金融バックオフィスの仕事内容とは？未経験からの転職や年収も解説

未経験でもわかる金融バックオフィスの仕事内容

金融バックオフィスと聞いても、具体的にどんな仕事をするのかイメージしにくいかもしれません。ここでは、主な仕事内容について以下の4つの項目で解説します。

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

データ入力や書類作成・管理

金融バックオフィスの基本業務として、正確なデータ入力と書類管理が挙げられます。例えば、顧客情報や取引履歴などを専用のシステムに入力したり、契約書や申込書といった重要書類を整理・保管したりする仕事です。

地道な作業ですが、金融機関がスムーズに運営されるためには欠かせない重要な役割を担っています。数字や文字を一つひとつ丁寧に確認しながら、間違いのないように入力する集中力が求められます。最初は覚えることが多いかもしれませんが、マニュアルが整備されている職場がほとんどなので、未経験からでも安心してスタートできるでしょう。

電話・メールでの問い合わせ対応

バックオフィスでは、丁寧な言葉遣いと対応でお客様からの問い合わせに答える仕事もあります。お客様からの入出金に関する質問や、手続き方法の確認などに電話やメールで対応します。

顔が見えないやり取りだからこそ、相手の状況を想像し、分かりやすく説明することが大切です。直接「ありがとう」と言ってもらえる機会も多く、人の役に立っていることを実感しやすい業務の一つです。最初は緊張するかもしれませんが、先輩がしっかりサポートしてくれるので、徐々に慣れていけるでしょう。

営業担当のサポート業務

バックオフィスは、営業担当の縁の下の力持ち的な役割も担います。営業担当者がお客様への提案に集中できるよう、必要な資料を作成したり、会議の日程を調整したりと、さまざまな面からサポートします。

例えば、お客様に提案するためのデータを用意したり、契約に必要な書類を準備したりします。自分がサポートした営業担当者が契約を獲得できたときには、チームの一員として大きな達成感を得られるでしょう。表舞台に立つよりも、裏方で人を支えることにやりがいを感じる人にはぴったりの仕事です。

口座開設や入出金などの手続き

銀行や証券会社などの金融機関では、お金に関わる重要な手続きを担当します。具体的には、お客様の口座開設の手続きや、入出金伝票の処理、振込手続きの確認などです。

これらは金融サービスの根幹をなす業務であり、1円の間違いも許されない正確性が求められます。お金を直接扱うため、常に緊張感を持って仕事に取り組む必要がありますが、その分、社会を支えているという大きな責任感とやりがいを感じられる仕事です。もちろん、業務は決められたルールや手順に沿って進めるので、未経験でも心配はいりません。

金融バックオフィスに求められるスキルとは？

金融バックオフィスの仕事に、特別な資格や経験が必須というわけではありません。ですが、仕事を進める上で求められるスキルがあります。具体的には以下の通りです。

詳しく解説していきます。

正確でスピーディーな事務処理能力

金融バックオフィスの仕事では、正確さとスピードの両立が求められます。日々多くの書類やデータを扱うため、一つひとつの作業を間違えず、かつ効率的に進める力が必要です。

もちろん、最初から完璧にできる人はいません。まずは「確認を怠らない」という意識を持つことが大切です。例えば、入力したデータを見直す、書類の内容をダブルチェックするなど、基本的なことを徹底する習慣が、ミスを防ぎ、結果的に仕事のスピードアップにも繋がります。焦らず、一つひとつの業務に丁寧に取り組む姿勢が評価されるでしょう。

WordやExcelなどの基本的なPCスキル

仕事は主にパソコンを使って行うため、基本的なパソコン操作ができれば大丈夫です。具体的には、Wordでの文書作成や、Excelでの簡単なデータ入力、四則演算（足し算や引き算など）ができるレベルであれば問題ありません。

高度な関数やマクロの知識は、入社時点では求められないことがほとんどです。必要な操作は、働きながら覚えていけば十分に間に合います。もしパソコン操作に不安がある場合は、基本的な操作方法に関する本を読んでおくと、より安心して仕事を始められるかもしれません。

