派遣社員からどのようにキャリアアップできる?
派遣社員として働く方の中には、将来のキャリアに漠然とした不安を抱えている方も少なくありません。特に、正社員へのキャリアアップを考えているものの、具体的に何をすべきか分からず悩んでいる方もいるでしょう。派遣社員がキャリアアップを目指す方法はいくつかありますが、大きく分けて「現職で専門性を高める」「フリーランスや個人事業主として独立する」「正社員として転職する」の3つが挙げられます。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、自身のスキルや目指すキャリアパスによって最適な選択肢は異なります。どの道を選ぶにしても、自身の市場価値を高めるための努力や情報収集が不可欠です。
有期雇用派遣社員のキャリアアップを難しくする要因

有期雇用の派遣から無期雇用に転換されるケースがそう多くない
有期雇用派遣社員がキャリアアップを望む上で、無期雇用への転換がそう多くないという現状は大きな壁となります。有期雇用は契約期間が定められており、契約が更新されなければ雇用が終了するリスクを常に抱えています。無期雇用転換の制度は存在しますが、すべての派遣社員が対象となるわけではなく、また企業側の判断に委ねられる部分も大きいため、安定したキャリアを築く上での不確実性が高いと言えます。この不安定さは、長期的なスキルアップやキャリアプランの構築を難しくする一因となっています。
契約更新が短期かつ景気の状況に依存してしまう
有期雇用派遣社員の場合、契約期間が短く設定されることが多く、数ヶ月から1年といった短いスパンでの契約更新が一般的です。加えて、景気の変動が契約更新に大きく影響するという点も、キャリアアップを難しくする要因です。景気が悪化すれば、企業は人件費削減のために派遣契約を打ち切る選択をすることも珍しくありません。このような状況では、安定した環境で腰を据えてスキルを磨くことが困難になり、将来への不安が増大する傾向にあります。
実務経験が定型業務に偏ってしまう
派遣社員として働く場合、任される業務が定型的なものに偏りがちであることも、キャリアアップを阻む一因です。派遣先企業は即戦力を求めるため、特定の業務に特化した働き方を求められることが多く、幅広い業務経験を積む機会が限られます。これにより、特定の分野のスキルは向上するものの、応用力や問題解決能力など、キャリアアップに必要な多様なスキルが身につきにくいという課題があります。結果として、新しい職種や責任のあるポジションへの挑戦が難しくなる可能性があります。
専門性が養われにくい
派遣社員として多様な企業で働くことは、様々な環境を経験できるというメリットがある一方で、特定の分野における深い専門性を養いにくいという側面も持ち合わせています。派遣の仕事は、あくまで企業の「一時的な労働力」として位置づけられることが多く、OJTによる体系的な教育や、専門性の高いプロジェクトへの参画機会が少ない傾向にあります。そのため、自身のキャリアパスを明確にし、能動的に専門スキルを習得するための学習や資格取得に取り組む意識が重要となります。
給与水準が頭打ちになりやすい
派遣社員の給与は、時給制や日給制が多いため、長年経験を積んでも大幅な昇給が見込めない傾向にあります。特に、正社員と正社員以外の賃金の差は、年齢を経るごとに開き続け、最大で約15万円の差があることがわかっています。正社員であれば、キャリアアップやスキルアップ、昇給や賞与といった機会が期待できますが、派遣社員の場合はそうした機会が限定的です。この給与水準の頭打ちも、派遣社員がキャリアアップを考える上で大きな課題となるでしょう。
参照:「令和5年度賃金構造基本統計調査(14ページ)/厚生労働省」
福利厚生が正社員に比べて限定的になる
派遣社員の場合、正社員に比べて利用できる福利厚生が限定的になることがほとんどです。住宅手当や家族手当、退職金制度、社員旅行など、正社員には当たり前に提供される福利厚生が派遣社員には適用されないケースが多く見られます。福利厚生の充実度は、長期的なキャリア形成や生活の安定に直結するため、この点がキャリアアップを難しくする一因となります。
派遣で働くことに不安を感じている場合、どのようにキャリアアップをしていくべき?

