
そんな時は、転職エージェントのキャリアアドバイザーなど、転職のプロに相談してみることをおすすめします。自分の強みや不安に思っていることを客観的に聞いてもらうだけでも、考えが整理できることがあります。また、プロの視点から、自分では気づかなかった適性や、合う職場のタイプをアドバイスしてもらえるかもしれません。一人で悩む時間を減らし、効率よく情報収集するためにも、専門家をうまく活用しましょう。
Zキャリアで自分に合う職場を見つけよう
Zキャリアのエージェントがあなたの転職をサポートします。未経験からの転職は、特に「最初の職場選び」がとても重要です。Zキャリアは、特に若い世代の未経験からの正社員転職を応援しています。
「介護事務に挑戦したいけれど、どんな求人があるか分からない」「面接でどうアピールすればいいか不安」そんな悩みがあれば、ぜひZキャリアのエージェントにご相談ください。介護事務の仕事内容についてもっと詳しくお伝えすることはもちろん、あなたの希望や適性に合った「未経験歓迎」の求人を一緒に探します。志望動機の作成や面接対策まで、内定までしっかりサポートします。新しい一歩を踏み出すお手伝いをさせてください。