- 会社が倒産する前に見られる予兆
- 倒産の予兆を感じた時の対処法
- もし会社が倒産した場合の社員の処遇
- 将来性のある会社への転職の進め方
会社が倒産する前に現れる予兆とは?
会社の経営が危なくなると、職場環境や人間関係に変化が現れ始めます。ここでは、会社が倒産する前に現れる予兆について、以下の具体的なポイントを解説します。
- 優秀な社員や中堅社員が次々と辞める
- 社員の士気が明らかに下がっている
- オフィスの雰囲気が常に悪く会話がない
- 残業代や給料の支払いが遅れ始める
各項目について、詳しく見ていきましょう。
優秀な社員や中堅社員が次々と辞める
会社の将来性をいち早く察知するのは、仕事ができて情報収集能力の高い優秀な社員です。これまで会社を引っ張ってきた先輩や、頼りになる中堅社員が、特に引き止められることもなくあっさりと辞めていくのは、危険なサインかもしれません。
会社の状況が良い時は、企業側も重要な人材が辞めないように必死で引き止めます。ですが、経営に余裕がなくなると、そうした対応もできなくなります。将来性がないと感じた社員から見切りをつけていくため、人の流出が止まらなくなるのです。特に、退職理由を曖昧にしたり、口を閉ざしたりする人が多い場合は、何か言えない事情がある可能性が高いでしょう。
社員の士気が明らかに下がっている
職場のメンバー全体のやる気が感じられない状態も、注意が必要な予兆の一つです。以前は活気があったのに、最近は朝礼で誰も発言しなかったり、会議が静まり返っていたりしませんか。会社の業績が悪化すると、ボーナスがカットされたり、給料が上がらなかったりと、社員の頑張りが報われにくくなります。
その結果、「頑張っても意味がない」という空気が職場全体に広がり、士気が下がってしまいます。また、会社の将来に対する不安から、仕事に集中できなくなる人も増えるでしょう。遅刻や欠勤が増えたり、仕事中の私語やスマホいじりが目立つようになったりした場合も、会社への帰属意識が薄れている証拠と言えます。
オフィスの雰囲気が常に悪く会話がない
会社の経営状況が悪くなると、職場の雰囲気がギスギスし始めることがよくあります。業績不振の責任のなすりつけ合いが始まったり、上司が常にイライラして部下にあたったりと、人間関係が悪化しがちです。以前は和気あいあいとしていた職場から笑顔や雑談が消え、業務連絡以外の会話がほとんどなくなったなら、それは危険信号かもしれません。
また、経営陣や上層部が何かを隠しているような、よそよそしい態度を取ることもあります。社員に余計な心配をかけないため、という配慮かもしれませんが、その不自然な態度はかえって職場の空気を重くし、社員の不安を煽ることになります。風通しが悪く、何かを相談しにくい雰囲気は、健全な職場環境とは言えません。
残業代や給料の支払いが遅れ始める
社員への給料の支払いが遅れるのは、最も分かりやすい危険信号です。会社の資金繰りが極めて悪化している証拠であり、倒産が間近に迫っている可能性が非常に高い状況と言えます。最初は「経理のミスで」「手続きが遅れていて」といった理由が説明されるかもしれませんが、それが一度でも起これば、会社の財務状況はかなり厳しいと判断すべきです。
給料本体の支払いは遅れなくても、残業代やボーナス、経費の精算などが遅れたり、支払われなくなったりするケースも要注意です。人件費は会社にとって最も重要な支出の一つです。その支払いが滞るということは、会社の資金が底をつきかけていることを意味します。このような状況になったら、すぐに行動を開始する必要があります。
お金の流れから見える倒産の危険サイン
会社の経営状態は、お金の流れに最も正直に現れます。ここでは、経費削減や取引先の変化など、お金の流れから見える倒産の危険サインについて、以下のポイントを解説します。
- 極端な経費削減が厳しく指示される
- 主要な取引先がいつの間にか変わっている
- 会社の備品が古く全く買い替えられない
- 銀行や金融機関の人が頻繁に出入りする
各項目について、詳しく解説していきます。
極端な経費削減が厳しく指示される
会社の経営が厳しくなると、まず手をつけるのが経費削減です。もちろん、健全な経営のためには無駄なコストを削減することは重要です。ですが、そのレベルが「極端」になってきたら注意が必要です。例えば、これまで使えていた文房具などの備品が自腹になったり、オフィスの電気をこまめに消すよう厳しく言われたり、トイレットペーパーが質の悪いものに変わったりといった変化です。
