- 入社直前辞退の可否
- 辞退がもたらす影響
- 辞退の伝え方
- 後悔しないための行動
入社直前の辞退はできる?
入社直前の辞退について、多くの方が不安に感じる部分ですが、以下のポイントで解説します。
- 入社直前でも辞退は可能である
- 辞退の意思は早めに伝えよう
各項目について、詳しく見ていきましょう。
入社直前でも辞退は可能である
内定を承諾した後に辞退することは、民法で認められている権利です。法律上、雇用契約が成立した後でも、いつでも解約を申し入れることができます。具体的には、入社の2週間前までに企業に意思表示をすることで、雇用契約を解除できます。(*1)内定承諾後でも辞退できると知っておくと、気持ちに少しゆとりが持てるのではないでしょうか。
辞退の意思は早めに伝えよう
入社直前での辞退は可能ですが、企業に与える影響は大きいため、辞退の意思が固まったらすぐに連絡することが大切です。企業は入社に向けて様々な準備を進めており、辞退の連絡が遅れるほど、その企業にかかる負担は大きくなってしまいます。特に、入社予定日の直前での辞退は、企業に大きな迷惑をかけてしまう可能性が高いです。
入社直前の辞退がもたらす影響
入社直前の辞退は、企業側にも影響を及ぼしますが、自分自身の今後の転職活動にも影響が出る場合があります。具体的にどのような影響があるのか、以下のポイントで解説します。
- 企業からの信頼を失う可能性がある
- 転職活動に影響が出る場合がある
- 損害賠償を請求される可能性は低い
各項目について、詳しく見ていきましょう。
企業からの信頼を失う可能性がある
入社直前に辞退すると、企業は採用活動をやり直す必要があり、時間やコストが無駄になってしまいます。そのため、辞退した企業からの信頼を失うことにつながります。特に、業界が狭い場合や、同じグループ企業の場合、今後のキャリアに影響する可能性もゼロではありません。
転職活動に影響が出る場合がある
一度内定を承諾した後に辞退すると、その情報が選考中の他の企業に伝わることは通常ありません。しかし、短期間での複数回の辞退を繰り返すと、慎重な企業から懸念される可能性はあります。また、もし以前に選考を受けた企業に再度応募する場合、過去の辞退歴が不利に働く可能性もあるので注意が必要です。
損害賠償を請求される可能性は低い
入社直前の辞退で損害賠償を請求されることは、基本的にはありません。企業が損害賠償を請求するためには、辞退によって明確な損害が発生したことを証明する必要があり、そのハードルは非常に高いです。例えば、辞退によって事業が停止したなどの特別な事情がない限り、損害賠償を請求されるケースは稀だと考えて良いでしょう。
入社直前の辞退を伝える具体的な方法
辞退の意思が固まったら、どのように企業に伝えるべきか悩むかもしれません。ここでは、円満に辞退を伝えるための具体的な方法を解説します。
- まずは電話で辞退の意思を伝える
- 辞退理由を正直に丁寧に説明する
- 企業への感謝の気持ちを伝える
各項目について、詳しく見ていきましょう。
まずは電話で辞退の意思を伝える
辞退の連絡は、メールではなく、まずは電話で直接伝えるのがマナーです。電話であれば、誠意が伝わりやすく、企業側も状況を把握しやすいためです。電話で辞退の意思を伝えた後、改めてメールで辞退の旨と電話で伝えた内容を簡潔にまとめて送りましょう。
辞退理由を正直に丁寧に説明する
辞退理由を伝える際は、正直かつ丁寧に説明することが重要です。嘘をついたり、曖昧な表現を使ったりすると、かえって不信感を与えてしまう可能性があります。例えば、「他に志望度の高い企業から内定をいただいたため」「自身の適性を熟考した結果、別の道に進むことを決意したため」など、具体的な理由を伝えましょう。
企業への感謝の気持ちを伝える
辞退の連絡をする際は、選考の機会を与えてくれた企業に対し、感謝の気持ちを伝えることが大切です。たとえ辞退する結果になったとしても、企業の時間を割いてくれたことへの感謝を述べることで、円満な関係を保ちやすくなります。例えば、「貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございます」「ご縁がなかったことは残念ですが、〇〇様には心より感謝申し上げます」といった言葉を添えるようにしましょう。