丁寧なコミュニケーション能力

バックオフィスは黙々と作業するイメージがあるかもしれませんが、相手を思いやるコミュニケーションが重要です。社内の営業担当者や他の部署のメンバーと連携して仕事を進める場面が多くあります。

相手の依頼内容を正確に理解し、「報・連・相」を徹底することが、チーム全体の業務を円滑にします。また、お客様と電話やメールでやり取りすることもあるため、丁寧な言葉遣いや分かりやすい説明も大切です。相手の立場に立って考え、行動する姿勢が信頼関係を築く第一歩になります。

金融バックオフィスに向いている人の特徴

金融バックオフィスの仕事は、どのような人が向いているのでしょうか。ここでは、向いている人の特徴について、以下の3つのポイントを解説します。

一つずつ詳しく見ていきましょう。

コツコツした作業を黙々とこなせる人

金融バックオフィスの仕事は、データ入力や書類整理など、地道な作業に集中できる人に向いています。毎日決まった手順で業務を進めることが多いため、華やかな仕事よりも、一つのことに集中して取り組むのが好きな人にぴったりです。

例えば、プラモデルの組み立てやパズルのように、細かい作業を一つひとつ正確にこなしていくことに楽しさを感じるタイプなら、この仕事の面白さを見いだせるでしょう。日々の業務を着実に積み重ねることが、組織全体を支える力になるという実感を得られます。

人を支える役割にやりがいを感じる人

営業のように表舞台で活躍するよりも、誰かの役に立つことに喜びを感じるタイプの人に最適な仕事です。バックオフィスの仕事は、営業担当者やお客様をサポートすることが中心となります。

「〇〇さんのおかげで助かったよ、ありがとう」といった感謝の言葉が、日々のモチベーションになるでしょう。自分が主役になるのではなく、チームや組織全体がうまく回るように、縁の下の力持ちとして貢献したいという気持ちが大切です。仲間と協力しながら目標を達成することに、大きなやりがいを感じられるはずです。

責任感が強くルールを遵守できる人

金融業界では、ルールを守り責任感を持って仕事に取り組めることが大切です。お金や個人情報といった非常に重要なものを扱うため、決められた手順やルールを正確に守ることが、お客様からの信頼に直結します。

例えば、学校の係活動や部活動で、決められた役割を最後までやり遂げることに真面目に取り組んできた経験は、この仕事で大いに活かせます。自分の仕事が社会の信用を支えているという自覚を持ち、一つひとつの業務に真摯に向き合える人が求められています。

金融バックオフィスで働くメリット

金融バックオフィスで働くことには、多くの魅力があります。ここでは、特に大きなメリットとして、以下の3つをご紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ワークライフバランスを保ちやすい

金融バックオフィスは、プライベートの時間を大切にしたい人におすすめです。基本的にカレンダー通りの土日祝休みで、残業も少ない傾向にあります。

勤務時間が安定しているため、仕事終わりの時間や休日を趣味や自己投資、友人との時間にあてやすく、充実した毎日を送ることができます。プライベートが充実すると、仕事へのモチベーションも高まり、良い循環が生まれるでしょう。オンとオフのメリハリをつけた働き方をしたい人にとって、非常に魅力的な環境です。

専門的な金融知識が自然と身につく

日々の業務を通じて、専門知識を学べる点が魅力です。金融商品や経済の仕組みなど、生活に役立つ知識が自然と身についていきます。

例えば、資産運用や保険に関する知識は、自分自身の将来設計にも役立つでしょう。働きながら専門性を高められるため、キャリアアップにも繋がります。未経験からスタートしても、実務を通して金融のプロフェッショナルを目指せるのは、この仕事ならではの大きなメリットと言えます。

景気に左右されにくい安定性がある

金融業界は、社会インフラとしての役割を担っているため、安定した業界で長く働ける安心感があります。景気の波に大きく左右されることが少なく、安定した経営基盤を持つ企業が多いのが特徴です。

