- 面接で配属希望を聞かれる意図
- 好印象を与える回答のコツと例文
- 避けるべきNG回答
- 希望しない部署に配属された後の動き方
面接で「希望の部署に配属されなかったら?」と聞かれた際の答え方
面接で「希望の部署に配属されなかったらどうしますか?」という質問をされた際の答え方について、ポイントは以下の通りです。
- まずは配属希望があることを丁寧に伝える
- どの部署でも貢献したいという意欲を示す
- ポジティブな回答例文を参考にする
各項目について、詳しく解説していきます。
まずは配属希望があることを丁寧に伝える
最初に自分の希望を伝えることは、仕事への熱意を示す上で大切です。なぜその部署を希望するのか、具体的な理由を添えて伝えましょう。
例えば、「私は〇〇という業務に強い関心があり、将来的にはその分野の専門知識を身につけて貴社に貢献したいと考えております。そのため、第一希望としては〇〇部への配属を希望しております」といった形です。
自分のキャリアプランや仕事への考えをしっかり持っていることをアピールできます。ただし、希望を伝える際は「〇〇部でなければ嫌です」というような、頑なな態度は避けましょう。あくまでも丁寧な言葉遣いを心がけ、柔軟な姿勢も持っていることを示すのがポイントです。
どの部署でも貢献したいという意欲を示す
希望を伝えた後は、どの部署に配属されても頑張る姿勢を見せることが重要です。企業は、特定の仕事しかやらない人よりも、様々な業務に意欲的に取り組んでくれる人を求めています。
「もちろん、配属は会社の決定に従います。もし希望の部署でなかったとしても、まずは与えられた場所で一日も早く戦力になれるよう、全力で業務に取り組む所存です」のように、前向きな意欲を伝えましょう。
また、「どの部署の業務も、会社の成長にとって重要な役割を担っていると理解しております」といった言葉を添えると、会社全体を見て物事を考えられる広い視野を持っていることもアピールできます。
ポジティブな回答例文を参考にする
実際にどのように答えれば良いか、具体的な例文を見てイメージを掴みましょう。自分の言葉でアレンジして使ってみてください。
例文1:やる気をアピールする
「第一希望としましては、製品の企画に携わりたいという思いから企画部を希望しております。ですが、配属先に関わらず、まずは与えられた環境で一日も早く成果を出すことを目標に精一杯頑張りたいです。どの部署の業務も、最終的には貴社の魅力的な製品に繋がっていると考えておりますので、どんな仕事にも意欲的に取り組んでいきたいです。」
例文2:学びの姿勢をアピールする
「〇〇のスキルを活かせる〇〇部を希望しております。もし、他の部署に配属となった場合は、まずその部署で求められる知識やスキルを全力で吸収し、業務に貢献したいと考えております。将来的には、様々な部署での経験を積むことで、より広い視野を持って貴社に貢献できる人材になりたいです。」
なぜ面接官は配属に関する質問をするの?
