介護職のリアル！収入・仕事内容・将来のキャリアをわかりやすく紹介

介護職って収入が低いイメージがあるけど、実際稼げるの？

介護職に対して「収入が低い」「仕事内容が大変そう」といったイメージを持つ人は少なくありません。しかし、実際には働き方やキャリアプラン次第で安定した収入を得ることが可能です。

特に、高齢化が進む現代社会において介護職の需要は年々高まっており、専門的なスキルや資格を持つ人材は高く評価される傾向にあります。この記事では、介護職の収入の実態と、将来的に収入を上げていくための具体的な方法について詳しく解説していきます。

介護職の平均年収は約376万円

介護職の年収は、勤務先の施設形態や地域、保有資格、経験年数によって大きく異なりますが、厚生労働省の調査によると平均年収は約376万円とされています。これは、日本の全産業の平均年収と比較するとやや低い水準ですが、経験を積み、介護福祉士などの国家資格を取得することで、着実に収入を上げていくことが可能です。

また、夜勤手当や処遇改善加算などが給与に上乗せされるため、実際の月収は額面以上に感じることもあります。キャリアのスタート時点では他の職種より低い場合もありますが、専門性を高めることで十分に稼げるポテンシャルを持つ仕事と言えるでしょう。

参照:「施設介護員/厚生労働省 job tag」

特に事業所の管理を行う施設長などの職種では高収入を狙うこともできる

介護現場のスタッフとして経験を積んだ後のキャリアパスとして、施設長やエリアマネージャーといった管理職を目指す道があります。これらの役職に就くと、現場業務に加えて、スタッフの採用・育成、施設の収支管理、行政との連携など、事業所全体のマネジメントを担うことになります。

責任は大きくなりますが、それに伴い給与水準も大幅にアップし、年収600万円以上を目指すことも夢ではありません。介護の専門知識やスキルだけでなく、リーダーシップや経営的な視点を養うことで、高収入を実現できるキャリアプランを描くことが可能です。

研修さえ受ければ、無資格から安定した収入を目指せる仕事も

介護の仕事は、専門職である一方で、無資格・未経験からチャレンジできる間口の広さも魅力です。多くの施設では、働きながら介護の基礎を学べる「介護職員初任者研修」の資格取得を支援する制度を設けています。まずは介護助手などとしてキャリアをスタートし、実務経験を積みながら資格を取得することで、正社員として安定した収入を得られるようになります。計画的にスキルアップすることで、将来にわたって安定したキャリアを築くことが可能です。

介護職の業務内容

介護職の仕事は、単に高齢者のお世話をするだけではありません。利用者がその人らしい生活を送れるよう、身体的なサポートから精神的なケア、さらには生活環境の整備まで、多岐にわたる業務を担います。大きく分けると、利用者の身体に直接触れて行う「身体介護」、日常生活を支える「生活援助」、そして心身の活性化を図る「レクリエーション」などがあります。ここでは、それぞれの具体的な業務内容について詳しく見ていきましょう。

食事介助

食事介助は、利用者が安全かつ楽しく食事をとれるようにサポートする重要な業務です。単に食事を口に運ぶだけでなく、誤嚥（ごえん）を防ぐために正しい姿勢を保ったり、一人ひとりの咀嚼（そしゃく）や嚥下（えんげ）の能力に合わせて食材の大きさや硬さを調整したりといった専門的な配慮が求められます。

また、食事は日々の楽しみでもあるため、会話をしながら和やかな雰囲気を作ることも大切です。食後の口腔ケアまでが一連の業務となり、利用者の健康維持とQOL（生活の質）向上に直結する、やりがいの大きな仕事です。

入浴介助

入浴介助は、利用者の身体を清潔に保ち、心身をリラックスさせるための大切なケアです。利用者の状態に合わせて、一人で浴槽に入るのが難しい方には機械浴槽を使ったり、寝たきりの方にはベッドサイドで体を拭く「清拭（せいしき）」を行ったりと、様々な方法で対応します。

安全確保が最も重要であり、転倒防止のための声かけや、急な体調変化がないか常に注意を払う必要があります。また、利用者の羞恥心に配慮し、プライバシーを守りながら手際よく介助を行うスキルも求められる、専門性の高い業務です。

