- 出社強要の違法性やパワハラにあたるケース
- 上司に出社を強要されたときの具体的な対処法
- 状況が悪化するNG行動
- 環境を変えるための円満な退職方法
出社を強要する上司への悩み、あなただけではありません
上司から出社を強要され、理不尽さを感じているのは一人だけではありません。具体的には以下の4つのようなケースで悩むことが多いようです。
- リモートワークへの理解がない
- 精神論や感情論で出社を迫る
- 部下の状況を考慮しない
- 自分の管理がしやすいから出社させる
各項目について、詳しく見ていきましょう。
リモートワークへの理解がない
リモートワークの利便性を全く理解しようとしない上司は、出社を強要する傾向にあります。パソコン一台あればどこでも完結する仕事であっても、「仕事は会社でするものだ」「顔を合わせないと細かいニュアンスが伝わらない」といった固定観念に縛られているのです。
このような上司は、新しい働き方やテクノロジーに対する抵抗感が強い場合があります。チャットやWeb会議で十分なコミュニケーションが取れる状況でも、対面であることに固執し、非効率な出社を求めてくるため、部下は大きなストレスを感じてしまいます。
精神論や感情論で出社を迫る
「みんな出社して頑張っているんだから」「やる気を見せろ」といった、論理的根拠のない精神論や感情論で出社を迫る上司もいます。業務上の必要性を具体的に説明することなく、ただ感情的に出社を求めるのが特徴です。
このようなケースでは、出社すること自体が目的化してしまっています。部下が在宅勤務で高い成果を上げていたとしても、それよりも「会社に来て頑張っている姿」を評価しようとします。個人の成果よりも同調圧力を優先するため、話し合いで解決するのは難しいかもしれません。
部下の状況を考慮しない
家族の介護や自身の体調など、出社が難しい個人的な事情を一切考慮しないのも、問題のある上司の特徴です。部下が正当な理由を伝えても、「それはそれ、これはこれ」「自己管理ができていない」などと一蹴し、一方的に出社を命じます。
このような対応は、部下の心身に大きな負担をかけるだけでなく、信頼関係を著しく損ないます。思いやりに欠ける言動は、単なるわがままではなく、パワハラに該当する可能性も十分に考えられるでしょう。自分の都合だけを押し付ける上司のもとで働き続けるのは、非常に困難です。
自分の管理がしやすいから出社させる
部下を自分の目の届く範囲に置いておきたいという、管理上の都合で出社を強要する上司も少なくありません。リモートワークでは部下が本当に仕事をしているか不安で、常に監視していないと気が済まないのです。
これは部下を信頼していないことの表れであり、マイクロマネジメントの一種と言えます。部下の自主性を尊重せず、成果ではなく行動を管理しようとするため、職場の雰囲気は悪くなり、従業員のモチベーションは低下します。上司自身の不安を解消するために、部下に不要な出社をさせているのです。
なぜ上司は頑なに出社を強要するのか
理不尽に思える出社強要の背景には、上司なりの理由や心理が隠されています。具体的には以下の4つのような理由が考えられます。
- 古い働き方の価値観に縛られている
- チームの一体感は対面でないと生まれないと信じている
- 部下の仕事を直接管理しないと不安を感じる
- 自身がリモートワークのITツールを使いこなせない
各項目について、詳しく見ていきましょう。
古い働き方の価値観に縛られている
上司の世代によっては、「仕事は毎日会社に行ってするもの」という価値観が当たり前だったかもしれません。そのため、リモートワークという新しい働き方を受け入れられず、無意識に拒否反応を示している場合があります。
悪気があるわけではなく、自分が経験してきた成功体験や常識が全てだと考えているのです。そのため、「楽をしている」「サボっている」といった偏見を持ちやすく、部下の働き方や成果を正当に評価できないことがあります。時代の変化に対応できない上司のもとでは、柔軟な働き方を実現するのは難しいでしょう。
チームの一体感は対面でないと生まれないと信じている
「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、対面でのコミュニケーションこそがチームワークの源泉だと固く信じている上司もいます。仕事中の雑談やランチ、飲み会などを通じて信頼関係が生まれると考えているのです。
もちろん、対面のコミュニケーションが有効な場面もあります。ですが、それを過度に重視するあまり、リモートワークのメリットを軽視してしまう傾向があります。オンラインでのコミュニケーション方法を工夫するよりも、安易に全員を出社させることで一体感を生み出そうとするのです。
部下の仕事を直接管理しないと不安を感じる
部下が目の前にいないと、仕事の進捗が分からず不安になるという上司もいます。これは、部下を信頼して仕事を任せることができない、マネジメント能力の問題とも言えるでしょう。
このような上司は、部下の成果物で評価するのではなく、働いている時間や様子で評価しようとします。そのため、リモートワークでは部下の働きぶりが見えず、サボっているのではないかと疑心暗鬼に陥りがちです。結果として、部下を自分の監視下に置くために出社を強要してしまうのです。
自身がリモートワークのITツールを使いこなせない
意外と多いのが、上司自身がチャットツールやWeb会議システムといったITツールに苦手意識を持っているケースです。自分がうまく使えないため、部下にも使わせたがらず、結果的に昔ながらの対面での業務を強要します。
部下にとっては便利なツールでも、上司にとっては未知の脅威に感じられるのかもしれません。新しいことを学ぶのを面倒に感じたり、部下に使い方を聞くのがプライドが許さなかったりすることで、組織全体の生産性を下げてしまっているのです。

上司による出社の強要は違法になる?
