退職代行は当日の朝でも大丈夫！利用の流れや注意点をやさしく解説

「もう今日、会社に行きたくない…」 朝、目が覚めた瞬間に、強いストレスで体が動かなくなってしまうこともあるでしょう。人間関係の悩み、仕事のプレッシャー、将来への不安など、理由は人それぞれですが、辞めたい気持ちが限界に達しているのかもしれません。ですが、「今日辞めるなんて無理だろう」「上司に何て言われるか怖い」と、行動に移せない人も多いはずです。そんな八方ふさがりの状況で、頼れる味方になるのが「退職代行サービス」です。この記事では、退職代行を当日の朝に利用する場合の流れや、知っておきたいメリット・デメリット、そして失敗しないための業者の選び方まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。今のつらい状況から抜け出し、新しい一歩を踏み出すための参考にしてください。

退職代行は当日の朝の連絡でも本当に間に合う？

「本当に当日の朝に頼んで辞められるの？」と半信半疑に思うかもしれません。ですが、結論から言うと、退職代行サービスを使えば当日の朝に連絡しても即日退職が可能です。ここでは、その理由と具体的な流れについて解説します。退職代行の当日の利用に関するポイントは、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

結論として即日退職は可能

退職代行サービスを使えば、法律的にも問題なく即日退職できます。これは、労働者には「退職の自由」が認められているためです。

正社員（無期雇用）の場合、民法では「退職の意思表示から2週間が経過すれば雇用契約は終了する」と定められています。「それなら2週間は出社しないといけないのでは？」と思うかもしれませんが、その2週間は有給休暇を消化したり、それが難しい場合でも欠勤扱いとしたりすることで、実質的に出社する必要はありません。

退職代行サービスは、こうした法律の知識に基づいて、本人の代わりに会社へ退職の意思を伝えてくれます。そのため、自分で「辞めます」と伝えて気まずい思いをしたり、引き止めにあったりすることなく、依頼したその日から会社に行かなくて済むのです。

心身が限界で「もう1日も出社できない」という状況でも、法的に認められた権利を行使して、スムーズに退職手続きを進めることができます。

依頼から退職完了までの流れを解説

「当日の朝に辞める」と決めても、実際にどう動けばいいのか分からず、不安になるかもしれません。退職代行を利用する場合の一般的な流れは、とてもシンプルです。

複雑な手続きはほとんどなく、スマホ一つで完結することがほとんどです。まず、インターネットで退職代行業者を探し、LINEやメール、電話などで連絡します。多くの業者は24時間対応しているので、朝早くでも深夜でも問題ありません。

次に、サービス内容や料金の説明を受け、納得できれば支払い（クレジットカードや銀行振込など）を済ませます。

支払いが確認されると、担当者からヒアリングがあります。会社の連絡先や伝えたいこと（有給消化の希望など）を共有します。

その後は、退職代行業者が会社へ連絡してくれます。退職の意思、有給消化の申請、退職日の調整などをすべて代行してくれるので、待っているだけで大丈夫です。会社からの連絡も、基本的にはすべて代行業者が窓口になってくれます。

会社への気まずい連絡は一切不要

退職を決意したときに最も大きなハードルとなるのが、「会社への連絡」ではないでしょうか。「なんて切り出そう」「怒られたらどうしよう」「引き止められたら面倒だ」といった不安が頭をよぎり、電話をかける手が震えてしまう人も少なくありません。

退職代行サービス最大のメリットは、この気まずい連絡をすべて代行してくれる点にあります。

依頼した後は、上司や人事に自分で連絡する必要は一切ありません。例えば、出勤時間ギリギリになって「やっぱり行けない」と感じたときも、退職代行業者に連絡すれば、その後の対応はすべて任せられます。会社から直接電話がかかってきても「代行業者を通してください」と伝えるだけでOKです。

精神的に追い詰められている状況で、これ以上ストレスを抱える必要はありません。面倒で気まずいやり取りから解放されるだけでも、気持ちはかなり楽になるはずです。退職という権利を行使するための、心強いサポーターだと考えましょう。

当日の朝に退職代行を使うメリット

出勤する日の朝に退職代行を利用することには、精神的な負担を大きく減らせるなど、多くのメリットがあります。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。当日の朝に退職代行を利用するメリットは、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

上司や同僚と顔を合わせずに済む

退職を伝えた後、会社に行くのは誰にとっても気まずいものです。周りの視線が気になったり、腫れ物に触るような扱いを受けたりと、居心地の悪い時間を過ごさなければならないかもしれません。

