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保育士が薄給なのは当たり前?仕事に見合わない給料と今後の展望

保育士が薄給なのは当たり前?仕事に見合わない給料と今後の展望
公開 2025/11/21
Zキャリア編集部
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Zキャリア編集部は、初めて就職・転職する方々へ、就職活動に役立つ情報を発信しています。具体的な職種や業界に特化した情報提供を心がけ、将来のキャリアを考える上で参考になるような内容をお届けしています。

保育士の給与はなぜ低いの?本記事ではその理由、ハードな業務、逆に働くメリットを多角的に解説します。給与アップの方法、将来性、そして転職を考えた際の具体的なステップまで網羅。国の調査にも触れつつ、納得のキャリアを築くためのヒントと、プロに相談する選択肢も提示します。

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保育士の仕事は、社会の基盤を支える非常に重要な仕事です。一方で、「保育士の仕事は薄給」「給料が低くて当たり前」という言葉を耳にしたことがある人もいるかと思います。やりがいの大きな仕事ではあるものの、ハードな仕事に見合った給料が支払われないという側面もあるかもしれません。この記事では、保育士の仕事が薄給と言われる理由と給料を上げる方法を見ていきましょう。

この記事で分かること

  • なぜ保育士が薄給と言われているのか
  • 保育士のハードな業務内容の実態
  • 保育士をするメリット
  • 保育士の将来性と給料を上げるためにできること
  • 保育士を辞めたいと思ったときにすること

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合わせて読みたい

保育士が薄給と言われる理由

保育士は国家資格を必要とする専門職でありながら、見合った給料がもらえない事実から、薄給と言われることがあります。なぜ薄給と言われるのか背景を見ていきましょう。

  • 公的補助に依存している
  • 保育士の給料を生み出すための利益が出にくい
  • 待遇改善の遅れ
  • ポジションが限られるため、給料が上がらない
  • 保育士の平均年収が高くない

公的補助に依存している

保育園の運営資金は、国や自治体からの補助金でまかなわれる部分があるため、利益をだすのが難しくなります。なぜなら、公的補助金の使い道は厳しく決められており、経営を工夫しても補助金として得たお金を利益として残せないためです。

また、設備投資や広告など、事業を拡大していくために必要な資金を補助金からまかなうのも難しく、事業拡大しにくいことも、資金が増えない要因です。

保育士の給料に対しても、公的補助がありますが、それだけでは保育士の給料を上げていくのは難しいのが現状です。

保育士の給料を生み出すための利益が出にくい

保育園運営の収入源である保育料は、公的補助を受ける場合、自治体が上限を決めているため自由に設定できません。公定価格により、園側は利益を出すのが難しく、自由に使える収益が多くありません。また、保育園運営における支出の約60〜90%と最も大きな割合を占めるのが、人件費です。しかし、子供の命を預かる保育園では、職員の人数が決められており、人員削減するのも難しいため、利益を生み出せず、給料が増やせない状況になっています。

参照:「幼稚園・保育所等の経営実態調査結果/厚生労働省」

待遇改善の遅れ

保育士の給料と労働環境が問題視され、近年保育士の処遇改善を進めていますが、全体の給与を十分に引き上げるには至っていません

給与アップのペースを上げていくには、国や自治体の予算確保が急務となります。

ポジションが限られるため、給料が上がらない

保育士は役職のポジションが限られるため、キャリアアップしていくのが難しい場合があります。勤続年数や研修などの条件を満たしても、役職のポジションの空きが出なければ、昇格するのは難しく、努力が反映されないため、給与に不満を感じる人も多くなります。

保育士の平均年収が高くない

厚生労働省の統計データによると、保育士の平均年収は396.9万円です。一方、国税庁のデータによると、給与所得者の平均年収は460万円とされています。このように、保育士の年収は全体平均と比べて約60万円低い水準にあります。保育士の年収が全体平均より低いという現実は、業界の特性が影響している部分も大きいと言えるでしょう。

参照:「保育士 - 職業詳細 /厚生労働省(2025年3月時点)」

参照:「令和5年分 民間給与実態統計調査/国税庁

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給料が低いと言われる保育士のハードな仕事内容

保育士の給料問題は額面の低さだけではなく、業務内容が給料に見合っていない部分にもあります。保育士のハードな仕事についてみていきましょう。

  • 命を預かる責任の重い仕事
  • 追われる事務作業
  • 体力を必要とする
  • 精神的負担が大きい

命を預かる責任の重い仕事

保育士は、自分で危険を判断できない子供の命を守る大きな責任を負って仕事をしています。事故やケガのリスクを未然に防ぐために、さまざまな注意を払わなくてならなりません。子供を安全に預かるためには、子供に関する専門的知識だけでなく、事故の起こりにくい環境整備、危険予測など保育士に求められる能力は多くあります。常に気を張って子供たちを保育する保育士の仕事は、とても大変な仕事と言えるでしょう。