「出社したくない」と伝えているのに、上司がしつこく出社を求めてくる場合、それは違法やパワハラにならないのでしょうか。判断のポイントは以下の4点です。
- 正当な理由がなければ違法の可能性がある
- 雇用契約書の内容が判断基準になる
- 威圧的な言動はパワハラに該当しうる
- 就業規則でリモートワークが認められているかが重要になる
各項目について、詳しく解説していきます。
正当な理由がなければ違法の可能性がある
「みんなが出社しているから」といった曖昧な理由ではなく、業務を遂行する上で出社が不可欠であるという正当な理由がなければ、出社強要は違法と判断される可能性があります。これは「業務命令権の乱用」にあたる可能性があるからです。
例えば、どうしても会社にある専用の機械を使わなければならない、対面での顧客対応が必須である、といった場合は正当な理由と認められやすいでしょう。ですが、個人のパソコンで完結する業務に対して、合理的な説明なく出社を強いることは許されません。
雇用契約書の内容が判断基準になる
入社時に交わした雇用契約書に勤務場所がどのように記載されているかも、重要な判断基準の一つです。契約書に「勤務場所は本社とする」といった具体的な記載がある場合、会社は従業員にその場所での勤務を命じる権利があります。
ですが、契約書に記載があっても、その後の会社の就業規則の変更でリモートワークが正式に制度として導入された場合は、状況が変わります。また、社会情勢などに応じて、会社側が柔軟な対応をすべきとされるケースもあります。契約書が全てではない、ということも覚えておきましょう。
威圧的な言動はパワハラに該当しうる
出社を強要する際の上司の言動が威圧的であったり、人格を否定したりする場合は、パワーハラスメント(パワハラ)に該当する可能性が非常に高いです。
「出社しないなら評価を下げるぞ」「言うことが聞けないなら辞めてしまえ」といった発言は、業務の適正な範囲を明らかに超えた精神的な攻撃です。また、他の従業員の前で執拗に叱責したり、無視したりする行為もパワハラとみなされます。出社するかどうか以前に、このような言動自体が問題となります。
就業規則でリモートワークが認められているかが重要になる
会社の就業規則(会社のルールブック)でリモートワークが正式な制度として認められているかは、非常に重要なポイントです。もし制度として確立されているのであれば、上司が個人的な感情や都合でそれを妨げることは、原則として認められません。
就業規則は、会社と従業員の間の重要な約束事です。そのルールを上司が無視して出社を強要する場合、それは正当な業務命令とは言えません。まずは自社の就業規則を確認し、リモートワークに関する規定がどうなっているかを把握することが大切です。
出社を強要された時に試したい具体的な対処法
上司から理不尽な出社強要をされたとき、感情的に反発するだけでは解決しません。冷静に、段階を踏んで対応することが重要です。ここでは、具体的な4つのステップを紹介します。
- まずは冷静に出社の必要性を質問する
- 強要された日時や言動を具体的に記録する
- 社内のコンプライアンス窓口に相談する
- 労働組合や外部の専門機関に頼る
各項目について、詳しく見ていきましょう。
まずは冷静に出社の必要性を質問する
まずは感情的にならず、「どのような業務のために出社が必要なのでしょうか」と冷静に理由を確認しましょう。相手を問い詰めるような口調ではなく、純粋に業務上の必要性を確認するという姿勢が大切です。
もしかしたら、自分が把握していないだけで、本当に出社が必要な業務があるのかもしれません。ここで上司が明確な理由を説明できないのであれば、それは不当な強要である可能性が高まります。この最初の対話が、その後の対応の起点となります。
強要された日時や言動を具体的に記録する
もし上司の要求が理不尽だと感じたら、客観的な証拠としてやり取りを記録に残しましょう。いつ、どこで、誰に、何を言われたのか、どのような状況だったのかを、できるだけ具体的にメモしておくことが重要です。
