「ご教授(ごきょうじゅ)」と「ご教示(ごきょうじ)」の違い

ご教授は「専門的な知識や学問、技術などを、ある程度の期間にわたって継続的に教わる場合」に用いる
「ご教授」は、学問や芸術、専門的な技術といった、習得に時間がかかる事柄について、先生や師匠から継続的に教えを受ける際に使われる、非常に丁寧な尊敬語です。「教授」という言葉が大学の先生を指すことからもわかるように、専門分野の知識を体系的に、ある程度の期間をかけて教えてもらうというニュアンスを含みます。
そのため、単に一度きりの質問や簡単な情報の提供をお願いする場面で使うのは適切ではありません。相手への深い尊敬の念を示す言葉であり、師弟関係のような間柄で用いられるのが一般的です。
ご教示は「比較的簡単な手順や方法、情報など、その場で教えてもらえるような事柄を尋ねる場合」に用いる
「ご教示」は、「教え示す」という意味合いを持ち、具体的な手順や方法、日時、連絡先など、相手が比較的簡単に答えられる情報を教えてもらう際に用いられる丁寧語です。こちらは「ご教授」とは異なり、専門性や継続性は問いません。ビジネスシーンにおいては、業務上の手続きや操作方法、知りたい情報などを尋ねる際に幅広く使うことができます。
相手に大きな負担をかけずに、事務的な事柄を質問する場面に適した言葉と言えるでしょう。迷ったときはこちらを使うのが無難です。
「ご教授」を使う場面
専門的な学問や技術、芸術など、習得に時間がかかる事柄について使う
「ご教授」が使われるのは、一朝一夕には身につかない専門分野の知識やスキルを学ぶ場面です。例えば、大学院で指導教官に研究に関するアドバイスを求めたり、プロの音楽家に演奏技術の指導を仰いだりする場合がこれにあたります。
また、伝統工芸の職人に弟子入りしてその技術を教えてもらうようなケースも「ご教授」がふさわしいでしょう。このように、長期間にわたる指導や、深い専門知識の伝授をお願いする際に用いられるのが特徴です。
専門家や師匠から継続的に、あるいは体系的に教えてもらう場合に使う
「ご教授」は、その場限りの質問ではなく、継続的な指導をお願いする場面で使います。例えば、企業の顧問弁護士に法律に関する継続的なアドバイスを求める場合や、新しく配属された部署の上司に「今後、営業のノウハウについてご教授ください」とお願いするようなケースです。
これは、一度きりの情報提供ではなく、これから継続的に教えを乞いたいという意思表示になります。相手をその道の専門家や師として深く尊敬していることを示す、非常に改まった表現です。
日常的な場面で安易に使うと大げさな印象を与える可能性がある
もし、社内の同僚にコピー機の使い方を尋ねる際に「コピー機の使い方についてご教授ください」と言ったとしたら、相手は驚いてしまうでしょう。このように、日常的な簡単な質問に対して「ご教授」を使うと、言葉の重みから大げさで不自然な印象を与えてしまいます。場合によっては、皮肉や冗談と受け取られかねません。
言葉の持つ意味やニュアンスを正しく理解し、状況に応じて適切な言葉を選ぶことが、円滑なコミュニケーションには不可欠です。
「ご教授」を使った例文
- 先生が長年研究されてきた〇〇の分野につきまして、ぜひ一度、直接お話を伺いご教授いただきたく、ご連絡いたしました。
- この度、伝統ある〇〇流に入門をお許しいただき、誠にありがとうございます。未熟者ですが、これから〇〇の道を究めるべく精進いたしますので、厳しくご教授くださいますようお願い申し上げます。
- 来期より、貴社にコンサルティングをお願いできますことを大変嬉しく思います。特にマーケティング戦略の立案につきましては、貴社の豊富なご経験に基づいたご教授を賜りたく存じます。
「ご教示」を使う場面
「ご教示」は、自分が知らない具体的な情報や、簡単な操作方法、手順などを、相手に教えてもらう際に幅広く使える
「ご教示」は、ビジネスや日常生活の様々な場面で活用できる便利な言葉です。例えば、会議の日時や場所、担当者の連絡先、書類の提出期限といった具体的な情報を尋ねる際に適しています。また、「このシステムの操作方法をご教示ください」のように、比較的簡単な手順を教えてもらう場合にも使えます。
相手がすぐに答えられるような、事実に基づいた情報を求める際に使うのがポイントです。汎用性が高いため、敬語表現に迷った際の選択肢として覚えておくと良いでしょう。
ビジネスメールや日常的な会話で、何かを尋ねる際の丁寧な表現として使える
「ご教示」は、質問や依頼を丁寧にするためのクッション言葉として非常に有効です。「〜について、ご教示いただけますでしょうか」や「〜の件、ご教示いただきたく存じます」といった形で使うことで、相手への配慮を示し、柔らかい印象を与えることができます。
上司や取引先など、目上の方に対して何かを尋ねる際の定番フレーズとして、メールでも口頭でも頻繁に用いられます。知りたいことがある場合に、失礼なくスムーズに尋ねるための必須の表現と言えるでしょう。
「ご教示」を使った例文
- お忙しいところ恐れ入ります。〇〇の件で必要な書類についてご教示いただけますでしょうか。
- 先日お問い合わせいたしました件につきまして、その後の進捗状況をご教示いただけますと幸いです。
- こちらの会議室の予約方法が分かりかねますので、手順をご教示いただきたく存じます。
ビジネスで「ご教授」「ご教示」どちらを使えばいい?
