保育士の仕事はやりがいが大きい反面、とても忙しいです。適度なストレスは自己成長や健康的な生活を送るために必要なものですが、過剰なストレスが長く続くと心身に支障をきたします。保育士の仕事をしていてストレスを感じた時にできることや、辞めた後どのような仕事をしているかを本記事で見ていきましょう。
この記事で分かること
- 保育士がストレスを感じるときについて
- ストレスの発散方法と心のケア
- メンタルが不安定なときに活用できる支援について
- メンタルが落ち込んだときにすべきこと
- 保育士が退職した後の生活
保育士がストレスを感じるとき
保育士の仕事をしていると、さまざまな理由でストレスを感じます。どんな理由でストレスを感じているのか見ていきましょう。
- 職場の人間関係
- キャパオーバーな業務量
- 体力的負担
- 仕事のやりがいとギャップ
職場の人間関係
保育士は、子供・同僚・保護者と密な連携が求められる仕事であるため、人間関係にストレスを感じる機会が多くあります。
波長や意見が合わない人と一緒に仕事をすると、一日中ストレスを感じながら仕事をしなければなりません。同僚とのコミュニケーションは仕事をする上で不可欠であるため、関わりを避けるのが難しい状況にも疲れを感じるでしょう。
また、保護者対応に強いストレスを感じる場合もあります。いろいろなタイプの保護者がおり、どんなタイプの人にも適切に対応しなければいけません。理不尽な要求やクレームに保育士はストレスを感じる場合があります。
キャパオーバーな業務量
保育士は子供と直接関わる以外にも多くの業務があり、常に仕事に追われている状況にストレスを感じるでしょう。特に、業務時間外に仕事を行う保育士は、プライベートな時間が減り、疲れを感じやすくなります。保育活動以外の仕事は、人目に触れる機会が少なく、忙しさが理解されない状況は、モチベーションの低下やストレスの蓄積に繋がりやすくなります。
体力的負担
保育士の仕事はエネルギー溢れる子供を相手にするため、体力的な負担が大きくなります。十分な休みを取れる環境であれば回復できますが、プライベートな時間を削られるほど忙しい場合、疲労が溜まっていくでしょう。体力的負担はストレス耐性を低下させると言われています。そのため、保育士は体力的な負担による疲れからストレスを感じやすくなります。
仕事のやりがいとギャップ
保育士は子供の成長を支えるとてもやりがいのある仕事です。しかし、保育の現場は忙しく、思い描く保育をできない現実にストレスを感じる場合があります。
一人ひとりの成長をサポートしてあげたいと思っていても、忙しく手が回らなかったり、感情のコントロールが難しい子供たちをまとめていくことに苦労したりと実際に働いてみるとギャップを感じる機会が多くあります。
特に責任感の強い人は、思い描く保育士ができないことにストレスを感じるでしょう。
保育士のストレス発散方法と心のケア
保育士を長く続けていくためには、ストレスを上手く発散して溜め込まないことが大切です。心のケアの方法を見ていきましょう。
- しっかりと休息をとる
- 信頼できる人に話をする
- 仕事とプライベートを分ける
しっかりと休息をとる
しっかりと休息をとるのは、身体だけでなく精神面の回復もできます。忙しい日々を過ごしていると、物事をネガティブにとらえるようになったり、冷静な判断ができなくなったりする場合があります。
少しでも「疲れているな」と感じたら、意識的に休息する時間をとり、溜め込み過ぎてしまう前にしっかりと休息をとりましょう。
信頼できる人に話をする
信頼できる人に話をすると心の整理ができるので、自分が感じているストレスを客観視しやすくなります。客観視できれば、自分では気づけなかった有益な視点を得られるでしょう。
また、人との繋がりを持つことで、孤独感が和らぐため心の安定に繋がります。信頼できる人との会話は、気分をリフレッシュするのに役立ちます。
仕事とプライベートを分ける
保育士は業務が多いため、残業や持ち帰り仕事をする人も少なくありません。
仕事とプライベートの境目がなくなると、気持ちの切り替えが難しくなり、気分が落ち込みやすくなります。気分が落ち込むと、集中力がなくなり仕事のスピードが低下するかもしれません。
趣味に没頭する時間や仕事のことを考えない時間は心のケアにおいて大切です。業務が多く焦る気持ちもあると思いますが、時間を決めて自分の時間を作るように意識することが大切です。オンオフを明確にし、気分転換ができれば、前向きになり集中して仕事に取り組めるでしょう。
保育士のメンタルヘルス支援は?
