【業界】出張が多い仕事

建設・プラント・不動産業界
建設業界やプラントエンジニアリング、不動産開発などの分野は、プロジェクトの現場が全国各地、あるいは海外に及ぶことが多いため、必然的に出張が多くなります。特に施工管理や現場監督といった職種では、工事期間中は数ヶ月から年単位で現地に滞在する長期出張が発生することも珍しくありません。
また、不動産業界においても、用地仕入れや物件調査のために広範囲なエリアを飛び回る必要があります。現場での進捗管理や安全確認、近隣住民への対応など、デスクワークでは完結しない業務が中心となるため、フットワークの軽さが求められる業界と言えます。
商社(総合商社・専門商社)
商社は「トレーディング」と「事業投資」を両輪としており、国内外のサプライヤーや顧客と直接交渉を行う機会が頻繁にあります。総合商社であれば、エネルギー、食料、化学品など扱う商材が多岐にわたり、世界中をフィールドに活躍するため海外出張が日常茶飯事です。
専門商社であっても、特定の分野に特化した部品や原材料の調達、販路拡大のために、メーカーの工場や卸先へ頻繁に足を運びます。Web会議が普及した現在でも、重要な契約交渉や新規パートナーの開拓、製品の品質確認などは対面で行う文化が根強く、出張ベースでビジネスが動いています。
コンサルティング・監査業界
コンサルティングファームや監査法人は、クライアント(顧客企業)のオフィスに常駐して業務を行うケースが多く、出張の頻度は非常に高いです。特に経営コンサルタントは、地方の工場再生案件や支社ごとの業務改善プロジェクトなどに関わることがあり、週の半分以上をクライアント先で過ごす「常駐型」の支援も一般的です。
また、監査法人の会計士も、決算期には全国の支店や子会社の監査を行うために各地を巡回します。クライアントの現場の空気を肌で感じ、経営層や現場担当者と密なコミュニケーションをとることが成果に直結するため、移動を厭わない姿勢が求められます。
メーカー(製造業)
メーカーにおける出張は、主に生産拠点である工場や、販売先である顧客のもとへ赴くことで発生します。開発職や技術職であれば、新製品の立ち上げやラインのトラブル対応のために国内外の工場へ長期出張することがあります。また、営業職は自社製品を売り込むために全国の代理店や販売店を回ります。
特にグローバル展開しているメーカーでは、海外現地の市場調査やローカライズのために現地へ飛ぶことも多いです。製品という「モノ」が中心にある以上、製造現場や使用現場を確認し、品質を担保するための移動は、メーカー勤務にとって欠かせない業務の一部です。
小売・サービス・飲食(チェーン展開企業)
全国に店舗を展開する小売、飲食、サービス業界では、エリアマネージャーやスーパーバイザーといった職種で出張が多く発生します。彼らは担当エリア内の複数店舗を巡回し、売上管理やスタッフの指導、店舗運営の改善を行います。
本部社員がヘルプとして現場に入ったり、採用支援のために各地を飛び回ったりするケースも増えています。現場の最前線を支えるために、移動距離と頻度は高くなる傾向にあります。
【職種】出張が多い仕事
営業職(法人営業・海外営業)
営業職は、出張が多い職種の代表格です。特に法人営業(BtoB)の場合、顧客が全国に点在していると、商談のために新幹線や飛行機を利用して訪問する日々が続きます。既存顧客のフォローだけでなく、新規開拓のために地方の展示会に参加したり、飛び込み営業を行ったりすることもあります。
海外営業であれば、一度の出張が1週間から数ヶ月に及ぶこともあり、時差や文化の違いに適応しながらタフに交渉を進める能力が求められます。移動中の車内で資料を作成したり、メール対応をしたりと、場所を選ばずに成果を出す自律性が重要視される職種です。
技術系専門職(フィールドエンジニア・サービスエンジニア)
フィールドエンジニアやサービスエンジニアは、顧客先に導入された機械やシステムの設置、保守、修理を行う技術職です。医療機器、産業用ロボット、サーバー設備などが対象で、トラブルが発生した際には緊急で現場へ急行する必要があります。顧客の拠点が全国にあれば、1日に複数の県をまたいで移動することも珍しくありません。
現場での作業が完了しなければ帰れないというプレッシャーもありますが、トラブルを解決して顧客から直接感謝されるやりがいも大きい仕事です。技術力に加え、現場での柔軟な対応力と体力が求められます。
施工管理(現場監督)