しかし当日の朝に退職代行を利用すれば、気まずい空気を感じることなく、その日から会社に行く必要がなくなります。最後に顔を合わせることなく職場を去れるため、精神的な負担はほとんどありません。

例えば、厳しい上司や苦手な同僚がいる場合、最後に挨拶回りをするだけでも大きなストレスになるでしょう。退職代行は、そうした精神的な苦痛をすべて回避させてくれます。会社との関係性が良くない場合や、ハラスメントが原因で辞める場合など、顔を合わせること自体が苦痛な状況では、特に大きなメリットと言えます。自分自身の心を守るための有効な手段です。

会社からの引き止めを回避できる

退職を申し出た際に、多くの人が経験するのが「引き止め」です。「後任が見つかるまで待ってほしい」「君がいないと困る」「今辞めるのは無責任だ」といった言葉で、退職を思いとどまらせようとする会社は少なくありません。情に訴えられたり、罪悪感を煽られたりすると、意思が揺らいでしまうこともあるでしょう。

しかし退職代行サービスを利用すれば、こうした引き止め交渉をされずに済みます。業者は本人の「退職したい」という固い意思を、事務的かつ法的な根拠に基づいて会社に伝えます。そのため、会社側も感情的な引き止めをしにくくなります。

「人手不足だから」といった会社の都合に振り回されることなく、自分のタイミングで確実に退職できるのは、大きなメリットです。何度も話し合いの場が設けられて、退職が先延ばしにされるといった事態も防げます。

「辞めたい」と言うストレスがなくなる

「会社を辞めたい」という気持ちを上司に直接伝えるのは想像以上に勇気がいる行為です。「いつ、どのタイミングで言おうか」「どんな顔をして話せばいいのか」と、何日も前から悩んでしまう人もいるでしょう。

この退職の意思を切り出すこと自体のプレッシャーは、非常に大きなストレスです。退職代行サービスは、この精神的な重圧から解放してくれます。自分で言いにくいことを、すべてプロが代行してくれる安心感は絶大です。退職を考え始めてから実際に伝えるまでの憂鬱な時間や、上司との面談で感じる緊張感を一切味わう必要がありません。

「もう無理だ」と感じたその瞬間に、スマホ一つで退職の意思表示を完了できる手軽さは、心身が限界に達している人にとって、何よりの救いになるはずです。

当日の朝に退職代行を使うデメリット

多くのメリットがある一方で、退職代行の利用にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。後から「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。当日の朝に退職代行を利用するデメリットは、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

退職代行サービスの利用料金がかかる

当然ですが、退職代行サービスの利用料は無料ではありません。業者やサービス内容によって異なりますが、数万円程度の費用が発生します。一般的には、2万円〜5万円程度が相場とされています。この費用を「高い」と感じるか「安い」と感じるかは人それぞれです。しかし、自分で退職を伝えるストレスや、引き止めにあって退職が長引く可能性を考えれば、決して高すぎるとは言えないかもしれません。

例えば、引き止めによって1ヶ月退職が遅れれば、その分ストレスにさらされる期間が長引きます。その精神的コストを考えれば、数万円でスムーズかつ確実に退職できる価値は大きいと言えるでしょう。とはいえ、まとまった出費になることは事実です。サービスを利用する前には、必ず料金体系を確認し、自分の経済状況と照らし合わせて慎重に判断することが重要です。

私物の回収などで連絡が必要な場合がある

退職代行を使えば、会社との直接的な会話は基本的に不要になります。しかし会社に置いた私物の扱いや貸与品の返却については、完全にノータッチというわけにはいきません。ロッカーやデスクに残した私物は、退職代行業者を通して郵送してもらうよう依頼するのが一般的です。

その際、着払いでの発送になることが多いでしょう。また、会社から借りていた制服やパソコン、社員証などは、期日までに返却する必要があります。これも郵送で対応することがほとんどです。これらのやり取りは代行業者が間に入って調整してくれますが、荷物の梱包や発送といった手間は自分で行わなければなりません。

また、最終的な給与の振込や、源泉徴収票などの書類の送付など、事務的な連絡事項が残ることも理解しておく必要があります。

悪質な業者に依頼してしまうリスク

退職代行サービスの需要が高まるにつれて、残念ながらサービスの質が低い業者や、中には違法な行為を行う悪質な業者も存在するようになりました。特に注意したいのが、弁護士や労働組合ではない一般の会社が、有給消化の交渉や退職金の請求など、法律的な交渉（非弁行為）を行ってしまうケースです。