生活の援助

生活援助は、利用者の身体に直接触れる身体介護とは異なり、身の回りの家事などを代行・支援する業務です。具体的には、居室の掃除や洗濯、買い物代行、食事の準備や後片付けなどが含まれます。これらの援助を通じて、利用者が清潔で快適な環境で生活できるようサポートします。

特に在宅介護においては、利用者が住み慣れた家で自立した生活を続けるために不可欠なサービスです。利用者とコミュニケーションを取りながら、その人の生活スタイルや好みを尊重したサポートをすることが求められます。

レクリエーション

介護施設で行われるレクリエーションは、利用者の心身機能の維持・向上や、他者との交流を促し、生活に楽しみや張り合いをもたらすことを目的としています。体操や歌、ゲーム、季節の行事（お花見やクリスマス会など）、書道や園芸といった趣味活動など、その内容は多岐にわたります。

介護職は、これらのレクリエーションの企画から準備、当日の進行までを担当します。利用者が「楽しかった」「また参加したい」と思えるような、安全で魅力的なプログラムを考える創造性や、場を盛り上げるコミュニケーション能力が活かせる業務です。

介護職の仕事内容は？「きつい」と言われる理由5選

体への負担が大きく、特に腰痛などになりやすい

介護職が「きつい」と言われる最も大きな理由の一つが、身体的な負担です。特に、ベッドから車椅子への移乗や入浴介助など、人を抱えたり支えたりする動作は腰に大きな負担をかけ、腰痛は多くの介護職が抱える職業病とも言われています。こうした負担を軽減するため、てこの原理を応用した「ボディメカニクス」という技術の習得が不可欠です。

また、施設によってはリフトなどの介護機器を導入し、職員の負担軽減に努めているところもあります。体力的な大変さはありますが、正しい知識と技術を身につけることで、自分の体を守りながら長く働き続けることが可能です。

人手が足りず、一人がこなす仕事量が多い

介護業界は、高齢化の進展に伴い需要が拡大し続けている一方で、慢性的な人手不足という課題を抱えています。人手が足りない職場では、職員一人ひとりが担当する業務量が多くなり、常に時間に追われながら仕事をこなさなければならない状況が生まれます。

これが心身の疲弊につながり、「きつい」と感じる原因になります。就職・転職の際には、職員の配置基準や離職率などを確認し、ゆとりを持った人員体制を整えている職場を選ぶことが重要です。

生活リズムが乱れやすい

多くの介護施設では、24時間365日体制でサービスを提供しているため、介護職は日勤だけでなく、早番、遅番、夜勤といった不規則なシフトで働くことが一般的です。特に夜勤は、昼夜逆転の生活となるため、慣れるまでは体調管理が難しく、生活リズムが乱れやすくなります。睡眠不足や自律神経の乱れから、疲労が抜けにくくなったり、プライベートの予定が立てにくくなったりすることもあります。

一方で、夜勤明けは休みになるため、「平日の昼間を有効に使える」といったメリットを感じる人もいます。自分の体質やライフスタイルに合った働き方ができる職場を見つけることが大切です。

クレーム対応などで精神的に疲れやすい

介護の仕事は、利用者やその家族と深く関わる対人援助職です。感謝されることも多い一方で、時には厳しい要望やクレームを受けることもあり、精神的な負担を感じる場面も少なくありません。また、認知症の利用者とのコミュニケーションに悩んだり、看取りの場面に立ち会って精神的なショックを受けたりすることもあります。

人の命や人生に深く関わる仕事だからこその難しさがあり、強いストレスを感じることもあります。悩みを一人で抱え込まず、職場の同僚や上司に相談できる環境があるかどうかが、精神的な負担を乗り越える上で非常に重要になります。

給与が仕事内容に見合わないと感じる

身体的・精神的にハードな業務内容であるにもかかわらず、他の産業と比較して給与水準が低いことが、「仕事内容に見合わない」と感じる大きな要因となっています。国もこの問題を重視し、「介護職員処遇改善加算」といった制度を設け、介護職の給与アップに取り組んでいますが、まだ十分とは言えない状況です。