これらは、会社のキャッシュフロー、つまり手元にある現金の流れが非常に悪くなっているサインです。目先の現金支出を少しでも減らすために、社員の働く環境やモチベーションを犠牲にしてでもコストを削ろうとしている状態と言えます。このような細かすぎる経費削減は、会社の経営が切羽詰まっている証拠かもしれません。
主要な取引先がいつの間にか変わっている
長年付き合いのあった大口の取引先との契約が、突然終了するのは危険な兆候です。取引先は、自社の経営を守るために、取引相手の経営状況を常にチェックしています。もし、あなたの会社の経営が危ないと判断されれば、連鎖倒産のリスクを避けるために取引を打ち切ってくる可能性があります。
特に、何の発表もなく、いつの間にか主要な取引先が中小企業や聞いたことのない会社に変わっていた場合は注意が必要です。これは、与信調査(取引相手の支払い能力を調べること)で問題が見つかり、大手企業から取引を断られているのかもしれません。会社の売上の大部分を占めるような主要取引先を失うことは、経営に大きなダメージを与え、倒産に直結する可能性があります。
会社の備品が古く全く買い替えられない
会社のパソコンが古くて動作が遅かったり、オフィス家具がボロボロになっても買い替えられなかったりするのも、資金繰りが悪化しているサインです。事業を継続するためには、社員が効率よく働ける環境を整えるための投資が不可欠です。ですが、会社にお金がなくなると、そうした設備投資にまで手が回らなくなります。
また、オフィスの清掃が行き届かなくなり、トイレや給湯室が汚れている状態が続くのも危険な兆候です。清掃業者への支払いが滞っていたり、経費削減のために契約を打ち切ったりしている可能性があります。社員が働く環境への配慮ができなくなるほど、会社の経営が追い詰められていると考えることができます。

銀行や金融機関の人が頻繁に出入りする
普段あまり見かけない銀行の担当者や、いかにも金融機関関係者といったスーツ姿の人が頻繁に会社を訪れるようになったら、注意が必要です。これは、会社が銀行に追加の融資を頼んでいたり、返済計画の見直しを交渉していたりするサインかもしれません。
特に、社長や経理担当者が深刻な表情で会議室にこもっている姿を頻繁に見かける場合は、資金繰りが相当悪化している可能性があります。銀行からの融資が止められてしまうと、会社の運転資金がショートし、倒産に追い込まれるケースは少なくありません。会社の存続に関わる重要な話し合いが行われている可能性を考えておくべきでしょう。
要注意!会社を潰してしまう社長の特徴
会社の未来は、経営者である社長の手腕にかかっていると言っても過言ではありません。ここでは、会社を危険な方向へ導いてしまう可能性のある社長の特徴について、以下のポイントを解説します。
- 現実的ではない精神論ばかりを話す
- 言うことが頻繁に変わり一貫性がない
- 現場の状況を全く把握しようとしない
- 社員を大切にしない言動が目立つ
各項目について、詳しく見ていきましょう。
現実的ではない精神論ばかりを話す
業績が悪化しているにもかかわらず、具体的な対策を示さず「気合で乗り切れ」「気持ちが足りない」といった精神論ばかりを繰り返す社長は危険です。もちろん、仕事に対する情熱や高い目標を持つことは大切です。ですが、それだけで解決できない問題があるのも事実です。
経営者には、会社の現状を冷静に分析し、データに基づいた具体的な戦略を立てる責任があります。根拠のない精神論に頼るのは、問題から目をそらし、現実的な解決策を考えることを放棄しているのと同じです。このような社長のもとでは、社員はただ疲弊していくだけで、会社の状況が好転することはないでしょう。
言うことが頻繁に変わり一貫性がない
社長の言うことが昨日と今日で全く違う、いわゆる「朝令暮改」が頻繁に起こる会社も注意が必要です。経営方針に一貫性がないと、社員は何を信じて仕事を進めれば良いのか分からなくなり、現場は混乱します。思い付きで新しい事業を始めてはすぐにやめたり、目標がコロコロ変わったりすると、社員は振り回され、会社に対する信頼を失ってしまいます。