追われる事務作業

保育士の仕事は、事務作業が多く、忙しい保育の合間や子供たちが帰った後にやる業務が多くあります。日誌をつけたり、次の保育の準備をしたりと保育外の仕事も多く、子供と直接的に関わる部分でない業務に疲れを感じる保育士もいるでしょう。イベント時には、持ち帰りの仕事も増え、業務時間外に仕事をしている人も少なくありません。プライベートと仕事のオンオフが出来なくなるほどの事務作業に、給料と仕事量が割に合わないと感じる場合があります。

体力を必要とする

保育士は、エネルギーあふれる子供と毎日過ごすため、体力の消耗が大きい仕事です。乳児クラスでは、おんぶや抱っこをして過ごす時間も多く、腰痛や腱鞘炎に悩まされる人が多くいます。また、幼児クラスでは、体力のある子供相手に遊んだり、イヤイヤ期の子供のサポートをするのに体力を使います。

保育士は、肉体労働の一面がある割には、給料が安いと感じる人もいるでしょう。

精神的負担が大きい

保育士は、身体的負担だけではなく精神的負担も大きな仕事です。

子供の安全を守らなければならないというプレッシャーに加え、保護者対応などで精神的に疲れを感じる保育士も多くいます。

精神的な負荷を乗り越えた先に、達成感を感じられる目標があったり、実績に反映されたりする場合、耐えられることもありますが、保育士が感じる精神的負担は少し異なります。保護者からの要望も無理難題があったり、子供の安全も守られて当たり前と思われるため、精神的負担の大きさと給与が見合わないと感じる場合もあります。

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保育士のメリット

保育士は薄給だと言われていても、資格を取る人は多くいます。保育士のメリットを見ていきましょう。

  • 求人が多く、仕事に困らない
  • 働き方の選択肢が多い
  • 子供の成長を間近で見守ることができる

求人が多く仕事に困らない

今は共働きの家庭が増え、待機児童が問題になる程、保育園の需要が大きいです。そのため、保育士の求人も多くあり、保育士の資格を持っていれば仕事に就けなくて困るということはありません。募集が多く、就職者が少ない売り手市場の場合、より自分の条件に合う就職先を選べるため、就職においてメリットと言えるでしょう。

働き方の選択肢が多い

保育士は、正社員やパート、アルバイト、保育補助など、自分のライフスタイルに合わせて働き方が選べます。

結婚や出産だけでなく、自分の体調や家族のサポートなど、仕事をする上で身の回りの環境の変化は多くあるでしょう。環境の変化に合わせた働き方ができるのは、保育士として働く1つのメリットとなります。

子供の成長を間近で見守ることができる

保育士はハードな仕事ではありますが、子供の成長を近くで見守ることのできるやりがいのある仕事です。

子供たちの出来なかったことが、できるようになる瞬間に立ち会えるのは保育士の仕事をする上で大きな喜びを感じるときです。

保育士は、未来ある子供たちの成長のサポートに使命感を感じ、成長を見ることに達成感を感じられる魅力的な仕事と言えるでしょう。

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給料を上げるには

保育士の仕事を続けながら給料をあげる方法を見ていきましょう。

  • キャリアアップを目指す
  • 給料が上がる資格を取得する
  • 給料が高いところに転職をする

キャリアアップを目指す

保育士としての経験を積み、副主任保育士や主任保育士を目指すことで、給与をアップさせる方法です。

キャリアアップをすると、給料アップに繋がるだけでなく園全体の運営に携われるため、やりがいも大きくなります。一方で、キャリアアップには一定の実務経験が必要とされており、副主任保育士では5年以上、主任保育士では7〜10年の経験が必要とされています。時間は少しかかりますが、着実にキャリアを築いていきたい場合は、保育士キャリアアップ研修を受けたり、社会福祉主事任用資格など役立つスキルを身に付けたりしながら、キャリアアップを目指していきましょう。

給料が上がる資格を取得する

保育士の資格に加えて、専門性を高める資格を取得すると、給与が上がる可能性があります。例えば、幼稚園教諭の免許を取得すれば、保育園だけでなく認定こども園や幼稚園でも働けるようになり、より給与水準の高い職場を選ぶことができるかもしれません。また、モンテッソーリ教育などの専門資格を取得すれば、独自の教育方針を持つ園や、幼児教育に力を入れている施設で専門性を評価され、給与面で優遇される可能性があります。