しかし、前述の通り、介護福祉士などの国家資格を取得したり、管理職にキャリアアップしたりすることで、給与を大幅に上げることは可能です。目先の給与だけでなく、長期的なキャリアプランを描き、目標を持って働くことが、モチベーションを維持する上で重要になります。

【知っておきたい】資格が必要な業務

介護の仕事は無資格から始められるものも多いですが、キャリアアップや業務の幅を広げるためには資格の取得が不可欠です。特に、利用者の身体に直接触れる「身体介護」や、介護サービスの計画を立てる「ケアプラン作成」など、専門的な知識と技術が求められる業務は、有資格者でなければ行うことができません。ここでは、介護業界で働く上で知っておきたい、資格が必要となる代表的な業務について解説します。

入浴や食事などの専門的な介助

利用者の身体に直接触れて行う「身体介護」（食事、入浴、排泄、移乗などの介助）は、介護の根幹をなす重要な業務です。無資格でもこれらの業務を行うことは可能ですが、訪問介護事業所で働く場合や、より専門的なケアを提供するためには「介護職員初任者研修」以上の資格が求められることがほとんどです。

この研修を受けることで、介護の基本的な知識や技術、倫理を体系的に学ぶことができ、利用者に対して安全で質の高いケアを提供できるようになります。資格を持つことは、利用者やその家族からの信頼にもつながります。

どの介護サービスを利用するか計画する「ケアプラン」の作成

利用者が適切な介護サービスを受けられるように、本人や家族の希望を聞きながら、具体的なサービス内容や利用計画を立てる業務を「ケアプラン作成」と呼びます。このケアプランを作成できるのは、「介護支援専門員（ケアマネジャー）」の資格を持つ専門職だけです。

ケアマネジャーになるには、介護福祉士などの国家資格を持ち、一定期間の実務経験を積んだ上で、試験に合格する必要があります。介護現場での経験を活かし、利用者の生活全体をコーディネートする、非常に専門性が高くやりがいのある仕事です。

ヘルパーの管理や指導

訪問介護事業所において、ヘルパー（訪問介護員）の指導や育成、勤務スケジュールの管理、ケアプランに基づいた具体的な訪問介護計画書の作成などを行うのが「サービス提供責任者」です。この役職に就くためには、「介護福祉士」の資格を持っているか、「実務者研修」を修了している必要があります。

現場のヘルパーとケアマネジャーの橋渡し役を担い、サービスの質を確保するための重要なポジションです。リーダーシップを発揮し、チームをまとめていく役割が求められるため、現場経験を積んだ後のキャリアアップとして目指す人が多い職種です。

【無資格で始められる】介護関連の仕事4選

介護業界に興味はあるけれど、資格や経験がないからと諦めていませんか？実は、介護の現場では、無資格・未経験からスタートできる仕事がたくさんあります。まずは身体的な負担が少ないサポート業務から始めて、現場の雰囲気や仕事の流れを掴むのも一つの手です。ここでは、介護業界への第一歩としておすすめの、無資格で始められる4つの仕事をご紹介します。

介護助手・介護補助

介護助手（介護補助）は、介護職員のサポート役として、直接的な身体介護以外の業務を担当する仕事です。具体的には、食事の配膳や下膳、ベッドメイキング、施設の清掃、備品の管理・補充、利用者とのコミュニケーション（お茶出しや話し相手）などが主な業務となります。

介護職員が専門的なケアに集中できるよう、環境を整える重要な役割を担います。利用者のすぐそばで働くため、介護の仕事のやりがいや流れを肌で感じることができ、将来的に介護職を目指すための第一歩として最適な職種と言えるでしょう。

訪問介護の生活援助専門のヘルパー

訪問介護には、身体に触れる「身体介護」と、家事などを支援する「生活援助」があります。このうち、「生活援助」を専門に行うヘルパーであれば、必ずしも資格は必要ありません（自治体によっては研修が必要な場合もあります）。

