派遣で残業が多いのはもう限界！辞めたい人向けの対処法と断り方

「毎日残業ばかりで、プライベートの時間がまったくない…」 「派遣で働いているけど、残業が多くて正直しんどい」 「このまま働き続けるのは無理かも。辞めたいけど、どうすればいいんだろう？」派遣社員として働くなかで、終わらない残業に悩んでいる人は少なくありません。定時で帰れると思っていたのに、気づけば毎日ヘトヘト。そんな状況が続くと、心も体も疲れてしまいます。

残業が多い状況は、決して当たり前ではありません。自分の働き方を見直し、適切な対処をすることで、状況を改善することは十分に可能です。

この記事では、派遣の仕事で残業が多くなってしまう理由から、残業を上手に断る方法、そして今の職場がどうしても辛い場合の対処法まで、分かりやすく解説していきます。残業の悩みから解放され、自分らしい働き方を見つけるための一歩を、一緒に踏み出しましょう。

派遣で残業が多くなってしまうのはなぜ？

派遣社員として働いていて残業が多くなってしまう背景には、いくつかの理由が考えられます。なぜ自分の職場で残業が発生しているのか、その原因を知ることで、今後の対策が立てやすくなります。具体的な原因としては、以下の点が挙げられます。

各項目について、詳しく見ていきましょう。

人手不足で業務量が終わらないから

派遣先の慢性的な人手不足が、残業の大きな原因になっているケースは非常に多いです。正社員の退職が相次いだり、事業が拡大して業務量が増えたりしているにもかかわらず、新しい人員の補充が追いついていない職場がこれにあたります。

例えば、「急に先輩社員が辞めてしまい、その人の仕事を全部引き継ぐことになった」「新しいプロジェクトが始まったのに、メンバーは増えていない」といった状況です。このような職場では、一人ひとりが抱える仕事の量が物理的に多くなり、定時内にすべての業務を終わらせることが困難になります。

その結果、派遣社員であっても、なしくずし的に残業せざるを得ない状況に陥ってしまうのです。特に、派遣社員は「即戦力」として期待されることが多く、正社員と同じか、それ以上の業務量を任されることも珍しくありません。人手不足のしわ寄せが、立場の弱い派遣社員に来てしまうという構造的な問題も潜んでいます。

契約内容が曖昧になっているから

派遣社員が働く上でのルールは、すべて派遣会社と結んだ雇用契約に基づいています。この契約書（就業条件明示書）には、勤務時間や業務内容、そして「時間外労働（残業）の有無」が明記されているはずです。ですが、この契約内容が曖昧だったり、そもそも契約時に残業について詳しく確認していなかったりすると、トラブルの原因になります。

例えば、「残業は原則ないはずだったのに、現場では当たり前のように残業指示をされる」「契約書には『業務の都合により命じることがある』としか書かれておらず、具体的な上限時間がわからない」といったケースです。

派遣先の担当者も、派遣社員一人ひとりの契約内容を正確に把握していないことがあります。そのため、「正社員と同じように残業できるだろう」という思い込みから、契約内容を超えた残業を指示してしまうこともあるのです。

自分の契約内容を正しく理解していないと、不当な残業指示に対しても「そういうものなのかな」と受け入れてしまい、長時間労働につながってしまいます。

周りが残業していて断りづらいから

職場の雰囲気が、残業を断りづらくさせているケースも少なくありません。「定時になっても誰も帰ろうとしない」「自分だけ先に帰るのは気まずい」といった、いわゆる同調圧力が原因です。

特に、上司や正社員が毎日遅くまで残って仕事をしていると、「派遣の自分だけ先に帰っていいのだろうか…」と罪悪感を感じてしまう人も多いでしょう。また、「ここで断ったら、次の契約更新に響くかもしれない」「やる気がないと思われたくない」といった不安から、本当は断りたいのに残業を引き受けてしまうこともあります。

このような職場では、たとえ自分の仕事が終わっていたとしても、周りに合わせて残業するのが当たり前という空気が醸成されています。残業することが「頑張っている証拠」といった風潮があると、定時で帰ることにむしろ勇気が必要になり、結果的に不要な残業が増えていってしまうのです。

多い残業、まずは契約内容を確認しよう

「もしかしたら、自分の残業は多すぎるのかも？」と感じたら、まずは客観的な事実を確認することが大切です。そのために一番重要なのが、自身の雇用契約の内容を正確に把握することです。契約内容を確認するための具体的なポイントは、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