「ご教示」を使うのが無難
ビジネスシーンで何かを尋ねる際、どちらの言葉を使うべきか迷ったならば、まず「ご教示」を選んでおけば間違いありません。なぜなら、日常業務で発生する質問のほとんどは、具体的な情報や手順の確認であり、「ご教示」がカバーする範囲だからです。例えば、取引先への連絡方法、社内システムの操作、業務の進め方など、これらはすべて「ご教示」で対応できます。
「ご教授」は使用場面が限定的であるため、安易に使うと相手に違和感を与える可能性があります。ビジネスコミュニケーションを円滑に進めるためには、汎用性の高い「ご教示」を基本として使うのが賢明です。
面接の場では「ご教授」「ご教示」どちらを使えばいい?

面接の場では、「ご教示」を使うのが適切
面接で質問をする機会があれば、「ご教示」を使うのが正解です。例えば、企業の福利厚生や研修制度、キャリアパスについて尋ねる際に、「貴社の研修制度について、具体的にご教示いただけますでしょうか」といった形で使用します。これは、企業の具体的な情報や制度という事実を教えてもらうための質問であり、「ご教示」の用途に合致します。
面接はフォーマルな場であるため、丁寧な言葉遣いが求められますが、過度にへりくだる必要はありません。状況に応じた適切な敬語を選ぶことが、社会人としての常識を示すことにも繋がります。
面接はあくまで採用選考の場であり、応募者が面接官の「弟子」や「生徒」となって何かを教えてもらうわけではない
面接官と応募者の関係は、師匠と弟子ではありません。面接は、応募者が自身の能力や経験をアピールし、企業側が自社に合う人材かを見極める「選考の場」です。もちろん、応募者から企業への質問も行われますが、それはあくまで入社後のミスマッチを防ぐための情報収集の一環です。
ここで応募者が「ご教授ください」と言うと、自身を「教えを乞う生徒」の立場に置いてしまうことになり、ビジネスの場にふさわしい対等な関係性を築こうとする意識が低いと見なされる可能性があります。
面接官に対して「ご教授ください」と言うと、大げさで場違いな印象を与え、「言葉の選び方を知らない」と判断されてしまう可能性がある
面接で「ご教授ください」という言葉を使うと、面接官に「大げさな表現をする人だ」という印象や、「言葉の正しい意味を理解していないのかもしれない」という懸念を抱かせるリスクがあります。
こうした言葉遣いのような細かな点への配慮も重要な対策の一つであり、多くの人が見過ごしがちな部分で評価に差がつく可能性があります。社会人としての基本的な言語能力を疑われないためにも、面接の場では「ご教示」を適切に使いましょう。
ビジネスでよく使うその他のややこしい言葉
「拝聴 (はいちょう)」と「傾聴 (けいちょう)」
「拝聴」は「聞く」の謙譲語で、相手への敬意を示しつつ、自分が謹んで聞くことを意味します。主に講演会や上司の話を聞く際に「ご講演を拝聴しました」のように使います。
一方、「傾聴」は、相手の話に熱心に耳を傾け、深く理解しようと努める姿勢そのものを指す言葉です。カウンセリングやコーチングの場面で「相手の話を傾聴する」といった使い方をします。敬語の種類ではなく、聞く「姿勢」を表す言葉である点が大きな違いです。
「変更 (へんこう)」と「修正 (しゅうせい)」
「変更」は、物事を以前の状態から別の状態へ変えることを広く指します。例えば、「計画を変更する」「デザインを変更する」など、元の形を残さず、新たなものに取り替えるニュアンスで使われます。
対して「修正」は、文章の誤字脱字を直したり、不適切な部分を正しく直したりするなど、元のものをベースにして、良くない部分や誤りを正すという意味で使われます。一部分を直して、より良い状態にすることが「修正」です。
「役職 (やくしょく)」と「肩書 (かたがき)」
「役職」とは、組織や会社内での地位や職務上のポジションを指す言葉です。具体的には、「部長」「課長」「係長」などがこれにあたります。これはその組織内でのみ通用する公式な立場です。
一方、「肩書」は、その人の社会的地位や職業、経歴などを表すもので、「役職」よりも広い意味を持ちます。「博士」や「弁護士」、「作家」といった専門性を示すものも肩書に含まれます。つまり、役職は肩書の一種であると言えます。
「辞任 (じにん)」と「辞職 (じしょく)」