仕事内容は、利用者の自宅を訪問し、掃除、洗濯、調理、買い物代行など、日常生活のサポートを行います。身体的な負担が少なく、普段の家事スキルを活かせるため、体力に自信がない方や主婦（夫）の方にも始めやすい仕事です。パートタイムでの勤務が多いため、自分のペースで働きたい方にもおすすめです。

施設の送迎ドライバー

デイサービスや通所リハビリテーション施設では、利用者の自宅と施設の間を送迎するドライバーの仕事があります。主な業務は、ワゴン車を運転し、決まったルートで利用者を安全に送迎することです。

運転業務がメインですが、利用者の乗り降りの際に簡単な介助を行ったり、車内でコミュニケーションをとったりすることもあります。特別な介護資格は不要で、普通自動車運転免許（AT限定可の場合も多い）があれば挑戦できます。安全運転はもちろんのこと、利用者やその家族と最初に顔を合わせる「施設の顔」として、明るく丁寧な対応が求められます。

施設の調理・清掃スタッフ

介護施設における調理や清掃のスタッフも、無資格から始められる仕事です。調理スタッフは、利用者の健康状態や嚥下能力に合わせて、栄養バランスの取れた食事を作る仕事です。大規模な施設では、栄養士が作成した献立に基づいて調理を行うことが多く、調理師免許がなくても補助スタッフとして働くことができます。

清掃スタッフは、施設の共用スペースや居室を清潔に保ち、利用者が快適に過ごせる環境を整えます。どちらの仕事も、直接的な介護業務はありませんが、利用者の生活を支える上で欠かせない重要な役割を担っています。

介護職の給料は確かに低いかも…その中で収入を上げるポイント

介護職の給与は、全産業の平均と比較すると低い傾向にあるのは事実です。しかし、だからといって収入アップを諦める必要は全くありません。介護業界には、努力や工夫次第で着実に収入を上げていけるキャリアパスが用意されています。資格取得や役職への昇進、あるいはより待遇の良い職場への転職など、具体的なアクションを起こすことで、仕事のやりがいに見合った収入を得ることは十分に可能です。

「介護福祉士」という国家資格を取得する

介護職として収入を上げる最も確実な方法は、国家資格である「介護福祉士」を取得することです。多くの施設では、資格手当として毎月の給与に数千円から1万円以上が上乗せされます。

また、介護福祉士の資格は、介護に関する高度な知識と技術の証明となるため、昇進や転職の際にも有利に働きます。資格取得には、実務経験3年に加えて「実務者研修」の修了が必要ですが、働きながら取得を目指せる資格です。長期的なキャリアを考える上で、まず目標とすべき重要なステップと言えるでしょう。

介護施設でリーダーや施設長を目指す

現場の介護スタッフとして経験を積んだ後は、リーダーや主任、フロア長といった役職を目指すキャリアパスがあります。役職に就くことで、役職手当が支給され、給与は大幅にアップします。さらにその先には、事業所全体をまとめる施設長や管理者といったポジションもあります。

これらの管理職は、現場のマネジメントや施設の運営全般を担う重要な役割であり、年収600万円以上を得ることも可能です。介護スキルだけでなく、リーダーシップやマネジメント能力を磨くことで、高収入を目指すことができます。

給与水準が高かったり、福利厚生が整っていたりする施設を探して就職する

現在の職場の給与に不満がある場合は、より待遇の良い施設へ転職するのも有効な手段です。一般的に、社会福祉法人や医療法人が運営する施設や、規模の大きな施設の方が給与水準や福利厚生が充実している傾向にあります。実際に、従業員規模が大きい大企業の方が、中小企業に比べて月給が高いというデータもあり、福利厚生に対する満足度も高いことがわかっています。求人情報を比較検討する際は、基本給だけでなく、賞与の実績、夜勤手当の額、退職金制度の有無など、総合的な待遇をしっかりと確認することが重要です。

介護職から同業界でのキャリアアップ例4選

介護職としてのキャリアは、現場のスタッフで終わるわけではありません。経験と資格を武器に、より専門性の高い職種やマネジメント職へとステップアップしていく多様な道が広がっています。介護業界内でキャリアを築いていくことは、安定した雇用の確保と収入アップに直結します。ここでは、介護職員からの代表的なキャリアアップの例を4つご紹介し、それぞれの仕事の魅力と目指し方について解説します。