派遣契約書で残業の有無を確認する

自分の身を守るための最初のステップは、派遣会社と交わした「雇用契約書」または「就業条件明示書」を確認することです。ここには、労働時間や休憩、休日のほかに、「時間外労働」に関する項目が必ず記載されています。

まずチェックすべきは、「時間外労働をさせることの可否」という欄です。「無」となっていれば、原則として残業を命じられることはありません。「有」となっている場合でも、その横に「1日〇時間まで、1ヶ月〇時間まで」といった具体的な上限時間が記載されているはずです。

もし、この上限時間を超える残業を指示されているのであれば、それは明らかな契約違反です。この契約書は、不当な労働から自分を守るための強力な証拠になります。手元になければ派遣会社に再発行を依頼し、内容をしっかりと写真に撮るなどして保存しておきましょう。

36協定が結ばれているか確認する

「36（サブロク）協定」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、会社が従業員に法定労働時間（1日8時間・週40時間）を超えて労働（残業）をさせる場合に、必ず結ばなければならない労使間の協定のことです。難しく聞こえるかもしれませんが、「残業させる場合は、法律に則ってちゃんとルールを決めます」という会社と従業員の約束事だと考えてください。

この36協定が結ばれていない会社は、原則として従業員に残業をさせることができません。派遣社員の場合、この36協定は、雇用主である派遣会社と結ばれます。もし、自分の派遣会社が36協定を結んでいないのに残業をさせられているとしたら、それは違法な状態です。「自分の会社が36協定を結んでいるかわからない」という場合は、派遣会社の担当者に直接確認してみましょう。「残業について確認したいのですが、36協定は締結されていますか？」と聞けば教えてくれます。

これは労働者の正当な権利なので、遠慮する必要は一切ありません。

残業代が支払われているか確認する

残業をした場合、法律で定められた割増賃金（残業代）が支払われなければなりません。いわゆる「サービス残業」は、完全に違法です。

当たり前のことのように聞こえますが、「残業したのに、その分のお金が支払われていない」というケースは残念ながら存在します。給与明細を毎月必ず確認する習慣をつけましょう。明細には「時間外手当」や「残業手当」といった項目があるはずです。自分が残業した時間と、支払われている手当の金額が合っているかをチェックしてください。

もし残業代が支払われていない、あるいは計算が合わないと感じたら、すぐに派遣会社の担当者に相談すべきです。その際は、「〇月〇日に〇時間残業したのですが、給与明細で確認できませんでした」というように、具体的な日付や時間を記録したメモやタイムカードの写しがあると、話がスムーズに進みます。

派遣で多い残業を上手に断るための伝え方

契約内容を確認し、自分が断る権利があるとわかっても、いざ残業を断るとなると勇気がいるものです。どう伝えれば角が立たないか、悩んでしまいます。残業を上手に断るための具体的な伝え方としては、以下の方法が効果的です。

各項目について、詳しく解説していきます。

契約内容を理由に断る

残業を断る際に最も有効で、かつ角が立ちにくいのが、感情的にならずに事実を伝えることです。その事実とは、派遣会社と結んだ「契約内容」です。例えば、上司から「悪いけど、この仕事今日中にお願いできる？」と残業を頼まれた際に、「すみません。雇用契約で残業はできないことになっておりますので、本日は定時で失礼いたします。明日、朝一番で対応させていただけますでしょうか」といった形で伝えます。

ポイントは、「やりたくありません」といった個人の感情ではなく、「契約なのでできません」という客観的な事実を理由にすることです。これにより、相手も「個人のわがまま」ではなく「会社のルール」として受け入れざるを得なくなります。また、「明日朝一でやります」のように、代替案を添えることで、仕事に対する前向きな姿勢も示すことができ、相手に与える印象も和らぎます。

正直にできない理由を伝える

契約上は残業が可能になっていても、やむを得ない私的な理由がある場合は正直に伝えるのも一つの方法です。「申し訳ありません、本日は通院の予約がありまして…」「家族との約束があるので、お先に失礼します」といった伝え方です。

プライベートな理由をどこまで話すかは人によりますが、具体的な予定を伝えることで、相手も「それなら仕方ないな」と納得しやすくなります。ただし、この方法を毎回使うのは現実的ではありません。「またその理由か」と思われてしまう可能性もありますので、ここぞという時に使うのが効果的です。

また、理由を伝える際は、申し訳ないという気持ちを態度で示しつつも、はっきりと「できない」という意思を伝えることが大切です。曖昧な態度をとると、「じゃあ30分だけ」などと引き止められてしまう可能性があるので注意しましょう。