現場の派遣業務と関連させ、専門性を高めるための自己投資をする
派遣として働くことに不安を感じているのであれば、まずは現在の派遣業務に関連する分野で専門性を高めるための自己投資を検討しましょう。例えば、担当している業務で使われるツールやソフトウェアの習熟度を上げる、業界知識を深めるための書籍を読む、関連資格の取得を目指すなどが挙げられます。自己投資によって専門スキルを磨けば、より高度な業務を任される可能性が高まり、結果的に市場価値を高めることができます。これにより、契約更新時の交渉力が高まったり、将来的には正社員登用の機会に繋がったりする可能性も生まれます。
フリーランスや個人事業として独立し、収益性を高める
派遣社員として培ったスキルや経験を活かし、フリーランスや個人事業主として独立することも、収益性を高めるための有効なキャリアアップの選択肢です。特にITやWeb関連のスキルは、フリーランスとして独立しやすい分野と言えるでしょう。業務のマッチングサイトなども増えており、環境的には以前よりも独立しやすい状況が整っています。しかし、独立には「十分な売上をあげるだけの専門性と行動量がとれるか」という課題も伴います。安定した収入を得るためには、自身の専門性を磨き続けるだけでなく、営業力や自己管理能力も重要になります。
正社員転職し、長期的なキャリアアップを模索する
派遣社員としての経験を踏まえ、長期的なキャリアアップを目指すのであれば、正社員への転職を検討することは非常に有効な選択肢です。正社員は派遣社員と比べて雇用が安定しており、昇給や賞与、退職金などの福利厚生も充実している傾向にあります。また、企業によっては、将来的なキャリアパスが明確に示され、専門性の高い業務や責任あるポジションに就く機会も増えます。もちろん、正社員には派遣社員とは異なる責任や義務が伴いますが、長期的な視点で見れば、キャリアの選択肢を広げ、安定した収入を得るための道筋を築くことができるでしょう。
派遣をしながら専門性を高められるの?
業務に関連する資格や専門書を吸収することで知識が深まる
派遣として働きながら専門性を高めることは十分に可能です。例えば、日々の業務に関連する資格取得を目指したり、専門書を読み込んだりすることで、知識を深めることができます。オンライン学習プラットフォームを活用して、特定の分野のスキルを体系的に学ぶことも有効です。また、派遣先での業務を通じて得られる実践的な経験は、座学だけでは得られない貴重な財産となります。能動的に学習し、実務で得た知識と経験を結びつけることで、自身の専門性を着実に高めていくことができるでしょう。
雇用形態が派遣だと業務が単純作業に偏りがちなので、正社員転換を目指すのがベター
派遣の雇用形態だと、どうしても業務が単純作業に偏りがちで、深く専門性を追求することが難しい場合があります。長期的なキャリア形成を考えた場合、より責任のある仕事や、専門性を活かせる業務に携わる機会の多い正社員への転換を目指すのがベターな選択肢と言えるでしょう。正社員であれば、企業からの研修制度やキャリアパスのサポートも期待でき、より体系的に専門性を高めていくことが可能です。また、正社員は福利厚生も充実しているため、長期的に安心してキャリアを築けるというメリットもあります。
フリーランスや個人事業としての独立は簡単にできるものなの?