将来のことを考えて、安心して長く働ける職場を見つけたいと考えている人にとって、金融業界は有力な選択肢の一つです。安定した環境で、着実にキャリアを築いていきたい人には、非常に魅力的な業界と言えるでしょう。

金融バックオフィスで働くデメリット

多くのメリットがある一方で、金融バックオフィスの仕事には大変な側面もあります。ここでは、事前に知っておきたいデメリットを3つ解説します。

詳しく見ていきましょう。

単調なルーティンワークが多い

金融バックオフィスの仕事は、毎日同じ作業の繰り返しになることもあります。決められた手順に沿って正確に業務をこなすことが求められるため、日々の業務に大きな変化は少ないかもしれません。

常に新しい刺激や変化を求めるタイプの人にとっては、少し物足りなさを感じる可能性があります。ですが、見方を変えれば、一度仕事を覚えてしまえば安定して業務に取り組めるということでもあります。ルーティンワークの中に、自分なりの効率化や改善点を見つけるなど、工夫次第で仕事の面白さを見いだすことも可能です。

業務の成果が直接評価されにくい

営業職のように、成果が数字で見えにくい側面があります。契約件数や売上といった明確な指標がないため、自分の頑張りが評価に直結していると感じにくい場面があるかもしれません。

ですが、バックオフィスの正確で迅速な仕事がなければ、会社全体の業務は成り立ちません。「いつも正確で助かるよ」といった周りからの感謝の言葉や、チーム全体の目標達成に貢献できたという実感が、大きなやりがいになります。目立つことはなくても、組織に不可欠な存在として貢献できる仕事です。

ミスが許されないプレッシャーを感じる

お金や重要な個人情報を扱うため、小さなミスが大きな問題につながる緊張感があります。常に正確性が求められるため、プレッシャーを感じることもあるでしょう。

このプレッシャーは、大きな責任を伴う仕事であることの裏返しでもあります。だからこそ、一つの業務を無事にやり遂げたときの達成感は格別です。もちろん、ミスを防ぐためのチェック体制が整っている職場がほとんどなので、一人ですべての責任を背負うわけではありません。チームで協力し、確認し合うことで、プレッシャーを乗り越えていくことができます。

気になる金融バックオフィスの年収事情

仕事を選ぶ上で、年収は気になるポイントの一つです。ここでは、金融バックオフィスの年収について、3つの視点から解説します。

詳しく見ていきましょう。

未経験スタートの場合の年収相場

未経験から金融バックオフィスで働く場合、一般的な事務職と同水準の給与から始まることが多いです。初任給は他の業界の事務職と大きく変わらないと考えておくと良いでしょう。

ですが、金融業界は全体的に給与水準が高い傾向にあり、福利厚生が充実している企業も多くあります。そのため、住宅手当や資格手当などを含めた「総支給額」で比較することが大切です。最初は平均的なスタートでも、その後の昇給やキャリアアップで年収を上げていくことが十分に可能です。

経験や資格で年収はアップする

金融バックオフィスの仕事は、スキルアップが年収の増加に直結します。実務経験を積むことで、より専門性の高い業務を任されるようになり、それに応じて給与も上がっていきます。

また、簿記やファイナンシャル・プランナー（FP）といった金融関連の資格を取得することも、年収アップに繋がります。資格手当が支給されたり、昇進の条件になったりする企業も少なくありません。日々の業務と並行して資格取得を目指すことで、自身の市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げることができます。

年齢別の平均年収モデル

金融業界は年功序列の風土が残っている企業も多く、勤続年数に応じて着実に昇給が見込めます。安定して長く働くことで、着実に年収を上げていくことが可能です。

20代、30代とキャリアを重ねるにつれて、役職がつき、それに伴って給与も上昇していくのが一般的です。もちろん、個人の頑張りや成果も評価されますが、長期的な視点でキャリアプランを立てやすいのは大きな魅力と言えるでしょう。安定した収入基盤を築きながら、将来設計をしやすい環境です。