児童発達支援管理責任者や特別支援教育士などの資格を取得すると、発達支援や障害児保育に関する専門性を活かせる職場での勤務が可能になり、手当が支給されたり、給与が考慮されたりすることがあります。医療保育専門士の資格を取得すると、医療機関と連携する保育施設での勤務が可能になり、待遇が向上する可能性があります。

ただし、これらの資格を取得しても、現在の勤務先で必ずしも給与が上がるとは限りません。キャリアプランを踏まえた上で、資格取得を検討することが大切です。

給料が高いところに転職する

保育士の仕事は続けていきたいけれど、給料に納得がいかない場合は、転職も検討しましょう。保育園もさまざまな業態があるため、給料や福利厚生はさまざまです。企業が運営をしている企業型保育園は福利厚生が充実している場合が多く、業績によっては給料が高く設定されている場合もあります。

また、働くエリアでも給料の差があるので、勤務地を変えることも選択肢の1つとなるでしょう。

参照:「保育士 - 職業詳細 /厚生労働省(2025年3月時点)」

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保育士の今後

保育士を取り巻く環境は今後どうなっていくか見ていきましょう。

  • 少子化による影響
  • 政府による待遇改善 
  • 業務負担の軽減

少子化による影響

日本は少子高齢化をたどっているため、子供の人数は減少傾向にありますが、共働きをする両親が増えているため、保育園の需要は今後も高いと言われています。一方で、エリアによっては少子化により定員割れする場所も出てくるため、今後働く場所は選んでいく必要があります。

地方での保育園の数が減少した場合でも専門性を身に付けると、活躍の場を広げていけるでしょう。

参考:「保育を取り巻く状況について/厚生労働省」

政府による待遇改善

待機児童問題や人材不足が深刻化した状況から、2013年頃から給与引き上げや労働環境の改善が本格的に取り組まれてきました。

現在も厚生労働省とこども家庭庁は、国のこども政策の方針のもと、保育士の処遇改善に継続して取り組んでいます。 特に、2024年度には、保育士の給与の主な財源となる国の公定価格が、前年度比で10.7%という過去にない大幅な引き上げとなりました。国はこの貴重な増額分が、現場の保育士の給与に確実に反映されるよう各施設に強く促しています。この国の取り組みは、保育士の待遇改善を具体的に前進させる重要な一歩と言えるでしょう。

さらに、人員の配置基準の改善や資格取得支援・復職支援の強化など、さまざまな面から労働環境の改善を引き続き進めていく方針が公表されています。

業務負担の軽減

保育士の仕事の大きな負担になっている、事務作業を軽減するために、こども家庭庁は情報通信技術の活用を進めています。業務負担が減ると、保育士が感じている、給料と仕事量が割に合わないという不満は少なくなっていくでしょう。

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保育士を辞めたいと思った時の対処法 

保育士の仕事を辞めたいと感じた時にすべきことを見ていきましょう。

  • 辞めたい理由を今一度考える
  • 辞めるための準備をする
  • 転職活動をする

辞めたい理由を今一度考える

勢いでやめてしまうと、無職期間が発生したり、後悔に繋がったりする場合があるため、気持ちの整理をするのはとても大切な作業になります。自分の気持ちを整理すると、次にとるべき行動が見えてくるでしょう。保育士の仕事を続けていくのがつらい場合は他の業種への転職をするのが、悩みの解決に繋がるでしょう。また、保育士の給料に納得がいかない場合は、働きながら給与アップを目指した資格の取得を目指したり、キャリアアップをめざして別の園に転職するなど、辞めたい理由によってとるべき行動は変わってきます。

今一度、自分が何に不満を感じ辞めたいと思っているのか考えてみましょう。

辞めるための準備をする

辞める場合はまず、おおよその退職日を決めておきましょう。新学期始めやイベント前など繁忙期に辞めると、残される職員の負担が大きくなるため、時期を考慮して決めることをおすすめします。そして、退職日を決めた際には、退職の意思を早めに上司や園長に伝えると円満退職に繋がります。

転職活動をする

転職活動を成功させるためには、対策が重要です。下記の表は、転職活動において対策を行っていたかを見たものになります。結果、66%の人が何も対策をしていなかったことが分かります。

参照:「令和2年度転職者実態調査の概況/厚生労働省」

この状況の中で、しっかりと対策をすれば、転職活動を有利に進めていくことがでるでしょう。

転職活動では、保育士からの転職実績の多い「Zキャリア」に登録しましょう。「Zキャリア」では、履歴書の添削や面接対策だけでなく、悩みの相談にも乗ってもらえるため、自分の気持ちを整理しながら就職先を決めていくことができます。

納得のいくキャリアを築くために、プロのサポートを受けながら転職活動を行っていきましょう。

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