こうした業者に依頼すると、会社との間でトラブルに発展する可能性があります。例えば、会社側から「弁護士資格のない業者からの交渉には応じられない」と突っぱねられたり、最悪の場合、退職手続きがスムーズに進まなかったりする恐れがあります。こうしたリスクを避けるためには、業者選びが非常に重要になります。「格安」という言葉だけに惹かれず、運営元が信頼できるかどうかをしっかりと見極める必要があります。

失敗しない退職代行業者の選び方

デメリットとして挙げた「悪質な業者」を避け、安心して退職手続きを任せるためには、どのような点に注意して業者を選べばよいのでしょうか。ここでは、失敗しないための具体的なチェックポイントを解説します。失敗しない退職代行業者の選び方のポイントは、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

労働組合か弁護士が運営しているかを確認する

最も重要なポイントは、会社との交渉権を持つ運営元を選ぶことです。具体的には、「労働組合」が運営する退職代行か、「弁護士」が運営・監修する退職代行を選ぶようにしましょう。

労働組合は、労働者の権利として会社と団体交渉する権利（団体交渉権）を持っています。そのため、有給休暇の取得交渉や退職日の調整などを適法に行うことができます。

弁護士は、法律の専門家として、交渉はもちろん、万が一会社から損害賠償請求をされるなどの法的なトラブルに発展した場合でも、代理人として対応できます。

一般の株式会社が運営する退職代行は、基本的に「退職の意思を伝える」ことしかできません。それ以上の交渉事を行うと違法（非弁行為）になる可能性があります。安心して任せるなら、労働組合か弁護士が運営する業者を選ぶのが鉄則です。

追加料金の有無や総額を確認する

料金トラブルを避けるために、ホームページなどで料金体系をしっかりと確認しましょう。特に注意したいのが「追加料金」の存在です。

一見、料金が安く見えても、「即日対応は追加料金」「電話サポートは別料金」といった形で、最終的に高額な請求をされるケースがあります。信頼できる業者は、料金体系が明確で、「相談料無料」「追加料金一切なし」「連絡回数無制限」といったことをホームページに明記していることが多いです。

依頼する前には、ホームページに記載の金額以外にかかる費用がないかを必ず確認しましょう。LINEやメールでの事前相談の際に、「この金額ですべてお任せできますか？」とストレートに聞いてみるのも良い方法です。後から揉めることのないよう、料金については納得できるまで質問することが大切です。

口コミや利用者の評判を参考にする

業者のホームページに書かれている情報だけでなく、第三者の客観的な評価も参考にしましょう。実際にそのサービスを利用した人のリアルな体験談をチェックすることは、非常に有効です。X（旧Twitter）などのSNSで業者名を検索したり、退職代行サービスの比較サイトをチェックしたりすると、良い評判も悪い評判も見つかるはずです。

「連絡がスムーズだった」「親身に相談に乗ってくれた」といったポジティブな口コミが多い業者は、信頼性が高いと言えるでしょう。一方で、「連絡が遅い」「対応が雑だった」といったネガティブな口コミが目立つ業者は、避けた方が無難です。ただし、口コミはあくまで個人の感想です。すべての情報を鵜呑みにするのではなく、複数の情報を比較検討して、総合的に判断することが重要です。

退職後にやるべき手続きと準備

退職代行を利用して無事に会社を辞められたら、それで終わりではありません。次のステップに進むために、やるべきことがいくつかあります。気持ちを切り替えて、一つひとつ着実に進めていきましょう。退職後にやるべき手続きや準備は、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

会社から必要な書類を受け取る

退職後は、会社からいくつかの重要な書類を受け取る必要があります。これらの書類は、失業手当の申請や転職先の会社での手続きに必要になるため、必ず手元に保管しておきましょう。主に必要となるのは、離職票や源泉徴収票などの書類です。離職票: 失業手当（雇用保険の基本手当）を受け取るために必須の書類です。ハローワークでの手続きに使います。

• 源泉徴収票: その年に会社から支払われた給与額や、天引きされた所得税額が記載された書類です。転職先の会社での年末調整や、自分で確定申告をする際に必要になります。
• 年金手帳: 会社に預けていた場合は返却してもらいます。
• 雇用保険被保険者証: 雇用保険に加入していたことを証明する書類です。転職先の会社に提出します。これらの書類は、退職後に会社から郵送されてくるのが一般的です。もし届かない場合は、退職代行業者を通して請求してもらいましょう。