業務のマッチングサイトなどがあるので、環境的にはやりやすい
フリーランスや個人事業主としての独立は、以前に比べて環境が整い、挑戦しやすくなっています。特に、クラウドソーシングサイトやフリーランス向けのマッチングサイトが多数存在し、自身のスキルや経験に合った仕事を見つけやすくなっています。これらのプラットフォームを活用すれば、企業との直接契約や営業活動なしに仕事を受注できるため、独立へのハードルは下がると言えるでしょう。また、オンラインで完結する業務も増えているため、場所を選ばずに働ける自由度の高さも魅力です。
十分な売上をあげるだけの専門性と行動量がとれるかが課題となる
フリーランスや個人事業主としての独立は、環境的にはやりやすくなったとはいえ、決して簡単な道ではありません。最大の課題は、「十分な売上をあげるだけの専門性と行動量がとれるか」という点です。安定した収入を確保するためには、自身のスキルが市場で高い評価を得られるレベルにあること、そして継続的に仕事を受注するための営業活動や自己ブランディングが不可欠です。また、クライアントとのコミュニケーション能力や、トラブル発生時の対応力など、ビジネススキル全般が求められるため、これらの能力を常に磨き続ける必要があります。
派遣から正社員転職も選択肢としてはわかるけど、働き方が窮屈になるのがいや...

正社員だと責任が重くなり残業も増える
派遣から正社員への転職を考える際、「働き方が窮屈になるのではないか」という不安を感じる方は少なくありません。特に、正社員になると業務に対する責任が重くなり、残業が増えるのではないかという懸念を抱く方もいるでしょう。実際、正社員は派遣社員と比べて、業務の幅が広がり、成果に対する責任も大きくなる傾向にあります。これにより、業務量が増え、結果として残業時間が増加する可能性も否定できません。しかし、これは成長の機会と捉えることもでき、自身のスキルアップやキャリアアップに繋がる可能性も秘めています。
正社員になれば解雇されにくくはなるけど、そこまで給料が割にあっていないと感じる
正社員になれば、派遣社員に比べて解雇されるリスクは大幅に低減されますが、その一方で「給料がそこまで割に合わない」と感じる方もいるかもしれません。特に、派遣で高時給の仕事に就いていた場合、正社員になった直後の給与額に物足りなさを感じる可能性もあります。しかし、正社員は長期的に見て昇給や賞与の機会が多く、雇用形態別(男女計)に賃金をみると、正社員・正職員約34万8,600円に対し、正社員・正職員以外約23万3,100円となっており、正社員の給与の約66%の金額が正社員以外の雇用形態の給与となるというデータがあるように、生涯賃金で大きな差がつく傾向にあります。また、福利厚生の充実度なども含めると、トータルでの待遇は正社員の方が優れているケースが多いです。
参照:「令和6年賃金構造基本統計調査/結果の概況」
正社員だと異動や転勤、配置転換のリスクがある
正社員の働き方に対する不安として、異動や転勤、配置転換のリスクを挙げる方もいるでしょう。派遣社員の場合、契約内容によって勤務地や業務内容が限定されるため、急な異動や転勤は基本的にありません。しかし、正社員になると、会社の経営戦略や事業拡大に伴い、予期せぬ異動や転勤を命じられる可能性があります。これにより、生活環境の変化や人間関係の再構築など、新たなストレスが生じることも考えられます。この点は、正社員のメリットである雇用の安定性と引き換えに受け入れる必要がある側面と言えるかもしれません。
たしかに派遣と正社員だと、働き方の自由度は派遣の方が高い
ただ工夫すれば正社員として働きながら自分好みの働き方を実現できる
確かに派遣社員は、契約内容によって働く時間や場所、業務内容の自由度が高いと感じられるかもしれません。しかし、正社員だからといって必ずしも働き方が窮屈になるわけではありません。近年では、リモートワークやフレックスタイム制の導入、副業容認など、社員の働き方を柔軟にする企業が増えています。これは、「社員が「不足」と感じている企業の割合は51.7%であり、多くの企業に正社員の人材が不足している」という現状も背景にあります。企業側も優秀な人材を確保し、定着させるために、従業員にとって働きやすい環境を整備しようと工夫しているのです。自分好みの働き方を実現するためには、企業選びや転職時の条件交渉が重要になります。
参照:「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)/株式会社 帝国データバンク」