国家資格を持った介護福祉士

介護福祉士は、介護に関する専門的な知識と技術を持つことを証明する国家資格です。現場では介護のプロフェッショナルとして、質の高いケアを実践するだけでなく、他の職員への指導やアドバイスを行うリーダー的な役割も期待されます。

資格手当による給与アップはもちろん、サービス提供責任者やチームリーダーなどへの昇進の道も開けます。まずは介護の現場で実務経験を積みながら、介護福祉士の資格取得を目指すことが、介護業界でキャリアアップしていくための王道ルートと言えるでしょう。

ケアマネジャー

ケアマネジャー（介護支援専門員）は、利用者が適切な介護サービスを受けられるよう、ケアプランを作成し、サービス事業者との連絡・調整を行う専門職です。介護の現場経験を活かし、利用者の生活全体をサポートするコーディネーターとして活躍できます。

デスクワークが中心となり、身体的な負担は軽減される傾向にあります。ケアマネジャーになるには、介護福祉士などとして5年以上の実務経験を積んだ後、試験に合格する必要がありますが、介護の知識を活かして長く働き続けたい人にとって魅力的なキャリアパスです。

生活相談員

生活相談員（ソーシャルワーカー）は、特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどに配置され、利用者やその家族からの相談に応じたり、入退所の手続きを行ったり、関係機関との連絡・調整役を担ったりする職種です。介護の知識はもちろん、高いコミュニケーション能力や調整能力が求められます。

社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格などが必要とされることが多く、介護職からのキャリアチェンジとして目指す人も少なくありません。現場とは異なる視点から、利用者の生活を支えるやりがいのある仕事です。

独立して開業

介護業界で十分な経験と知識、人脈を築いた後には、自ら事業主となって独立・開業するという選択肢もあります。訪問介護事業所、デイサービス、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、開業できる事業の種類は様々です。経営者としての知識やスキルが必要となり、リスクも伴いますが、自分の理想とする介護サービスを追求できるという大きなやりがいがあります。

介護福祉士やケアマネジャーといった資格を持つことで、事業を運営する上で有利になるケースも多く、キャリアの集大成として大きな夢を描ける道です。

介護職を経験したあとキャリアチェンジは可能なの？

「介護職の経験は、他の業界では活かせないのでは？」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。介護の仕事を通じて培われるコミュニケーション能力や課題解決能力、ストレス耐性といったスキルは、どんな業界でも高く評価される「ポータブルスキル」です。

介護職からのキャリアチェンジは、決して難しいことではありません。ここでは、介護職の経験がなぜキャリアチェンジに有利に働くのかを解説します。

今のところ、いろいろな仕事がある中でやりたいのは介護職

多くの人が介護職を選ぶ理由は、その社会貢献性の高さや、人と深く関わることへのやりがいです。「誰かの役に立ちたい」「困っている人を支えたい」という思いを実現できる、数少ない仕事の一つと言えるでしょう。利用者からの「ありがとう」という言葉が、日々の仕事の何よりのモチベーションになります。

また、高齢化が進む日本において、介護職は今後ますます需要が高まる、将来性のある仕事でもあります。専門性を高めていくことで、生涯にわたって社会に貢献し続けることができる、誇り高い職業です。

でも、収入は他の職種の方が高そうに見える...

介護職の仕事にやりがいを感じる一方で、友人など他の職種で働く人と比べて収入が低いことに悩み、将来に不安を感じる人もいるかもしれません。確かに、キャリアのスタート時点では給与が低い傾向にありますが、前述したように、資格取得やキャリアアップによって収入を上げていくことは十分に可能です。

また、介護業界での経験を活かして、より給与水準の高い医療・福祉関連の他職種や、全く異なる業界へキャリアチェンジするという選択肢もあります。今の仕事のやりがいと、将来の収入やキャリアプランを天秤にかけ、自分にとって最適な道を見つけることが大切です。

介護職の経験をもとにキャリアチェンジは十分可能です！

介護職の経験は、異業種への転職において強力なアピールポイントになります。なぜなら、介護の現場では、多様な価値観を持つ利用者やその家族、医療関係者など、多くの人と連携しながら仕事を進めるため、非常に高いコミュニケーション能力が養われるからです。