年金や健康保険の手続きを行う

会社を退職すると、これまで加入していた厚生年金や会社の健康保険から脱退することになります。そのため、自分で公的な手続きを行う必要があります。

具体的には、国民健康保険や国民年金への切り替え手続きを、住んでいる市区町村の役所で行います。退職日の翌日から14日以内に手続きをするのが原則です。手続きには、会社から受け取った「健康保険資格喪失証明書」や「年金手帳」「本人確認書類」などが必要になります。何が必要かは、事前に役所のホームページなどで確認しておくとスムーズです。

もしすぐに次の転職先が決まっている場合は、転職先の会社で社会保険の加入手続きを行ってくれるため、自分でこれらの手続きをする必要はありません。

気持ちを切り替えて転職活動を始める

退職手続きが一段落したら、いよいよ次のステージに向けて動き出すタイミングです。退職は新しいスタートの第一歩と捉え、前向きな気持ちで転職活動を始めましょう。

まずは、「どんな仕事をしたいか」「どんな働き方が理想か」を考えることからスタートします。これまでの経験で「楽しかったこと」「苦手だったこと」を書き出してみるのも良い方法です。自分の強みや価値観を整理でき、仕事選びの軸が見えてきます。

すぐに転職活動を始めるのが難しい場合は、少し休んで心と体をリフレッシュするのも大切です。焦る必要はありません。自分のペースで、未来のことを考えていきましょう。もし、「自分に合う仕事が分からない」「一人で転職活動を進めるのは不安」と感じるなら、転職のプロに相談するのも一つの手です。客観的なアドバイスをもらうことで、新たな可能性に気づけるかもしれません。

次のステップに不安を感じたら

退職はゴールではなく、新しいキャリアの始まりです。ですが、いざ次の仕事を探そうと思っても、「何から始めればいいか分からない」「自分に自信がない」と、不安な気持ちになることもあるでしょう。そんなときは、一人で抱え込まずに、視野を広げることから始めてみませんか。次のステップに進むためのヒントは、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

自分の強みや適性を再確認する

転職活動を成功させるためには、まず自分自身をよく知ることが大切です。これまでの経験を振り返り、自分の「強み」や「好きなこと」「得意なこと」を再確認してみましょう。

例えば、「人と話すのは苦手だけど、コツコツと集中して作業するのは好きだった」「重いものを運ぶのは平気だった」など、どんな些細なことでも構いません。これまでの経験を振り返ることで、自分では気づかなかった強みや、仕事選びのヒントが見つかるはずです。学生時代のアルバイト経験や部活動、趣味などで培ったスキルも立派なアピールポイントになります。

「自分には何もない」と決めつけずに、一度自分の棚卸しをしてみましょう。紙に書き出してみると、頭の中が整理されて考えやすくなります。

未経験でも挑戦できる仕事を探す

「特別なスキルや経験がないから、良い仕事なんて見つからない」と諦める必要はありません。世の中には、学歴や職歴を問わず、未経験からでも挑戦できる仕事がたくさんあります。

特に、製造業の工場スタッフ、建設現場の作業員、トラックや配送のドライバー、介護職などは、人手不足の業界も多く、ポテンシャル採用を積極的に行っています。これらの仕事は、実際に体を動かしながらスキルを身につけていけるのが特徴です。

Zキャリアのような若年層のノンデスクワーカーに特化した転職サイトでは、こうした未経験者歓迎の求人を数多く扱っています。まずはどんな仕事があるのかを眺めてみるだけでも、新しい興味や可能性が広がるかもしれません。

Zキャリアのエージェントに相談してみよう

退職や転職に関する悩みは、一人で抱え込んでいると不安ばかりが大きくなってしまいます。そんなときは、転職のプロであるキャリアエージェントに相談するのがおすすめです。

Zキャリアのエージェントは、Z世代のノンデスクワーカーの転職支援に特化しています。そのため、未経験からのキャリアチェンジや、学歴に自信がない方の気持ちに寄り添った、的確なアドバイスが可能です。一人で悩まず専門家を頼ることで、自分に合った求人の紹介はもちろん、履歴書の書き方や面接対策まで、転職活動全体をサポートしてもらえます。自分では気づかなかった強みを発見してくれたり、非公開の優良求人を紹介してくれたりすることもあります。

退職代行でつらい環境から抜け出した後は、次のステップで後悔しないためにも、ぜひ一度Zキャリアのエージェントに相談してみてください。あなたの新しいスタートを、全力で応援します。

＊2025年12月1日現在の施行されている法律や検討されている方の解釈などに基づいて一般的な解釈のもと、本内容となっております。今後の未来において法律の改正など行われた場合はこの限りではありません。また、当社は退職代行サービスを推奨するなどの意思はございません。