未経験から金融バックオフィスへ転職するポイント

未経験から金融バックオフィスへの転職を成功させるためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。

一つずつ詳しく見ていきましょう。

丁寧さや誠実さを自己PRで伝える

未経験者の場合、スキルや経験よりも、人柄や仕事への姿勢をアピールすることが重要です。特に金融業界では、真面目さや誠実さが重視されます。

面接では、「一つひとつの作業を丁寧に確認しながら進めることができる」「チームで協力して目標を達成することにやりがいを感じる」といった点を、具体的なエピソードを交えて伝えましょう。例えば、部活動やアルバイトでの経験から、自分の強みをアピールすると効果的です。熱意とポテンシャルを伝えることが、採用担当者の心に響きます。

関連資格の取得で意欲を示す

必須ではありませんが、資格取得はやる気の証明になります。もし時間に余裕があれば、簿記3級やファイナンシャル・プランニング技能検定3級などの資格取得に挑戦してみるのがおすすめです。

資格を持っていることで、金融業界への興味や、入社後に活躍したいという強い意欲を示すことができます。たとえ勉強中であっても、「現在、〇〇の資格取得に向けて勉強しています」と伝えるだけで、プラスの評価に繋がる可能性があります。未経験というハンデを、学習意欲の高さでカバーしましょう。

ポテンシャル採用枠を狙う

企業によっては、経験を問わず、未経験者歓迎の求人を積極的に募集している場合があります。特に、若手の育成に力を入れている企業では、人柄や将来性を重視した「ポテンシャル採用」を行っています。

求人情報を探す際には、「未経験者歓迎」「第二新卒歓迎」といったキーワードで検索してみましょう。研修制度が充実している企業も多く、安心してキャリアをスタートできます。自分一人で探すのが大変な場合は、転職エージェントなどを活用して、未経験者向けの求人を紹介してもらうのも一つの手です。

金融バックオフィスへの転職ならZキャリア

金融バックオフィスへの転職を考え始めたものの、何から手をつければ良いか分からない、一人で進めるのは不安、という方も多いでしょう。そんなときは、転職エージェントに相談するのがおすすめです。

詳しく見ていきましょう。

適性を客観的に判断してもらえる

転職エージェントに相談すれば、客観的なアドバイスで適性を見極められます。「金融バックオフィスの仕事は、本当に自分に向いているのだろうか」といった漠然とした不安も、キャリアのプロに相談することで、考えが整理されます。

自分の強みや弱み、価値観などをヒアリングした上で、客観的な視点からアドバイスをもらえます。自分では気づかなかった新たな可能性を発見できるかもしれません。まずはキャリア相談から始めてみる、という気軽な気持ちで活用してみましょう。

あなたに合う非公開求人を紹介してもらう

エージェントに相談すると、転職サイトなどには掲載されていない、自分では見つけられない優良求人に出会えることがあります。企業が「応募が殺到するのを避けたい」「特定のスキルを持つ人を効率的に探したい」といった理由で、エージェントにのみ求人を依頼しているケースがあります。

非公開求人には、労働条件が良かったり、未経験でも応募しやすかったりする魅力的な求人が多く含まれています。選択肢が広がることで、より自分に合った職場を見つけられる可能性が高まります。情報収集の手段として、転職エージェントの活用は非常に有効です。

Zキャリアのエージェントに相談してみよう

Zキャリアは、若年層の転職サポートに特化したエージェントです。Zキャリアが転職活動を全力でサポートします。未経験からの転職に関するノウハウが豊富で、一人ひとりの希望や不安に寄り添った丁寧なサポートが強みです。

履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など、転職活動のあらゆる場面でプロのアドバイスを受けられます。自分一人で悩むよりも、専門家の力を借りることで、効率的かつ安心して転職活動を進めることができます。少しでも興味があれば、まずは気軽にZキャリアのエージェントに相談してみましょう。