面接官がこの質問をする意図は、主に以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。
入社意欲の高さを確認するため
この質問は、本当にこの会社で働きたいのかという入社意欲の本気度を確かめるための一つの方法です。特定の部署や仕事内容だけに興味があるのではなく、「この会社で働きたい」という強い気持ちがあるかを見ています。
希望の部署でなくても「頑張ります」と前向きに答えられれば、「会社そのものに魅力を感じてくれているんだな」と判断され、入社意欲が高いと評価されます。
逆に、「希望の部署でないなら考えます」といった回答をしてしまうと、「仕事内容が希望と違うなら、すぐに辞めてしまうかもしれない」と懸念されてしまう可能性があります。
環境への適応力や柔軟性を見るため
会社では、予期せぬ異動や担当業務の変更は珍しくありません。面接官は、そうした変化に対して、柔軟に対応できる人材かどうかを見ています。
希望通りにならない状況でも、不満を言うのではなく、新しい環境にスムーズに馴染み、前向きに業務に取り組める力は、組織で働く上で非常に重要です。
この質問に対して、自分の希望を伝えつつも、会社の決定を受け入れて頑張る姿勢を示すことで、高い適応力と柔軟性をアピールすることができます。
ストレス耐性や人柄を把握するため
希望が通らないという、一種のストレスがかかる状況で、どのような反応をするのかも見られています。思い通りにならないことに対して、感情的になったり、すぐにやる気をなくしたりしないか、というストレス耐性を確認しているのです。
社会に出ると、理不尽に感じることや、自分の思い通りに進まないことがたくさんあります。そんな時でも、冷静に状況を受け止め、自分なりに解決策を見つけて行動できる人が求められます。
この質問への回答は、応募者の素直な人柄が出やすい場面でもあります。落ち着いて、前向きな回答をすることで、困難な状況にもポジティブに取り組める人柄だと評価してもらえるでしょう。
面接で好印象を与える回答の3つのコツ
この質問で好印象を与えるための回答のコツは、以下の通りです。
- 前向きな姿勢をアピールする
- 企業の事業内容への理解を示す
- 長期的な視点でキャリアを語る
各項目について、詳しく解説していきます。
前向きな姿勢をアピールする
何よりも大切なのは、常に前向きな姿勢を崩さないことです。「希望と違って残念です」というようなネガティブな雰囲気は一切出さず、どんな状況でも意欲的に取り組む姿勢を見せましょう。
「新しいことを学べるチャンスだと捉えます」「自分の新たな可能性を発見できる機会になるかもしれません」といったポジティブな言葉で締めくくると、面接官に明るく、エネルギッシュな印象を与えることができます。
この前向きな姿勢は、入社後も困難な課題に粘り強く取り組んでくれるだろう、という期待感にも繋がります。面接の最後まで、ポジティブな印象を維持することを心がけましょう。
企業の事業内容への理解を示す
回答の中に、その企業がどのような事業を行っているかへの理解を盛り込むと、より説得力が増します。そのためには、事前に企業のホームページや資料をよく読み込んでおくことが不可欠です。
例えば、「貴社の主力事業である〇〇の根幹を支える製造部門も、非常に重要な役割だと認識しております」のように、希望部署以外の仕事の重要性を理解していることを示しましょう。
これは、ただ漠然と会社に憧れているのではなく、事業内容をきちんと理解した上で入社を希望していることの証明になります。企業研究をしっかり行っているという熱意も伝わるでしょう。
長期的な視点でキャリアを語る
目先の配属先だけでなく、将来的にその会社でどうなりたいかという長期的な視点で話すことも有効です。
「将来的には、複数の部署を経験することで、会社全体の事業を理解し、より大きな貢献ができる人材になりたいです」というように、長期的なキャリアプランを持っていることを伝えましょう。
これは、長く会社に貢献してくれる人材であるというアピールになります。また、自分のキャリアを真剣に考えている、計画性のある人物だという印象も与えることができます。目の前の仕事だけでなく、数年後の自分の姿を想像しながら回答を考えてみましょう。
この回答は大丈夫?面接でのNG例
一方で、面接で避けるべき回答例は、以下の通りです。