また、予期せぬトラブルに冷静に対処する課題解決能力や、精神的なプレッシャーに耐えるストレス耐性も身につきます。実際に、業界未経験者を採用する際に企業が最も重視するのは「人柄・社風との相性」（87.1%）というデータもあり、介護職で培った人間力は、どの業界でも高く評価されるのです。

参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が最多。評価する能力トップは「コミュニケーション能力」/株式会社学情のプレスリリース」

介護職を経験してからのキャリアチェンジ例6選

介護職で培ったスキルは、驚くほど多くの職種で活かすことができます。対人スキルや課題解決能力は、ビジネスの世界でも非常に価値が高いのです。ここでは、介護職からのキャリアチェンジとして考えられる具体的な職種を6つ挙げ、それぞれの仕事で介護経験がどのように役立つのかを解説します。あなたの新たな可能性を見つけるヒントにしてください。

営業

営業職には、顧客の課題をヒアリングし、解決策を提案する能力が不可欠です。介護職で培った傾聴力や、相手のニーズを的確に汲み取る力は、顧客との信頼関係を築く上で大きな武器になります。また、粘り強い対応が求められる点も共通しています。

医療事務

医療事務は、病院やクリニックで受付や会計、診療報酬請求（レセプト）業務などを行います。介護保険や医療制度に関する知識が活かせるほか、患者さんやその家族へ丁寧に対応するコミュニケーション能力は、介護現場での経験がそのまま役立ちます。

保育士

高齢者福祉と児童福祉という違いはありますが、人の成長や生活に寄り添い、サポートするという点では共通しています。命を預かる責任感や、相手の気持ちに寄り添う共感力、保護者とのコミュニケーション能力など、多くのスキルを活かすことができます。

接客・販売

アパレルや飲食、ホテルなどでの接客・販売職では、顧客満足度を高めるための細やかな気配りやコミュニケーション能力が求められます。介護の仕事で身につけた、相手の表情や仕草からニーズを察する力は、質の高いサービス提供に直結します。

キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザーは、求職者の悩みや希望を聞き、キャリアプランを一緒に考え、最適な仕事を提案する仕事です。人の人生の岐路に立ち会い、親身に寄り添う姿勢は、介護職の経験と非常に親和性が高いと言えるでしょう。高い傾聴力を活かせます。

コールセンター

コールセンターのオペレーターは、顧客からの問い合わせに電話で対応する仕事です。相手の話を正確に聞き取り、分かりやすく説明する能力が求められます。クレーム対応などで培った冷静な対応力や、声のトーンで相手を安心させるスキルが役立ちます。

まずは介護職に挑戦したいけど、未経験から就職できるのか不安…

介護職は専門性が高くないと働けないイメージ…

「介護の仕事は資格がないとできないのでは？」というイメージが強いかもしれませんが、実際には無資格・未経験から始められる仕事がたくさんあります。多くの施設では、介護助手やサポートスタッフとして、まずは簡単な業務からスタートできます。

働きながら現場の雰囲気や仕事の流れを学び、会社からの資格取得支援制度などを利用して「介護職員初任者研修」を取得し、徐々に専門的な業務にステップアップしていくのが一般的なキャリアパスです。未経験者向けの研修制度が充実している職場も多いので、安心して飛び込むことができます。

忙しくても、プライベートとの両立はできるのかな…

介護の仕事はシフト制が基本ですが、その分、多様な働き方が可能です。正社員としてフルタイムで働く以外にも、パートやアルバイトとして週に数日だけ、あるいは日中の数時間だけ働くといった選択もできます。

また、夜勤専門のスタッフとして、日中の時間を有効に使う働き方もあります。子育てや家庭の事情に合わせて勤務時間や曜日を相談できる職場も多く、プライベートとの両立は十分に可能です。自分のライフスタイルに合った働き方ができる求人を探すことが、長く仕事を続けるためのポイントになります。