正社員として自分好みの働き方ができる可能性が高くなっている理由
多くの業界、職種で人手不足となっており、従業員に勤続してもらえるような工夫をしている企業も多くある
現在、多くの業界や職種で人手不足が深刻化しており、企業は優秀な人材を確保し、長く勤めてもらうために様々な工夫を凝らしています。特に、人手が不足しているという企業は2020年代前半は60%を超えていたが、2024年10月時点では51.7%であるというデータが示すように、労働市場は求職者にとって有利な状況にあると言えます。これにより、企業側は従業員の定着を図るため、より柔軟な働き方や魅力的な福利厚生を提示する傾向にあります。例えば、育児や介護と両立しやすい制度、スキルアップ支援、キャリアパスの多様化など、従業員のライフステージに合わせた働き方をサポートする動きが活発になっています。
参照:「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査/日本商工会議所」
残業を法的に防ぐ整備が進み、働き方を改善するような動きがある
近年、働き方改革関連法の施行などにより、残業時間の規制が強化され、労働者の働き方を守るための法的な整備が進んでいます。これにより、企業は従業員の長時間労働を抑制し、ワークライフバランスを改善するような動きを加速させています。サービス残業の是正や有給休暇の取得促進など、労働環境の改善に向けた取り組みは、正社員が自分好みの働き方を実現できる可能性を高めています。労働時間に関する意識も変化しており、仕事だけでなくプライベートも充実させたいというニーズに応える企業が増えていると言えるでしょう。
職種選びを工夫することでプライベートを守りつつ、収入アップを目指すことができる
正社員として働く場合でも、職種選びを工夫することでプライベートを確保しつつ、収入アップを目指すことは十分に可能です。例えば、残業が比較的少ない職種や、リモートワークがしやすい職種を選択する、あるいは専門性の高いスキルを身につけて市場価値の高い職種に就くことで、効率的に収入を増やすことができます。転職者のうち20〜34歳の49.7%の賃金が増加しており、その中でも1割以上の増加をしたのは35.8%と、転職によって賃金アップを実現している人も少なくありません。自身のライフスタイルやキャリアプランに合わせて、戦略的に職種を選ぶことが重要です。
参照:「令和5年雇用動向調査 転職入職者の状況/厚生労働省」
派遣の経験のみから正社員転職ができるの?
未経験特化型の転職サービスを使うことで、多くの選択肢を視野にいれることができる
派遣の経験しかなくても、正社員への転職は十分に可能です。特に、業界・職種未経験者を採用する際に重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が87.1%で最多というデータが示すように、多くの企業がポテンシャルを重視して採用活動を行っています。そのため、自身の意欲やポテンシャルを効果的にアピールできれば、未経験の職種や業界でも正社員として採用されるチャンスは広がります。Zキャリアのような未経験特化型の転職サービスを活用すれば、未経験者向けの求人を効率的に見つけることができ、面接対策や履歴書・職務経歴書の添削など、転職活動全般にわたるサポートを受けることができます。これにより、これまで視野になかった多くの選択肢を検討することが可能になります。

参照:「業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは、「人柄・社風との相性」が最多。評価する能力トップは「コミュニケーション能力」/株式会社学情のプレスリリース」
Zキャリアは未経験特化型の転職サービス
Zキャリアは、未経験からの正社員転職に特化した転職サービスです。派遣社員としての経験しかなく、正社員への転職に不安を感じている方でも安心してご利用いただけます。専門のキャリアアドバイザーが、一人ひとりの希望や適性に合わせて最適な求人を紹介し、履歴書や職務経歴書の作成、面接対策まで丁寧にサポートします。Zキャリアを利用した人の所得は、平均約258万円から平均約312万円に増加しており、主に未経験職種への転職で約50万円の年収向上が見られるという実績もあります。未経験からでも着実にキャリアアップを目指したい方は、ぜひZキャリアにご相談ください。