- 会社がテレワークより出社を優先する理由
- 出社を重視する会社に共通する特徴
- 無理な出社要求をされた時の具体的な対処法
- 自分に合った働き方ができる会社の探し方
テレワークできるのに会社が出社させたがるのはなぜ?
「家でも仕事ができるのに、どうして出社しないといけないんだろう?」そう感じるのは自然なことです。会社が出社を求める背景には、いくつかの理由が考えられます。具体的な理由として、以下の点が挙げられます。
- コミュニケーション不足を心配しているから
- 社員の働きぶりが見えず不安だから
- 会社の古い文化や体質が根強いから
- IT環境やセキュリティが不十分だと考えているから
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
コミュニケーション不足を心配しているから
会社側は、社員同士のコミュニケーションが減ることを心配している場合があります。確かに、チャットやメールだけでは伝わりにくい、ちょっとした相談や雑談から生まれるアイデアもあります。ですが、毎日のように顔を合わせなくても、Web会議ツールを使ったり、定期的にチームで集まる日を決めたりすることで、コミュニケーションは十分に取れます。会社が心配しているのは、コミュニケーションの「量」が減ることかもしれません。ですが、大切なのは量より「質」であることを理解してもらう必要があります。
社員の働きぶりが見えず不安だから
上司の立場からすると、部下が目の前にいないと「本当に仕事をしているのかな?」「困っていても気づけないかもしれない」と不安になることがあります。これは、部下の仕事を管理しにくいという気持ちの表れです。特に、仕事の進め方を時間で管理してきた上司ほど、この傾向が強いかもしれません。成果で評価する仕組みが整っていないと、どうしても「会社にいる時間=仕事をしている時間」と考えてしまいがちです。テレワークでもきちんと成果を出していることを示せれば、この不安は解消できる可能性があります。
会社の古い文化や体質が根強いから
会社によっては、「仕事は会社に来てやるものだ」という昔ながらの価値観が根強く残っている場合があります。特に、経営層や管理職の世代がそうした環境で長く働いてきた場合、新しい働き方であるテレワークに抵抗を感じることがあります。このような会社では、テレワークという選択肢自体が「特別なこと」と捉えられがちです。「みんなが出社しているから」という同調圧力が働き、合理的な理由なく出社が基本というルールになっているケースも少なくありません。
IT環境やセキュリティが不十分だと考えているから
テレワークを進めるには、社員全員が使えるパソコンや、安全に会社のデータにアクセスできるネットワーク環境が必要です。会社がIT環境の整備にコストがかかると考えていたり、家のネット環境から情報が漏れることを過度に心配していたりする場合、出社を促すことがあります。これは、会社側の準備不足や知識不足が原因であることも多いです。テレワークを導入している他の会社が、どのようなツールを使い、どうやって安全を確保しているのか、具体的な事例を知らないために、漠然とした不安から出社を求めている可能性も考えられます。
「出社させたがる会社」によく見られる特徴
出社を重視する会社には、いくつかの共通した特徴が見られることがあります。ご自身の職場が当てはまるか、チェックしてみましょう。具体的には、以下の特徴が挙げられます。
- 経営層や管理職の年代が高い
- ハンコや紙の文化が根強く残っている
- 新しいツールの導入に消極的である
- 雑談や飲み会を重視する風潮がある
各項目について、詳しく解説していきます。
経営層や管理職の年代が高い
必ずしも全てのケースではありませんが、経営層や管理職の年代が高い会社は、出社を重視する傾向があります。これは、彼らが自身の成功体験として「毎日会社に通い、顔を合わせて仕事を進める」という働き方が深く根付いているためです。新しい働き方に対して、価値観をすぐに切り替えるのが難しい場合があります。「自分たちの時代はこうだった」という考えが、無意識のうちに会社のルールに反映されているのかもしれません。若い世代の柔軟な働き方への考え方と、ギャップが生まれてしまうポイントです。
ハンコや紙の文化が根強く残っている
「この書類にハンコをもらうために出社しないと…」という経験はありませんか。稟議書や申請書が紙ベースで、承認のために上司のハンコがいくつも必要、といった文化が残っている会社では、テレワークを進めるのが物理的に困難です。書類を電子化すれば解決できる問題ですが、長年の慣習を変えることに抵抗がある会社は少なくありません。このようなアナログな業務フローが残っていること自体が、会社の体質が古いことのサインともいえるでしょう。
新しいツールの導入に消極的である
チャットツールやWeb会議システム、プロジェクト管理ツールなど、テレワークを円滑に進めるための便利なツールはたくさんあります。ですが、新しいことへの挑戦に消極的な会社は、こうしたツールの導入をためらいがちです。「使い方が難しそう」「導入するのにお金がかかる」「今のやり方で問題ない」といった理由で、変化を避ける傾向があります。現状維持を優先するあまり、より効率的な働き方を取り入れるチャンスを逃してしまっているのです。