各項目について、詳しく見ていきましょう。
「やる気がなくなります」と正直に伝える
やる気がないと受け取られる発言は、絶対に避けましょう。たとえ本心だったとしても、それをストレートに伝えてしまうと、協調性がなく、自己中心的な人物だという印象を与えてしまいます。
面接官は、一緒に働きたいと思える仲間を探しています。「やる気が出ません」「モチベーションが下がります」といったネガティブな発言をする人と、一緒に働きたいと思う人はいないでしょう。
気持ちは分かりますが、そこはぐっとこらえて、あくまでも前向きな姿勢を貫くことが、社会人としてのマナーであり、面接を突破するための鍵となります。
「退職を検討します」と答える
すぐに辞める可能性を示唆するのもNGです。会社は、採用活動に多くの時間とコストをかけています。そのため、すぐに辞めてしまう可能性がある人材を採用したいとは考えません。
「希望の部署でないなら、入社を辞退します」や「転職を考えます」といった発言は、入社意欲が低いと判断されるだけでなく、「この会社でなくても良い」と考えていると受け取られてしまいます。
たとえ転職も視野に入れていたとしても、面接の場でそれを口にする必要はありません。あくまでも、その会社で長く働きたいという意思を伝えることが大切です。
明確な理由なく特定の部署を拒否する
「〇〇部だけは嫌です」のように、特定の部署を理由なく拒否するのも避けましょう。これでは、単なるわがままだと思われてしまいます。
もし、どうしても避けたい部署がある場合は、その理由を客観的かつ論理的に説明する必要があります。例えば、「私の〇〇という特性上、〇〇の業務では能力を最大限に発揮することが難しいと考えております。一方で、〇〇の業務であれば、より高いパフォーマンスで貢献できます」といった形です。
ですが、基本的には特定の部署を名指しで拒否するような発言は、リスクが高いと考えましょう。「どの部署でも頑張る」というスタンスで臨むのが最も安全です。
希望しない部署に配属された場合の対処法
もし実際に入社後、希望しない部署に配属されてしまった場合の対処法は、以下の通りです。
- まずは目の前の仕事で成果を出す
- 社内で異動希望を出す準備をする
- スキルを身につけて市場価値を高める
各項目について、詳しく解説していきます。
まずは目の前の仕事で成果を出す
希望と違うからといって、不満な態度で仕事をするのは絶対にやめましょう。まずは、与えられた場所で一生懸命働き、成果を出すことに集中することが大切です。
目の前の仕事で成果を出せば、社内での評価が上がり、「〇〇さんは仕事ができる」という評判が広まります。そうした信頼が、将来の異動希望を後押ししてくれる可能性は十分にあります。
また、最初は興味がなかった仕事でも、実際にやってみると面白さややりがいを発見できることも少なくありません。まずは食わず嫌いをせず、真剣に取り組んでみることが、自分の可能性を広げる第一歩になります。
社内で異動希望を出す準備をする
多くの会社には、社内公募制度や自己申告制度といった、従業員が異動希望を出すことができる仕組みがあります。まずはこうした制度があるかを確認し、利用するための準備を始めましょう。
制度を利用するためには、現在の部署でしっかりと成果を上げていることが大前提です。その上で、希望する部署でどのような貢献ができるのかを具体的にアピールできるように、情報収集やスキルアップに励みましょう。
日頃から、希望部署の人とコミュニケーションを取っておくのも有効です。すぐに希望が通らなくても、諦めずに意思表示を続けることが大切です。
スキルを身につけて市場価値を高める
今の仕事を通じて、将来どこでも通用するポータブルスキルを意識的に身につけましょう。ポータブルスキルとは、例えばコミュニケーション能力、問題解決能力、パソコンスキルなど、どんな業界や職種でも役立つ能力のことです。
たとえ今の仕事内容が希望と違っても、こうしたスキルを磨いておくことで、自分の市場価値、つまり「他の会社からも求められる人材としての価値」を高めることができます。
市場価値が高まれば、社内での異動交渉も有利に進められますし、もし転職を考える際にも、より良い条件の会社を選べる可能性が広がります。どんな環境でも、自分を成長させるという視点を忘れないようにしましょう。
転職も視野に入れるべき?