一貫性のない指示は、社長自身に長期的なビジョンや経営戦略がないことの表れです。その場の雰囲気や思いつきで経営判断を下している可能性が高く、会社という船の舵取りを任せるには非常に不安が残ります。このような状況では、社員が安心して働くことは難しいでしょう。
現場の状況を全く把握しようとしない
社長がオフィスや工場に全く顔を出さず、現場で何が起こっているのかを把握していない場合も危険です。会社の経営は、現場で働く社員たちの努力によって支えられています。現場の声に耳を傾けず、実態とかけ離れた理想論ばかりを語る社長の判断は、現実的でなく、かえって状況を悪化させることにつながりかねません。
また、高級車を乗り回したり、頻繁にゴルフや会食に出かけたりと、社長の羽振りが良すぎるように見える場合も注意が必要です。会社の経費を私的に流用している可能性も考えられます。社員が苦労している中で、経営者だけが贅沢をしているような会社は、社員の信頼を得られず、いずれ立ち行かなくなるでしょう。
社員を大切にしない言動が目立つ
社員を会社の「駒」や「コスト」としか考えていないような言動が目立つ社長も、会社を潰してしまう典型的なタイプです。例えば、社員の前で特定の人物を大声で叱責したり、個人の人格を否定するような発言をしたり、成果を出しても全く評価しなかったりする場合です。
このような社長のもとでは、社員は安心して働くことができず、モチベーションも上がりません。会社の成長は、社員一人ひとりの成長や貢献があってこそ成り立つものです。社員を大切にせず、使い捨てるような考え方では、優秀な人材はどんどん離れていき、結果的に会社全体の力を弱めてしまうことになります。
倒産の予兆を感じた時にすぐやるべきこと
「もしかして、自分の会社も危ないかも…」と感じたら、冷静に行動を起こすことが大切です。ここでは、倒産の予兆を感じた時にすぐやるべきことについて、以下のポイントを解説します。
- 会社の状況について客観的な情報を集める
- 自分のスキルや経験をノートに書き出す
- 転職サイトに登録して求人情報を集める
各項目について、詳しく解説していきます。
会社の状況について客観的な情報を集める
まずは、自分の感じている不安が思い込みではないか、客観的な事実に基づいて確認することが重要です。社内の噂話だけで判断するのではなく、信頼できる情報を集めましょう。例えば、企業の信用情報を調査する会社のウェブサイトで決算情報を見たり、業界ニュースをチェックして自社がどのように報じられているかを確認したりする方法があります。
ただし、会社の内部情報を外部に漏らすことは絶対にやめましょう。あくまでも、公開されている情報や、自分の身の回りで起きている事実(給料の遅延など)から、冷静に状況を判断することが大切です。感情的に動くのではなく、事実を集めて、今後の身の振り方を考えるための材料としましょう。
自分のスキルや経験をノートに書き出す
会社の状況がどうであれ、これまでの仕事で何ができるようになったのかを整理しておくことは、今後のキャリアにとって非常に重要です。いわゆる「自己分析」というものです。難しく考える必要はありません。入社してから今までに担当した業務内容や、仕事で工夫したこと、身についたスキルなどをノートに書き出してみましょう。
例えば、「〇〇という機械の操作ができる」「作業の効率を上げるために、△△という工夫をした」など、どんな些細なことでも構いません。自分の強みやできることを文字にして「見える化」することで、自信につながりますし、もし転職活動をすることになった場合、履歴書や職務経歴書を作成する際に役立ちます。

転職サイトに登録して求人情報を集める
会社の将来に不安を感じたら、すぐに転職すると決めなくても、情報収集から始めるのがおすすめです。転職サイトに登録しておけば、今の自分にどんな選択肢があるのかを知ることができます。世の中には、自分が思っている以上にたくさんの会社や仕事があります。
求人情報を見ることで、「自分のスキルならこんな会社でも通用するかも」「未経験でもこんな仕事に挑戦できるんだ」といった新しい発見があるかもしれません。今の会社がすべてではないと知るだけで、心に余裕が生まれます。いざという時にすぐに行動できるように、アンテナを張っておくことが、自分自身を守ることにつながります。
もし会社が倒産したら社員の生活はどうなる?