雑談や飲み会を重視する風潮がある
仕事終わりの飲み会や、休憩時間の雑談といった、業務外のコミュニケーションを大切にする文化がある会社も、出社を好む傾向にあります。「飲み会も仕事のうち」といった考え方があったり、雑談の中からチームの一体感が生まれると信じられていたりします。もちろん、対面での交流が人間関係をスムーズにすることもあります。ですが、それが過度になると、テレワークを望む人にとっては負担に感じられたり、出社しない人が輪に入りづらい雰囲気になったりすることもあるでしょう。
出社を一方的に求められることのデメリット
会社の方針で出社を求められると、働く側にとっては様々なデメリットが生じます。それは単に「面倒くさい」という感情だけでなく、日々の生活や仕事への意欲にも影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のデメリットが考えられます。
- 通勤でプライベートの時間が削られる
- 仕事へのモチベーションが低下する
- ワークライフバランスが崩れやすい
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
通勤でプライベートの時間が削られる
出社で最も大きな負担となるのが、往復の通勤時間です。例えば、毎日往復で2時間かかるとすれば、1週間で10時間、1ヶ月で約40時間もの時間を移動に費やしていることになります。この時間があれば、趣味や勉強、家族と過ごす時間など、もっと有意義なことに使えるはずです。満員電車のストレスや移動による疲れもたまり、仕事が始まる前から疲弊してしまうことも少なくありません。プライベートの充実が、結果的に仕事のパフォーマンス向上にも繋がることを考えると、通勤時間は非常にもったいないロスといえるでしょう。

仕事へのモチベーションが低下する
テレワークでも十分に成果を出せるのに、合理的な理由なく出社を強制されると、「なぜ?」という不満や不信感が生まれます。会社の決定に納得できない気持ちは、仕事へのモチベーションを大きく低下させる原因になります。「自分の働き方を尊重してもらえない」「会社に信頼されていない」と感じてしまうと、仕事に対する前向きな気持ちを維持するのは難しくなります。やらされ仕事のように感じてしまい、自発的に行動したり、より良い仕事をしようという意欲が失われてしまう可能性もあるでしょう。
ワークライフバランスが崩れやすい
ワークライフバランスとは、仕事とプライベートの調和のことです。テレワークであれば、仕事の合間に少し家事をしたり、終業後すぐプライベートな時間に入ったりと、柔軟な時間の使い方ができます。ですが、出社が基本となるとその両立が難しくなります。例えば、平日に役所や銀行に行ったり、子供の送り迎えをしたりすることが困難になります。仕事のためにプライベートを犠牲にしている感覚が強まると、長期的に見て心身の健康を損なうことにも繋がりかねません。自分らしい生活を送るためにも、働き方の柔軟性は非常に重要です。
出社を強制されることで会社が負うリスク
従業員の気持ちを無視して出社を強制することは、実は会社側にとっても大きなリスクを伴います。短期的には管理しやすく見えても、長い目で見ると会社の成長を妨げる原因になりかねません。会社が負う可能性のあるリスクは、主に以下の通りです。
- 優秀な人材が離職してしまう
- 会社の評判が下がり採用で不利になる
- 社員の生産性がかえって低下する
これらのリスクについて、一つずつ見ていきましょう。
優秀な人材が離職してしまう
今の時代、働き方の柔軟性は、仕事を選ぶ上で非常に重要な要素です。特に、能力の高い優秀な人ほど、自分を信頼し、自由な働き方を認めてくれる環境を求めます。出社を強制する会社に対して、「この会社は将来性がない」「自分のキャリアにとってプラスにならない」と判断し、より良い条件の会社へ転職してしまう可能性が高まります。せっかく育てた人材がライバル会社に移ってしまうのは、会社にとって大きな損失です。
会社の評判が下がり採用で不利になる
「あの会社は今どき出社強制らしい」といった情報は、SNSや転職口コミサイトを通じてあっという間に広がります。会社の評判は、新しい人材を採用する上で非常に重要です。柔軟な働き方を求める求職者が多い中で、「時代遅れ」「社員を大切にしない」というイメージが定着してしまうと、応募者が集まらなくなってしまいます。結果として、採用活動が難航し、人手不足に陥るという悪循環に繋がる恐れがあります。
社員の生産性がかえって低下する
会社側は「出社させた方がサボらないし、生産性が上がるはず」と考えているかもしれません。ですが、実際にはその逆のことが起こる可能性があります。前述の通り、不満を抱えたまま働く社員のモチベーションは低くなりがちです。「どうせ会社に行かないといけないなら、最低限の仕事だけしよう」という気持ちになったり、通勤の疲れで集中力が続かなかったりします。結果として、オフィスにいる時間は長くても、実際の業務効率は低下してしまうのです。社員が気持ちよく働ける環境こそが、生産性を最大化する鍵といえます。
無理な出社要求はパワハラになる?