「辞任」と「辞職」は、どちらも役目や職を辞めることですが、対象となる立場が異なります。「辞任」は、主に社長や大臣、役員など、高い地位にある人がその任務を自らの意思で辞める場合に使われます。任期途中での退任を指すことが多いです。
一方、「辞職」は、一般の社員や公務員が会社や役所を辞める場合など、より広範な職に対して使われます。自己都合で退職届を提出して辞める場合は「辞職」となります。
「尽力 (じんりょく)」と「努力 (どりょく)」
「努力」は、目標達成のために自分自身が心身を使って励むことを指す一般的な言葉です。「目標達成のために努力する」のように、主に個人の頑張りを表します。
一方、「尽力」は、特定の目的や他人のために、持っている力をすべて出し切って助ける、貢献するという意味合いが強い言葉です。社外の人や目上の方に対して「多大なるご尽力を賜り…」のように使い、相手の貢献に感謝を示す際に用いられることが多い、より改まった表現です。
「遵守 (じゅんしゅ)」と「順守 (じゅんしゅ)」
「遵守」と「順守」は、どちらも「じゅんしゅ」と読み、意味もほぼ同じで、法律やルール、言いつけなどを固く守ることを指します。ただし、使われる対象に若干のニュアンスの違いがあります。「遵守」は、法律や法令、規則、規範など、社会的に定められた重みのある決まり事を守る場合に使われます。
一方、「順守」は、より一般的な約束事や手順、マニュアルなどに従う場合にも使われ、比較的広い範囲をカバーします。現在、公用文では「遵守」に統一されています。
「各位 (かくい)」と「御中 (おんちゅう)」
「各位」と「御中」は、どちらも複数の人や組織に宛てた文書で使われる言葉ですが、対象が異なります。「各位」は、関係者一人ひとりへの敬称として使われ、「皆様」という意味合いを持ちます。例えば、「関係者各位」のように、個人を対象とします。
一方、「御中」は、会社や部署など、特定の組織や団体そのものに宛てる際に使われる敬称です。組織内の誰か個人ではなく、その組織全体への敬意を示す言葉であり、「株式会社〇〇 御中」のように使います。
「弊社 (へいしゃ)」と「当社 (とうしゃ)」
「弊社」と「当社」は、どちらも自分の会社を指す言葉ですが、使う相手や状況によって使い分けが必要です。「弊社」は、社外の人(取引先や顧客など)に対して自分の会社をへりくだって言う謙譲語です。商談やメールなど、社外とのコミュニケーションで一般的に使われます。
一方、「当社」は、主に社内の人(上司や同僚など)に対して自分の会社を指す場合や、自社のことを客観的または少し尊大に表現したいプレゼンテーションなどで使われる丁寧語です。
「代替 (だいたい)」と「代替案 (だいたいあん)」
「代替(だいたい)」は、あるものの代わりに、別のものがその役割を果たすことを意味する名詞です。例えば、「Aの代替としてBを使用する」のように使います。
一方、「代替案(だいたいあん)」は、元々の案の代わりとなる、別の提案や計画そのものを指す言葉です。「元の計画が実行不可能になったため、代替案を提出する」のように使われます。つまり、「代替」は「代わりになること」という行為や状態を指し、「代替案」は「代わりの具体的な案」を指すという違いがあります。
「相殺 (そうさい)」と「相殺 (そうさつ)」
読み方が違うこの二つの言葉は、意味も全く異なります。「相殺(そうさい)」は、互いの債権や債務などを差し引いて、帳消しにすることを意味する法律・会計用語です。「貸し借りを相殺する」のように使います。
一方、「相殺(そうさつ)」は、互いの長所と短所などが差し引かれ、それぞれの効果が打ち消し合ってしまうことを意味します。「魅力と欠点が互いに相殺しあっている」のように、プラスとマイナスが打ち消し合う状況で使われるのが一般的です。
「御社 (おんしゃ)」と「貴社 (きしゃ)」
「御社」と「貴社」は、どちらも相手の会社を敬って言う尊敬語ですが、明確な使い分けがあります。「御社」は、主に会話で使われる「話し言葉」です。面接や電話、商談など、口頭でのコミュニケーションの際に用います。
一方、「貴社」は、主にメールや手紙、履歴書、契約書といった文書で使われる「書き言葉」です。話し言葉で「きしゃ」と言うと、同音異義語(記者、汽車、帰社など)と混同しやすいため、会話では「御社」が使われるようになりました。
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