万が一、会社が倒産してしまったらどうなるのか、不安に思うのは当然です。ですが、社員を守るための制度もきちんと用意されています。ここでは、もし会社が倒産した場合に社員の生活がどうなるか、以下のポイントを解説します。
- 未払いの給料や退職金は請求できる
- 失業保険を通常より早く受け取れる
- 当然ながら次の仕事を探す必要がある
各項目について、詳しく見ていきましょう。
未払いの給料や退職金は請求できる
会社が倒産しても、働いた分の給料や退職金を受け取る権利がなくなるわけではありません。会社の財産を整理する手続きの中で、社員への給料は他の借金よりも優先的に支払われるように法律で定められています。
もし会社に支払うお金が残っていなくても、「未払賃金の立替払制度」という国の制度があります。これは、会社に代わって国が未払いの給料や退職金の一部を立て替えて支払ってくれる制度です。全額が保証されるわけではありませんが、路頭に迷うことがないように、セーフティネットが用意されているので安心してください。
失業保険を通常より早く受け取れる
会社の倒産によって職を失った場合、自己都合で退職した場合よりも手厚い条件で失業保険(雇用保険の失業等給付)を受け取ることができます。会社の倒産は、自分に責任のない「会社都合」での離職となるためです。
具体的には、自己都合退職の場合にある原則1ヶ月間の給付制限期間がなく、申請すれば比較的すぐに失業保険を受け取り始めることができます。また、もらえる期間も自己都合の場合より長くなることがほとんどです。次の仕事を見つけるまでの間の生活を支えるための重要な制度なので、必ず手続きを行うようにしましょう。
当然ながら次の仕事を探す必要がある
会社が倒産すれば、その会社で働き続けることはできなくなるため、新しい仕事を探す必要があります。これは厳しい現実ですが、見方を変えれば、新しいキャリアをスタートさせるチャンスでもあります。倒産という経験は、決して良いものではありませんが、その経験を通じて、安定した会社を見極める目や、仕事に対する考え方が養われるはずです。
不安な気持ちでいっぱいかもしれませんが、一人で抱え込む必要はありません。ハローワークや転職エージェントなど、仕事探しをサポートしてくれる専門家がたくさんいます。これまでの経験を活かせる仕事、全く新しい分野の仕事など、視野を広げて次のステップに進む準備を始めましょう。

会社の将来性に不安を感じたら
今の会社で働き続けることに不安を感じたら、それは自分のキャリアを見つめ直す良い機会かもしれません。ここでは、将来性のある会社へ転職するために考えるべきことについて、以下のポイントを解説します。
- まずは自分の市場価値を正しく知る
- 安定して成長している業界や企業を調べる
- 会社の将来に不安を感じたら、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切
各項目について、詳しく見ていきましょう。
まずは自分の市場価値を正しく知る
転職を考えるなら、今の自分が転職市場でどれくらい評価されるのかを知ることが第一歩です。これまでの経験やスキルが、他の会社でどのように役立つのかを客観的に把握しましょう。自己分析で自分の強みを書き出した後、転職サイトで似たような経験を持つ人がどんな求人に応募しているかを見てみるのがおすすめです。
自分の市場価値が分かれば、どんな企業を狙えるのか、どのくらいの給料が期待できるのかといった目安が分かります。もし、今のスキルでは不安だと感じたら、資格の勉強を始めたり、新しいスキルを身につけたりするのも良いでしょう。自分の価値を知ることが、自信を持って転職活動を進めるための土台となります。
安定して成長している業界や企業を調べる
せっかく転職するなら、将来性があり、安定して働き続けられる会社を選びたいものです。そのためには、業界全体が成長しているかどうかを調べることが大切です。例えば、IT業界や医療・介護業界、環境エネルギー関連の業界などは、今後も需要が高まっていくと予想されています。
また、個別の企業についても、業績が伸びているか、新しい製品やサービスを生み出しているかなどをチェックしましょう。企業のウェブサイトやニュース記事を見ることで、その会社の勢いや将来性を感じ取ることができます。目先の給料や待遇だけでなく、5年後、10年後も安心して働けるかどうかという視点で企業選びをすることが、後悔しない転職につながります。
会社の将来に不安を感じたら、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切
会社の将来に不安を感じながら働き続けるのは、精神的にも辛いものです。もし、この記事で紹介したような倒産の予兆に心当たりがあるなら、それは決して考えすぎではありません。大切なのは、一人で悩まずに、信頼できる誰かに相談することです。
Zキャリアのような転職エージェントは、仕事探しのプロフェッショナルです。多くの企業の内部情報に詳しいため、どの会社が安定しているのか、どんな社風なのかといった、求人票だけでは分からない情報も教えてくれます。自分のキャリアについて客観的なアドバイスをもらうことで、次に進むべき道が明確になるはずです。少しでも不安を感じたら、まずは気軽に話を聞いてもらうことから始めてみませんか。