自分だけの行動では解決が難しいと感じたときは、支援に頼ることも大切です。保育士のメンタルヘルス支援はどのようなものがあるのか見ていきましょう。
- 職場での支援
- 厚生労働省運営の相談窓口
- 外部の支援制度
職場での支援
保育士のメンタルヘルスは園の運営に大きく影響するため、支援を積極的に取り入れている職場もあります。職場での支援は外部カウンセラーによるメンタルヘルス相談や、定期的なストレスチェック、メンタルヘルスの研修などがあります。自分の勤務先にどんな支援があるのか一度調べてみましょう。
また、上司や園長に相談しやすい環境であれば直接話してみるのも一つの手段です。完全な解決は、自分のメンタルを整えても、職場環境が変わらなければ難しくなります。より良い職場環境を作っていくためには現場の保育士の意見はとても大切なものになります。
厚生労働省運営の相談窓口
厚生労働省は保育士の働く環境を整えるために、園に対する支援だけでなく、個人が利用できる相談窓口「こころの耳」を設置しています。メンタルヘルスに関する知識を深められるeラーニングや専門家への相談、医療機関の検索などメンタルヘルスに関するさまざまな支援を受けることができます。
参照:「こころの耳/厚生労働省」
外部の支援制度
園に相談するのが難しい状況の場合は、個人で外部の支援を頼るのをおすすめします。今は、オンラインで簡単にメンタルヘルス関連の研修を受けることができます。
また、第三者に相談したい場合は、個人向けのカウンセリングサービスや地域の心理相談室を利用して解決方法を見つけましょう。病院に行くのは、決して大げさなことではありません。無理をせず心と体を守る選択をすることが大切です。
保育士がメンタルをやられたと感じたときにすべきこと
日常的なケアでストレスをため込まないのが一番ですが、難しい場合もあります。メンタルをやられたと感じたときにすべきことを見ていきましょう。
- 自分の状態を確認する
- 身近な人や外部の相談窓口で相談する
- 環境を変える
- 休みをとる
自分の状態を確認する
メンタルがやられると自分の状況を冷静に判断するのが難しくなるかもしれません。そんな時は一つの指標として、メンタルヘルスチェックを行うといいでしょう。メンタルヘルスチェックは、厚生労働省「こころの耳」ストレスチェックアプリなどでも実施できます。ストレスを自覚し、原因を分析することで適切な支援に繋げるきっかけとなります。
身近な人や外部の相談窓口で相談する
身近な人に相談することで、自分の状態を客観的に見てもらえます。相談相手は家族や自分のことをよく知る人にするといいでしょう。
身近な人に相談しにくい、または身近な人に相談した上で専門的意見が必要な場合は、外部の相談窓口を利用する方法もあります。専門機関で相談すると心の負担を軽減したり、適切なサポートを受けたりできます。匿名でも利用できるものがあるため、少しでもつらいと感じたら気軽に相談してみましょう。
環境を変える
メンタルがやられたと感じたときは、思い切って環境を変えるのも一つの方法です。セルフマネジメントでストレスの軽減は可能ですが、原因となる物事が解決しなければ、完全にストレスから逃れることはできません。心の健康を保つためには環境を変える選択肢も視野に入れましょう。
休みをとる
メンタルがやられたと感じたときは、思い切って一度休みをとりリセットすることも大切です。責任感の強い人は、休みを取ることに抵抗を感じる場合があります。しかし、一番大切なのは自分の身体であることを忘れてはいけません。バーンアウトやうつ病などの精神疾患を未然に防ぐために、限界を感じる前に休みをとりましょう。
保育士を辞めた後にできることは?何をしているの?
ストレスで保育士を辞めたいけれど、「その後、どんな仕事に就けるだろうか」という漠然とした不安を抱えている人も珍しくありません。保育士を辞めた後、どんな選択肢があるかみていきましょう。
- 保育士の資格を活かす
- 全く違う業界に就職する
保育士の資格を活かす
時間とお金をかけて取得した保育士の資格を使わないのはもったいないと感じる場合は、保育士資格が優遇される就職先を検討してみましょう。
保育士の資格を活かせる就職先はたくさんあります。子供が好きで今後も関わり続けたい場合は、児童指導員、学童保育指導員、児童養護施設で働くことができます。
福祉系分野では、医療保育士や障害者施設の職員として、また教育や企業系の仕事では、幼児教育講師や教材開発などで保育士の資格が優遇されるでしょう。保育士の経験を活かしつつ、ストレス少なく働ける環境が見つかれば転職もしやすくなります。
全く違う業界に就職する
保育士の仕事に疲れてしまったときは、全く違う業界への転職がおすすめです。
保育士の経験しかないと、他の業界にいくのは難しいのではないかと考えてしまうでしょう。しかし、実際に転職活動で企業は過去の業務経験よりも、「人柄・社風との相性」や「成長意欲」を重視しているのが下のグラフから分かります。

参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が最多。評価する能力トップは「コミュニケーション能力」/株式会社学情のプレスリリース」
また、保育士は働く上でとても重要視される、コミュニケーション能力や柔軟性などさまざまな力を身に付けています。保育士で培った能力を活かせる場所は多くあるでしょう。「保育士の経験しかない」と思わず、自分に合う仕事を探すことが大切です。
涙が止まらない場合の対処法は?
涙が止まらないのは、ストレスを強く感じ、心身が限界に近付いているサインかもしれません。涙が止まらないときにどうすべきか見ていきましょう。
- 信頼できる人に相談する
- 転職活動をする
- 専門機関に相談する
信頼できる人に相談する
涙が止まらない状況は、身体がSOSを出している状況にあります。自分の力だけで解決しようとせず、家族や友人、専門機関に相談して自分の状況を冷静に判断してもらうことが必要です。相談をすることで今後、自分の選択が見えてきます。自分の置かれた状況と精神的ダメージのレベルによって選択は大きく変わってくるでしょう。一人で抱え込まず、まずは相談しやすい人に相談することが大切です。
転職活動をする
今の環境を変えれば、状況が変わるという場合は転職活動を行います。
いっぱいいっぱいの状況で転職活動をするのは、大変なこともあるかと思います。「Zキャリア」では保育士からの転職も支援可能です。保育士特有の悩みや今まで保育士からの転職をサポートした経験から、的確なアドバイスを受けることができます。転職をしようと決めた際には、まず「Zキャリア」に登録してみましょう。
専門機関に相談する
働き続ける自分が想像できない状況の場合は、まず専門機関に相談することをおすすめします。適切なサポートを受けられれば、ストレスによる心の疲れは回復しやすくなります。専門家の判断やサポートは、状況の悪化を防ぐのに繋がるためとても大切なものです。国や民間運営の相談窓口など無料で開放しているものもあるので、気軽に相談してみましょう。