施工管理は、建設現場における「司令塔」の役割を果たします。工程管理、品質管理、安全管理、原価管理の4大管理を担い、工事が無事に完了するまで現場に常駐します。プロジェクトごとに勤務地が変わるのが特徴で、大規模なダムやトンネル、高層ビルの建設などであれば、数年単位でその土地に住み込む「出張」というよりは「転勤」に近い形になることもあります。
一方で、店舗の内装工事や小規模な修繕工事を担当する場合は、短期間で次々と現場を移動するスタイルになります。いずれにせよ、現場が仕事の中心であるため、オフィスにいる時間は比較的短くなります。
バイヤー・MD(マーチャンダイザー)
バイヤーやMDは、消費者に提供する商品を買い付けたり、商品開発の計画を立てたりする仕事です。アパレルであれば展示会やファッションショーのために海外へ、食品であれば産地の開拓や品質確認のために地方の農家や漁港へ足を運びます。
「売れる商品」を見つけるためには、インターネット上の情報だけでなく、実物を目で見て、生産者の想いやストーリーを直接聞くことが不可欠です。トレンドの最先端を追いかけるために、都市部だけでなく地方の隠れた名品を探し回ることもあり、好奇心旺盛でフットワークの軽い人に向いている職種です。
経営企画・M&A担当
経営企画やM&A担当は、企業の成長戦略を描く中枢部門ですが、意外にも出張の機会は多いです。特にM&A(企業の合併・買収)を行う際、買収対象となる企業のデューデリジェンス(資産査定)や、経営陣との面談、現場視察のために現地へ頻繁に赴きます。
また、買収後のPMI(経営統合)フェーズでは、本社と現地法人の橋渡し役として、何度も往復して企業文化の融合を図ります。支社統廃合や新規事業の立ち上げなど、会社の重要な局面において、現場のリアルな情報を吸い上げ、経営判断に活かすための移動が発生します。
出張の多い仕事のメリット

出張手当で実質的な収入が増える
出張が多い仕事の金銭的なメリットとして、「出張手当(日当)」の支給が挙げられます。これは交通費や宿泊費とは別に、出張に伴う雑費や食事代の補助として支払われるもので、多くの企業で非課税所得として扱われます。1日あたり数千円程度が相場ですが、出張日数が多い場合、月単位で見ると数万円のプラスになることもあります。
マイルやポイントが貯まりやすい
頻繁に飛行機や新幹線、ホテルを利用することで、航空会社のマイルや旅行サイトのポイント、ホテルの会員ステータスが急速に貯まることも隠れたメリットです。企業によっては、個人のカードやアカウントでの予約を認めている場合があり、貯まったポイントをプライベートの旅行に活用することができます。
上級会員になれば、ラウンジの利用や部屋のアップグレードなどの特典を受けられるようになり、出張中の快適性が増すだけでなく、私生活での旅行も豪華にお得に楽しめるようになります。移動が多いからこそ享受できる役得と言えるでしょう。
隙間時間でご当地グルメや観光を楽しめる
仕事のスケジュール次第ですが、移動の合間や業務終了後に、その土地ならではの食事や観光を楽しめるのも出張の醍醐味です。ランチに名物のラーメンを食べたり、夜は地元の居酒屋で新鮮な海鮮を味わったりと、普段の生活圏では出会えない食体験ができます。
また、早めに現地入りして周辺を散策したり、帰りの新幹線までの時間にお土産を選んだりすることで、ちょっとした旅行気分を味わうことも可能です。忙しい業務の中でのリフレッシュになり、次の仕事への活力を養う良い機会となります。
移動時間を自由時間にできる
新幹線や飛行機での長距離移動中は、電話や会議に邪魔されにくい貴重な「自分だけの時間」になります。Wi-Fi環境が整っていれば集中して資料作成などの業務を片付けることもできますし、疲れている時は座席を倒して仮眠を取ることも可能です。
また、読書をしたり、映画を見たり、資格の勉強をしたりと、自己研鑽や趣味の時間として有効活用する人もいます。オフィスにいると突発的な依頼で中断されがちな作業も、移動中なら集中して取り組めるため、時間の使い方次第で生産性を大きく向上させることができます。
役所・銀行、買い物に平日に行きやすい
出張のスケジュールによっては、直行直帰が認められたり、移動時間の調整で平日の日中に空き時間ができたりすることがあります。この時間を活用して、平日しか開いていない役所での手続きや銀行への用事、病院の受診などを済ませやすいというメリットがあります。
また、主要駅や空港を利用することが多いため、話題のスイーツや限定商品を並ばずに購入できることもあります。一般的なデスクワークでは有給休暇を取らなければ難しい平日の用事を、業務の隙間で柔軟にこなせるのは、裁量の大きい出張族ならではの利点です。
出張の多い仕事のデメリット

移動疲れにより体力が削られる