例えば、「○月○日、午後2時のチームミーティングで、部長から『やる気がないなら出社しろ』と大声で言われた」といった形です。メールやチャットでのやり取りは、スクリーンショットなどで保存しておくと良いでしょう。これらの記録は、後々第三者に相談する際に、状況を正確に伝えるための強力な証拠となります。

社内のコンプライアンス窓口に相談する
直属の上司との話し合いで解決しない場合は、人事部やコンプライアンス相談窓口といった社内の第三者に相談することを検討しましょう。多くの会社では、従業員が安心して働けるように、こうした相談窓口を設置しています。
相談する際は、前述の記録を持っていくと話がスムーズに進みます。感情的に不満をぶつけるのではなく、「就業規則ではリモートワークが可能とされているのに、上司から合理的な理由なく出社を強要されて困っている」というように、事実を客観的に伝えることが大切です。
労働組合や外部の専門機関に頼る
社内の窓口に相談しても状況が改善しない、または相談すること自体が難しい場合は、社外の専門機関に助けを求めるという選択肢もあります。
会社の労働組合に加入している場合は、まずは組合に相談してみましょう。また、各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」では、専門の相談員が無料で相談に乗ってくれます。法的な問題が絡む場合は、弁護士に相談することも一つの手です。一人で抱え込まず、外部の力を借りる勇気も必要です。
事態を悪化させる可能性のあるNG行動
出社強要に対して、良かれと思って取った行動が、かえって自分の立場を悪くしてしまうこともあります。ここでは、避けるべき3つのNG行動を紹介します。
- 無断欠勤する
- 上司と感情的に言い争う
- 勢いで退職届を提出してしまう
各項目について、詳しく見ていきましょう。
無断欠勤する
上司の指示に納得できないからといって、連絡もせずに無断で会社を休むのは絶対にやめましょう。これは就業規則違反とみなされ、懲戒処分の対象となる可能性があります。
たとえ上司の指示が理不尽であったとしても、無断欠勤という行動は自分の非となってしまいます。これでは、本来主張できるはずだった正当性も失われかねません。休む場合は、必ず所定の手続きに従って連絡を入れるようにしてください。自分の身を守るためにも、社会人としてのルールを守ることが重要です。
上司と感情的に言い争う
腹が立つ気持ちは分かりますが、上司と感情的に言い争うのは得策ではありません。ヒートアップして相手を罵倒したり、攻撃的な態度を取ったりすると、問題の本質から話がずれてしまいます。
「口答えした」「態度が悪かった」など、相手に攻撃の口実を与えてしまい、かえって立場が悪くなる可能性があります。あくまで冷静に、論理的に話を進めることを心がけましょう。もし感情的になりそうだと感じたら、その場は一旦引いて、時間をおいてから話し合うのが賢明です。
勢いで退職届を提出してしまう
「もうこんな会社辞めてやる!」とカッとなって退職届を提出してしまうのは最も避けたい行動です。一時的な感情で重大な決断を下すと、後で後悔する可能性が非常に高いです。
退職は、自分のキャリアにとって非常に大きなイベントです。次の仕事が決まっていない状況で辞めてしまうと、経済的に不安定になったり、焦って希望しない会社に転職してしまったりするリスクがあります。まずは冷静になって、本当に今の会社を辞めるべきなのか、他に解決策はないのかをじっくり考える時間が必要です。
どうしても改善しないなら環境を変える選択肢も
あらゆる手を尽くしても状況が改善しない場合、無理にその会社に留まり続ける必要はありません。自分自身を守るために、環境を変えるという選択も非常に有効です。
- ストレスの原因から物理的に離れる
- 自分の希望する働き方ができる会社を探す
- 気持ちを切り替えて新しいキャリアを築く
- 我慢し続けるより心身の健康を優先する
各項目について、詳しく解説していきます。
ストレスの原因から物理的に離れる