入社直前の辞退で後悔しないために
入社直前の辞退は、大きな決断です。後悔しない選択をするためには、慎重な検討が必要です。以下のポイントで解説します。
- なぜ辞退したいのかを明確にする
- 他の選択肢と比較検討する
- 信頼できる人に相談してみる
各項目について、詳しく見ていきましょう。
なぜ辞退したいのかを明確にする
辞退を考える場合、その理由を明確にすることが重要です。漠然とした不安や、衝動的な感情で決断してしまうと、後で後悔する可能性があります。例えば、「本当にやりたい仕事ではなかった」「職場の雰囲気が合わないと感じた」など、具体的な理由を書き出すことで、自分の気持ちを整理できます。

他の選択肢と比較検討する
辞退を検討している企業と、現在検討している他の選択肢(別の内定先、転職活動の継続、現職に留まるなど)を冷静に比較検討することが大切です。それぞれのメリット・デメリットを具体的に書き出し、どちらが自分にとってより良い選択なのかを見極めましょう。
信頼できる人に相談してみる
一人で悩まず、家族や友人、学校の先生、または転職エージェントなど、信頼できる人に相談することも有効です。客観的な意見を聞くことで、自分では気づかなかった視点や、新たな解決策が見つかることがあります。特に、転職エージェントは多くの転職事例を知っているため、具体的なアドバイスをもらえるでしょう。
入社直前の辞退、どう伝えるべき?
実際に辞退を決めた場合、どのように伝えれば良いのでしょうか。ここでは、辞退の連絡方法について具体的に解説します。
- 辞退の連絡は自分で行う
- 誠意をもって感謝を伝える
各項目について、詳しく見ていきましょう。
辞退の連絡は自分で行う
辞退の連絡は、必ず自分自身で行うようにしましょう。友人や家族に代理を頼んだり、連絡を無視したりすることは、社会人として失礼にあたります。直接伝えることで、企業への誠意を示すことができます。
誠意をもって感謝を伝える
辞退を伝える際は、選考の機会をいただいたことへの感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。たとえ辞退する結果になったとしても、これまでのやり取りに対して感謝の言葉を述べることで、円満な関係を保ちやすくなります。電話での辞退連絡の後に、感謝の気持ちを込めたメールを送ることも丁寧な対応です。

次の転職活動をスムーズに進めるには
入社直前の辞退後、気持ちを切り替えて次の転職活動をスムーズに進めるためには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。以下のポイントで解説します。
- 失敗から学び次に活かす
- エージェントのサポートを活用する
各項目について、詳しく見ていきましょう。
失敗から学び次に活かす
今回の辞退に至った理由をしっかりと考え、次に活かすことが重要です。例えば、企業研究が不十分だったのか、自分の適性を見誤っていたのかなど、具体的に反省点を洗い出してみましょう。その反省点を次の転職活動に役立てることで、後悔のない選択ができるようになります。
エージェントのサポートを活用する
次の転職活動では、転職エージェントのサポートを活用することを強くおすすめします。エージェントは、企業との間に入って選考の調整や条件交渉をしてくれるだけでなく、非公開求人の紹介や面接対策など、様々なサポートを提供しています。今回の辞退に至った経緯も相談することで、自分に合った企業をより的確に探し出してくれるでしょう。
転職ならZキャリアエージェント
Zキャリアでは、高卒や未経験の若年層の方の就職・転職をサポートしています。もし、入社直前の辞退で悩んでいる場合や、次の転職活動に不安を感じている場合は、ぜひZキャリアのエージェントに相談してみましょう。専門のキャリアアドバイザーが、一人ひとりの状況に合わせて、最適なアドバイスとサポートを提供します。
(*1)2025年12月1日現在の法律や一般的な解釈に基づいて本記事を記載しております。この点においては、民法627条1項は期間の定めのない雇用の解約申入れから2週間で終了とする原則で、必ず『2週間前までに連絡が必要』とは限らず、内定(始期付解約権留保付労働契約)や就業規則・個別合意により扱いが異なる場合もあります。ですので、一概に法律上できるからというのみで動かず、契約を見直すことをお勧めします。一方で、極端にご自身が辛い状況の場合はこれをお勧めしません。