派遣会社の担当者に前もって相談する

「派遣先の上司に直接言うのは、どうしても気が引ける…」という場合に最もおすすめなのが、派遣会社の担当者に相談することです。そもそも、派遣社員の勤怠管理や労働条件の交渉は、雇用主である派遣会社の重要な役割です。

「現場で契約時間を超える残業を頻繁に依頼されて困っています。契約通りに勤務したいのですが、自分からは言い出しにくくて…」というように、現状を正直に伝えましょう。経験豊富な担当者であれば、角が立たないようにうまく派遣先と交渉してくれます。「〇〇さんは、ご家庭の事情で残業が難しいようですので、業務時間内に終えられるように業務量の調整をお願いできますでしょうか」といった形で、うまく間に入ってくれるはずです。

一人で抱え込まず、味方である派遣会社の担当者を頼ることが、問題解決への一番の近道です。

残業が多すぎて辞めたい場合の選択肢

いろいろと手を尽くしてみたけれど、状況が改善されない。残業が多すぎて、心も体も限界…。そんな時は、その職場を「辞める」という選択肢を考えることも大切です。残業が理由で辞めたいと考えた場合の具体的な選択肢は、以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

派遣会社の担当者に相談し改善を求める

「辞めたい」という気持ちが固まってきたら、まずは派遣会社の担当者に状況を正直に伝えましょう。「残業の多さが改善されず、このまま働き続けるのは難しいと考えています」と伝えることが第一歩です。

担当者によっては、最後の手段として改めて派遣先に強く改善を要求してくれる場合があります。業務量の調整や、場合によっては部署の異動などを交渉し、働き続けられる環境を整えようと動いてくれるかもしれません。また、辞めるという意思を伝えることで、担当者が「それなら」と、すぐに別の派遣先を紹介してくれる可能性もあります。同じ派遣会社内で別の仕事にスムーズに移れることもあるので、まずは相談してみる価値は十分にあります。

ここで重要なのは、感情的に不満をぶつけるのではなく、「改善を試みたが難しかったため、次のステップを考えたい」という前向きな姿勢で相談することです。

契約更新のタイミングで終了を伝える

派遣社員にとって最もスムーズで円満な退職のタイミングは、契約期間の満了時です。多くの派遣契約は3ヶ月や6ヶ月ごとに更新されます。この更新のタイミングで、「次の契約更新は希望しません」と意思を伝えれば、誰にも迷惑をかけることなく、きれいに辞めることができます。

一般的には、契約が終了する1ヶ月前までに、派遣会社の担当者から「次の契約はどうしますか？」と更新の意思確認があります。その際に、辞める意思を伝えましょう。こちらから伝える場合は、契約満了日の1ヶ月以上前に派遣会社の担当者に連絡するのがマナーです。派遣会社も後任を探す時間が必要になるため、早めに伝えることが大切です。

「一身上の都合により」という理由でも問題ありませんが、正直に「残業が多く、自分の希望する働き方と合わなかったため」と伝えれば、担当者も次の仕事を紹介する際の参考にしてくれるでしょう。

どうしても辛い場合はすぐに辞める相談をする

「次の契約更新までなんて待てない。心身ともに限界だ」という場合は、契約期間の途中であっても退職できる可能性があります。法律上、労働者側から一方的に契約を解除することは簡単ではありませんが、「やむを得ない事由」がある場合は認められます。

例えば、体調を崩してしまった（医師の診断書があればよりスムーズです）、家族の介護が必要になった、といったケースです。また、残業代の未払いや、契約内容を大幅に超える残業が常態化しているなど、派遣先や派遣会社側に明らかな問題がある場合も、契約解除の正当な理由になり得ます。

どのような状況であれ、まずは派遣会社の担当者に「心身の不調をきたしており、このまま働き続けることが困難です」と正直に相談してください。一人で抱え込み、無断で欠勤するようなことだけは絶対に避けましょう。誠実に対応することで、派遣会社も親身に相談に乗ってくれるはずです。

残業が少ない派遣の仕事を見つける方法

今の職場を辞める決心がついたら、次は「自分に合った働き方ができる職場」を探すステップです。もう二度と残業で悩みたくない、と考えるのは当然のことです。残業の少ない派遣の仕事を見つけるためには、いくつかのコツがあります。具体的な方法は以下の通りです。

各項目について、詳しく解説していきます。

派遣会社に希望条件をはっきり伝える

新しい仕事を探す際、派遣会社の担当者に自分の希望を明確に伝えることが何よりも重要です。「プライベートの時間を大切にしたいので、残業がない仕事を希望します」「残業はあっても、月に10時間以内が絶対条件です」というように、具体的な数字を挙げて伝えましょう。