「出社したくないのに無理やり出社させられるのは、もしかしてパワハラ?」と疑問に思うかもしれません。どこからが業務命令で、どこからがパワハラになるのか、その線引きは難しい問題です。判断のポイントとして、以下の点が挙げられます。
- 雇用契約書の内容が判断の基準になる
- 合理的な理由がない要求は注意が必要
- 一方的な命令で不利益が生じた場合
法律に関わるデリケートな問題なので、断定はできませんが、基本的な考え方として解説します。
雇用契約書の内容が判断の基準になる
まず確認すべきなのは、入社時に交わした雇用契約書です。契約書に「勤務場所は本社とする」などと具体的に記載されている場合、会社は従業員に対してその場所での勤務を命じる権利があります。この場合、出社を求めること自体が、直ちにパワハラになるわけではありません。ですが、テレワークが可能な職種であり、多くの社員がテレワークをしている中で、特定の人だけに出社を命じるなど、状況によっては問題となる可能性も考えられます。
合理的な理由がない要求は注意が必要
業務命令には、業務上の必要性や合理性が求められます。「みんなが出社しているから」「なんとなく不安だから」といった曖昧な理由での出社要求は、合理性を欠くと判断される可能性があります。例えば、「今日はどうしても対面での打ち合わせが必要だから」「この作業は会社の設備でないとできないから」といった具体的な理由があれば、それは正当な業務命令といえるでしょう。ですが、そうした理由がなく、ただ出社を強いるのは問題となる場合があります。
一方的な命令で不利益が生じた場合
もし、合理的な理由なく出社を拒否したことに対して、減給や降格、嫌がらせといった不利益な扱いを受けた場合、それはパワハラに該当する可能性が非常に高くなります。業務命令を逸脱した、人格を否定するような暴言なども同様です。もし、会社からの出社要求に対して、精神的な苦痛を感じたり、不当な扱いを受けたりした場合は、一人で抱え込まずに、社内の相談窓口や、外部の専門機関に相談することを検討しましょう。
今の会社でできる具体的なアクション
会社のやり方に不満があるからといって、すぐに「転職だ!」と決めるのは早計かもしれません。まずは、今の会社で状況を改善できないか、試せることから始めてみましょう。前向きなアクションを起こすことで、道が開けることもあります。
- テレワークによる業務成果を具体的に示す
- 週1日など部分的なテレワークを提案する
- 同じ考えを持つ同僚と協力して相談する
各アクションについて、詳しく解説していきます。
テレワークによる業務成果を具体的に示す
上司や会社が出社を求める理由が「働きぶりが見えず不安」という点にあるなら、テレワークでも成果を出せることを証明するのが最も効果的です。「テレワークの日も、これだけの業務を完了させました」と、具体的な数字や実績で報告しましょう。「〇〇の資料作成が、集中できる自宅の方が早く終わりました」など、生産性が上がった具体例を伝えるのも良い方法です。「テレワーク=サボる」という思い込みを、「テレワーク=効率的」という認識に変えてもらうことが目標です。

週1日など部分的なテレワークを提案する
いきなり「完全テレワークにしてください」と要求するのは、ハードルが高いかもしれません。そこで、まずは段階的な導入を提案してみましょう。「まずは週に1日だけ、テレワークを試させていただけませんか?」といった形です。会社側も、小規模なトライアルであれば受け入れやすい場合があります。お試し期間を設けて、問題なく業務が進むことを実績として示せれば、徐々に日数を増やしていく交渉もしやすくなるでしょう。スモールスタートで、成功体験を積み重ねていくことが大切です。
同じ考えを持つ同僚と協力して相談する
もし、自分以外にも「テレワークをしたい」と考えている同僚がいるなら、一人ではなく複数人で意見を伝えるのも有効な手段です。一人の意見だと「わがまま」と捉えられてしまう可能性もありますが、複数の社員からの要望となれば、会社側も無視できなくなります。「私たち〇〇部は、週に数日テレワークを導入することで、業務効率がこれだけ上がると考えています」といった形で、チームとしての提案としてまとめると、より説得力が増します。ただし、愚痴を言うだけの集まりにならないよう、建設的な話し合いを心がけましょう。
自分に合う働き方ができる会社への転職準備
色々と試してみたけれど、やはり今の会社では働き方を変えるのが難しいと感じるかもしれません。その場合は、自分の希望を叶えられる会社へ転職することも、前向きな選択肢の一つです。転職活動を始める前に、いくつか準備しておきましょう。