体力がないと、せっかく就職してもすぐに辞めたくなるかも…

確かに、入浴介助や移乗介助など、体力を使う業務もありますが、すべての介護業務がそうではありません。例えば、訪問介護の生活援助（掃除や調理など）や、施設のレクリエーション担当、送迎ドライバーといった仕事は、身体的な負担が比較的少ないです。

また、最近では介護リフトなどの福祉用具を積極的に導入し、職員の身体的負担を軽減する取り組みを進めている施設も増えています。体力に自信がない方は、まずこうした負担の少ない業務から始めてみるのがおすすめです。

精神的な辛さがどのくらいあるのかわからない…

介護の仕事は、利用者とのコミュニケーションやご家族からの要望、時には看取りなど、精神的な負担を感じる場面もあります。しかし、そうした辛さを一人で抱え込む必要はありません。多くの職場では、悩みを相談できる上司や同僚がいますし、定期的なミーティングで情報共有や意見交換を行い、チーム全体で課題解決に取り組んでいます。

また、企業によっては専門のカウンセラーによるメンタルヘルスサポート制度を設けている場合もあります。困った時に支え合える仲間や制度があるかどうかが、職場選びの重要なポイントです。

介護業界以外へのキャリアアップは難しそう…

介護職を経験した後、全く異なる業界へキャリアチェンジすることは十分に可能です。むしろ、介護の現場で培ったスキルは、他業種で高く評価される傾向にあります。

例えば、多様な人と円滑な関係を築く「コミュニケーション能力」、相手のニーズを深く理解する「傾聴力」、予期せぬ事態に冷静に対応する「課題解決能力」などは、営業職や接客業、人事職など、あらゆる仕事で求められる普遍的なスキルです。介護職は、キャリアの選択肢を狭めるどころか、むしろ将来の可能性を広げてくれる経験と言えるでしょう。

未経験から介護職や介護職以外の職種に挑戦するならZキャリア

未経験から新しい業界に挑戦するのは、誰でも不安がつきものです。特に介護職や、そこからのキャリアチェンジを考えるなら、どんな求人を選べばいいのか、自分のスキルが通用するのか、一人で悩んでしまうことも多いでしょう。そんな時こそ、転職のプロである転職エージェントを頼るのがおすすめです。Zキャリアは、未経験者の就職・転職サポートに特化しており、あなたの新たな一歩を力強く後押しします。

未経験OKの求人を豊富に揃えているので、職場環境や研修制度が整った求人に巡り会える

Zキャリアの最大の特徴は、未経験者を歓迎する求人を豊富に取り揃えている点です。ただ求人が多いだけでなく、キャリアアドバイザーが事前に企業の労働環境や研修制度をしっかりとチェックしているため、入社後のミスマッチが起こりにくいのが魅力です。

特に未経験者の受け入れにおいては、入社後の研修やOJT、資格取得支援制度などが整っているかどうかが非常に重要になります。Zキャリアを通じて、未経験からでも安心してキャリアをスタートできる、自分にぴったりの職場を見つけることができるでしょう。

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自分では気づいていない強みや、これからどんなスキルを身につけるべきか、客観的なアドバイスをもらえるのも転職エージェントを利用する大きなメリットです。Zキャリアのキャリアアドバイザーは、介護業界の動向や、現場で求められる人材像を熟知しています。

あなたのこれまでの経験をヒアリングした上で、「あなたのこんな強みが介護の現場で活かせますよ」といった具体的なアドバイスをしてくれます。また、面接対策や履歴書の添削などもサポートしてくれるため、自信を持って選考に臨むことができます。

介護業界以外でまず就職するのであれば、ステップアップのために今つけておくべきスキルを教えてくれる

「将来的には介護業界で働きたいけど、まずは別の業界で社会人経験を積みたい」という考えの方にも、Zキャリアは最適なサポートを提供します。介護業界へのキャリアチェンジを見据えた上で、その前段階としてどんな経験を積んでおくべきか、長期的な視点からキャリアプランを一緒に考えてくれます。

例えば、「まずは営業職でコミュニケーション能力と提案力を磨きましょう」といった具体的な提案が可能です。ゴールから逆算したキャリアプランニングにより、遠回りに見える道が、実は将来の大きな飛躍につながる近道になることもあります。