最大のデメリットはやはり身体的な疲労です。早朝の出発や深夜の帰宅、重い荷物を持っての移動、長時間座りっぱなしの姿勢などは、想像以上に体力を消耗します。特に飛行機の気圧変化や、慣れない土地での緊張感は、自覚のないストレスとなって蓄積されます。
若いうちは気力で乗り切れても、年齢を重ねるにつれて腰痛や慢性的な疲労感に悩まされる人も少なくありません。日々の体調管理や、移動中にいかにリラックスできるかといった自己管理能力が、長く働き続けるためには不可欠となります。
外食の機会が増えて食生活が乱れてしまう
出張先ではどうしても外食やコンビニ弁当が中心になりがちで、栄養バランスが偏りやすくなります。接待や懇親会でお酒を飲む機会が増えることもあり、カロリー過多や塩分の摂りすぎにつながります。また、移動スケジュールに合わせて食事時間が不規則になることも、胃腸への負担となります。
自宅であれば野菜中心の食事を作れる場面でも、出張先では選択肢が限られるため、意識的に野菜を摂ったり、休肝日を設けたりするなどの工夫をしないと、体重増加や健康診断の数値悪化を招くリスクが高まります。
家族や友人、恋人と予定を合わせにくい
出張が多いと、平日の夜に急な予定が入っても対応できず、家族やパートナーと過ごす時間を確保しにくくなります。特に子育て中の家庭では、ワンオペ育児をパートナーに強いることになり、家庭内の不和の原因になることもあります。週末も移動で潰れたり、疲れて寝てしまったりすることがあるため、友人との約束も入れづらくなります。
寝る場所が変わるため、寝つきが悪くなる場合がある
「枕が変わると眠れない」というタイプの人にとって、出張は大きなストレスになります。ホテルのベッドの硬さが合わない、空調の調整が難しい、廊下の音が気になる、乾燥しているなど、睡眠環境が頻繁に変わることで良質な睡眠がとれないことがあります。
睡眠不足のまま翌日の商談や業務に臨まなければならず、パフォーマンスの低下やミスにつながる恐れもあります。愛用の枕やアロマを持参するなど、自分なりの入眠儀式を持つ人もいますが、環境の変化に敏感な人にとっては辛い側面と言えます。
「みなし労働時間」により、移動時間が労働時間に含まれないこともある
出張時の労働時間管理において注意が必要なのが「みなし労働時間制」です。これは、社外で働いていて労働時間の算定が難しい場合に、所定労働時間働いたものとみなす制度です。この制度が適用されると、実際の移動時間が長くても、あるいは商談が長引いても、定時まで働いたことと同じ扱いになり、残業代が出ないケースがあります。
移動時間は「労働」ではなく「通勤」の延長とみなされることが多く、早朝移動や深夜移動が労働時間としてカウントされないことに不満を感じるビジネスパーソンも少なくありません。
出張が少ない仕事に就きたい場合
オフィスや自宅で完結する仕事や特定の店舗・施設に常駐する仕事を選ぶ
出張を避けたい場合は、物理的に移動の必要がない職種を選ぶのが確実です。経理、人事、総務などのバックオフィス業務や、コールセンター、ITエンジニアなどは、オフィスや自宅でのデスクワークが中心となります。
また、特定の店舗や施設に勤務する販売職や医療・介護職も、転居を伴う転勤がない限り、日々の業務で遠方への出張が発生することは稀です。求人探しの段階で「勤務地固定」「完全内勤」といった条件に注目しましょう。
求人を探す際に「出張」に関係ありそうなキーワードを避ける
求人票を見る際、出張が発生しやすいキーワードが含まれていないかチェックすることが重要です。「全国対応」「フットワーク」「顧客訪問」「現地調査」「エリアマネジメント」といった言葉がある場合、出張が含まれる可能性が高いです。
逆に「腰を据えて働く」「内勤100%」「転勤なし」といったキーワードは、移動が少ない仕事であるサインです。また、募集要項の「勤務地」欄だけでなく、「仕事内容」の詳細を読み込み、誰に対してどこでサービスを提供するのかをイメージすることで、隠れた出張リスクを見抜くことができます。
面接で1日の流れや対応エリアを確認する
求人票だけでは判断しきれない場合、面接で具体的な働き方を確認しましょう。「1日のスケジュール例を教えていただけますか?」「担当するクライアントのエリアはどの範囲ですか?」「部署のメンバーは月にどのくらい外出されていますか?」といった質問をすることで、実態が見えてきます。
ただし、露骨に「出張はしたくありません」と伝えると、意欲が低いと判断されるリスクがあるため、「効率的に業務を進めたい」「腰を据えて専門性を高めたい」といったポジティブな文脈で質問するのがコツです。