後悔しない転職にするために、それぞれのポイントをしっかり押さえておきましょう。
テレワーク制度の有無を求人票で確認する
転職活動の第一歩は、求人情報のチェックです。求人票の「勤務形態」や「福利厚生」の欄に、「テレワーク・在宅勤務OK」「リモートワーク制度あり」といった記載があるかを確認しましょう。「一部リモート可」「応相談」といった表現の場合は、どの程度の頻度でテレワークが可能なのか、条件があるのかなどを面接で詳しく確認する必要があります。「働き方の柔軟性」をアピールしている会社は、制度が整っている可能性が高いです。
面接で柔軟な働き方について質問する
求人票に記載があっても、それが実際にどの程度活用されているかは分かりません。面接は、会社のリアルを知る絶好の機会です。働き方に関する質問をしてみましょう。例えば、「テレワーク制度は、どのくらいの社員さんが利用されていますか?」「入社後、すぐにテレワークは可能でしょうか?」といった具体的な質問をすることで、制度の実態が見えてきます。ただし、待遇のことばかり聞くと印象が良くない場合もあるので、仕事への意欲を伝えた上で、質問のタイミングや聞き方には配慮しましょう。
企業の口コミサイトでリアルな社風を調べる
求人票や面接だけでは分からない、実際に働いている人たちの本音を知るためには、企業の口コミサイトを参考にするのも一つの手です。匿名で投稿されていることが多いため、よりリアルな情報が書かれていることがあります。「制度はあるけど、実際は上司が許可してくれない」「テレワークしているのは一部の部署だけ」といった内部情報が見つかるかもしれません。ただし、全ての口コミが正しいとは限らないので、あくまで参考情報の一つとして、多角的に情報を集めることが大切です。
どうしても今の職場が合わないと感じたら
様々な努力や情報収集をしても、今の職場環境が変わらない、あるいは自分の望む働き方とは根本的に合わない、と感じることもあるでしょう。そんな時は、自分を責めたり、無理に我慢し続けたりする必要はありません。
- 無理に働き続ける必要はないと心得る
- 転職は新しい可能性を広げるチャンスと捉える
- 働き方のプロである転職エージェントに相談する
自分のキャリアと未来のために、前向きな一歩を踏み出すことを考えてみましょう。
無理に働き続ける必要はないと心得る
心や体の健康が何よりも大切です。働き方に納得できず、毎日ストレスを感じながら仕事を続けることは、長期的に見て良い結果を生みません。モチベーションが上がらないだけでなく、心身の不調に繋がってしまうこともあります。「石の上にも三年」ということわざがありますが、時代は変わっています。合わない環境で我慢し続けるよりも、自分らしく輝ける場所を探すことの方が、ずっと建設的です。自分を守るために「辞める」という選択肢を持つことは、決して逃げではありません。
転職は新しい可能性を広げるチャンスと捉える
転職に対して、ネガティブなイメージを持つ必要は全くありません。むしろ、転職は自分の可能性を広げる大きなチャンスです。これまでとは違う業界や職種に挑戦したり、より良い労働条件の会社に移ったりすることで、キャリアアップにも繋がります。今の会社しか知らない状態では、それが当たり前だと感じてしまうかもしれません。ですが、一歩外に出てみれば、もっと自分に合った働き方ができる会社、自分のスキルを高く評価してくれる会社がたくさん存在することに気づくはずです。
働き方のプロである転職エージェントに相談する
「でも、どうやって自分に合う会社を探せばいいんだろう…」と不安に思うかもしれません。そんな時は、働き方のプロである転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。転職エージェントは、たくさんの求人情報を持っているだけでなく、一般には公開されていない会社の雰囲気や、テレワーク制度の実際の運用状況といった内部情報に詳しいことがあります。自分の希望を伝えることで、一人で探すよりも効率的に、自分にぴったりの会社を見つける手助けをしてくれます。もし、今の会社の働き方に疑問を感じ、テレワークが可能な職場への転職を少しでも考えているなら、Zキャリアのエージェントに相談してみませんか。あなたの希望に合った働き方ができる求人の紹介はもちろん、面接対策まで丁寧にサポートします。まずは気軽に話を聞いてみることから始めてみましょう。