現在の状況を変えるために、転職を視野に入れるべきか迷った際の考え方は、以下の通りです。
- 転職を考え始めるタイミングを見極める
- 転職理由をポジティブに整理する
- 希望のキャリアプランを明確にする
各項目について、詳しく見ていきましょう。
転職を考え始めるタイミングを見極める
転職を焦って決めるのは禁物です。まずは今の会社で、最低でも1年、できれば3年は経験を積むことをおすすめします。短期間での離職は、次の転職活動で不利に働く可能性があるからです。
今の仕事で成果を出したり、異動希望を出したりと、やれることをやり尽くした上で、それでも状況が変わらない、あるいはどうしてもやりたい仕事がこの会社では実現できない、と感じた時が転職を具体的に考え始めるタイミングです。
また、心身に不調をきたすほど今の環境が合わない場合は、自分の健康を最優先に考え、早めに転職を検討することも必要です。
転職理由をポジティブに整理する
転職活動を始める際は、転職理由をポジティブな言葉で説明できるように準備しておくことが非常に重要です。
「希望の部署に配属されなかったから」という理由だけでは、面接官に「うちの会社でも、希望通りにならないと辞めてしまうのでは?」という不安を与えてしまいます。
そうではなく、「現在の職場で〇〇という経験を積む中で、より専門性を高めたいという思いが強くなりました。貴社の〇〇という事業であれば、私のこの思いを実現できると考えております」のように、将来の目標に向けた前向きなステップとして転職を語れるようにしましょう。

希望のキャリアプランを明確にする
転職は、なりたい自分に近づくための手段です。そのためには、まず自分が将来どうなりたいのか、どんなキャリアを歩んでいきたいのかを明確にする必要があります。
「次は絶対に〇〇の仕事がしたい」「将来的には〇〇の分野でプロフェッショナルになりたい」といった、具体的な目標を立てましょう。キャリアプランが明確であればあるほど、次の会社選びの軸が定まり、転職活動もスムーズに進みます。
もし、自分一人でキャリアプランを考えるのが難しいと感じたら、転職エージェントなどのプロに相談してみるのも一つの手です。客観的なアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかった可能性が見つかるかもしれません。
まとめ:面接の不安を解消してキャリアを切り拓こう
この記事のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 面接官の意図を理解して準備する
- どんな状況でも前向きな姿勢を忘れない
- どうしても合わないなら転職も考えよう
各項目について、詳しく見ていきましょう。
面接官の意図を理解して準備する
「希望の部署に配属されなかったら?」という質問は、意地悪で聞いているわけではありません。入社意欲や柔軟性、人柄などを知るための大切な質問です。
質問の裏にある意図をきちんと理解すれば、何をどう答えれば良いかが見えてきます。面接官が何を知りたいのかを考え、それに合った回答を事前に準備しておくことが、面接突破の鍵となります。
この記事で紹介したポイントや例文を参考に、自分なりの言葉で回答を組み立てて、自信を持って面接に臨みましょう。
どんな状況でも前向きな姿勢を忘れない
面接の場でも、入社後に希望と違う部署に配属されたとしても、前向きな姿勢を忘れないことが大切です。
困難な状況や思い通りにならないことに対して、どう向き合うかでその人の真価が問われます。腐ったり、不満を言ったりするのではなく、「この経験から何を学べるか」「どうすれば状況を良くできるか」を考え、行動できる人が、社会で活躍し、成長していくことができます。
ピンチはチャンス、という言葉もあります。どんな状況も自分の成長の糧にする、というポジティブな気持ちを持ち続けましょう。
どうしても合わないなら転職も考えよう
前向きに努力しても、どうしても今の環境が合わない、やりたいことが実現できないという場合もあるでしょう。そんな時は、転職という選択肢を考えることも決して間違いではありません。
大切なのは、自分のキャリアに責任を持ち、より良い未来のために主体的に行動することです。今の会社で頑張り続けることも、新しい環境に飛び出すことも、どちらも立派な決断です。
ただし、転職は勢いで決めるものではありません。自分のキャリアプランをしっかりと考え、情報収集を十分に行った上で、慎重に判断することが重要です。
Zキャリアのエージェントに相談してみよう
面接対策に不安があったり、自分のキャリアプランに悩んだりしたら、一人で抱え込まずにプロに相談してみませんか。
私たちZキャリアには、若年層の転職サポートを専門とする経験豊富なキャリアエージェントが多数在籍しています。一人ひとりの希望や適性を丁寧にヒアリングし、面接での効果的なアピール方法から、将来のキャリアプランの相談まで、親身にサポートします。
「希望の部署に配属されなかったらどうしよう…」という不安も、エージェントに相談すれば、きっと心が軽くなるはずです。一緒に、納得のいくキャリアの第一歩を踏み出しましょう。