【会社の規模や採用方法】転勤なく働くことができる仕事の例
地方公務員
地方公務員は、都道府県庁や市役所、町村役場などに勤務するため、原則として採用された自治体の管轄エリア外への転勤や出張は発生しません(研修などを除く)。地域に根差して働くことが前提となっており、ライフプランが立てやすいのが最大の特徴です。福利厚生や雇用も安定しており、長く安心して働き続けたい人にとって有力な選択肢です。
ただし、県庁職員の場合は県内全域が異動範囲となるため、県によっては引っ越しを伴う異動が発生する可能性がある点には注意が必要です。
中小企業や地場企業
特定の地域にのみ拠点を置く中小企業や地場企業も、遠隔地への転勤や出張が少ない傾向にあります。地元で腰を据えて働けるというメリットは大きいです。全国展開していないため、顧客も近隣エリアに集中していることが多く、移動時間が少ないため、ワークライフバランスを重視する人には適した環境と言えるでしょう。
地域限定正社員(エリア限定職)
大企業であっても、「地域限定正社員」や「エリア職」という雇用形態であれば、転居を伴う転勤を回避できます。これは、働く地域を限定して採用される制度で、給与水準は全国転勤ありの総合職と比較してやや低く設定されることが一般的ですが、それ以外は正社員と同等の待遇を受けられます。
育児や介護などの事情で住む場所を変えられない人や、地元志向の強い人にとっては、大企業の安定性と定住の安心感を両立できる魅力的な選択肢です。
支社・子会社採用
親会社ではなく、特定の地方にある支社や子会社で現地採用される場合も、その拠点での勤務が前提となるため、出張や転勤は限定的です。例えば、大手メーカーの地方工場を運営する製造子会社や、地域ごとの販売会社などがこれに当たります。親会社のブランド力や福利厚生の一部を享受しつつ、地域に密着した働き方が可能です。
ただし、キャリアアップの過程で親会社への出向や、近隣エリア内の他拠点への異動が発生する可能性については、事前に確認しておく必要があります。
【職種】転勤なく働くことができる可能性が高い仕事の例
ITエンジニア(Web・社内SE)
プログラマーやシステムエンジニアなどのIT職種は、PCとネット環境があれば業務が可能であるため、場所を選ばずに働ける代表的な職種です。特にWeb系企業や自社開発を行う企業、社内SEなどは、客先常駐がない限りオフィスや自宅での勤務が基本となります。
成果物がデジタルデータであるため、納品のために移動する必要もありません。近年ではフルリモート導入企業も増えており、居住地を問わず東京の仕事を地方で行うといった働き方も現実的になっています。
事務職
一般事務、経理、営業事務などの事務職は、社内での書類作成、データ入力、電話応対などが主な業務であり、外出の必要性がほとんどありません。来客対応や郵便物の管理など、オフィスにいることが求められる業務が多く、物理的に出張が発生しにくい職種です。
基本的には定時で帰りやすく、土日祝日が休みのケースが多いため、プライベートの予定も立てやすいでしょう。ただし、人気職種であるため倍率は高く、派遣社員や契約社員での募集が多い傾向にあります。
医療・介護・福祉職
看護師、介護士、保育士、理学療法士などの専門職は、病院や介護施設、保育園といった特定の施設に勤務します。患者さんや利用者さんと直接対面してケアを行う仕事であるため、その施設に行かなければ仕事になりませんが、逆に言えば遠方への出張業務はほとんどありません。
資格が必要な専門職であるため、配偶者の転勤などで引っ越した場合でも、全国どこでも次の職場を見つけやすいという強みもあります。体力的な負担はありますが、地域に貢献しながら安定して働ける仕事です。
ビル管理・マンション管理
ビルメンテナンスやマンションの管理人は、担当する建物に常駐し、設備の点検や清掃管理、入居者対応などを行います。現場でのトラブル対応が主業務であるため、担当物件から離れることは基本的にありません。
複数の物件を巡回するスタイルの場合でも、移動範囲は近隣エリアに限られることが大半です。中高年の方の採用も活発で、資格を取得すれば長く安定して働ける職種として注目されています。静かな環境でコツコツと作業を進めたい人に向いています。
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参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が最多。評価する能力トップは「コミュニケーション能力」/株式会社学情のプレスリリース」