毎日続く上司からのプレッシャーは、知らず知らずのうちに心と体を蝕んでいきます。心身の健康を守ることが何よりも大切です。どうしても状況が変わらないのであれば、ストレスの原因である職場から物理的に離れることが最善の策となる場合があります。
我慢を重ねた結果、うつ病などの精神的な不調に陥ってしまっては、元も子もありません。自分の心と体が「もう限界だ」とサインを送っているのなら、それを無視しないであげてください。退職や転職は、逃げではなく、自分を守るための戦略的な選択です。
自分の希望する働き方ができる会社を探す
世の中には、リモートワークを積極的に導入し、それが文化として根付いている企業もたくさんあります。今の会社が全てではありません。出社を強要するような会社ではなく、個人の裁量や自主性を尊重してくれる会社に転職すれば、ストレスなくのびのびと働けるはずです。
転職活動を通じて、様々な会社の働き方や文化を知ることは、自分の視野を広げる良い機会にもなります。自分の価値観に合った、本当に働きやすい環境を探してみましょう。

気持ちを切り替えて新しいキャリアを築く
理不尽な上司がいる会社を辞めることは、ネガティブな出来事ではなく、新しいキャリアを築くための前向きな一歩と捉えることができます。今回の経験をバネにして、次はもっと自分らしく働ける場所を見つければ良いのです。
嫌な環境で働き続けることは、貴重な時間を無駄にしているとも言えます。その時間とエネルギーを、新しいスキルを学んだり、自分のキャリアプランを考えたりすることに使った方が、将来的にはるかに有益です。気持ちを切り替えて、未来に目を向けましょう。
我慢し続けるより心身の健康を優先する
最終的に一番大切なのは、自分自身を大切にするという決断です。会社はあなたの人生の全てではありません。仕事のために心や体を壊してしまっては、幸せな人生を送ることはできません。
「石の上にも三年」ということわざがありますが、理不尽な環境でただ耐え忍ぶことが美徳ではありません。今の時代、自分に合わない環境から離れ、より良い場所を求めることは当たり前の権利です。我慢の限界が来る前に、勇気を出して一歩を踏み出しましょう。
まとめ:一人で抱え込まず専門家に相談しよう
ここまで、出社を強要する上司への対処法について解説してきました。最後に、重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 出社強要には冷静かつ段階的な対応を心がける
- どうしても辛いなら転職も有力な選択肢
- Zキャリアのエージェントに相談してみる
各項目について、詳しく見ていきましょう。
出社強要には冷静かつ段階的な対応を心がける
上司から理不尽な出社強要を受けた際は、感情的にならず、まずは冷静に状況を整理することが大切です。その上で、出社の必要性を確認したり、やり取りを記録したりと、段階を踏んで対応を進めていきましょう。
いきなり退職を考えるのではなく、社内の相談窓口や外部の専門機関を頼るなど、解決のためにできることはたくさんあります。一つずつ試していくことで、道が開けるかもしれません。
どうしても辛いなら転職も有力な選択肢
様々な手を尽くしても状況が改善されず、心身ともに辛いと感じるなら、我慢し続ける必要は全くありません。その環境から離れ、新しい職場を探す「転職」は、自分を守るための非常に有効で前向きな選択肢です。
あなたを正当に評価し、あなたの望む働き方を尊重してくれる会社は必ずあります。今の会社に固執せず、視野を広げて新しい可能性を探してみましょう。
Zキャリアのエージェントに相談してみる
もし、上司との関係や今の働き方に限界を感じ、転職を少しでも考えているなら、一人で抱え込まずに転職のプロに相談してみませんか?Zキャリアでは、ノンデスクワーカーや若年層の転職に強く、一人ひとりの希望に寄り添った丁寧なサポートを無料で提供しています。
リモートワークが可能な求人の紹介はもちろん、面接対策や書類の添削まで、あなたの新しい一歩を力強く応援します。まずはキャリアエージェントに話を聞いてもらうことから、新しい未来を始めてみましょう。