「できれば残業が少ないと嬉しいです」といった曖昧な伝え方では、担当者も「多少の残業なら大丈夫だろう」と判断してしまい、結果的に希望と違う仕事を紹介されかねません。なぜ残業ができないのか、その理由（「資格の勉強をしたい」「家族との時間を大切にしたい」など）も併せて伝えると、より真剣さが伝わり、担当者も条件に合う仕事を熱心に探してくれます。

遠慮せずに、自分の希望する働き方の「軸」をしっかりと伝えることが、ミスマッチを防ぐための第一歩です。

求人票の残業時間を確認する

派遣会社から仕事を紹介されたら、必ず求人票（お仕事の詳細が書かれた書類）の隅々まで目を通しましょう。

特に「残業」や「時間外労働」に関する項目は入念にチェックしてください。「残業なし」「原則定時退社」と明記されていれば、基本的には残業がないと考えて良いでしょう。「月平均10時間程度」などと具体的な時間が記載されている場合は、そのくらいの残業が発生する可能性があると想定しておくべきです。

もし「業務の繁閑により発生する場合あり」といった曖昧な表現だった場合は、担当者に「具体的には、月にどれくらい発生する見込みですか？」「繁忙期はいつ頃ですか？」と詳しく質問することが大切です。

紹介された仕事を安易に受け入れるのではなく、自分の目で見て、納得できる条件かどうかをしっかりと見極める姿勢が重要になります。

繁忙期が予測できる業界を選ぶ

業界や職種によって、残業の多い時期（繁忙期）がある程度決まっている場合があります。この特性を知っておくことも、残業を避ける上で役立ちます。

例えば、経理事務であれば、月末月初や四半期ごとの決算期が忙しくなります。アパレル業界ではセールの時期や季節の変わり目が繁忙期です。逆に、こうした時期以外は比較的落ち着いており、定時で帰りやすい傾向にあります。

「特定の時期だけ忙しいのは仕方ない」と割り切れるのであれば、こうした仕事も選択肢になります。一方で、「一年を通して、コンスタントに定時で帰りたい」と考えるのであれば、こうした業界を避けるという判断もできます。派遣会社の担当者に「この業界の繁忙期はいつ頃ですか？」と聞いてみたり、自分で業界について少し調べてみたりするだけで、入社後のギャップを減らすことができます。

残業の悩みから解放されるために

ここまで、派遣の残業に関する様々な原因や対処法について見てきました。大切なのは、現状を「仕方ない」と諦めずに、自分にできることから行動を起こすことです。残業の悩みから解放され、自分らしい働き方を見つけるための最後のステップについて、以下のポイントで解説します。

詳しく見ていきましょう。

今の職場で悩みを抱え続けていませんか

毎日残業に追われ、心身ともに疲れきっていませんか。今の職場で悩み続けることが、本当に自分のためになるのか、一度立ち止まって考えてみてください。

残業が多い生活が続くと、プライベートの時間がなくなり、趣味や友人との時間、自己投資のための勉強時間も犠牲になってしまいます。心身の健康を損なってしまっては、元も子もありません。この記事で紹介したように、残業を断ったり、職場環境の改善を求めたりすることは、労働者としての正当な権利です。

しかしそれでも状況が変わらないのであれば、その環境に固執する必要はありません。大切なのは、自分自身の心と体の健康です。今の職場がすべてではありません。外に目を向ければ、もっと自分に合った働き方ができる場所が必ず見つかります。

あなたに合う働き方を一緒に見つけよう

行動を起こすことで、状況は必ず変えられます。残業で悩んでいるなら、まずは派遣会社の担当者に相談する、求人情報を眺めてみる、といった小さな一歩からで構いません。環境を変えることは、新しい可能性を広げる大きなチャンスです。

残業が少ない職場に移ることで、今までできなかったことに挑戦できるかもしれません。資格の勉強を始めてキャリアアップを目指したり、趣味に没頭して生活を充実させたりと、新しい世界が広がります。「自分に合う仕事なんて見つかるだろうか」と不安に思う必要はありません。世の中にはたくさんの会社と仕事があります。今の価値観に縛られず、少し視野を広げてみれば、「こんな働き方もあったんだ」という発見がきっとあるはずです。

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「残業がない職場がいい」「プライベートと両立したい」といった希望も、遠慮なく伝えてください。サイトには載っていない非公開求人の中から、条件に合う会社を紹介することも可能です。書類の書き方から面接対策、派遣先との条件交渉まで、転職活動のあらゆる場面でサポートします。一人で抱え込まず、私たちと一緒に、残業の悩みから解放される新しい一歩を踏み出してみませんか。